2015年12月30日水曜日

12月26~29日 茶臼・上河内岳(冬季合宿2班)

日時:12月26日(土)~12月29日(火)
メンバー:若月,高田(食料),杉山
行程:
26日 静岡駅→白樺壮→畑薙大吊橋→ウソッコ沢小屋
27日 ウソッコ沢小屋→横窪沢小屋→茶臼小屋→茶臼岳ピストン
28日 茶臼小屋→上河内岳→茶臼小屋→横窪沢小屋
29日 横窪沢小屋→畑薙大吊橋→白樺荘→静岡駅
記録:
1日目
静岡駅からバスを乗り継ぎ白樺壮へ。
 白樺壮から畑薙大吊橋へは林道歩き。

畑薙大吊橋からは登山道がはじまる。

白樺荘で食事をし、出発。

畑薙大吊橋、ウソッコ沢小屋どちら側から来てもヤレヤレと一息つきたくなる。

名前が印象的なヤレヤレ峠でひと休み。
 今日の宿泊は無人小屋、ウソッコ沢小屋。

近くの沢で遊んで、気象通報を取って、就寝。



2日目

ウソッコ沢小屋からは急登が続く。

バカをやりながらも順調に標高を上げる。 
木にヒジテツを食らう若月。
横窪沢小屋に到着。

水呑み場手前辺りから雪が出てきた。

トレースあり。

トレースは標高を上げると次第に薄くなった。

夏道の気配を感じ取り、尾根を外れて茶臼小屋へトラバース。
小屋手前で樹林帯を抜け、不意に視界が開ける。

白銀の別世界。

きれいな雪原に足跡を残しながら茶臼小屋へ。


小屋に到着。2階から冬季解放のスペースに入る。

ミルクティーをすすり、荷物を整え茶臼岳に出発。

ここから夏道よりも明らかに茶臼岳側に逸れた薄いトレースが樹林帯の中へ延びていた。

先行パーティが谷状の地形を行く夏道の雪崩の危険性を考慮したのか、強風をしのぐため樹林帯の中を選んだのかは分からない。

3人で話し合い、自分たちは夏道をたどることを決めた。
 稜線への登り。
稜線に到着。

茶臼岳側へと左折する。

ここから茶臼岳までの間は非常に風が強かった。

とっさに何度か耐風姿勢をとる。

茶臼岳山頂を見上げ、風下側の斜面に入ると途端に風の影響が小さくなった。



山頂直下。
はしゃぐ高田。


 
無事登頂。

山頂も風は強かった。

少しゆっくりして下山。


茶臼小屋から茶臼岳まで。短い区間だったが、
若月:行きにサングラスを風で吹っ飛ばされる(無事回収)
杉山:下山中どこかにアイゼンを残置(無事回収) 
高田:下りで後続をぶっちぎり、駆けてゆく・・・(回収不能)
と、1年生パーティは素人っぷりを大いに発揮した。
若月は手袋を固定しない状態で、写真撮影アイゼンのために着脱を繰り返していた。サングラスは運よく回収出来たが、飛ばした物次第では行動不能に追い込まれる。
杉山はアイゼンが足に付いていないことに気付いたとき、
先行する高田に声をかけるも距離が遠く意思疎通が行えなかった。
これはパーティ分解の危険へとつながる。
小屋に着いて夕食を食べながら以上の点について話し合い、気を引き締めた。
 この日の夕食はスキヤキ。
写真を撮り忘れたのは痛恨の極み。
具はキャベツ・豆腐・生肉(牛・豚)と充実し、これまでで最もぜいたくな山の食事となった。
お腹いっぱい食べて、就寝。

3日目


 
朝。

シュラフから出られず、予定より少し遅れて出発。

再び稜線へ。

今度は右折して上河内岳を目指す。


 
ワカンに履き替える。

ほぼ無風。

ラッセルしながら先へ進む。

昨日と同じく風が強いところと弱いところの差が激しい。

今度は寒風にあおられ、竹内門のすき間に退散。

ここで再びアイゼンに履き替え行動食をかじる。

目指す尾根は写真左。

準備を整え、最後の登りへ。


 
無事登頂。

撮影者の影は御愛嬌。

大迫力の聖岳に迎えられ、登頂の喜びを分かち合う。

今回のハイライト。

上河内岳までの雪を自分たちでかきわけた充実感に浸る。

この日は横窪沢小屋まで下り、冬季解放のスペースに宿泊。



この日横窪沢小屋に宿泊したのは自分たちだけ。

夕食はお肉たっぷりのトマト鍋。

昨日に続き、これも美味しかった。



山の話に花を咲かせ、就寝。



3日目

順調に下山。

途中、登ってくる人と何回かすれ違った。

ヤレヤレ峠を超え、高田が畑薙大吊橋を走って渡る。

橋が揺れて困る杉山。




この後は林道歩き。

途中、沼平で下山届を提出した。



白樺壮に到着するも、この日はまさかの定休日。

温泉はもうダメかと諦めかけたが施設の人と話すと、なんと特別に入れてくれるとのこと。

白樺壮の皆さん、本当にありがとうございました。
まとめ:
今回は天候にも恵まれ、雪山入門として最高の山行になった。
得た教訓をしっかりと次の山行に生かしたいと思う。(若月)

数々のアクシデントに遭遇し、短い区間・容易と言われるルートであっても気を緩めてはいけないと思った。風は強かったものの冬晴れの青空の下、楽しい山行を遂行できたことに感謝。(高田)


冬山の入門的なルートで、天候にも恵まれた山行であった。経験の少ない自分にとってちょうどいい山行だったと思う。(杉山)


(文:若月)

2015年12月21日月曜日

12月18~20日 黒法師岳~丸盆岳~鹿ノ平


日時:2015年12月18日(金)~12月20日(日)メンバー:若月,高田

行程:18日:静岡=磐田=林道ゲート=小屋
    19日:小屋=黒法師岳=丸盆岳=鎌崩=鎌崩岳=鹿ノ平
    20日:鹿ノ平=不動岳登山口=林道ゲート=水窪ダム=浜松

記録:
18日は腰を負傷中の小林先輩が黒法師岳に続く林道ゲートまで送ってくださった。
本当に感謝である。静岡から4時間。


ゲートから数十分行ったところに中小屋。途中、鹿が目の前に急斜面から降りてきたりと
獣を常に感じながらの心細い林道歩き。そしてゲートからてくてく歩くこと1時間半で
今夜の宿、日蔭沢作業小屋。とても綺麗な小屋だった。


朝寒くて目が覚めると、天気が最高。小屋から登山口は遠くない、途中何か所かで
水が湧いていたのでたっぷり汲んでクライムオン。
途中どこかの名前と似たヤレヤレ平とか弁当ころがしとかふざけた名前の標識なんかが出てきたり。
尾根に出たところに荷物をデポして、黒法師岳へ。
ちょこちょこ雪があるが歩行には全く問題なし。笹がよく滑る。
途中バラ谷方向を見る(写真)。すごくいい感じ。こっちも行ってみたいなぁ。


デポ地点から30分で黒法師岳ピーク。黒法師と言えばこれ。×印の三角点。
うーん。なんとも。


デポしたところで今回の山行唯一の人と会う。東京から来たそうな。
デポした荷物を持ち今日の核心部鎌崩へ。
そしたら途中に最高にお気に入りの場所を見つけてしまいました。
「カモシカ平」。ノーマークの場所でしたが本当に天国みたいな場所。


丸盆岳を過ぎると、鎌崩の手前にも崩壊地があるが下りを慎重に行けば直登できる。
写真はさすがの鎌崩。色々観察して色々言い合って、結局は情報通り東側斜面を降りて
みるしかなさそう。この斜面の下りも悪く緊張する。
何とか渡れるところを見つけて鎌崩を通過するのに要した時間は結局約2時間。
鎌崩岳という地形図にはない名称のピークを通過すると鹿ノ平まであと少し。
鎌崩岳を少し降りたところに翌日の下山に使う分岐があったがこの日は
全く気が付かなかった。


あこがれの地鹿ノ平に着いて直ぐに薪を集め、夕陽の絶景を見つつ火を起こす。
乾燥しているから楽に起こせるかと思っていたら、意外に湿っており火起こし師の若月も
苦労する。夕飯はタイカレー。若月が持ってきたさつまいもで焼き芋。
これが本当にうまかった。


朝起きると、ガスと霜が降りて真っ白な世界に変わっていた。
ここまでの行程に満足した二人は帰路に。
今日の核心は30km近い林道歩き。歌ったり踊ったり?しながら20kmを過ぎたあたりのところで
浜松が実家の高田カーと遭遇。
快適な山行であった。

まとめ:
二日とも天気に恵まれ、快適な山行であった。
新歓でカモシカ平キャンプなんかはどうだろうかとか若月と話した。

(文:高田)

2015年11月9日月曜日

2015年11月5日~8日 深南部 大無間山~大根沢山

日時:2015年11月5日(木)~11月8日(日)

メンバー:CL:高田、SL:若月

行程:
11月5日:<天気>曇り
1540静岡=1700横手=1930田代―1935てしゃまんくの里
11月6日:<天気>晴れ
0530てしゃまんくの里―0900市営小無間小屋―1010鋸歯―1105小無間山―1325大無間山
11月7日:<天気>晴れのち曇り
0630大無間山―0740三方嶺―0900アザミ沢のコル―1110大根沢山―2112m三角点―2030白樺荘―2200てしゃまんくの里
11月8日:<天気>雨
0630てしゃまんくの里―0700田代=1115静岡

記録:
空が抜けるように高く青い。
バスが一日2往復の都合で時間的に若月に少し無理をさせてしまったが無事乗車。
横手で最大7人乗りのマイクロバスに乗り換え。
運賃に関するハプニングも乗り合わせた田代の方の助けで何とかなる。
明るい運転手と田代の住人と楽しく喋っているうちに4時間のバス旅も終わり、
本日の宿てしゃまんくの里へ到着。テント設営後、登山口の下見を行う。





















てしゃまんくの里にて


6日:昨日下見した道を辿り、登山口へ。登山口の水場で7Lの水を補給。
諏訪神社の境内を突っ切るわけだが、ここが薄気味悪い。突っ切ると一度車道が横切り、
本格的に登りが始まる。小無間小屋まで急登が続くが、天気よく空気もひんやりとしている為、
気持ちよく登る。小無間小屋で休憩をとる。小屋内を見ると、荷物がデポしてあり
他の登山者がいることを知る。
















小無間小屋


小無間小屋を過ぎると、尾根は痩せはじめ鋸歯に着く。
鋸歯は崩壊が進み、山と高原地図ではそもそも2015年度地図より道が削除された。
のように事前情報によりびびっていた鋸歯であったが、登りに関しては慎重に通過すれば
問題はなかった。確かにナイフリッジ状であり、落ちるとアウトな為念のために
簡易ハーネスでトラロープにセルフを取った。
しかし、支点となっている木がそもそも崩れかけていること、トラロープが尾根より微妙に
南側を通っており、場合によってはセルフを取ることにより南側に引かれる形となる等、
危ない場合があるかもしれない。
(山と高原地図 聖・赤石エリアの監修者は大無間山登山路として小無間山北東尾根の利用を薦めている。)

















鋸歯


















しかし展望がよい。富士山


小無間山、中無間山と途中いくつかのピークを越え、13時半前には大無間山へ到着。
樹林に覆われ展望はないが落ち着いた良い雰囲気。テントを設営し、焚火の準備をするが
まだ時間が早いので昔の地図に水場として載っており、現在は崩壊により使用できないとされる
水場の調査に向かった。大無間山から風イラズ方面へ5分ほど向かい、谷を30分ほど下ると
確かに水の流れはあったが貯めるのはかなり大変そうであった。
今回は晩秋であり、一番水量の少ない時期であったが、他の時期はどうなのか気になった。






















この谷を下った


また部分的に凍結しており、暖冬とはいえ冬が着実に近づいていることを感じた。
水場調査を終えると、薄暗くなりはじめたので焚火を始めた。乾燥しており、よく燃えた。
ウインナーを焼いたり、プリンを作ったり21時過ぎまで焚火を二人で囲んだ。





















焚火を囲むと話も弾む。これからの部活なんかについても話す。


7日:この先は道標もない、コースタイムもわからない、バリエーションの世界だ。
自分がやりたかった山歩きの仕方でもあり、テンションが上がる。しかし、私が昨日来た方向を
真逆に勘違いしたため、とんでもない方向に進みはじめてしまった。5分程度で気づき、
正しい道に戻ったが地図コンパスでの確認を怠っていけないのはもちろん、前日中に
翌日の道を簡単にでも調査しておくべきことを学んだ。





















三隅池・三方嶺間にて。笹薮が続く。

大無間山までとは違い、
笹が生い茂っており三隅池周辺では何頭もの鹿が姿を現したり、ヌタ場があちこちにあるなど
野生の楽園に足を踏み入れている体感があった。三方嶺で北方面の尾根に乗り尾根伝いに
進む。ガレの縁を通過する箇所が何か所かあるが、そんな場所は決まって展望がよく
楽しい尾根歩きだ。






















アザミ沢コル・三方嶺間の登り。






















ガレ縁からの展望


地図で見ても分かる通り、今日の目的地大根沢山は
秘境秘峰といっていいほど山深く、見える山々の名前は分からないが山に包まれている
幸せを感じた。
アザミ沢のコルで荷物をデポし、谷を10分ほど下ると水場がある。
こちらは大無間山南の元水場とは違い、一分ほどかければ500mlは溜まる。

アザミ沢コル






















水場

水をたっぷり補給し、再び歩き始める。大根沢山はだだ広い山頂で展望は全くない。
ここから信濃俣、光と繋げる山行も妄想しながら今回は大根沢山東尾根経由で白樺荘へと下る。
















アザミ沢コル・大根沢山間。本当に山に包まれた場所です。






































非常になだらかな山頂。

予定では2112m三角点付近で幕営の予定だったが今日中に降りれそうなので
2112m三角点を通過。この三角点より南東方面の尾根に乗り換え、明神谷林道へ向かう。
この尾根は踏み跡薄く、テープ、マーカーも少なくなる。
事件は1903m地点と1737m地点の間で起きた。このエリアはクマが出るということは
事前に知っていたので、笛をたまに吹くようにしていた。その地点で私が笛を吹いたとき、
谷のほうでガサガサと音が聞こえ、そちらを見ると小熊が三頭自分たちの行き先と同じ方向へ
向かっていった。驚き2人で立ち止まり、少し様子を伺う。檻に入っていないクマを見るのは
初めてだった。ここで話し合い、念のため武器としてお互いナイフを手にし歩くことに。
数十m進み丘を登り切る手前に大きな熊がいた。その距離は5mほど。
こちらをじっと見つめすぐに谷へ降りて行ったが本当に怖かった。
その後は笛をピーピー鳴らしながら明神谷林道下降点近くまで下った。
ここに落ち葉でフカフカの平坦地を見つけ、幕営することに。焚火の準備をし、
翌日のバスの時間を確認すると、午前中の便は白樺荘より南の田代辺りからしか乗れない
ことが判明し、今日中に田代まで降りることに。しかし、焚火大好き若月が焚火を
したいと言うこと、焚火の準備を完璧にしてしまったことから焚火だけしてから降りることに。
これがまたクライマックスを飾るのに見事な焚火だった。焚火の始末をし、白樺荘へ下る。
白樺荘の明かりが獣の目に見えたり見えなかったり。白樺荘でさっぱりし、
施設の方と話しているとご厚意で田代まで送ってくださることに。本当にありがとうございます。
てしゃまんくの里で幕営し、翌日朝のバスで静岡へ帰還。

まとめ:
若月がずっと行きたかった大無間山、そして私も行ってみたかった深南部、バリエーションルート。お互いの欲求を満たす充実感の残る山行だった。
熊たちとは仲良く共存したい。

(文:髙田)

2013年6月2日日曜日

2012年5月31~2日 小川山クライミング

行動概要

5月31日 廻り目平キャンプ場着、幕営
6月1日 藐姑射岩に移動 稲光(5.9)登攀 見かけの5.4(5.8)登攀 秋のささやき(5.9+)登攀 カモシカサイドロックに移動 発熱の街角(5.10b)登攀
6月2日 親指岩に移動 小川山レイバック(5.9+)登攀 妹岩に移動 愛情物語(5.8)登攀 マラ岩に移動 ホリデー(5.9+)登攀 川上小唄(5.8)登攀 姉岩に移動 センター試験(5.8)登攀 卒業試験(5.10b)登攀 
メンバー

峯尾、田中、小林、山本

クラックを登る技術を磨くために小川山に向かった。
text:峯尾,photos:峯尾

6月1日 天候:晴れ後曇り
稲光 見かけの5.4 秋のささやき 発熱の街角
6月2日 天候:曇り後雨
小川山レイバック 愛情物語 ホリデー 川上小唄







感想
小林、山本はクラックを登ることに少しは慣れたようだ。これからもガンガン登りましょう。

2013年5月19日日曜日

2013年5月17~19日 小川山・湯川クライミング

行動概要

5月17日 静岡発 廻り目平駐車場着
5月18日 駐車場発 屋根岩3峰着 南稜神奈川ルート(5.8)登攀 JMCCルート(5.9)登攀 兄岩へ移動 八王子ルート1P目(5.9)登攀、マガジン(5.10a)継続登攀 金太郎(5.9)登攀  八王子ルート(5.7)2P目登攀 駐車場に移動
5月19日 湯川に移動 サイコキネシス(5.10c)敗退 台湾坊主(5.9)登攀 台湾坊主右のクラック登攀 デゲンナー(5.8)登攀
メンバー

峯尾、田中

マルチピッチクライミングのロープワークの確認とカムやナッツのセット技術を磨くために小川山に行った。2日間小川山で登る予定だったが、19日は湯川に移動した。
text:峯尾,photos:峯尾

5月17日、18日 天候:快晴
17日の夜に静岡を出発して、18日の午前1時頃に廻り目平の駐車場に到着した。この日はマルチピッチの南稜神奈川ルートを登る予定で、朝早く出発したかったので、テントを張りさっさと寝た。 4時ごろに起きて、朝食を食べ、装備を分けて屋根岩3峰に向かった。



3峰に着くと、正面に顕著な凹角が見えた。南稜神奈川ルートの取り付きだと断定し、準備をして登り始めた。



以降各ピッチの感想。

1P目

田中リード。このピッチは中間部からクラックの幅が広くなるので、大きめのカムを持っていくと安心だろう。また、中間部にはボルトが1本あった。凹角を抜けた所にある灌木でピッチを切った。

2P目

峯尾リード。下半分は灌木伝いに、壁を廻り込むようにして登り、途中からクラックを登った。クラックに移る所で態勢がレイバック気味になり、体も露出するので怖さを感じた。 その先のクラックも傾斜はないが支点をとりにくく若干怖かった。ハンガーボルトのビレイ点でピッチを切った。

3P目

田中リード。このピッチの出だしはワイドクラック(チムニー?)で下部にはハンガーボルトが1本打ってあった。ボルトの後はクラックを抜けるまでプロテクションはとれず、リードだと結構怖いと思う。 ワイドクラックを抜けると一段上がった所にフレーク状のクラックが現れた。これを登り、3峰の稜線に抜けた。



稜線の先には岩塔?があるが、出だしのスラブにはボルトが無く、スラブを巻くラインも支点が取れなさそうに見えたので、向かって右の、稜線から一段下がった所にある、 木にかかった残置スリングを使い懸垂下降することにした。斜面下方に向かって左に見えるルンゼを2P懸垂下降し、3峰の基部に着いた。以下、この日登ったルートの感想。

JMCCルート(5.9)

最初のボルトが遠く、そこに辿りつくまでが怖かった。

八王子ルート1P目(5.9)

Sunday(5.9)だと思って取り付いたルート。きれいなコーナークラックからテラスにあがり、その奥のコーナークラックへと続く。奥のコーナークラックの取り付きの巨大な浮石には触れない方がいい。

マガジン(5.10a)

八王子ルート1P目を登ると正面に現れる、きれいなコーナークラック。終了点からの見晴らしは最高。

金太郎(5.9)

短いコーナークラック。フェイスムーブで登れる。

八王子ルート2P目(5.7)

ハンドジャムがよく決まって楽しかった。

5月19日 天候:曇り後雨
この日は湯川に移動した。取り付いたルートの感想。

サイコキネシス(5.10c?)

オフセットした、きれいなクラック。見た感じで登れそうだったので取り付いたが出だしで敗退した。次回は登りたい。

台湾坊主(5.9)

コーナークラック。田中のみ取り付いた。上部は人工で登っていた。

台湾坊主右のクラック(グレード不明)

百岩場には載っていないが、終了点があった。ムーブが面白かった。

デゲンナー(5.8)

グレードは高くないが、上部はシンハンドサイズで緊張した。ジャミングの練習にはいいと思う。

感想
田中は、ロープワークは勿論、カムのセットもうまく出来ていた(ナッツは使わなかった)。クライミングの足さばきに関しては自分よりもうまいと感じた。頼もしい奴だ。
南稜神奈川ルートで、自分たちは稜線に達した後下降したが、その先の岩塔も登ることができ、頂上に立てるそうだ。機会があれば、今度は頂上に立ちましょう。





2013年5月6日月曜日

2013年5月2~6日 白馬三山

行動概要

5月2日 xx:xx静岡発 xx:xx栂池高原第2駐車場着
5月3日 3:30起床 6:00駐車場発 6:30尾根末端着 13:00天狗原着 15:15白馬大池着
5月4日 3:00起床 5:00白馬大池発 9:15白馬岳山頂着 9:30白馬山荘着
5月5日 2:30起床 4:50白馬山荘発 5:40杓子岳山頂着 6:40鑓ヶ岳山頂着 14:00栂池自然園着
5月6日 3:00起床 5:00~8:30栂池自然園で雪上訓練
メンバー

峯尾(CL)、蓮見(SL)、小林

雪を求めて北アルプスは白馬に向かった。
text:峯尾,photos:峯尾

5月2日 天候:不明
静岡の部室で共同装備の分配、パッキングをして白馬の猿倉に向かった。途中、現地の雪の状態が気になったので、携帯電話で白馬山荘のHPを見た。 そこには、大雪渓の通行自粛要請の書き込みがあった。猿倉から大雪渓を登るつもりだったが、予定を変更して栂池高原から登ることにした。栂池高原の第2駐車場で幕営した。

5月3日 天候:曇り後晴れ
この日は、しらかば駅の手前から、ゴンドラリフトの真下の尾根を登る予定で駐車場を出発した。しかし、実際には、蓮見の提案で、谷を挟んで北東にある尾根をスキー場の斜面から登った。

尾根の下部は藪こぎで、雪が出始めてからはアイゼンを着けて藪をよけながら進んだ。天狗原に抜ける最後の急登の上部には、 水平方向の割れ目(シュルンド?)があり、そこを登ると雪崩が起きそうだった。雪は締まっていたので、そこ以外は雪崩れる可能性は低いと判断し、割れ目を大きく左から巻きつつ急登を抜けた。 後で分かったことだが、この尾根の上部は雷鳥の生息区域で立ち入り禁止となっていた。天狗原、乗鞍を順調に通過し、白馬大池のテント村で幕営。


5月4日 天候:晴れ後曇り
この日は白馬山荘近くにテントを張り、白馬鑓ヶ岳を往復する予定でテント村を出発した。出だしから風が強く、ときどき耐風姿勢をとりながら進んだ。 途中、自分の地図が飛ばされたが、予備の地図を持っていたのでなんとかなった。また、小林もオーバーグローブを飛ばされたので、彼が持っていたゴム手袋で代用した。 白馬岳に近づくにつれて、視界も悪くなってきたが、引き返すほどではないと思ったので、予定通り前進した。山頂で写真を撮った後、白馬山荘まで下った。


山荘に着いた時点では、蓮見と小林は少し疲れているようだったが、自分にはこの日の内に鑓ヶ岳を往復する気持ちがあった。 しかし、自分もテントの設営で疲れ、しかも相変わらず天候は悪く、また翌日の天候の良いことが分かっていたので、鑓ヶ岳の往復は次の日に先延ばしして、テント内でのんびりした。

5月5日 天候:快晴
まだ、薄暗いうちからテントを出た。空には雲ひとつなく、風もほとんどない。まさに登山日和であることが感じられた。すぐ近くに杓子岳と鑓ヶ岳が見えた。

必要な装備だけ持ち出発。頂上宿舎では数パーティがテントを張っていた。白馬山荘にテントサイトは無いので、本来は自分たちもここにテントを張るべきだったろう。 (自分たちは山荘の主人にテントを張る許可を得たが・・・。)杓子岳直下の急登ではジグザグに傾斜を殺しながら登った。

杓子岳から下り、コルから振り返ると、山頂から東側に伸びるかっこいい岩稜が見えた。 登高欲が湧いた。また、鑓ヶ岳からも東側に大きな尾根が伸びていた。これも登りたくなった。鑓ヶ岳山頂からは往路が見渡せた。また、南にはこの先に続く後立山の稜線が見えた。「この先に行きたい。」 と言う小林を頼もしく感じた。

白馬山荘に戻る途中、まだ日が当っていない杓子岳の斜面をトラバースしたが、サラサラの雪が足元から崩れおちる箇所があり、雪崩やしないかとビクビクした。山荘に残していた装備を片付け、 栂池高原へ向けて下山を開始した。天候が良すぎて、暑かったので、3人とも上着を脱いだ。最後は持っていた水も無くなり、脱水症状になった。栂池自然園に到着し、 翌日の早朝に雪上訓練をしてから下山することにし、テントを張った。



5月6日 天候:晴れ後曇り
栂池自然園の斜面でロープワークの練習をしてからゴンドラリフトで下山した。

総括
今回、2箇所ほど雪崩そうな場所を通過したが、雪崩に巻き込まれた時の為に、ビーコンは必要だと感じた。雪崩に遭わないための知識や技術についても深める必要がある。 また、遠くから見た大雪渓はいつ雪崩れてもおかしくはないように感じられた。特に登りではあまり使いたくはない。
オーバー手袋は今回のように紛失した場合などに備えて最低2組は持つべきだろう。(ゴム手袋だと風は防げるが、蒸れる。)なにより、装備をなくさないように行動する習慣をつけるべきである。