2026年8月8日土曜日

白峰南嶺



日時:7
月4日(土)~7月5日(日)

メンバー:CL中村,SL日比野,鈴木,青島,清田,湯本,旭,
小野寺,下斗米,寺地,西海,圓山

行程:
4日:山梨=笹山登山口-笹山
5日:笹山-白河内岳-大籠岳-広河内岳-大門沢下降点-大門沢登山口=山梨

記録:

どうも腹壊す清田です。気づいたらもう下半期、夏から始まるんだ下半期って(倒置)と毎年思うのと、私は戦争と下半期が嫌いです。梅雨明けが待ち遠しい今日この頃ですが、笹山ダイレクト尾根に登ってきました。尾根ばりの急な文ですみません。

1日目
車で登山口へ向かうと目に映ったのは連日の雨で濁流になった川と水位が上がった奈良田湖でした。


それを見て大門沢の下りは大丈夫だろうかとか考えていましたが、そんなことより私は下しに気をつけるべきでした。登山口近くの駐車場に着いたら活発なインド人男性とお会いし、ほどけない靴紐の結び方や肩周りをほぐす整体術(ゴキっといわすやつ)を教えて頂きました。おいおいおいおい初対面だぞと思うくらいたくさんお話しをして下さり、インドへ行くと価値観が変わる・変わってしまうことが身に染みて感じられたところで登っていきますダイレクト尾根(倒置)。


いってらっしゃい

登り、急ではあるもののSL日比野が素晴らしくいいペースを作ってくれました。ペースでこんなにも変わるのだなと...勉強になりました。




うーん急登具合が伝わらない。伝えたいこの登り。ゆっくりと着実に登っていく。登りきついと分かった上で水を8L以上歩荷しているのが4、5人見受けられるんだよなぁ。主語デカくてすみませんが、ほんっと漢って生き物はよぉ!登山においてウルトラライトというこれ以上ない合理的で優れた概念が浸透している中、2026年度静岡大学山岳部はウルトラコズミックヘビーを追求していく。ちなみにこの活動についてACジャパンから支援の話は来ていない。特に1年生は歩荷過激派で(なんだそれは)夏休みの間、部室にある重しの入った歩荷用ザックを下宿に持ち帰っていいかと聞いてくるほどの熱心ぶり。Z世代か怪しいな。


左:中村さん(新副部長)
右:大輝さん(新部長)

休憩中、中村さんが汗をほとんどかいていないことに気づく。尋ねたところ体質だそうで汗っかきの自分としては羨ましい限り。ただ後ろを振り返って登ってきた急登を見るたびに汗をかかないのが信じられない。いくら体質とはいえ無理があるんじゃないかと。冷却装置は...積んでいない(これは分かってた)。除湿機とかは...(これはもっと分かってた)。
半導体は処理能力を高めるほど消費電力と発熱密度が増大し、高温は性能低下や故障の原因となってしまう。そのため性能を持続的に引き出すには、発生した熱を効率的に除去する冷却技術が求められる。
半導体のフロンティアが求めているのは中村さんの肉体かもしれない。6時間半ほどで笹山山頂に到着。


⚠︎手は山ポーズです

日比野がほんとにいいペースを保ってくれた。眺望は一切なし、真っ白。テントを張ると数名が北峰に行き(何も見えないって)、残りはトランプ・昼寝・余ったレーションの消費と各々のんびり。1年生の圓山くんがねるねるねるねを持ってきていた。登山のレーションに新たな品を...彼はクラシエからの渡来人に違いない。人のレーションを観察してのちの山行にフィードバックする。私なりの山行の楽しみ方です。で、結局フルグラに辿り着くというオチ。私はカルビー保守派である。一方その頃、北峰は...


はいざんねーん

日比野の黄色いバンダナに注目したあなた。お目が高い 草間彌生さんのカボチャバンダナです。よく目立つのでSLにもってこいのグッズですね。15時 炊事を始める。夕飯はなんと山岳部に似合わないトマトスープパスタ。1年生の女子2名のおかげか今年度は料理のクオリティが非常に高い。特に小野寺さんが調達してくれる食材が毎度ほんとに洒落てるんです。今回は玉ねぎが白と紫の2色でした。こんなの下界でもお目にかからないのに。


調理はシェフ中村 


カビー・ラメ



芸術性を感じる

完成品の写真がないですがとても美味しく頂きました。大門沢の水量が気になり、大門沢小屋の方に電話したところ特に問題はないとのことだったので少し安心して就寝の準備をしていく。


準備しなくたって

ここでテントのジレンマ発生!3人テントには3人、6人テント2張りにはすでに4人が入っている。さぁ残された1人はどちらかの6人テントに「こっちのテントを6人テン5人のテントにする」ことを悟らす気まずい表情で入らなければならないのだ。ただの早いもん勝ちじゃんと思いましたか?そう!これぞ既得権益ぃ!山の上でも存在するのだ。
さて結果は?


部長! ツェルト! 外寝!

信じられません。部長を外で寝かすとは何事ですか(もちろん無理強いなんてしていない)。ただ、私も昨年の秋に山伏の山頂にて外寝をしてみましたが星が素晴らしいんです。夏は夕立があるため適しませんが、秋冬については積極的に外寝を試みる輩が現れるのも仕方ありません。星なんて見たら見ただけ長生きしますから。18時就寝。ダイレクト尾根の疲れが効いてぐっすり眠れました。

2日目
2時起床。
今日は長い稜線、大門沢の下り、林道...と約10時間の行程。大門沢が落ち着いていることを願いながら笹山を後にします。朝飯なんだったか忘れました。



明らかに昨日より雲が少ない。私は昨年にこの白峰南嶺から見た北岳があまりに印象的だったので期待に胸を膨らませ稜線を歩きました。


夏休みに行く予定の荒川三山
うぅ美しい。
期待で胸が破裂しそうです。


天国を望む青島

遠くの空は雲の上が黄色い光で満ちており、たぶん天国でした(地獄行く前に見れて良かったです)。


デカ岳(北岳)

これこれこれです。この北岳がまぁデカい。冬の白峰三山は卒業までに必ずやりたい山行の1つです。


稜線と中村さん


寺地くんと稜線

南アルプスは連なる一つ一つの山のスケールがとにかく大きく、重厚感があります。火山が一つもなく、途方もない時間をかけた地殻の隆起のみで形作られたからこその山体。聖母マリアのような包容力がある素晴らしい山脈ですね。また、アプローチが長く(17kmとか)奥深い場所にあるため、原始的な深山性が手つかずのまま残されている点もなんというか、、、エモいです(使い方合ってるかは知らない)。



さぁ稜線を歩き終えたらいよいよこれ↓を下っていきます。


大門沢っていうらしい

ここから5時間の下り。去年と違い雪渓がなく順調な下りかと思いきや、大門沢下降点から40分ほどのところで私が腹を下してしまい隊はストップ。お花を摘みに行き復帰するも再び下してストップ。これが計3回あったためそれ以降、隊は先を行き中村さんが私に付き添い、お花を摘み終え次第2人は爆速で隊に追いつくという体制に。(お花を摘むという表現の性別適合性については目を瞑ってください)
途中のトラバースでは2人とも競走馬さながらの走り。「これなら隊を待たせないで済む」と思ったからか、それ以降腹痛は徐々に止んでいきました。山で体調を崩したのはこれが初めて。下界と違い、「後の行程や下山に支障をきたすのではないか」という心配からくる緊張が腹をさらに刺激してきました。結局7回もお花を摘みました!


汚い話の後なので


何回か渡渉して


フランス缶を見て


無事林道へ


ここから林道ダッシュ
この伝統と幸せが続きますように。


温泉に改札!?
近未来都市NARATA
おしまい
まとめ:
濁流の奈良田湖に始まり、近未来都市NARATAの改札で終わる2日間でした。得たものは、解けない靴紐の結び方、インドに行くと価値観が変わるという知見、山の上にも既得権益は存在するという事実、そして冷却装置を積まずに急登を処理し続ける中村さんという半導体業界への提言。失ったものは、下半期への希望と、大門沢での7回分の何かです。
火山を一つも持たず、隆起だけで立ち上がった山脈は、部員1人ぶんの停滞くらいでは表情を変えませんでした。眺望ゼロの笹山も、デカい北岳も、フランス缶も全部ひっくるめて、白峰南嶺はやはり良い。付き添ってくださった中村さん、待っていてくれた隊のみんな、ありがとうございました。夏休みは荒川三山、卒業までに冬の白峰三山。期待で胸が破裂しそうですが、その前に腹が破裂しないことを祈ります。
この伝統と幸せが続きますように。以上、腹壊す清田でした。




2026年7月18日土曜日

2026/7/18,19,20 北岳バットレス4尾根主稜 登攀 ~ 白根縦走

日時:7月18日(土)~7月20日(月)

メンバー:CL S原,SL M嶋

行程:
18日:静岡=奈良田温泉駐車場(7:30)-白根御池小屋(8:50~9:25)-ボルダー岩(10:20)-Bガリー取り付き(10:45~11:55)-ヒドゥンスラブ(12:10)-第四尾根取り付き(13:50)
19日:第四尾根取り付き(5:00)-バットレス登攀-北岳山頂(8:30)-間ノ岳(10:50)-西農鳥岳(0:35)ー農鳥岳(1:10)ー大門沢下降点(1:30)ー大門沢小屋(4:00)
20日:大門沢小屋(5:00)ー奈良田温泉(7:30)=静岡

記録:
今年の7月の三連休は北岳バットレスに行って来ました。
卒業前に一回はアルパインに行きたいということで、S原君の計画に乗っからせてもらいました。
初アルパインかつ白根縦走もするということで、いくつかのステップを飛ばした気もしますが、果たして無事に帰ることができるのでしょうか?

注 この記録はバットレス登攀のネタバレを含みます。オンサイトをしたい方は読まない方がいいかも。



レンタカーを借りると出費がいたいということで行きはT林さんに送ってもらいました。  感謝!


始発のバスに乗ります。
片道協力金込みで1600円でした(値上がりした?)by S原


午前7時、広河原到着。三連休の頭はやはり大盛況で二人ともトイレに30分くらい並びました。


午前9時、白根御池小屋到着。曇りで涼しかったのでここまでは快適でした。


バットレスの分岐まで沢を登ります。


午前10時過ぎ、ボルダー岩到着。僕達は岩の右から上がりましたが道がかなり悪かったです。岩の左からが正解っぽい。また、このあたりから空気がモイスチャーを超え雨が降ってきました。


踏み跡らしきものにつられちゃったンゴねえ。
それでも登ったりトラバースしたりしているとBガリーの取り付きが見えてきました。


岩ビショビショやないかい!
まったく乗り気ではなかったけど、リードで登ってみると
握り込める系のガバしかありませんでした。
ハーケンも打ってあり安心安心。


Bガリー2ピッチ目の終了点です。
1ピッチ目と同様にペツルのボルトが打ってあります。
S原君がリードしてくれました。
やってることがクライミングじゃなく沢登りで二人で笑ってました



Bガリーを登り終えてからヒドゥンスラブまで。
踏み跡はありましたが、少し登ってからトラバースするので分かりにくかったです。


午後1時20分、到着。
ヒドゥンスラブ自体はスタートしてからすぐに左に抜けると簡単でした。
M嶋がリード。


午後2時、第四尾根取り付き到着!
身体がびしょ濡れかつツェルト泊なのでみじめな夜は確定しています。
少しでもマシな睡眠環境を、ということで二人で奮闘する姿がみじめを加速させます。
ツェルトから常に水滴が落ちてくるので、完全に水も滴るいい男たちだったわけですが
飯食ってすぐ寝たので写真を撮るのを忘れていました。
滴り損やね。


夜起きると、晴れていて星がすごいことに。
写真を見返している今、こんなに綺麗だったのかと驚愕しています。


夜明け前。
これもいい写真ですね。
岩は夜に風が吹いて奇跡的に乾いていました。



登攀前のかっこいい写真を2枚。
S原君のスマホの夜景モードとてもいいですね。


午前4時過ぎ、登攀開始です。
1ピッチ目の最初が少し悪かったです。
下部はクラックが細くフットジャムがつま先までしか入らず緊張しました。
一段身体を引き上げると左足がすっぽり入ります。
M嶋がリード。


1ピッチ目の終了点です。
右下と少し上にも残置があり、ピッチを切ることは出来ますが
僕はピカピカのペツルのボルトに吸い込まれてここで切りました。


2ピッチ目は最初のスラブが少し怖かったです。
ロープは60mギリギリでした。ピッチを切った残置の3m下にもペツルが打ってあったので
そこで切っても良いです。
S原君がリードしてくれました。
クラック区間が気持ち良すぎて伸ばせるだけ伸ばしました。


3ピッチ目はマッチ箱の懸垂下降点まで行きました。
三角垂壁は右から抜けると簡単でハーケンもたくさんありました。
M嶋がリード。
M嶋は普段「自分はボルダラーだから」と無駄にナチュプロとりまくる傾向がありますが、
三角垂壁からマッチ箱の下降支点までどちゃくそにランナウトしていました。うーむ分からん。


懸垂下降は少し降りるとボルトが見えてきます。


懸垂下降してから枯れ木のテラスまでの4、5ピッチ目の写真はないですが
どちらも難しいところはなく楽しいクライミングでした。
枯れ木のテラスに少し広いスペースがあり、そこで5分ほど休憩しました。
懸垂下降後の出だしがリングボルト一本でランナウトしてスラブに立ちこむので緊張しました。
K心さんが全力で握りこんだカチはこれだったのだろうかなどど思いつつ


6ピッチ目のトラバースはS原君がリードしてくれました。
終了点には、ペツルが打ってあったので
トラバースしすぎて城塞ハングをスルーしてしまうことは防げました。
トラバースは景色が映るので写真が映えますねぇ。
ペツル打ってあるもののビレイ点の居心地はいまいち


最終ピッチ、城塞ハングです。
ジャミングは使わず、ガバを探して登りました。
クラックの中に足を入れるので見た目より傾斜を感じ、かなりパンプしました。
また、数年前の記録でK心さんがガチ持ちしたカチらしきものを見つけることも出来ました。
その当たりがガバも少なく核心だったと思います。
M嶋がリード。


最終ピッチの終了点はハイマツに残置のスリングがかかっていました。
踏み跡をたどり、数十分で登山道合流。
バットレス登攀は約4時間かかりました。
お花畑!!!


北岳山頂には8時半に着きました。
二人ともいい笑顔ですね。


ご満悦。


ニッコリ、間ノ岳山頂。


西農鳥岳山頂。...おや?


農鳥岳山頂。・_・

こうみると北岳から農鳥岳までの写真で
笑顔→真顔のグラデーションが綺麗にかかっています。
所要時間は4時間10分。
顔色から見てわかるように私はがっつり高山病にかかり、頭が痛かったです。
本来は笹山方面に下山予定でしたが、農鳥岳についてからS原君と話し合い
大門沢からのエスケープに変えてもらいました。ごめんね。
竜爪山トレーニングしてても高山病はどうしようもないよね

とはいえ、大門沢小屋までの3時間悪いうえに長い下山道で足が過去最高に痛くなりました。
ひざが痛すぎて、頭はいつからか痛くなくなっていました。
不幸中の幸い!


写真だとわかりにくいですが滑落した男性を救助するため静岡県警のヘリが来ていました。
狭い沢の中でホバリングしながら回転したり、ホイストしたり
芸術でした。それとすごい音でした。


これは翌日の下山の様子です。
10時のバスに乗るべく朝5時くらいに出発しました。
奈良田の温泉はえらく近代化改修が入っていました


というわけで下山!
エナジードリンクが身体に染み渡ります。



帰りに「ゆるキャン」という漫画に出てくる、みのぶまんじゅうを買って食べました。
甘さ控えめでとてもおいしかったです。


まとめ:
私はクライミングが好きなのでアルパインにもいつか行こうと考えていましたが、先延ばしていたらもう4年の夏で危うく卒業するところでした。
間ノ岳、農鳥岳は行ったことがなかったので今回の山行は得られたものが多かったです。
途中で高山病になってしまったのは反省点で稜線行動の際、頭が痛くなる前から呼吸を意識するべきだったと思います。
ロープを外付けしながら稜線を歩いていると、「バットレス登ってきたの?すごいね!」と声をかけてくださる方が何人もいました。
かなり自己肯定感が上がるので、バットレスからの白根縦走おすすめです。
(文:M嶋)

先輩の北岳バットレス山行記録を読んで在学中にいこうと決めていたので唯一来春卒業予定の同期であるM嶋と行ってきました(あれです卒業予定でいうとあと3人いますが院進予定なのでね...残りの二人は留年...)。せっかく静岡県民になったならば白根三山もとっておかないとということで縦走もおまけで(ちな日本2位間ノ岳は山梨県)、自身は冬の大唐松尾根・白根三山縦走以来でしたが、こんな長かったっけという印象でした。そういえばここ全く折れ曲がらず直登したわなどと思い出を嚙みしめながら歩けました。バットレスは晴れていれば乾いていれば荷物が軽ければさほど難しくはないように思いますし、興ざめはしますが支点にはペツルも打ってあるのでぜひ後輩たちにも遊びに行ってほしいと思います。
にしてもM嶋君 一日目の夜はなんともみじめな幕営だったね!あんな環境でも寝れる山岳部万歳!
(コメント:S原)