2022年3月17日木曜日

2022/3/17 北アルプス唐松岳

日時:月17日(木)

メンバー:CL増地,SL池田、東、鈴木、生熊

行程:
17日:静岡=白馬八方尾根スキー場-八方池山荘-八方ケルン-丸山-唐松岳山頂山荘-丸山-八方ケルンー白馬八方尾根スキー場-近くの宿
18日:宿-観光=静岡)

記録:
4月には新入生を迎え、新体制と動き出す。その前に1,2回生山行を行うことになり、今年は日帰りで唐松岳へ。北アは遠いので高速を使い、早朝から車を走らせ、八方尾根スキー場へ。この春休み、暖かい下界でひたすら委員会と車校に追われていたため久しぶりの雪に私は身震いがした。


北アってシビア!


無料駐車場から少し歩き、装備を整えて8時ごろのゴンドラに乗る。ここからゴンドラ→リフト→リフトと乗り継ぎやっと登山口へ。下へ滑り降りるスキーの方々を眺めながら昨日の夜、競技スキー部の連中とした雪山は滑るべきか登るべきか論争を思い出した。


今年最後の雪山だね!がんばろうね!!(しろめ)


アイゼンを着用し9時ごろ出発。帰りのリフトは15時終了である上に強風によって終了が早まる可能性がある。そのため遅くとも12時半には下山を開始すると決める。今回はタイムトライアルである。ふぇぇ、、、。

なんと私にとって雪山は2ヶ月ぶりである。2ヶ月ぶりの冬靴&アイゼンはとても重く、登山開始早々から私の足取りは重かった。これから歩荷をする際は足におもりをつけることを固く決心した。

ひたすら尾根への直登と強風の中での尾根歩きを繰り返す。直登は好きではないがSLの池田さんはゆっくり確実に足場を作って歩いて下さり本当に歩きやすかった。ありがとうございます。むしろ強風の中の尾根歩きのほうが辛かったような記憶が、、、。






途中の樹林帯で休憩


今回の山行で1番怖かったのは天気である。山頂へ進めば進むほど天候は悪化していき、風は強まり辺りは暗くなっていった。また、私の歩くスピードはゆるゆると遅くなり、タイムリミットは刻一刻と近づいてくる。

       


そして山頂直下の山荘付近で爆風の中、耐風姿勢をとりながら山頂へ向かうべきか否か会議が始まった。山頂を見上げながら私は登頂したい気持ちともう帰りたい気持ちが戦い、もうどうでもよくなってきていた。だが、先輩方も登るか降りるかきっぱりと意見を出す人がいない。これは一番体力のない私が決めねばならぬのか、、、?すると東さんに
「ここから山頂へ行くか撤退するか!生熊!お前はどうしたい!!!」
と聞かれた。私はなんて答えるのが正解なのかわからず超速球で思考を巡らせた結果
「うー-ん、、、山頂へ向かうなら私をここに残置して先輩方で行くのが現実的かと!」
と答えた。その瞬間
「よし!撤退!!!」
と東さんが叫びその場で下山が決定した。
なんて情けない部員だろう。こんな人間がまだ山岳部で山を続けようとしているなんて。その場から消えたい気持ちと自己嫌悪と先輩方への申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら下山を始める。

下山を始めると少しずつ辺りが明るくなり天候が回復してきた。



山頂で写真が撮れなかったため途中の丸山で写真を撮る。


下山しながらふっと先輩が「そーいやほかの登山客どこ行った?」とつぶやく。そういえば行きのリフト&ゴンドラでは他にも登山者らしき人たちが何人もおり、登り始めは私たちのほかにもいくつかパーティーがいたはず。だが山頂直下の山荘近くでお会いしたソロの方以外にほかの登山客にお会いしていない。彼らはいずこへ、、、?
と思いながら下山し、リフトがよく見えるくらいまで降りてきたところで足元を見ると大量の足跡が。「わー!!今日こんなに人おったんか!?」と皆叫んでしまった。一般登山客が軒並み撤退するほど今回はコンディションが悪かったのだろうか。(なお下しか見れずに歩いていたため登りの記憶が曖昧な人)

無事リフトの乗り口に着き、装備をある程度解除してリフト→リフト→ゴンドラで下まで降りる。そして温泉に行きご飯を食べ、車中泊組と宿組で分かれて就寝。次の日は奈良井宿で観光し、のんびり静岡へ帰った。

まとめ:
きっといつか体力がついたら雪山も好きになれる

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ここで最後に一つ余談である。今回止まった宿には実はアップライトピアノが置いてある。YAMAHAかなカワイかなとか思いながら蓋を開けるとなんとそこには「ETERNA(エテルナ)」と書いてあった。嘘やろ聞いたことないぞと思いながらスマホで調べると今は亡き小さな楽器メーカーだそうだ。まさかそんな貴重なピアノにお会いできるなんてこれも何かの縁だと思い、宿の方の了承を取ったうえで弾かせていただいた。このピアノがどれだけ年季が入っているか、またどれだけ久しく調律をされていないかは少し音を鳴らしただけでわかった。試しに1曲弾いてみると今まで出会ったことのない音色と響きに驚きを隠せなかった。どちらかといえばYAMAHAのピアノを思い出すソフトで滑らかな音色だが、YAMAHAとはまた違う独特な響きを持ったピアノであった。記念に写真を撮ったがここにあげていいのかわからないため写真は伏せておく。これからもしこの宿を訪れる際はぜひこのピアノに触れてほしい。ただ、当たり前だが音を鳴らす時間帯に気を付けてほしい。また、古いピアノのため真ん中の弱音ペダルを踏んだ状態で弾くことをオススメする。


(文:生熊)