2011年12月24日土曜日

2011年12月21~23日 甲斐駒ケ岳 黄蓮谷

行程

12月21日 静岡=竹宇駒ケ岳神社駐車場
12月22日 -甲斐駒ケ岳五合目小屋跡
12月23日 -黄蓮谷坊主の滝-甲斐駒ケ岳5合目小屋跡-竹宇駒ケ岳神社駐車場=静岡
メンバー

峯尾、青木さん(OB)

アイスクライミングのクラシックルートである黄蓮谷にOBの青木さんと挑んだが、判断ミスから私が怪我をしてしまい、青木さんやその他の人に迷惑をかけてしまった。
text:峯尾,photos:青木

12月21日
静岡発(20:30)=竹宇駒ケ岳神社駐車場着(23:30)

青木さんに迎えに来てもらい、竹宇駒ケ岳神社駐車場に向かった。 途中、間違えて横手神社まで行ってしまったが、道を引き返し竹宇駒ケ岳神社駐車場に車を停めた。 車の中で寝た。

12月22日
竹宇駒ケ岳神社駐車場発(7:30)-甲斐駒ヶ岳五合目小屋跡着(13:00)

携帯のアラームで目を覚ます。車の中といえども寒く、シュラフから出たくなかったが、もぞもぞと体を起こす。 そのまま、コンロでお湯を沸かし、カップラーメンを作って食べる。車の周りではヘッドライトの明かりがいくつか見えている。みんな朝が早い。

準備をして出発する。登山口に向かう途中の竹宇神社境内周辺には立派なボルダーがごろごろしている。 いい課題がたくさんできそうだが、登ったら怒られるかなと思いながら登山口まで行く。

最初、登山道には雪がなく、途中で道がくぼんだ部分に落ち葉がたくさんたまっていて、その中をがさがさと歩くのが楽しい。 何回か休憩した後、梯子が連続する部分にさしかかる。慎重に通過して祠みたいなものがある所に出る。このあたりから雪が出始める。 どうやら例年に比べて今年は雪が少ないらしい。黒戸山を過ぎて五合目に向かう。

五合目小屋跡はコルにあると思っていたが、どうやらそれは屏風小屋で、本当の小屋はコル手前の平坦なところにあることを青木さんに教えてもらった。 人が中に入れるくらい大きな穴があいた岩と、記念碑みたいなものがあるので、それとわかる。荷物を岩の中に置き、テントを張る。 今回は軽量化のために、一人用テントを青木さんが持ってきてくれた。テントの中で使わない荷物は全て外においたので、二人で使っていてもそんなに狭いとは思わなかった。 登山道沿いに発達したツララと雪を集めて水を作り、つまみを食べながらウイスキーを飲んだ。冷えたウイスキーはうまい。あたりが暗くなり始めてから、夕食に鍋を作って食べる。 鍋はお手軽でおいしい。定着山行の夕食にはもってこいだ。外では強い風が吹いていて用を足しに外にでると体が凍え、明日もこんなだったらいやだねという話を青木さんとしていた。

次の日は暗いうちに出発するので、この日は早く寝た。

12月23日
甲斐駒ヶ岳五合目小屋跡発(5:30)-坊主の滝取り付き(7:00)-坊主の滝発(8:00)-甲斐駒ケ岳5合目小屋跡着(10:30)-甲斐駒ケ岳5合目小屋跡発(11:30)- 竹宇駒ケ岳神社駐車場着(15:30)=静岡着(20:00)

朝、目を覚ますと昨日あれだけ強く吹いていた風がおさまっていた。ラッキー。朝食にラーメンを食べ、登攀の用意をして黄蓮谷に向かう。

アプローチは最初、北方向にのびる登山道沿いに進む。雪にはトレースが残っており、とちゅうからトラバース気味に五丈ノ沢に下っていたのでそれを辿る。 トレースはそこから北向きの斜面に続いていたが、途中から不明瞭になる。降る方向は分かっていたので、そのまま行けそうなところを進む。しばらく下ると沢床に出た。 目の前に滝が見えたが、完全には凍っていないため、右岸から巻く。そのまま沢を詰めていくと、目の前に二段からなる大きな滝が現れた。おそらく坊主の滝だろう。

坊主の滝は真ん中のテラスまでは簡単そうに見えたので、そこまでロープなしで行くことにする。青木さんは滝正面の比較的傾斜の強いところを登り、僕はその脇の傾斜の緩いところを登る。 青木さんが先にテラスにつき僕を待つ。自分もそれに続きテラスに乗り越すところまで来た。

気付いたら滝の取り付きに横たわっていた。上から青木さんの声が聞こえ、顔をあげると青木さんが今からそっちに行くと言っていた。 最初は自分の置かれている状況が分からなかったが、しばらくして、どうやら自分が滑落したということが分かった。青木さんが滝を登りきって、右岸を降りて僕の所に来た。 青木さんも落ちてしまわないかと僕は内心ひやひやしていた。

僕は腰と顔面を打って、さらに前歯が折れていたものの、幸いにも歩くことができたので、テントを張った五合目まで戻ることにする。取り付きを離れる前に、記念写真を撮る。 最初は先頭に立っていたが、歩くと腰が痛むうえに、眼鏡が壊れて視界がぼやけ、ゆっくりとしか進めなかったので青木さんに先頭を歩いてもらい、誘導してもらった。 五合目までの登りでは腰が痛くて発狂しそうになったが、我慢して歩いた。

五合目に着くと、まずお湯を沸かして紅茶を飲み、行動食を食べた。持ってきた医薬品の中に痛み止めがあったので、それも飲んだ。青木さんと話し合って、今日のうちに駐車場まで下ることにする。 僕は腰が痛くて動くのがつらかったので、青木さんにテントを撤収してもらい、荷物もほとんど持ってもらう。

五合目からの登りでは、腰が痛んだものの、その後の下りでは痛み止めが効き始めたのか、快調に進むことが出来る。 下山途中で黒戸尾根を上がってくる人達にきまって顔を見られたので不思議におもっていたが、後で青木さんに鏡を借りて自分の顔を見て納得した。 左頬が血だらけでゾンビみたいになっていた。みんな驚くわけだ。ほぼコースタイム通りに下り、駐車場に戻る。

帰り支度をして、駐車場を後にする。帰り際に、ファミレスでご飯を食べる。でかいハンバーグを青木さんに奢ってもらった。 その後は、もりしーとその家族の好意で、もりしーの実家に泊めてもらうことになったので、青木さんにおくりとどけてもらった。

もりしーの家で少しゆっくりしてから、近くの病院の救急外来で診察を受けた。 滑落した時に体を強く打ち、頭も打ったので、病院で全身を検査してもらったが、顔を怪我して前歯が折れたこと以外には、どこにも異常はないとのことだった。 後日、静岡市内の病院で検査してもらったが、やはり異常は見当たらなかった。不幸中の幸いであった。

坊主の滝にて

総括
今回は意気揚々と黄蓮谷に入ったが、最初の滝で滑落して、ロープをつけていなかった為に怪我をしてしまった。それによって、いろんな人に迷惑をかけてしまった。

自分で登れると判断したところであっても、意外に難しかったり、岩がはがれたり、氷が割れたりすれば、落ちることがある。しかし、ロープを付けていれば、たとえ落ちたとしてもほとんどの場合は無事で済む。 だから、自分にとって簡単に登れそうなところでもロープを付けて臨む。そんな当たり前の事を実感した山行だった。

2011年4月30日土曜日

2011年4月28~30日 三股~常念岳(新歓合宿)

行程

4月28日 静岡=豊科=安曇野ほりがねの里(幕営)
4月29日 =三股登山口-2207m(幕営)
4月30日 -常念岳ピストン-三股登山口=豊科=静岡
メンバー

CL:峯尾 SL:山下 M:菅谷、落合、國吉

登りたかった常念岳に行ってきました。
text&photos:峯尾

4月28日
19:00静岡発=豊科IC=23:00安曇野ほりがねの里(幕営)、24:00就寝

この日の予定は、13:00に部室に集合して、個人装備の確認と共同装備の振り分けをした後、食糧を買い、出発することだった。 遅くても、17:00には出発できるだろうと思っていた。しかし、準備中に、メンバーの内何人かはサングラスまたはゴーグルを持っていないことが判明した。 仕方がないから、スポーツショップで足りない装備を買い足した。そんなことがあったので、予定より2時間遅れで静岡を出発した。

静岡を出発して、高速を使って豊科まで行った。豊科駅の西側にある道の駅、安曇野ほりがねの里で幕営した。

4月29日 曇り 
6:00起床=9:50三股登山口-10:501529m-11:501900m?-14:002170m-14:102207m(幕営)、20:30就寝

起床してテントを片づける。前日に地図をコピーし忘れていたのでコンビニがあるところまで車で戻った。思わぬタイムロス。

登山口でカッパ履き、スパッツを着けて出発。1529m地点でショベル担当のメンバーがショベルを持っていないことに気付いた。 しかし、駐車場まで戻るのがめんどくさいし、ピッケルで代用できるだろうと思ったので、そのまま登った。1700mあたりから傾斜がきつくなった。 1900m付近から沢沿いを登っていった。この辺りから雪が多くなり、トレースこそあるものの、場所によってはキックステップで登った。 新人の國吉くんは登山靴での歩行に慣れていないうえに、靴があっていないらしく、けっこうしんどそうだった。ゆっくりと登り、尾根上にでた(2170m)。 ここで、メンバー間で話し合って、2207m付近で幕営すると決めた。

2207mでテントを張った。ショベルがないので、代わりにピッケルで整地した。また、水づくり用の雪はコッフェルで集めた。

夕食後、次の日は荷物を軽くして常念岳までピストンすることを確認した。20:30就寝。

4月30日 曇り/雨
4:30起床、6:30出発-7:302355m-9:10前常念岳-10:10常念岳-12:002355m-12:30テント場着(2207m)、13:30テント場発-15:30三股登山口

4:30起床。30分寝坊した。携帯の目覚ましが鳴らなかった。

2355mで少し風が出てきたので毛糸の手袋とオーバー手袋を着ける。前常念岳までの登りはガレていて、たまに手を使って登った。 下りはロープを使うことも考えた。前常念岳手前で雨が降り始めた。敗退の文字が頭をよぎったが、様子を見ながら進むことにした。 前常念岳で、常念岳から下るパーティーと出会った。ここで、風が強くなり始めたので、目出帽をかぶった。 ここからは雪屁に注意しながらも、常念岳まで快適な尾根歩きを楽しんだ。常念では風が強かったので写真を撮って早々と山頂を後にした。

下りでは富士山頂並の強烈な風が不定期でしかも長時間にわたって吹きつけた。 下りはロープを使うかもしれないことをメンバー間で確認し、前常念岳から慎重に下る。風が吹いている間は身動きが取れないので、下るのに時間がかかった。

2355mの安全地帯について一安心した。結局ロープは使わなかった。思ったよりも下りは難しくなかった。テント場まで行き、休憩した。 テントを撤収し、下山開始。このとき、雨が降り始めた。下りは急で、滑落したら命にかかわるので、ヘルメットとアイゼンをつけた。 國吉くんは下るのに苦労していたので少しアドバイスした。1900m付近で僕と一心はアイゼンを外した。雨が降ってぬかるんだ登山道を三股登山口まで下った。

駐車場に着くと、タイミング良く雨が上がったので、このスキに着替えて車に乗り込んだ。近くの温泉施設に行き、汚れを落としてすっきりした。

豊科IC近くのすき家で晩御飯を食べて帰った。




総括
パーティー全員が雪山を楽しめたので良かった。

入山前の情報では、北アルプスは例年より積雪が多く、雪崩や雪屁の状態に注意が必要との事だった。 また、予報では30日から天気が下り坂なので常念岳まで行けるがどうかが気がかりだった。 当日は、常念岳までは天気は持ちこたえてくれ、僕たちは無事に登頂することができた。下りでは風が強かったものの、事故もなく下ることができた。 一方で、下山後に聞いたニュースでは、同じ時に常念岳にいたパーティーが遭難したらしい。もしかしたら、下山中にすれ違ったパーティーかもしれない。 パーティーの内の一人は滑落死したらしい。強風にあおられたのかもしれない。自分たちは無事に下ることができたが、 もしかしたら、パーティーの内の誰かが滑落していた可能性もあった。天候や風を読むのは難しいが、 これから山に行くときは事故が起きないように慎重に判断していきたい。