26日:停滞
27日:2580地点ー2633地点ー農鳥岳ー西農鳥岳ー農鳥小屋
28日:農鳥小屋ー間ノ岳ー中白根山ー北岳山荘
1日:北岳山荘ー北岳ー八本歯ノコルーボーコン沢ノ頭ー池山小屋ーあるき沢橋登山口ー奈良田
2日:奈良田=静岡
記録:
なんとも大きな計画を立ててくれました。あの蓮容さんが4年時にやった白根に(少し距離は短いが)挑戦することになった。もちろん自分たちに実力も考え、予備日も多めで少し行程も短めとはしたが。
25日:晴
行きの送りを有間にお願いし、5時半に奈良田発電所に。
爆睡をかました男4人を無事に送り届けてくれた。
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ザックはパンパン |
朝の6時発を目標としていたが、5時半発となった。今日の行程もどのくらいかかるか分からないので早いに越したことは無い。ヘッテンを着け歩き出す。
大唐松尾根への取り付きは大門沢と同じところから始まる。
目印?となるお地蔵さんを過ぎてから斜面を上がっていくと鉄パイプの手すりがある巡視路にあたる。ここから先30分程度はこの巡視路で標高を稼ぐ。
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久しぶりのヘッテン行動 |
6時を過ぎたころからあたりも明るくなった。
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同期に借りた100Lザック |
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こう見えて滑りやすかった |
巡視路から先は普通の登山道。尾根にのるまでで少しざれている箇所はあったが、尾根にのってからは特段悪い箇所も無く、順調に進んでいく。
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すごく頼りになるSL |
1704を過ぎてからはちらほら雪も見え始め、なんなら土が硬く凍っている場所もあった。アイゼンを履きたいような雨池山まで行きたいようななんて考えながら進んでいった。
そしてプチハプニング
雨池山手前の最後の登りでれいみが滑った。落ちたとかでは無いが、ザックの重さもあり動き出すまでに四苦八苦。諦めてアイゼンを付けることに。斜面なので個人で分かれて装着。
かと思ったら少し上に登っていった梅田のところで何やら不穏な物音が...
聞けばザックを落としかけたとのこと...
うん。良かった。未遂で。
ここで敗退になったら流石に悲しい。
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プチ現場です |
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気付けば一面雪景色 |
アイゼン装着したら滑るなんてことも無いので順調に。
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最初のピーク |
雨池山通過後は傾斜が緩くなることもあり、快適に歩いてく。
大唐松は少し記録が少なかったので、ラッセルも覚悟していたのだが...
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!?!? |
あれ!
まさかのトレースがあった。
感謝しながら歩いて行く。
そして何やら不穏な気配を感じる...ああ、キレイな農鳥岳がみえ、その手前に立ちはだかる大きな大きな大唐松山。
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え、でかくない... |
今日あれ登るのマジですか?
今回の山行、久しぶりに上級生だけなのである。しかも2年生3人で3年生は1人。そのうち2人は梅田&堀という体力お化けコンビもいる。自分が体力的に迷惑をかける恐れもあるという久しぶりの緊張感?を行く前も山行中も感じていた。
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みんな体力あるよねぇ |
2346までで一度ワカンを付けたが、2346通過後は足場が狭くなって岩場も出てきたのでアイゼンだけに。
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間ノ岳が |
大唐松手前の最後の急登からは明日以降歩く農鳥-間ノ岳の稜線が。こういうの見ちゃうとテンション上がるよね。
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そしてラスボス感ある大唐松 |
ここの登りは本当に急だった。地図上では大唐松は目と鼻の先なのだがとても時間がかかった。雪壁と見まがうような急な登りもあり、アイゼンの前爪とピッケルを突き刺し慎重に登る箇所があった。
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こーんな急登や |
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悪い登りが |
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ヘトヘトになった先で |
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富士山がお出迎え |
ここまではみちが狭かったり、ナイフリッジみたいな箇所もあり、歩行に気を遣った。また、木が生い茂っていてザックや外付けを引っ張られ苦労した。
元気な2名とちょい疲れ気味の2名。誰がどっちかは想像にお任せします。
結局1時間以上を費やし13時過ぎに大唐松山に到着
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農鳥をバックに |
当初の予定よりは早く着いたので少しの休憩の後、さらに先を目指す。
明日荒天で停滞も視野に入れていたので、行けるなら行っておいた方が良いという結論に。
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後はもう |
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いいねー |
目の前には笹山ー間ノ岳までのキレイな稜線。左見ても右見てもキレイな大きい尾根が伸びている。そんな景色を堪能しながら、笹山の冬も行ってみたいねーなどと話しながら、今日のテン場を目指す。
...あれ
長くない?
2580のピークまで2時間かかった。
ここを本日の幕営地とする!
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梅田に頼んだら梅田一人分の雪を持ってきてくれた |
今回は、雪から水を作ることを前提にガスを多めに持った。堀のジェットボイルを使いドンドンと雪を作っていく。
水作りで、堀が素晴らしい仕事をしてくれた。複数のペットボトルを操り、自分の体温で雪をドンドン水に替えていく。シュラフの中で温め、朝の食事の際に役立った。
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ペンネ(少ないと騒ぐ輩が... |
26日:曇
事前に分かっていたが、案の定悪天候。歩けないとまでは行かないが、稜線は歩きたくないぐらいの風が吹いている。おとなしく停滞を決めこみ二度寝をきめこむ。
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こうみえて朝ご飯後 |
一度お腹が空いて朝食を食べたが、特にやることも無く。
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何度目かの寝 |
その後は起きて暖かいものを口にし、談笑。
午前中は風が強く、時折雪が降ってくる天気だった。午後になると天気が落ち着き、行動できそうなくらいの天気になった。
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なんか楽しそうだよね |
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大富豪 |
午後はひたすら大富豪。
起きて風の音がしなかった。
これは!!
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期待が持てるね |
外で準備をしていて、だんだんと明るくなる空や周囲の景色に胸が高ぶりっぱなしだった。
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富士山も |
6時出発
2633通過後は雪壁となっているらしいのでまずはその取り付きを目指す。
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うわぁぁぁぁぁ! |
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快感 |
2633までの道中は素晴らしかった。
稜線のモルゲンロートを見ながら尾根を上がっていく。
自分の経験の中でもトップクラスの絶景だった。
そして、見えてきました。
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ここを登ります |
事前の下調べでも上がっていた、稜線にでるまでの急登。
想像とは裏腹に、ズボズボのラッセルが待っていた。ひどくても膝までではあったが
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登りしか見えない |
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イェイ
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みんなでラッセルを回しながら登っていく。左側に寄りすぎたらおちるかもな~などと思いつつ、木や岩に注意しながら進む。
風が強く、しっかりクラストしている箇所に入ってからは先達のトレースもかすかに残っていて、参考になった。
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個人的お気に入りの1枚 |
尾根を登り切り、最後の稜線にでる部分。
ここは岩が露出していて注意が必要だった。
もしここで滑落しようもんなら...岩をつかんで慎重に稜線にでる。
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白いところを歩いてきた |
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快晴ですね! |
稜線にでてからはあっという間。
9時半に農鳥岳到着
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パシャリ |
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あぁ~やっとみれた |
個人的な話だが、これで南アルプス制覇となる。今年の夏にも南アを光岳から鳳凰まで繋げたが、白根三山は間ノ岳しか取れなかった。まさか最後が農鳥岳で、まさか冬に来ることになるとは思わなかったが...。
農鳥岳から西農鳥岳まで40分程度だった。
稜線部は雪が飛ばされていてほぼ夏道だった。アイゼンを削りながら進む。
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パシャリ2 |
西農鳥岳通過後、農鳥小屋までの下りは危険箇所が。
間ノ岳方面から農鳥岳を目指す人の記録では、雪壁のトラバースか岩場の稜線かを選択を迫られるらしい。気をつけて進んだが、西農鳥岳からは夏道に従って進んだため、トラバースの方にでた。
怖かったのだが、OBさんによくアルパインに連れて行ってもらっているれいみ&堀は素早く下っていく。やはり、かなりレベルアップしていると感じた。
梅田と2人で慎重に行きました。
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問題の箇所です |
ここを過ぎたら農鳥小屋まであと少し。
赤い屋根がよく映えていた。
11時過ぎ、農鳥小屋到着。
想像よりも早く雪壁を通過でき、早く着いた。
北岳山荘を目指しても良かったが、まだまだ天気が良い日が続くので急がないことに。
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農鳥小屋 |
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今日の宿は雪の中に埋まってます |
冬期小屋をお借りする。
掘り起こし、中に。小屋の中でテントを張り、終了。
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個人個人で選んだ食料withチーズ |
有名な?農鳥小屋に泊まれて良かった。
衝撃的な青空トイレもなかなか快適だった。
のんびりして、夕日見て、就寝。
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明日も良い天気になりますように! |
28日:曇
天気図でみると天気は良さそうだが、てんくらさんの予報だと午後からCに。うーん。理由を考えたが、はっきりとは分からなかった。
今日は農鳥小屋から北岳山荘までと短めの日。悪くなっても小屋には付けていると考え6時過ぎに発。
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東の空は明るかった |
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お世話になりました |
昨日の晴天に比べたら悪天候。冬山の天気としてはまあまあといったところだろうか。昨日が良すぎた。
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雪はあまりなかった |
今日のメインは間ノ岳までの登り。そこさえ行ってしまえばその後に登りはほとんど無い。
快調に飛ばしていく2人、必死に食らいつく上級生、いろいろと考え、悩み、頑張るCL。
間ノ岳までの登りのルーファイは少し課題が残った。
堀がドンドン登っていくのだが、少し悪いところを直登し後続が落石の怖さを感じヒヤヒヤしていた。ペースや場所選びはもう少し余裕を持って行いたい。
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北岳も見えてきました |
稜線上は日の出以降ドンドンと風が強くなってきた。歩けないほどでは無いが皮膚がでている箇所はピリピリとし、冬山の厳しさを感じつつ進んでいく。景色もあまり見えず、耐えの時間だった。
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日本第3位 |
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雲の中には仙丈が |
到着後は到着後は多少の上下を繰り返しながら進む。
稜線右側の雪があるところを歩くかと思ったがあまり良くなく、夏道と同じところを歩いた。歩きにくいとかは無かったが、時節出てくる凍結した箇所や岩場でアイゼンに注意しながら歩く。もしアイゼンを引っかけでもしたら爆速下山(命の保証は無い)をしてしまう。油断はできない。
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顔が見えなくなっていくのが冬山 |
中白根からは今日のホテル北岳山荘、明日のメイン北岳、難所(予想)の八本歯のコルが一望できた。特に八本歯のコルの荒れ具合がよく見え、明日への楽しみと不安がせめぎ合っていた。
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冬山らしい1枚かな |
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参ります |
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ホテル北岳山荘 |
9時に北岳山荘に到着。行動終了にはかなり早い気もするが、荒天予報もあるのでおとなしく行動終了。事前情報では入口が凍っていて入れないかも...なんて不安材料があったが、ちゃんと中に入れ、キレイな室内でのんびりできた。
流石に時間が余りすぎ、雑談&第2回大富豪大会開幕。水作り隊隊長の堀も頑張ってくれてた。
暇なこともあってか、とてつもなくくだらない話をしたような気がするが、気にしないでおこう。恋愛とクライミングはウンヌンカンヌン。まーあれだ。こいつらは本物だ。
気付けば外は一面真っ白、風も強く荒れ模様。
トイレに出た後輩が言うには「トイレ行くのに耐風姿勢が必要です!!」
こんな日に外にいなくて良かったー。てんくらさんの的中ぶりに驚きつつ、これも天気図から読み取れるようにならないとと感じた。
1日:晴
天気の確認をしに外に出る
うん、静かだ。勝った!
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iPhoneのナイトモードで |
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夜景もくっきり |
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そして朝焼け |
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ホテルです |
朝の6時に山荘発
気持ちが良い。この山行で1番の天気をここで引き当てた。誰か分からないが日頃の行いに感謝。
360°どこを見ても素晴らしい。堪能しながら北岳を目指す。
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昨日見えなかった仙丈もくっきりと |
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歩いてきた稜線 |
景色は良いが、そんな甘くは無い。もはやおなじみだが、爆速で飛ばす2人。
あの2人はちゃんと景色を堪能してんのかな~と話しながらついて行く。
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近づくとちゃんと絶望を与えてくれる登り |
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今日も今日とて元気な2人 |
分岐につき、アタックザックに装備を詰め込み、ザックを固定して行く。
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ちゃんとしんどい |
途中、悩ましい箇所があった。
夏道はトラバースして上に行くのだが、雪壁状態でトラバースは少し怖い。かといって、直登は岩が露出してたり、雪が浅かったりでアイゼンでは少し嫌な感じかも。話し合いの結果、直登に。前爪で蹴り込んで登る。
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ここ |
急な箇所を乗り越えたら後は緩やかにピークハントするだけ。
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これも冬山の良さが伝わる気がする |
7時に北岳到着。
夏道と変わらないコースタイムだった。
無事にこれた喜びと、言葉にできない絶景をしばし堪能する。風もまったく吹いておらず、3,000mの冬山にいるとは思えないほど穏やかな時間が流れる。
見えてる範囲で、塩見岳から鳳凰三山まで北岳を半周まわったのが分かる。
こうやって見るとやっぱ長いなって思いつつ、繋げた稜線を別のところから見るのも長期縦走の楽しみだなと感じた。
名残惜しいが下山開始。
まだまだ難所はあるので慎重に。
行きに悩んだところは帰りはトラバースでおりました。
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気が抜けない |
荷物を回収し、先を目指す。
見えてきたのが八本歯のコル。
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見るからに悪い |
一歩ずつ慎重に行く。
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上から見ても怖いよね |
道も細く、少しでも踏み外したら爆速下山の可能性が。先達のトレースが救いに。
ここが登りでまだ良かったと感じたが、行けない範囲でも無いのかも、とも感じた。
冬山はやはり天気によるところが大きい。
難所を抜け小休止。
昨日まで本当に2月だったのか疑うほど暖かく、なんなら暑いぐらいだった。気の早いこの男はすでに半袖だった。
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ぽかぽか |
コルを過ぎたあたりで女性とすれ違った。
こん山行初めての出会いである。ソロで冬山か。お強い。
ドンドン標高を下げていく。景色が良いだけにすごく名残惜しく、もう1泊ぐらいしていきたい気持ちになった。蓮容さんが白根でもう1泊した理由が分かる。
夏道ペースを巻く勢いで下っていく。
こっから写真も一気に減っており、ただただ無心で下っていたのを思い出す。
相変わらずの速度で進んでいくが、早く下山できることに対し何も言うことがないので、足をひたすら動かす。
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こんな顔もしたくなるよね |
なかなか急な下りが続いており、池山から北岳を目指すにはここを登るのか...と。
大唐松尾根もなかなかだったが。こっちもあまり気が乗らないなぁと。
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下りで良かった |
10時半に池山小屋に到着。
夏道ペースを30分以上巻いての到着だ。
事前の予定ではここ泊も検討していたが、おりきることに。
お迎えはどうしても2日のため、降りて帰れるわけでも無いが...
奈良田で1泊するか~
あ、水が無い→地上で買うのはしゃくに障る
そして始まる水作り。
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ピクニック |
必要な水を確保し、下山再開。
コースタイムの半分で進んでいく。
最後の下りはあまり良くなかった。道は細いししっかりと凍ってる。
少しでも気を抜いたら滑ってしまいそうで、楽々下山とは行かなかった。
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気を抜けない |
途中何度か梅田がすっころぶというハプニングもあったが、大きな怪我が無く無事に下山。
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下山完了 |
そして始まります林道歩き。12㎞。
長い。しんどい。しんどい。長い。
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ほんとに一休み |
1㎞のトンネルはちゃんと怖かった。ポジティブに捉えたら夏はこんなとこ歩けない。とても貴重な機会だ。意味も無くトンネルの壁を触ってみたりもした。
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一休み |
林道歩き。冬靴。雪山フル装備。12㎞。二度とやりたくない。
休憩したいが一度泊まると、動き出しの足が鈍る。
時折ある看板の表記が減るのが待ち遠しい。
後輩に聞いたら、無心で歩いていたそう。
せっかく作った水を、まるでこのためだったとでも言わんばかりに消費していく。
発電所到着。ここからスタートしたから周回達成。
...
え...
奈良田まであと30分ですか...
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ボロボロの背中 |
そんなこんなで奈良田到着。
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炭酸が染みるぜ!!!!!!!! |
結局自販機でジュースを爆買いし、愛すべき笹山登山口を最後の宿とした。
2日
迎えの有間がとても頑張ってくれ(朝の4時過ぎにでてくれたらしい)、7時にお迎えに。ありがとう。
足裏がみんな痛く、登山靴を諦めテントシューズで帰るアホも。
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タイヤの人みたいなの |
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差し入れも😭 |
まとめ:
菅原
冬季白根三山は蓮容さんの記録を読んでからずっと頭の中にあって来年冬の目標にしようかなと思っていたのだけど、真達さんや青木さんの後押しもあり堀君の今年行っちゃわねってことで今年最後の挑戦にすることに。天候や自分の体力とラッセル度合いによって大唐松尾根が何日かかるか分からなかったので5泊6日の贅沢日程で計画。梅田堀なら天候抜きにすれば2泊3日で出来たのかもしないが、自分の体力で言えば3泊以上はマストだったので計画でカバーした部分は評価していいのかなと。
クリスマスに4日ほど八ヶ岳にこもったり、真達さんに特訓をお願いしてみたり個人的には今年の冬山は意識的に力を入れたことが今回(堀君のバカ早いペースに何度も文句も入れながらも)完遂出来た要因にもなっていると思っている。特にアイゼンをつけた状態での岩稜帯の歩き方や手足を1歩ずつ確実に決める感覚はかなり良くなっているように感じた。
堀がいなかったら完遂出来たのだろうか、自分に行く資格があったのだろうかと悩む時間も山行中多かったがそんな事ばかり考えていてはソロ山行に帰着してしまうだけなので考えるのをやめた。ついて行くだけでCLとしての仕事は計画書作るぐらいしかほぼしてないし、ラッセル変わったのも一瞬だけであったが、そのためにパーティーを組んで行くわけだし、少なくとも共装は今回山行中に他の人に自分の分を持ってもらったりはしてないので下手に自己評価を下げるのは辞めたいものである。
モチベーションがあっても知識があっても技術があっても体力の前には無力である(自分が大唐松尾根で息を切らしてる間梅田から出てきた言葉は「寝みぃ」であった)ことを5日間分からされ続けた。なんなら途中は景色を振り返らせる余裕すら与えられずコースタイムだけしか見てない前の奴らに着いていくことに楽しくないとも思った。それでもピークは取りたいと欲するものでその葛藤含めてパーティで登るってことなのだと思う。鬱憤と感謝が半分半分の山行も随分と面白いものであると終わってからなら言える。
長々とまとまりのない感想となったがとりあえず無事完遂出来た事はこの2年間の成果または集大成と言って差し支えないように思う。この同期たちとこれからもどんな山行が組めるか楽しみである。
堀
本来であれば笹山方向に行く予定であったが、僕が北に行きたくねwなどと言ったおかげで白峰三山を最高の状態で登ることができた。鬼ラッセルを期待していたがトレースがあり期待外れだったが。。
登る前普段は9割9分ワクワクの感情だが、今回はワクワクと不安、緊張のブレンド。初めて緊張感を持って山に臨んだと思う。そのせいでお酒を持っていっていたが、明日の行動に支障をきたしては申し訳ないという感情が湧いてお酒を飲まなかった。今回最大の反省である。お酒は飲むためにある!
SLとしての反省は少しパーティーが離れすぎてしまった事。稜線上はつい楽しくなっちゃうので次からは気をつけたい。
増田
無事に行って帰って来ることができ、素晴らしい景色を堪能でき、今回の山行は非常に満足がいくものだった。行く前は今までの山よりも危険箇所が多く、冬山で最長の計画だったため不安を感じる部分が多かった。不安もあったが、今回の計画は自分の行ける山のレベルを広げられることにもつながるなと、楽しみな気持ちやモチベがかなりあるスタートだった。いざ始まり結果を見れば、好天に恵まれ順調に進み、大成功と言える結果だったと感じる。成功の要因は6日間のうち5日が晴れ、風も弱かったことがやはりあるだろう。冬山は天気によってかなり難易度が変わるので、今回行けたから次も絶対に行けるとはならないが、予備日を多めにとって良い天気を狙う感じなら目指せるレベルと感じた。
今回のような長期の登山を通して、当たり前のことを当たり前にやること、その重要さを随所で感じた。特にアイゼンワークは岩場の歩行から前爪を効かせる部分、雪壁のような場所をピッケルも用いながら上下する箇所まであり、難しいことは無いが確実性が求められた。後ろからついて行くことが多かったが、少しは自分も冬山に足を踏み入れることが許されるようになったかなと考えたりしていた。それと同時にやはり2年は強い代だなと感じた。計画を立て実行してくれた菅原、技術・体力ともにズバズバ抜けてる堀、体力お馬鹿の梅田、ちらほらちらほら。今回は3年1人となり上級生としていられたとは思わないが、ちゃんと付いていくことができて少しほっとしたのも事実。来年度の体制になって、どんな部活になっていくのかとても楽しみに感じた。
梅田
coming soon
(文:増田)