メンバー : 菅原、中村
行程 :
テン場(6:50)~烏帽子岩左稜線取り付き(7:30)~登攀開始(7:40)~登攀終了,下山開始(17:00)
記録 :
GWにクライミングしに小川山に行くことになり、2日目にマルチに行くことになった。小川山にはたくさんのマルチがあるが、蓮容さんお勧めの烏帽子岩左稜線に挑戦することにした。烏帽子岩左稜線は18pでとても長く、プロテクションもほとんどNPで取るので、マルチの中でもアルパインに近いルートだ。ちなみにこの日は、僕ら以外にも他の先輩たちが「ガマルート」や「春のもどり雪」に取り付いていた。
4日
起床は6時。前日の夜は1時くらいまで起きていたので眠い。ギアを選定してパッキングしながらラーメンも食べて、7時前にはテン場を出発する。今日は渡渉で岩を飛んで濡れずに渡ることができた。途中で道に迷うも修正して、40分で取り付きに到着。ちょうど1p目を登っていくパーティーが見えた。
地上とはしばしの別れ
1p目 20m 5.7 : ルンぜを登る
菅原さんリード。 砂混じりで朝イチだったこともあり、結構怖かった。
2p目 20m 5.7 : 少しフェースを登り、トラバースして、またフェースを登る
菅原さんリード。1p目の終了点に先行パーティーがいたこともあり、ロープの関係上で菅原さんが連続でリードした。トラバースで結構怖そうにしていて、自分も怖かった。
3p目 20m 5.6 : ダブルクラックを5mほど登り、トラバースする
中村リード。カムがバチ効きするところがあり嬉しかったが、回収が大変だったと言われた。このあたりから風がかなり強くて、上着を着ていてもかなり寒かった。先行が詰まっていて、10分ほど休憩した。
本日最初の中村リード
4p目 30m 5.8 : 寝ているフェースを登り、岩頭に出る
前半菅原さんリード、後半中村リード。先行パーティーが登るのを待っていたが、横のラインでも行けそうとなり、菅原さんがルートの右のラインからの突破を試みるが、残り5mのところで黄色ロープがスタックする。その場で一度ピッチを切り、中村が黄色ロープを回収しながら赤ロープでフォローする。そこから残りを中村がリードした。途中、気が付かずに浮石にカムを決めてしまって、その岩を持ったら動いてカムが取れた。手で叩いて先に確かめるべきだった。終了点に着くととても風が強く、5mしかないのにほとんど会話できないほどだった。セカンドビレイをするときに焦りすぎて、一回セルフを外してしまった。
5p目 30m 5.4 : 岩稜を歩く
菅原さんリード。気持ちのいい岩稜歩きだった。たまにふらつくくらいの風が吹くのでゆっくり歩いた。
露出感が高い
6p目 40m 5.4 : 岩を乗り越えながら岩稜を歩く
中村リード。木々が生えた稜線を歩いた。最後に簡単なボルダーがあったがプロテクションは取らずに終了点まで歩いた。フォロー時はボディービレイで時間を短縮した。
7p目 30m 5.5 : フェースを登る
菅原さんリード。木々に囲まれたフェースを登った。
8p目 30m 5.5 : 階段状のフェースを登り、残置ハーケンがあるフェースを登る
中村リード。2つ目のフェースに時間がかかった。ホールドが遠くてあまりガバが無かったので難しかった。また、カムが入るところがほとんどなくて、残置ハーケンで落ちたくなかったので怖かった。5.5らしいが5.9はあっていいと思った。
8p目終了点より
9p目 30m 5.7 : 3mほどのチムニーを横から抜け、岩頭を左からトラバースする。
菅原さんリード。菅原さんが間違えて岩頭を直登してしまう。幸いボルトがあったようで、それでビレイをしながら中村がトラバースをする。トラバース後に、残置でロアーダウンした。
トラバースは壁が前傾していて難しかった。
10p目 30m 5.6 : 両側が切れ落ちたナイフリッジを歩き、岩稜を登る
前半菅原さんリード、後半中村リード。ナイフリッジはとても気持ちよかった。先行パーティーが何故か途中でピッチを切っていたので仕方なくピッチを切る。そこから中村がリードした。終了点は、ピナクル2つで作成した。
面白い地形
11p目 35m 5.5 : 少し下って、クラックの基部まで登る
菅原さんリード。いつもの登山道のように歩く。風でロープが木に引っかかって大変だった。
12p目 40m 5.7 : 10mほどのハンドクラックを登り、少し登る
中村リード。クラックはちょうどテラスから外れたところにあり、真下は完全に切れ落ちていた。下が怖くてリードしたくなかったが代わってくれないので、仕方なくリードする。ため息をついていたら1つ前のピッチから「ガンバー」と応援されたのでとても元気が出た。とりあえずテラスからクラックに寄りかかって1p目を取ってから登り始める。途中でパンプして落ちそうになったが、気合で登り切った。マントルにはガバカチがあった。嬉しくて大騒ぎしていたら後ろのパーティーからナイスが飛んできた。しばらく歩いてピッチを切った。ロープがめちゃくちゃ重かった。次のピッチが歩きだったのでもっと早めに切ってもよかったなと思った。
まじで怖かった
13p目 50m 歩き : 懸垂下降の支点まで歩いて下る
懸垂下降の地点に着くと先行パーティーの最後の人が下降しようとしていた。ロープを捌いていたが、ふと懸垂下降をしている人のロープを見ると何故かビレイ器と環付きが付いていた。そしてその人は素手で下降しようとしていた。大慌てで声をかけるとすぐに戻ってきてハーネスにセットして下降していった。下は崖だったので間に合ってよかったと思うと同時に、自分もデバイスの確認を気を付けようと思った。
14p目 20m 下降 : リッジを懸垂下降する
下がリッジなので振られないように慎重に降りた。支点の木が枯れていてグラグラしていたので怖かった。
15p目 35m 5.5 : 階段状のチムニーを登る
中村リード。クラックの側面にある小さなクラックでプロテクションを取りながら登っていった。セカンドビレイをするときにバックアップを取らずに残置2つでビレイしてしまった。
16p目 15m 下降 : 5mほど懸垂下降し、歩く
最初に降りた中村が懸垂下降の途中で終わったと思いロープを外してしまったがクライムダウンで降りた。
17p目 35m 5.7 : 5mほどのワイドクラックを登りフェースを登る
菅原さんリード。プロテクションが取りづらく、ホールドも悪かった。体を押しつけたりして、何とか登る。後半も悪かった。
18p目 15m 5.8 : チムニーを登る
この時点で4時半で時間がなく、落ちずに登れる自信も両者ともなかったので、ぺたぺた触って敗退することにした。思っていたよりもデカかった。
挟まって記念撮影
帰りは17p目を懸垂下降して、斜面を適当に下って登山道に復帰してテン場まで帰った。
まとめ :
今回は3回目のマルチでマルチでリードするのは初めてだったので緊張した。ピッチ数がとても多く普通のマルチと違って別の面白さがあった。プロテクションの取り方やビレイのシステム、他にもシングルピッチでは出てこないようなことがいろいろあって勉強になった。総合力を試されるようなマルチだった。特に菅原さんに比べて支点の構築やセカンドビレイの準備が遅いのでたくさん経験を積んで早くできるようにしたいと思った。あと、距離や風の影響で声が聞こえないという場面が何回かあった。今回は臨機応変に対応して何とかなったが、事前に合図を決めておいてもいいかもしれないと思った。特にビレイ解除、ロープいっぱい、登ってくださいは必要だと感じた。今回、18p目ができなかったのは自信がなかったのもあったが、時間が足りないということもあった。先行パーティーが1pごとに毎回切っていたし毎回待っていたので遅くなってしまっていた。一度に2pくらいつなげて登れていたら十分に余裕をもって18p目に取り付けていただろう。次に来るときにはもっと早く取り付くかあまり人いないときに取り付きたい。そして18p目を登れるように練習しておきたい。
今回は3回目のマルチでマルチでリードするのは初めてだったので緊張した。ピッチ数がとても多く普通のマルチと違って別の面白さがあった。プロテクションの取り方やビレイのシステム、他にもシングルピッチでは出てこないようなことがいろいろあって勉強になった。総合力を試されるようなマルチだった。特に菅原さんに比べて支点の構築やセカンドビレイの準備が遅いのでたくさん経験を積んで早くできるようにしたいと思った。あと、距離や風の影響で声が聞こえないという場面が何回かあった。今回は臨機応変に対応して何とかなったが、事前に合図を決めておいてもいいかもしれないと思った。特にビレイ解除、ロープいっぱい、登ってくださいは必要だと感じた。今回、18p目ができなかったのは自信がなかったのもあったが、時間が足りないということもあった。先行パーティーが1pごとに毎回切っていたし毎回待っていたので遅くなってしまっていた。一度に2pくらいつなげて登れていたら十分に余裕をもって18p目に取り付けていただろう。次に来るときにはもっと早く取り付くかあまり人いないときに取り付きたい。そして18p目を登れるように練習しておきたい。
(文 : 中村)