2019年12月25日水曜日

2019/12/25~28  鳳凰三山(冬季合宿)





日時:12月25日(水)~12月27日(金)

メンバー:CL市川、SL宮下、中川、森、中嶌、蓮容、大井(コーチ)

行程: 25日 静岡(3:00)=芦安(6:30)(7:00)~夜叉神の森(9:00)~夜叉
        神峠(10:15)~杖立峠(11:30)~苺平(14:15)~南御室小屋(15:30)

26日 南御室小屋(7:00)~砂払(8:00)~薬師岳(8:40)~観音岳(9:40)~
   地蔵岳(11:30)~薬師岳(13:30)~南御室小屋(15:30)

27日 南御室小屋(7:00)~夜叉神の森(10:00)~芦安(11:00)

記録:


芦安に6時頃到着。辺りはまだ暗かった。支度をして夜叉神の森までの林道を歩く。

登山口。何台か車で上がってきていた。
つづら折りを登り夜叉神峠。とても良く晴れていて、白根三山がどっしりと座っている。


雪はたまにひざ下までくるぐらいだった。杖立峠を経て苺平。ここまで来たら南御室小屋までもう少しだ。
南御室小屋に到着。自分たちの他は誰もいなかった。水は小屋の脇からチョロチョロと流れていた。15時半。そそくさとテントを建て、夕食の支度をする。
夕食はそれぞれが持ち合わせた具材で鍋を作った。中嶌は鶏を丸々一羽持ってきた。鍋から無念そうに蒼白な鶏がこちらを見つめている。
デザートにはなんと大井さんが持って来て下さったケーキ。ケーキ屋も山で食べることを想定していないはずだ。みな偉大な先輩を持ったことを幸福に思いながらケーキを食べた。しかしなぜこうも豪華なのかというとクリスマスでかつ年末だからである。
贅沢な晩餐を終え、シュラフに潜った。

朝。朝食は雑煮だ。うまいのだが時間がかかるのが難点。

日が進むにつれて荒れる予報だったのでこの日のうちに三山全て取ってしまいたい。

テントを潰して薬師岳を目指す。日が進むにつれて荒れる予報だったのでこの日のうちに三山全てを取ってしまいたい。
 砂払いに出て稜線へ。風もなく快適だ。
薬師岳。
観音岳。地蔵岳へ行くか行かないかで審議する。色々迷った末に結局行くことにする。

地蔵岳に到着。いつも通りのオベリスク。ここも非常に仏教的な影響を受けている山だ。




無事帰還。戻ってくる最中で少し風が出たが歩く分には問題なかった。途中で薬師小屋の人とすれ違った。
しかし帰ってきてテントに入ろうと張り直した時に、底が雪面にくっついて本体に大きな穴があいてしまう。宮下が即席で縫って修復した。器用な男だ。
 
      
この日は手作りケーキが登場。よくよく考えれば二日も連続で山でケーキを食っている。

水を汲んでテントに戻ると宮下と大井さんが酒盛りをしていた。テントは酒臭くなり、二人は満足げに酒の入ったコッフェルを傾けている。
しかしこれがこの日の夜に事件を引き起こしてしまうのだった…

シュラフに入って眠りについた数時間後、なにやら大井さんの方がゴソゴソとしている。
すると「ごめん吐いた。」と大井さん。
そばで寝ていた我々二年生はすぐさま背筋を総動員して飛び起きた。休止していた脳は瞬時に覚醒した。当然これでは眠れないのでペーパーで処理。一通り片付けたとき離れて寝ていた一年がやっと起きる。呑気な奴だ。

三日目。曇天。トレースをたどって来た道を戻る。途中で南御室小屋の
人と会った。年末の小屋開けだろう。



まとめ: 鳳凰三山は夏でも冬でも夜叉神からは登りやすくほど良く距離もあって冬山の基礎にはいい山だ。冬季合宿が成功して良かったと思う。
反省としては休憩などの時間のメリハリがもう少し必要だ。また撤退時間などの設定も曖昧だったと思う。荒れる予報がでているならもっとテキパキしなければならない。CLとしてももっと統率力が必要かもしれない。リーダーがうだうだしていては始まらない。
それからここ最近好天の山行が続いているので荒れたときの対処が若干心配だ。

ちなみにテントは修理に出した。部室の道具は大切に扱おう。

大井さんコーチとして付いてきてくださりありがとうございました。

(文:市川)

2019年11月26日火曜日

2019/11/15~16 深南部 バラ谷の頭〜黒法師岳(秋季合宿)

日時:11月15日(金)~11月16日(土)

メンバー:CL中嶌,SL中川,市川,宮下,森,佐野,蓮容,コーチ高田

行程:
15日:静岡=戸中川林道ゲート(5:50~7:10)-シブロク歩道(8:15)-バラ谷の頭(12:10~13:00)-黒バラ平(13:30)
16日:黒バラ平(6:40)-黒法師岳(7:15)-等高尾根分岐(8:00)-カモシカ平(8:30~9:00)-等高尾根分岐(9:20)-黒法師岳登山口(11:30)-戸中川林道ゲート(12:00~12:30)-浜松=静岡

記録:
15日:晴れ
 静岡から車2台で戸中川林道ゲートへ。暗い林道で軽自動車をドライブするのは大変だったことでしょう。ご苦労様です。
戸中川林道ゲート出発
綺麗に色づいた山が歓迎
約1時間でシブロク歩道着
 シブロク歩道入口で暫し立ち止まり、全員でルート確認。1441 mを通るルートと1200 mを通るルート、両方通ることができるが、1200ルートを選択すると1100~1150 m付近で超急登となり、あとが大変。そこで今回は1441ルートを使うことを結構入念にチェックしたはずだったが…
登り開始
沢を横切る……ん?


 開始5分、沢を渡るのはおかしいことに気づく。あんなに確認したはずが、早速間違って1200ルートへ足を踏み入れていることが判明。登り開始しばらくは、誰もルートの誤りを指摘することはなかった。
 ルート間違いの一番の原因は読図がまだ身についていないこと。地図から読み取れる地形と実際の地形を照らし合わせる練習を積むことで、ルーファイ技術を身に付けることが必要だ。特に、これから臨む積雪期登山ではその技術が必要不可欠となる。個人個人が安全かつ主体的に行動するために、地図読み訓練を取り入れていかねばならない。
 主将、何も言わずに後方からついてくる。今回はコーチとして、あえて間違いを直ぐに指摘せずに見守ってくれるそう。頑張って真顔を保っているようにしか見えない。
 気を取り直して登山口まで戻り、正しいルートへ。急な登りを進んで行く。途中、踏み跡を外れて道なき道をゆくことが多々あった。ひたすら前を歩く人の背を見てついていく癖が、先ほどのルーファイミスにつながることになる。後方を歩く時にも、常に今の道が正しいか否か疑うことを覚える必要がある。
 主将、何も言わずに後方から一人、簡単な別ルートで踏み跡をたどってくる。ついに内心が顔に出た。
やっとこさ稜線へ。紅葉の赤が快晴の空に映える。
1682 m分岐
写真だと分かりづらいが、すでに白く雪をかぶっているアルプスの高山。
途中から笹藪のお出まし。背丈を超えるまでは伸びていない。
 12:10 バラ谷の頭に到着。天気良好、景色もばっちり。日本で最も南にある2000 m越の地だそうで。日本人て何でも1番にするのが好きですよね。

 ここから黒法師岳へ続く稜線を下り、本日の幕営地へ。ソロの女性登山者が近くでテントを張っていた。テント設営後、有り余った体力をかくれんぼで発散し、水汲みに行ったら、お待ちかねの夕飯。鍋の蓋を開けてみると…
 水を吸って鍋にぎっしり大量繁殖したマカロニが!!環境収容力超過寸前でした。今日のメインのシチューを少しずつかけながら小麦粉の味を噛みしめ、パスタが主食の国ってエラいなぁとしみじみ思いながらお腹いっぱいに詰め込んだ。
 11月は誕生日ラッシュ。今回は主将お手製ケーキで宮下と佐野をお祝い。ふたりとも、おめでとう!マカロニいっぱい食べたけど、デザートは別腹だよね!
 夜はぐっと冷え込み、着込んでいても寒さが身に染みる。それでも、暗い夜空できれいに光る星月や遠くに見える街の明かりが心を温めた。

16日:晴れ
朝5時起床。1年生寝坊。朝食の餅&黒はんぺん入りラーメンは、餅の食感と鰯のダシが染みでたスープが美味であった。清々しく日の出を出迎え、黒法師岳へ出発。
背丈ほどある藪をひたすら漕いでゆく。地味に楽しい。
山頂直下の分岐
黒法師岳。あの珍しい三角点も拝んだ。
下山途中、1日遅れで逆ルートを辿る浜キャン御一行とすれ違い。
等高尾根分岐。ここで荷物を下ろし、カモシカ平へお散歩に。

 カモシカ平。エデンの園!桃源郷を訪れた漁師もこんな気分だったのか…。
高く澄み渡った空を見上げながらふかふかの笹に寝転ぶと、自然の中に溶け込むよう。目を閉じたらいつでも寝れそうだった。死んだらこういうところで暮らしたい。

 のんびりしてしまったが、後ろ髪を引かれつつも等高尾根分岐に戻り、黒法師岳登山口へ下山開始。急斜面で足場が悪く、慎重に下っていく。
看板のひと。

 下りは始終滑りやすくて落石多発。加えて蓮井が滑って危機一髪。危ないので下りの際の歩き方についてレクチャーを受けた。簡単に言うと、重心は前めに、足裏全体を使う、NOがに股などなど。落石がまねく恐ろしき事態を重々承知し、自分だけでなくほかの登山者の安全も第一に考えること。これが登山のマナーだ。
 11:30、無事に黒法師岳登山口に到着。やれやれと思ったら、いつのまにか恒例となってしまったらしい林道ダッシュがスタート!
………いや、さすがに無理です。
威勢よく駆けていく男性陣。女子2人はちゃんと後ろから応援しておりました。
中川よりひと言、「わたしは食後の”汁”よりも林道ダッシュのほうが反対。」だそうです。

まとめ:
 読図と下山時において課題あり。これまでの山行で、大して困っていない時でも逐一立ち止まって地図を確認しまくっていた理由をやっと理解した。冬山やバリエーションでは特になくてはならない地図読み技術をさらに向上させることが必要だと感じた。登山のレベルをアップしてもっと山を楽しむために、意欲的に学んでいきたい。
 また、晴れて景色が良い山に登るのはこんなにも気持ち良いものなのかと、改めて感じた。青い空、遠く彼方に見える山々、澄んだ空気、日の光を受けて輝く木々や葉っぱたち。これぞ山のあるべき姿!これぞ自然の恵み!こういう部活をしていきたいです。以上、田舎者の戯言でした。
(文:森)

2019年11月20日水曜日

2019/10/20 天竜川水系 名古尾沢

日時:2019年10月20日(日)

メンバー:CL高田,SL中嶌,市川,佐野,蓮容

行程:
20日:静岡=名古尾沢林道横断点[400m]付近駐車適地(8:05~8:30)-名古尾橋[115m](9:30)-林道横断点[400m](12:16)-脱渓地点[600m付近](14:14)-駐車地点(14:40)=静岡

記録:
1ヵ月の東欧・アフリカバックパック旅から帰国し、早速沢へ。
6月に天候不順で延期になった1年生の初沢登りでもある。
私以外の今回のメンバー
天竜川沿いの左岸側道路(152号の対岸)は7月から通行止めで入渓地点の名古尾橋までは車が入れない。
ということで、標高400m程で名古尾沢が林道と交わる地点付近に車を置く。
ここに置くと車で登らないといけない分ガソリンは勿体ないように思うが、下山時は脱渓地点から近くとても楽だった。
"なごうばし"
名古尾橋の袂から沢に降りていきます


入渓地点
 入渓地点にて市川。
「先輩、水量多くないっすか?」
勘のいいやつめ…
そう、1週間前に襲来し東日本広域に被害をもたらした台風19号の影響で
水量が多めなのだ。
ただ、多めとはいえ濁りなく水は透き通り、普段の水量が少なめなこの辺りの沢において多少水量が多いのは寧ろ好都合である。
普段、水を浴びなくても登れるようなちょっとした滝がシャワーで登る特上アトラクションに変身していた。


1年生①佐野「こんなの無理ですよ~」とか言いながら満面の笑みで登ってくるドM野郎です


佐野 いい顔してます


お水大好き系モンスター中嶌が小滝に意外に苦しんでました


とは言っても、何だかんだ登ってくるあたりさすが2年生です


トップは2年生市川と中嶌に任せてみる


直登できる小滝が続いて楽しい




1年生②蓮容 新たな沢変態を生んでしまった…


蓮容 こいつは今後化けますよ...!!


1年生コンビとこの沢の主
標高400mの林道横断点


標高400mの林道横断点まででも十分楽しめる。が、時間もあるので遡行継続。
天竜川水系によくある巨岩帯


なかなか面白そうな小滝です


沢マンの降臨!(市川)


沢マンをしても中々難しい…


沢マン2(中嶌)にバトンタッチ!


あとちょっとのところで水圧に負けドボン…沢マーン!


癒しな小滝群が続きます


ゴルジュチックなところも


CS滝 右岸から小さく巻く




前来たときは楽しく登れた滝も今日は水量が凄くて難しい!
ラストの写真の滝のところはゴルジュチックになっていて雰囲気がある。
今日は水量が多く、1年生の突破は難しそう。ちょうど時間もいい感じなので
左岸の支沢を登って林道へ。

まとめ:
10月も後半、木々の葉も色づき始めた秋風吹く中の沢登り。
盛夏にやるような淵に入って、滝に突っ込み攀じってを初沢登りの1年生2人、いい顔して楽しんでくれており大変良かった。

2年生2人も自分たちでルーファイして行こうという意欲が見え良かった。
ただ、若干行き当たりばったりなところが見受けられる。
シビアそうな滝が遠くに見えたら、手前にいる段階から広い視野で色んな可能性を考え
遡行していくことが必要だろう。

これで今沢シーズンは終わりだろう。
当初今年目玉の予定であった若月との逆河内沢は天候不順で中止になり残念だった。
その一方で後輩達、特に市川と中嶌の沢活動における成長と意識の変化(沢に対する正しい怖がり方)が感じられ、良きパートナーになっていってくれるのではないかと楽しみになるような成果あるシーズンだったと思う。
来年に向けて後輩たちから行きたい沢の具体的な名前も挙がっている。
来夏はもっと大きく長い沢に後輩たちと行きたい。

蓮容(1年)感想:
始めに、今回の沢登りのの率直な感想としては初体験のことばかりで非常におもしろく、楽しい山行でした。
水場がもともと好きでしたが、沢という環境に大きく踏み込める機会はこれまでなく、より深く山の中にも入れた今回はいい体験でした。
また、沢の「巻く」ということや水流を受けながらクライミングをするということにも触れることができたのも、今シーズン中には経験できてよかった反面、アッセンダー使用に不安が残る中行ったため、ロープを活かすような経験を積めなかったのは、後にも書きますが反省点のひとつです。
次に沢登りを通じて思ったのは、当然ですが、服装の重要さです。真夏でも川に浸かればけっこうな寒い思いをしましたが、この時期でも衣服を工夫すれば耐え難い冷たさに感じることはなく、動いているうちは全く寒くなかったため、逆に服装を間違えたときの怖さを感じました。
他には、複数人で登ることの大切さについても強く認識することになりました。
滝壺に入ったり、直登してみたりという経験は、初心者ではあったとはいえ一人では挑もうと思えないところでも周りの支えで行ってみたり、バックアップがあるということの安心感を実感しました。
反省点はたくさんありますが、まずはハーネスの故障についてです。いままで、装備を見るときに自分は見た目を見るぐらいで、直接あちこち触って確認することはありませんでした。しかし、もしビレイ器を落とすといったこととなっていたら、タイミングによっては引き返すことも登ることもままならない非常に危険なことになることとなっており、装備管理をいいかげんにするリスクを強く感じました。
次は落石を沢へのアプローチや巻くときに発生させてしまっていることです。今回のような道がないような斜面は慣れてはいなかったのに、前にあまり離されないように雑に進みすぎていたところがあったのだと思います。
安全のためにも、歩行技術を高めるためにも前とのコミュニケーションを取りつつまずは丁寧に歩けるようにします。また、コミュニケーションについては、ルート探索を前に任せきりにせず自分でも行い、共有することはすぐにでもできたはずなので、今後とくに意識して行こうと思います。
また、先ほど述べたとおり、アッセンダーといった道具の扱いがまだ不安であり、ここははやくおさえる必要があります。
様々な反省点等ありましたが、道なきところを、水場を渡り水を浴びながらクライミングをし、深く山に入れる沢は今後もとても楽しみです。上記の反省に加え、今回はまだ登れなかった滝や、苔であしを滑らせ手伝ってもらったりする場面があったので、それらも攻略できるよう励みたいです。

佐野(1年)感想:

提出待ち

市川(2年)感想:
今回は初めての1年生を連れての沢だった。この時期まで遅れてしまったのは申し訳なく思う。1年生2人は初めてにも関わらず、とてもよく動いてくれた。
天竜の沢特有の、連続して出るボルダーチックな小滝の登攀に関しては見事なものだったと思う。
自分のこの闘争心は何処へ行ってしまったのか。
しかしながら、まだ1年生はこのたった1度きりなので、読図、高巻き、渡渉、ロープワークなど、まだまだ沢の知らない部分は沢山ある。
来年は新人と共に、積極的に数をこなし、教わったことを継承していけたらと思う

中嶌(2年)感想:
10月終わりということもありとにかく寒かった。寒さに弱い自覚は無かったが一年生を見ているとまだまだ修練が足りないなと感じた。千倉沢のおかげで殆どの滝が滝に見えなくなった。つまり、巻かなくても登れるだろうと考えるようになった訳である。沢は習うより慣れろが一番適したフィールドだと思う。

(文:高田)