2025年6月29日日曜日

2025/6/29 笛吹川水系東沢 ホラの貝ゴルジュ

日時:6月29日(日)

メンバー:CL堀,SL蓮容

行程:
12日廻り目平キャンプ場=西沢渓谷入口駐車場-二股大橋-F1滝-ゴルジュ入口-ゴルジュ下降-西沢渓谷入口駐車場=静岡


記録:

梅雨がいつの間にか終わり、暑い日が続いている今日この頃、蓮容さんがホラの貝に一緒に行ってくれることになったので初の3級沢、気合いを入れて行ってきました!!




小川山の朝は寒い

前日は静岡で沢を登っていたので急いで小川山へ。
結局着いたのは11時過ぎで少し焚き火で語り合って1時頃就寝。6時に起きてうどんを貪る。
前日の疲労と睡眠不足で身体はだるいが憧れのホラの貝へ。


香りと食感が良い!

市営駐車場に止め11時頃出発。蓮容さんがよもぎ餅を買ってくれました。まじでうまい。ありがとうございます!

入渓地点までウキウキ

30分ほど歩いて入渓地点到着
沢装備をつけて出発。

いざ、行かん





少し進むと川幅が小さくなり、本格的に沢の様相に

蓮容さんも歓喜!

少し泳いだりして進んでいく。
ゴーゴーと激しい音が聞こえてきたらF1に到着。



ヮ(゚д゚)ォ!

凄い立派です。

右岸のクラックを登っていきます。中盤まで足が良いですが後半は突っ張る系でヌメっていたので少し悪い。ホラの貝を遡行する良いアップですね。

さてこのF1の危険性を考えていきたいと思います。
①ホワイトウォーター
滝直下の部分は空気を多く含んでいるので比重が低くなり、ライフジャケットを着ていても浮力が弱く自力脱出は難しいです。
②反転流
滝の形状、水量などによって上流側に水が流れる現象。結果的にホワイトウォーターに引き寄せられます。
①,②の理由から登攀中に落ちる場合できるだけ滝から離れて、安全な場所に落ちる必要があります。

また、途中でプロテクションを取る取らないやビレーの仕方など考慮する点はまだ多いです。特に今回は2人での遡行だが登攀力が弱いメンバーがいる場合は冷静な状況判断が必要だと感じました。








2個ほど淵を泳いでちょい悪いところが

堀は左岸の壁正面を

蓮容さんは更に右の凹角クラックを


ワイドっぽく登って大変そうでした





少し進むと開けた明るいところが。


これには堀もニッコリ

遂にホラの貝入り口に到着!!
水の色が濃く、幻想的な雰囲気の中に何とも言えない畏怖の念を感じます。



ソーラービームチャージ中

レーションを腹に詰め込んで、太陽エネルギーを蓄えます。




じゃんけんに負けたので堀が先に行きます。
溺れても蓮容さんが引っ張ってくれるので安心して泳ぎます。


やったー

今回は水量もそれほど多くなく、水温も低くない好条件のおかげであまり苦労せず突破。







中には幻想的な滝が






これは下降の写真だがいつぞやの増水で今年から木が倒れかかっていた。

以前までとは違い、リードやフォローで落ちた際にロープが木に引っかかるという危険性が存在した。

木がない場合はプロテクションを取らず、落ちたら滝に落ちてロープを引っ張って回収する事が可能だが、今回の場合ロープが木に引っかかることでロープを引いても落ちた人を回収できない可能性があった。そのため僕たちは積極的にプロテクションを取り、エイドも積極的に行う作戦で登ることにした。(実際はフリーで抜けました)



堀がリード。このために持ってきたクライミングシューズに履き替える。オブザベでは壁が傾斜していてどう登ろうかルートを考えていた。ルートとプロテクションを取れそうなクラックを目星をつけ取り付く。腰チョーに手を伸ばす動作が無意識に出るの不思議。落ち着いて登ればトラバース自体は無問題。僕にとっては落口への下降が難しかった。十分慎重に足を置いたつもりだったが水線沿いに足を置いた瞬間ゼロフリクションでギャグみたいにヌメった。一瞬でバランスを崩し振り子状に落ちた。真剣に登っていたが自分の落ち方が面白すぎて笑いながら落ちていた。その後もう一度同じ場所で滑って落ちた。どうしよっかなーと考えていたときクライミング用のブラシを持ってきていたことを思い出し、使ってみることに。すると効果抜群!!あんなに滑っていたのが嘘みたい。ブラシありがとー。


買っといてよかった!

無事登りきりました!





アンカーを右岸のクラックに作ったが少し考えようだ。トラバース自体は安全にビレーできていいが問題なのは最後のハーケンから落口への下降である。右岸に作ったせいで後続が落ちると振られが大きく滝下へ行ってしまう可能性がある。すごい迷ったが左岸に良い支点がなく振られて落ちても右岸側なら水流に直接当たらないと判断して右岸にアンカーを作った。

落ちる時の危険性を受け入れられない人と行くのは難しいと思います。同程度の実力がなければ難しいですね。


さて、ホラの貝はまだまだ続くので頑張って行きましょう!!


テクノロージア

自然と身体が突っ張りムーブになって不思議。


水圧強し


ちょっと広いとこらがあったので休憩&ロープ解除。



右岸を高巻き気味に登ります


滑って怖い

ジャンプで沢復帰。




沢は突っ張りムーブが最強ですね!
突っ張りすぎて足の付け根が痛いです。

まだですか?




ラスト突っ張り

これを抜けるとゴルジュが終わります。


奥が明るい!


淵を泳いで光のもとへー


疲れた(´Д`)ハァ…

沢が穏やかになったので遡行終了にします。
沢での本格的な泳ぎは初めてですっごい疲れました。

一息ついて下降はキャニオニングで。死亡事故の多くはキャニオニングで起きているのでここからが核心と思って行きます。

スライダー



ひょいっと


クライムダウンも



飛び込むまでが悪い

ホワイトウォーターや水の流れに注意して飛び込もう!




約30分で入り口に戻ってきました!
下りは早い!
名残惜しいですが時間も押してるので下山。

まだ終わってないので慎重に。


登りで悪かったところは右岸から


淵はゆったり背泳ぎで泳ぐと自然を感じられて幸せ。



タマヒュンポイント

F1到着。7,8メートル程の高さを落ちるというのは普段リードで落ち慣れているとは言え怖いです。
深そうな場所を狙って大ジャンプ!!
落ちている途中、時間がゆっくりと流れてふわっとする感覚をまだ覚えています。ヒエ~




ここさえ越えれば後は大丈夫。
橋を渡って駐車場まで戻ってきました!




疲れすぎて車で静岡に帰るのが本当の核心でした。前島くんありがと。




まとめ:

短いながらも沢の厳しさを感じる遡行だった。滝の危険性、プロテクション、アンカーなど蓮容さんから多くのことを学びました。今後、後輩を連れて行くにあたって今以上の安全が必要と感じたので、沢をもっと経験して行きたいと思います。
ホラの貝は圧倒的に綺麗で無事登ることができて良かったです。また行きたい!

(文:堀)




2025年6月28日土曜日

2025/06/28 八ヶ岳 稲子岳南壁左カンテ

日時:6月28日(土)

メンバー:蓮容,増地

行程:
12日:みどり池入口駐車場(6:20)―しらびそ小屋(7:25)―稲子岳南壁取り付き(8:30)―稲子岳(11:25)―にゅう(12:05)― みどり池入口駐車場(14:15)


記録:

部室に1時に集合。静大前のファミマで院の同期に出くわし奇妙な視線を向けられるスタートとなりました。
小川山でクライミングをする後輩を廻り目平で下ろし、そこから1時間ほどかけてみどり池入口駐車場に向かいます。この土日、山岳部では山行計画が4つ同時に進行するという、時間の有効活用の極地みたいなことをやっていました。その一本がこれです。


駐車場ですでにアブがうるさい


1時間ほど歩きしらびそ小屋に到着。みどり池から南壁が綺麗に見えます。


北八ヶ岳にこんな岩壁があるとは


しばらく緩やかな登山道を歩き、

ここでバリエーションへ

急登を上がる。テープもぼちぼちとあります。

左カンテ取り付きへ到着。ぱっと見登りやすそう。


最初は増地がリード。左カンテと言いつつ初手は溝を登ります。残置支点やカムが決まる場所も多く落ち着いて登れました。気づきませんでしたが2ピッチ分まとめて登ってたそうです。終了点は綺麗なハンガーボルト×1+古びたリングボルト×2でした。


2ピッチ目終了点にてビレイ


爆裂火口と天狗岳が特等席で見られます。八ヶ岳にいるとは思えない静けさ。天気、気温もよくまったりとした気分でした。なお雨男の蓮容さんですが僕とアルパイン行く時は必ず晴れるという都合のいい特性を持っています。

時たま別パーティが登ってる声が聞こえましたが位置は同定できませんでした

3ピッチ目へ


蓮容さんがリード。ここも難しくないですが浮石、動く石は多いのでパーティ間の伝達は大事かと思います。

景色最高!


一段上に終了点があったのですが、ロープを引き上げる際にザレ石を落としたくなかったそうで蓮容さんはその手前でピッチ切ってました(カム3つだった記憶)

時間もあるのでここで大休止。
よもぎ餅って美味しいですよね

一段上がり、

4ピッチ目へ


4ピッチ目は増地リード。右のワイドクラック、左のハンドクラック両方行けます。今回は右から行きました。終了点はハンガーボルト×2でした。

4ピッチ目終了点より

そこからはコンテに切り替え、

少し上がってから正面の岩塔を左に巻く。

トラバースすると段々とザレてきます。

不安感が出てきたのでスタカットに切り替えました。


セルフが取れずザレた斜面でのビレイだったので内心ヒヤヒヤしてました。実はトラバース中にハンガーボルトがあったのですが進めそうなので進んじゃいました。ハンガーボルトから岩を直上したほうがラインとしては美しいと思います。ただ「自由に登りたい」と事前に言ってた蓮容さんとしてはまあ、よかったのでは

もう1ピッチぐらい登れるかなと思っていましたが上まで抜けてしまい「あれ、」となったものの無事登攀終了です。

楽しい登攀でした

踏み跡に合流し少し歩くと、

稲子岳山頂へ。標識がイカしてますね


僕と蓮容さんは「いなこ」岳と呼んでましたが、この日の夜に若月さんと小林さんと喋った際に「いなご」岳と呼んでいたのでそっちが正しいかもしれません。

稲子岳からは北上し、にゅうへ向かいます。ここも一応バリルートで道迷い遭難が多いそうですが基本尾根を外さなければ問題ありませんでした。

苔むしていていい雰囲気です

最後はやや強引に突っ切りました

登山道復帰。意外と歩きで疲れた

にゅう山頂


にゅうも取れたので下山します。4年前に八ヶ岳南北縦走した時は寄らなかった山頂なので図らずも取ることができ嬉しい。

1時に起床したこともあり下山中は二人とも眠気に襲われていて無言の下山でした。なので僕の(自主規制)の話で盛り上がったりして眠気を覚ましました。

途中大同心みたいな岩質の岩を見つけました。
来週菅原たちが行くそうです。頑張って🔥


14:30下山。お疲れ様でした。
この後小川山で登ってた人達と合流しお酒飲みました。蓮容さんは炎症してる右足を引きずりながら次の日ホラの貝ゴルジュへ向かっていきました。長生きしてくださいね。

今回のルート

まとめ:
稲子岳南壁左カンテはアルパイン入門として丁度いい難易度で、浮石に注意を払えば十分初心者を連れていけるルートだと感じました。そのまま稲子岳→にゅうへ縦走できる点も魅力的だと思います。程よい緊張感で楽しめました。

去年度は体調を崩してしまい、全く山に行くことが出来ませんでした。今年度は体調が回復し、蓮容さん等のお誘いもあってポツポツとですが山に行けています。こうやって健康に登山ができることが嬉しいです。

(文:増地)