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2025年5月17日土曜日

2025/5/17 編笠山西岳 B隊

日時:5月17日(土)

メンバー:CL大串,SL鈴木,前嶋,松原,大門,日々野,杉浦,石田,清田

行程:
17日:静岡=富士見高原駐車場-編笠山(西岳)-青年小屋-西岳(編笠山)-富士見高原駐車場=静岡


記録:
新入生が入部して初めての登山に行ってまいりました!天気が悪い予報で少し心配していたが、思ったよりも雨は弱く少し安心した。いつも通りの3時集合で一年生は驚いていたが、みんな早めに部室に集合していて驚いた。


    朝3時の部室   

今年は入部してくれた一年生が多いので今までとは異なり、部隊を二つに分けて登山することになった。山岳部経験者もいたため、それほど心配はせずに登っていけた。


みんな楽しそう

初心者の子達もついて来れていたし、読図も頑張っていて、これからが楽しみである。樹林帯歩きはそれほど悪くもなく順調に進むことができた。樹林帯を抜ける寸前にはツルツルの氷があり、一年生の様子を見ながらゆっくりと進んだ。


初の岩場でウキウキの一年生たち

樹林帯を抜けるとまあまあ岩場が続いていた。一年生の中には「気持ちー↑!」と叫んでいる子もおり、愉快な状況だった。雨はひどくないが風があったので慎重に山頂に向かった。山頂着いてすぐのところに残雪があり、撤退するか迷った。



どうするか迷う大串さん



これから天候が悪化していくということですぐに撤退を決断。樹林帯までは3点支持を徹底して下山開始。45分ほどかかったが無事に樹林帯までたどり着いた。樹林帯に入ってからは気が抜けてしまい、結構な速さで下ってしまった。また、樹林帯に入ったところで体調は大丈夫なのか聞いておくべきだった。反省である。

最後の方に渡渉ポイントがあったが、上りでは聞こえなかった水の音が聞こえ何事かと思い横を見ると、鉄砲水の要領で沢に水が流れ始めていた!雨の日の登山特有の貴重な出来事を経験することが出来た。林道に入った辺りから晴れ始め、一年生も笑顔になり、会話の数も増えていた。


みんな元気そうで何より
お疲れ様でした


まとめ:
初回にしてはハードな山行だったため、一年生は大丈夫かなと考えていたが、みんな楽しそうに登っていたのが印象的だった。隊を分けるのは不安だったけれど、自分にとって主体的に登るトレーニングとなる良い山行となった。何気に部での日帰り登山は初めてだったので楽しかった。
(文:鈴木)

2025/5/17 西岳編笠山 A班

日時:5月17日(土)

メンバー:CL菅原,SL中村,松田,梅田,笹木,青島,野瀬,湯本,川村

行程:
17:静岡=富士見高原駐車場-西岳(編笠山)-青年小屋-編笠山(西岳)-富士見高原駐車場=静岡

記録:
数年ぶりに入学式での部活動の声掛けが解禁され
大先輩方と愛すべき後輩による
献身的で狂気的な山岳部愛にあふれる新歓によって
今年は11人もの新入生を迎えることとなりました。
声掛けできるなんてつゆ知らずの3年は全てを丸投げし
その裏で四国にクライミングトリップに行ってました

「山に帰ろ~」
四国また行きたいですね

新入生には何の罪もないが
週末直撃待ったなしの温暖前線…
まあ初山行なんて毎年高確率で雨だし
樹林帯多くて渡渉のない山に転戦
三時集合を見せつけるのは毎年のこと。
みんな集合早くて偉かった。

9人ずつの二班に分けて周回の計画行ってきます

52号を走っていた時に比べれば雨は弱いものの
新品の雨具も靴もザックも濡れる最高の滑り出し
樹林帯をのんびり地図とみらめっこしながら歩きます
地図読み頑張っていて良き

SL中村のペース管理も読図ポイント選びも素晴らしかったです
伝家の宝刀「好きな食べ物」で一年生との会話を繋いだり。

女子が入って嬉しそうな松田
こんな劣悪な環境でも終始みんな笑顔で楽しそうにしているのが印象的でした

岩場が増えてきて濡れているので
よりフラットフッティングを意識して
前線が近づくにつれて雨も風も強くなってきました

11時前に西岳山頂着。よく頑張りました

道が雨で川になり始めていたことや
この先の残雪や諸々を鑑み撤退決定
編笠山に飛ばしたインディアンコールは
爆風の逆風で届くわけもなく
ガスに隠れてしまったのであきらめて下山開始

すぐチョコレートコーティングされる登山靴
これ以上ない練習にもってこいな道でしたね

一時間ほど歩いた後休憩で止まったところ
どうも中村がおかしい。
食欲なくてもレーションは入れろと言ったけども
水飲める気配がしないと言うのでお湯を飲ます
聞けば雨具の下が全て濡れて寒いというし
手の動きも頂上時よりかなり悪い。低体温症である
ツエルトを広げて上半身は全て着替えさせ
雨具が内側までびっちょり濡れていたので
ポンチョ型のツエルトをかませたうえで雨具を着せ
テムレスを付けさせたらだいぶましなようで下山再開
ガス一式持って行ってもよかったなと思う反面
お湯の状態で持って行った方が即効性があってよかったなと

以下中村
前述にもある通り、今回の山行で僕(中村)が低体温症になってしまうということがありました。個人の反省とともに今後の山行の参考のためにも、少し詳しく事の経緯を書いていこうと思います。

入山して最初の1時間くらいは雨がかなり弱く、フードを外して歩くくらいだったが、段々と雨が強くなってきて着ていた服が少しずつ濡れ始めた。山頂まで残り1時間くらいの時点でカッパの下の衣類は全て濡れていた。このときはまだ寒くなくて、服が冷たいなくらいだった。山頂に到着したときには寒いと感じていて、手にはほとんど感覚がなく、とても動かしづらかった。下山することが決定し10分くらい休憩して下り始めるも、とても寒い。寒い以外考えられないくらいだった。そこから1時間くらい下ったが、SLとしての仕事をほとんど忘れていて、寒いと思いながら無心に下っていた。寒いので止まりたくなかったがCLの提案で休憩を取る。止まってみるとシバリングが始まった。手もほとんど動かないし、制御できないほどのシバリングだった。これはまずいとのことになり、いったんツェルトで屋根を作ってもらい、暖かくしてもらった。菅原さんからもらったお湯を飲んでパンを食べる。フリースを持ってきていたので、上半身を全て脱いでそれを着てツェルトをかぶってその上からカッパを着た。服を替えたらかなり暖かくなったので行動を再開する。雨もほとんど止んでいてすぐに回復した。そのまま歩き続けて下山した。

考えられる原因
1、カッパの性能が落ちていた
  それほどひどい雨でもないのにびしょ濡れだった
  5年前くらいからずっと使っているものだった

2、レーションを食べていなかった
  普段の山行もそうだが、ほとんどレーションを食べていなかった(パン1つくらい)
  雨だったのでレーションを取り出すのが面倒だった
  エネルギー不足で熱を生産できなかった

3、着替えようとしなかった
  フリースを持っていたのに着替えなかった
  ずっと濡れていたから体温が奪われた

4、半そでだった
  腕にカッパが常に密着していて手がとても寒かった
  いつもだともっと早く登って汗をかくので半そでにした

5、低体温症に対する認識の甘さ
  そんなに簡単になるとは思っていなかった
  5月なのに夏山の感覚でいたのできっと雨でも暑いだろうと思い込んでいた

6、冬山の感覚で登っていた
  この前までは冬山だったので感覚がおかしくなっていた
  手の感覚が無くても全く異常だと思わなかった

7、気合で行動してしまった
  寒くてつらかったが「あと数時間頑張れば」と我慢して歩き続けてしまった

8、SLの仕事に集中しすぎた
  SLとしていろいろ考えたり1年生もたくさんいたのでそっちばかり気にしていて自分のこ
  とを何も考えていなかった
  1年生が低体温症にならないか心配で体調をよく聞いていたが自分のことは何も心配して
  いなかった

9、個人の体質の考慮が足りなかった
  僕(中村)は部員の中ではおそらくかなり脂肪が少ないほうで寒さ対策をする必要があった
  去年の冬の仙丈ケ岳でも寒さで動けなくなってしまったことがあった

いろいろと原因を考えてみましたが思ったよりもたくさん見つかりました。こういう事態というのは1つの原因ではなく複数の原因が重なって起きるものだとよくわかりました。後から考えてみると去年やったトムラウシ山の遭難事例検証にとても似ていることがわかってゾッとしました。ソロだったらと思うととても怖かったです。前にも寒さでやられたことがあるのでこれからはこのようなことがないように寒さに関しては人一倍気を付けていきたいです。そして、適切に判断して助けてくださった菅原さんと処置の手伝いをしていただいた他のメンバーの方々、ありがとうございました。あと1年生、初回山行なのに先輩としてSLとして情けない姿をお見せしました。ごめんね。
以下菅原さん

着替えて体が温まり笑顔が戻った中村

温暖前線が通過し露骨に気温が上がり
だいぶ林道チックな感じになってきたので
しりとりしてみたり野球の話したり
一年生だけで話しながら歩いてみたり

下りてきたら晴れるのはいつものこと
お疲れ様でした。

まとめ:
今度は暑さに悶える山行記録を書くつもりであったのにまた寒さに悶える記録を書くことになってしまった。一年生が終始笑顔で登ってくれていたのが印象的であった。隊を分けると反対側の人たちと喋りできないのが残念であるがここまで人数が多いと仕方がない。うれしい悲鳴である。次は晴れるといいな~
(文:菅原)

2024年11月24日日曜日

2024/11/23~11/24 南アルプス深南部 丸盆岳

日時:11月23日(土)~11月24日(日)

メンバー:CL梅田,SL堀,大串

行程:
23日:静岡=麻布山登山口(7:30)ー麻布山(9:10)ー前黒法師山(9:50)ーバラ谷の頭(11:30)ー黒法師岳(12:40)ー丸盆岳(14:00)ーバラ谷の頭(16:00)
24日:バラ谷の頭(7:45)ー麻布山(10:00)ー麻布山登山口(11:15)=静岡

記録:
不動岳の山行を私用で休んだため、笹薮でのテント泊をすることができなかった。しかしどーしても深南部のあの稜線で一泊したい!ということで深南部に行きたそうな堀と二つ返事でOKしてくれそうないると心強い梅田に声をかけ、前々から行ってみたかったバラ谷の頭に行くことにした。丸盆岳はおまけ。山岳部にあるまじき発想である。

23日
3時に部室集合。梅田6分遅刻。
麻布山登山口までは細い部分はあったがえらく道がきれいで、駐車場にも車が十台近く停まっていた。事前に調べていたわけではないが、戸中川林道の方から入る計画ならこうはいかなかったはず。ラッキー。

山日和

麻布山までは整備がかなり行き届いていた。整備されているが故の階段がきっつい。梅田に水の量を聞いたところ、8Lと答えが返ってきてビックリ。計画の4Lでは少ないからという事らしいが、じゃあ6Lでいいじゃんと思った。多分彼はリットルではなくガロンの世界で生きている。

麻布山に着いたが山頂標識が見えない。探すのも面倒だったため山頂には帰りに寄ることにして先に進んだ。


こんな看板が麻布山から前黒法師山への下りにあったため身構えたが、ピンクテープとご丁寧に下りの階段まで用意されていた。階段は戸中山に着く前に無くなったが、今回の山行ピンクテープと踏み跡が途切れることはなく、ルーファイに困ることがなかった。楽できて嬉しいような物足りないような。

前黒法師山までの登り、急に堀が速くなった。まずい離される!と思いながら一生懸命位食らいつく。なんとか山頂まではもった。山頂での休憩中に堀に速かったと文句を垂れたところ、梅田はそんなこと無いと言う。真相は闇の中。

座ったら丸太がへし折れた

名前を前黒法師岳だと思っていたので写真を見てあれ?と思い調べてみると、前黒法師岳はまた別の場所にあった。どちらの山も前と呼ぶにはずいぶん離れているような気がする。他に前のつく山は前常念岳くらいしか思い浮かばないが、あそこは地図で見ても距離感的にも常念岳の一つ手前って感じがするし...。うーんわからん。

前黒法師山からはしばらく下りと平坦で楽だったが登りが始まるとずっと辛かった。足が上がらない。だんだん遠ざかっていく堀の背中、後ろからの視線が痛い。バラ谷の頭に着くころにはもうボロボロで、デポができることに安堵していた。ちょいとペースが速いだけで登り自体は普通だった。


本日の幕営地、バラ谷の頭に到着。テントを立ててしまい荷物を軽くしてふたたび出発!霜が降りていて嫌な下りだなーと思っていると、前で堀が尻セードを繰り出した。ずざざざざと滑っていく堀を見て真似してみるとおお、進む進む。楽しかったので下りは試せそうな場所で笹セードをひたすら試していた。

登りは笹の丈が高く大変だった。しかし手がかりになるのがありがたい。

前が見えねェ

久々のおだんご

黒法師岳からの下りは霜がさらに多い。地面からにょろにょろした霜がたくさん生えていた。さらに樹氷ができかけていて綺麗で、さっきまでとはまるで別の世界にいるみたいだ。ガレていて転んだら下まで転がっていきそうだったので慎重に下っていく。

無事下ることができたが、何の変哲もない、ちょっと泥でヌルっとした登りで足を滑らせ、梅田に後ろ蹴りをかましてしまった。すまんかった。


カモシカ平にはテントが1張張ってあった。というか張ってあるテントを見て丸盆岳の手前にカモシカ平があることを思い出した。軽くショックを受けた。のんびりしている暇はなかったので今回は足を止めなかったが、またいつか行こうと思う。

丸盆岳に到着。疲れた。山が見渡せるが不動岳以外はどれがどの山かさっぱりわからない。奥の方の山は雪が積もっていて、冬の訪れを感じた。せっかくなので鎌崩の様子を見てから帰った。

実は反対側は曇り

いいねーないでるねー

丸盆岳からの下りは笹セードがたくさんできて面白かった。カモシカ平を通過していたところ、テント泊をする方に「楽しんでたね!」と言われ、若干恥ずかしかった。

嬉々として滑る大串、頑なに滑らない梅田

バラ谷の頭までの途中、カモシカ平に泊まるグループとすれ違った。麻布山からそうだったのだが、夏の南アルプスほどではないもののやけに人が多い。何組かとすれ違ったりバラ谷の頭で出会ったりした。

バラ谷に戻ってくると、先客が。どうやら貸し切りにはならないようだ。せっかく天気もいいし外で鍋をやろうとしたが、鍋も体も全く温まらないので、結局テント内に逃げた。11月下旬に外は厳しいか。


今日の晩御飯はキムチ鍋。辛いのが苦手な人がいるので部の山行ではキムチ鍋を食べることができない、という事で決まった。3人しかいないからと贅沢をし、豚肉に加え今回は魚も用意!切り身を持ってきただけなのでぐつぐつ煮ているうちに崩れてどこに行ったがわからなくなり、魚のうまみも辛さに埋もれてどこかに消えたが、いつもより具沢山な鍋を食べているという気分だけで普段より五割増しでうまかった。

食後にはケーキを用意。少し早いが梅田の誕生日を祝った。

明日の行程は5時間程度、今日来た道を下りるだけと行程に余裕がある。明日は5時起床6時発にして、今日の夜は夜更かしをしようなんて話をしていたが、実際夜になってみるとあまりそんな元気はないようだ。時間は午後6時20分。すでに会話は少ない。まだ寝ないけど寒いからとシュラフを出した後、梅田はクイックにいびきをかいて寝始めた。堀はまだ起きていてスマホをいじってたため、私もしばらくネットサーフィンにしゃれこむかとぼんやりスマホを見ていた。

ふと気が付くと7時半になっていた。どうやら寝落ちしていたらしい。こりゃいかんと急いで歯を磨いて用を足し寝た。ちらっと横を見るといつの間に堀も寝ていたようだ。

24日
なんとなく目を覚まし時計を見ると午前2時過ぎ。外はシャカシャカと音がする。笹が風で揺れているのか、シュラフってこんなにあったかくなるんだ、と考えながらまどろんでいた。

─────────

目が覚めた。どうやらあの後すぐに寝たらしい。しかし疲れているおかげかよく眠れたな、と明るくなったテント内をぼーっと眺めていた。

うん...?明るい?

腕時計は6時30分を指していた。

跳ね起きると堀も体を起こしているのが見える。真ん中でぐっすり寝ている男をたたき起こした。みんなで仲良く寝坊した。1時間30分で済んだのが不幸中の幸いだった。

テントに何かがくっついているのが陰で見える。霜かと思ったらうっすらと雪が積もっていた。昨日歩いた稜線も白色になっている。ゆうべバラ谷の頭に登ってきた人たち曰く、22日は強風だったらしい。いいタイミングで丸盆をとれた。今回やたら運に恵まれている。

朝ごはんは味噌ラーメン。昨日のキムチ鍋の汚れのおかげでうっすらキムチ風味。いそいそと食べて撤収した。

11時間寝てスッキリ!

麻布山の山頂は帰りはすんなり見つかった。行きの時は木の陰にうまいこと隠れて見えなくなっていたみたい。

全員スラっとした体形に

登りではあんなに恨めしかった階段も下りではすいすい歩けてありがたく感じる。なんか速ぇなあと思いながら下山した。

まとめ:
個人山行でよかった………
(文:大串)

2024年11月23日土曜日

1年生山行 鳳凰三山

日時:11月23日(土)~11月24日(日)

メンバー:CL鈴木(大),SL中村

行程:
23日:静岡=夜叉神峠登⼭⼝駐⾞場−夜叉神峠−苺平−南御室⼩屋
24日:南御室⼩屋−薬師岳−観⾳岳−⾚抜沢ノ頭−地蔵々岳−⾚抜沢ノ頭−観⾳岳
−薬師岳−南御室⼩屋−夜叉神峠−夜叉神峠登⼭⼝駐⾞場=静岡

記録:
同期山行は静大山岳部では伝統となっているらしく、先輩方からも行くことを勧められたので少し遅いシーズンとなったが、1年生2人で山に入ることにした。どの山に登るかは少し迷ったが、2年生の先輩らが1年の時に同期山行で行った鳳凰三山に僕らも挑戦してみることにした。

23日
今回の山行では僕らが運転できないので、2年生の前嶋さんと菅原さんにお願いして登山口まで連れて行ってもらうことになっていた。朝部室へ着くと先輩らがウキウキでクライミングの準備をしていた。僕らは2人にしては多い共装を2等分してザックに無理やり詰め込む。やけに重いなと思って計ってみるとなんと2人とも20キロもあった。共装が重いのもあるが、食料を豪華にしたせいだろう。夜叉神峠の駐車場についたら、冬靴を履いて2人にお礼を言って出発した。先輩がいない自由な山行という高揚感と、すべてが自分らの責任になる緊張感の2つが混ざり合って変な感じがする。最初は少し緊張が勝っていたが、次第に緊張がほぐれ、楽しくなっていった。

行ってきます

最初の夜叉神峠までの登りは、寒かったのでとりあえずとばして登った。後から確認したら150%出ていたので素晴らしい滑り出し。読図も所々はさみながら、べらべらしゃべりながら登っていく。ちょうど熱くなるくらいで夜叉神峠に着いた。着くと目の前に数か月前に歩荷ボランティアで登った北岳が大きく構えている。しかも雪が降り積もっていた。雪景色の北岳に感動しつつも雪大丈夫かなと思った。

10秒タイマーで撮りました

ここからはひたすらテン場まで尾根沿いに登っていくだけである。今日の行程は短いので、ゆっくり登っていく。途中、何となく切りのいい場所で休憩を取ろうとして峠で休憩を取ったのだが、風が強くてさっきまで暑かったのが一気に冷えて寒くなってしまった。テン場までもうすぐの苺平辺りから雪が始まって、テン場に着く頃には1~2cmの積雪になっていた。テン場に着いたら寒いのでテントを張って中に入る。時刻は12時で特に夕飯まですることもないので、豪華に昼寝をかます。

共装のコーラを冷やす

起きたら3時くらいだったので少し早いが夕飯を作り始める。今日はキムチうどん鍋だ。うどんを何故か6玉持ってきたので、どんどん食べていく。キンキンに冷えたコーラもうまい。最後のほうは苦しくなりながらもなんとか食べきった。

コーラめっちゃうまかったです

実は夕飯を作っているときに事件があった。夕飯を作っているときに水を沸かしていると外から「熊だー」と聞こえてきて、しかも鳴き声みたいなのも聞こえてきたから驚いて2人ともしばらく固まっていた。しばらくして恐る恐る外に出てみて近くの人に聞いてみたら、身内で小太りの人のことを熊と言ってからかっていただけだったらしい。本物の熊じゃなくてよかったが、マジで死ぬかと思った。後から聞いてみたら大樹は鍋の熱湯をぶっかけようと思ってたらしい。夕飯の後は早めの就寝となったが、昼寝のせいで寝られない。仕方なく2人で雑談でもして時間をつぶした。いよいよ眠くなってきたときに何故かどこかのテントで宴会が始まった。宴会は9時くらいまで続き、非常に迷惑だった。翌朝、3時半に起床してラーメンを食べる。トッピングのメンマがめっちゃ美味かった。寒すぎて出発したくないので、どうせ巻けるだろうと出発を30分遅らせて5時に出発した。

動かないと寒い

昨日と同様、寒いので稜線までクソ飛ばして歩いた。砂払いに着いて、雪で滑りそうな箇所があったのでチェーンスパイクを装着した。しばらくして薬師岳に着いて、間もなく観音岳
に着いた。先輩らの意思を受け継いで、山頂でスクワットをして温まる。

ちょうど日の出くらいで登頂

ここからは地蔵岳に行くために結構降りて登り返しだが、結構アップダウンがあるように見えて2人とも一気にテンションが下がった。ここからは結構雪が積もっていてチェーンスパイクが無かったらここで引き返していただろう。地蔵岳の登り返しで大樹がシャリバテを起こしてペースダウン。あと少しなので何とか引っ張る。地蔵岳に着いたのでオベリスクを行けるところまで登ることにした。結局一番上の大きな岩の基部まで行くことができた。

高度感があって楽しい

ここで行程の半分なので、SLを大樹に交代する。帰りの登り返しは斜度がゆるいからなのか、意外と楽だった。雪の上を歩いていると、サクサクしていて歩くのが楽しい。

気がついたら結構積もってた

観音岳からはほとんど下りしかないので、サクサク降りていく。テン場に着いたのが11時過ぎだった。迎えまでかなり時間的に余裕があるので、ゆっくり撤収してだらだら下山していくこととする。ゆっくり降りようとしてもやっぱり早く降りてしまう。うまいことたくさん休憩をとって、3時半くらいに下山した。親指に馬鹿でかい水ぶくれができていた。

まとめ:
今回の山行は同期山行でいつもと全く違う山行だったが、とても楽しい山行だった。先輩がいないのでとても気楽だし、自分たちで行動を決められるし、いつもは出ないような話がいっぱい出た。僕らの代は2人しかいなくて1つ上の先輩らは6人と大勢で、僕の中で何となく同期がたくさんいるのに憧れていた。だが、今回の山行を通して意外と2人でもいいなと思った。機会があればまた2人でどこかの山に行きたいと思う。

(文:中村)

2024年11月16日土曜日

2024/11/16-17 深南部 六呂場山 不動岳

日時:11月16日(土)~11月17日(日)

メンバー:CL有間 SL増田 高林、梅田、前嶋、菅原、松田、堀、鈴木大樹、中村

行程:
16日 静岡=駐車場-矢筈山-六呂場山-幕営地

17日 幕営地-不動岳-鎌崩岳-駐車場=静岡

記録:


今年こそは不動岳へ!
そう意気込んでいざ出発。


今回は先客がいて鹿ノ平で泊まるそう。
鹿ノ平を独り占めできないのはちょっと残念だが最高なのは変わらないのでガンガン進んでいく。

出発



普段の道よりは少し悪いかな

今回は梅田が先頭を歩く。
梅田が先頭の時はキツイけどなんかついて行けるという不思議なペースで進んでいくので皆から好評だ。

出発して1時間が過ぎた頃、後ろから人が徐々に迫ってくる音がしてきた。そんなに遅いペースじゃないけどな〜と思いながら進んでいると後ろから「どこの大学?」と何処かで聞いたことのある声が!





















大井さん登場!

声の正体は静大山岳部OBの大井さんでした!w
確か今は島根に住んでらっしゃるはずだよな?と思ったが広島の山岳会の方とこの時期の深南部を登りに来たそうです。
正直意味がわからなかったです。
更に登山靴を間違えて二足とも右足用の靴をもってきてしまったそう。意味がわからん。
強い人は道具に左右されないみたいです。

少し喋ったあとで先に行ってもらい先輩に負けないように進んでいきます!




紅葉がキレイ

楽しそうで何よりです





ちょっと登った先の平なところで休憩。
止まるとちょっと寒いですね。冬が近づいているのを感じます。




サルノコシカケ

座れるぐらいの立派なサルノコシカケを発見!
手としてもスタンスとしても良いホールドでした



癒されます


ここらへんはとても広く適当に進んでも楽しいです


後ろから荒い息遣い




集合写真はなし

やっと六呂場山に到着!
有名な標識の前で休憩します。
特に深南部ではレベルの高い読図が要求されるので肝に銘じます。





温かいらしいです







鹿ノ平までの最後の下りをこなします。
少し道が悪く細いので慎重に進みます。
こういう悪いところは人数がいると余計に時間がかかってしまうのは仕方がないですが、より正確に早く通過できればもっと部として良くなっていくと思いました。



だんだん笹が深くなっていき楽しくなってきました!



これを登りきれば

着いたー!!!

去年から行ってみたいと憧れていた鹿ノ平に到着しました!
僕にとってはまるで天国みたいなところで最高でした!




先に着いていた大井さん達のお隣にテントを建てて今日の行程は終了。



晩御飯はモツ鍋。鷹の爪を持ってくるのを忘れてしまいちょっとミス。しかしニラが良いアクセントになっていて大満足です。




ご飯のあとそれぞれがテントに戻る中、なぜか外で寝ようとするバカが3人いた(堀、増田、梅田)。
バカ1
バカ2

10時頃から雨が降り出し、いつの間にか、ザーザー降りに。増田は雨の第一陣は我慢したがその後の強い雨に負け中村が入っている3人テントへ。
ビチョビチョの人が入ってきて中村は最悪だったそうな。
梅田は雨の中寝れなかったらしいが堀は途中ちょっと起きただけで意外と寝れた。

コツは入り口を出来るだけ絞って横向きに寝ることで顔に直接当たらないようにすることだ!







起きたら最高の天気

大井さん達は先に不動岳に行ってしまった。朝のんびりし過ぎて、遅くねと大井さんに言われてしまった。



梅田が先頭



ひき肉?





ようやく頂上へ

いつの間にか先頭だったはずの梅田がいつの間にか最後尾になってしまった。話を聞くと稜線を外れてトラバースしながら登ってたみたい。先頭では梅田の所在が分からず不安になっていた。

全体
先輩方

大井さん達に写真を撮ってもらいました。ありがとうございます。


不動岳のちょっと奥に行くとすごい展望が。深南部の山々が見渡せてまた行きたくなります。


来年にでも行こうと思います。



下山もキモティー



鹿ノ平に着くともう大井さん達は先に下山するみたい。山の上で会えたのは奇跡としか言えないです。
冬の大山に行くときはよろしくお願いします。


大井さんありがとうございました。





のんびり

名残惜しいですが鹿ノ平とさようなら。
下山で道を間違えないように気をつけます。


笹が深い

気がついたらあっという間に下山。来週はお隣の丸盆へ行く予定。カモシカ平も楽しみです。

おしまい


実は誕生日だった堀

先に部室についていた部員がサプライズとしてケーキを作ってくれた! 
山で誕生日を迎えるのも良いですね。



まとめ:
去年は雪が降ってしまいあえなく撤退した不動岳だったが、今回は特に何事もなく登ることができてとても嬉しい。
来年は変な尾根から深南部の山々を巡ってみたいと思います。

(文:堀)