2019年8月28日水曜日

2019/8/10~12 南アルプス 白根三山(夏季準備合宿)

日時:8月10日(土)~8月12日(月)

メンバー:CL宮下、SL田中、市川、中嶌、中川、森、佐野、蓮容

行程:
10日:静岡=奈良田=広河原ー草すべりー肩の小屋
11日:肩の小屋ー北岳ー北岳山荘ー間ノ岳ー農鳥小屋ー農鳥岳ー大門沢小屋

12日:大門沢小屋ー奈良田=静岡

記録:
10日:晴れ
 5:30発のバスに間に合うように車を走らせ奈良田の里に到着。今期の今までの山行と異なり青空が見られる清々しい天気が迎えてくれた。このまま晴れの続く山行になれば良いのにと思いつつ、暑いくらいの日差しを浴びながら既に何度か通ったことのある登山道を歩いていく。この時期の天気は午後から急変することも珍しくなく、つい先日このエリアで他大学の人が雷に打たれて亡くなっている。そのことも踏まえて行動する時間には気を付けて登ることにした。
 広河原インフォメーションセンターから
白根御池
草すべりに入ってから60人規模のある高校の登山部とすれ違ったが正直かなりの迷惑行為ではないかと思う。そこまで広い登山道ではないのでやや不安定な場所で道を譲って頂くこととなったがあまり褒められたことではなかったであろう。隊が長すぎることによる弊害が強く出ておりパーティを分割するなどの措置を講じてもらいたかった。今回、私たちは8人パーティであったがそれでも多少多いほうであり、すれ違う時などのマナーで気を付けることが他より多々あるということを改めて意識させられた気がした。
 肩の小屋。稜線に出ると左右で天気が異なるのが判りやすい。
積雲が綺麗に灼けている。
メンバーの体調を考慮し肩の小屋までの行程としたため比較的穏やかな時間をテン場で過ごすことができた。夕食を食べ早めに就寝に入り明日に備える。

11日:晴れのち曇り
 3時起床でホットドッグという軽めの朝食をとり撤収。雨でないことと調理が単純であったことから1時間もしないうちに歩き始めることができた。空には満天の星空があり写真を収めたがもう少し露光の長いカメラが欲しいなと感じた。夜明け前に北岳に登頂ができ、初めてご来光を拝むことができた。この時点で大半の人がこの合宿に満足していた気がする。記念撮影を終えたのち北岳山荘側に下り始めた。少し岩場の地形であったが皆しっかりとした足取りで下れていたと思う。
 日の出前
 北岳山頂
 御来光。ありがたや。
 涼しく心地よい気温だった。
富士にグラデーションがかかっている。大気の温度が違っているのか?

 先日の雷の痕跡
間ノ岳山頂

農鳥親父。かなり話しかけられた。数十分のやり取りから私は合わないなと感じたが他のメンバーは農鳥に泊まってみたいという感想を抱いたようだ。わからん。親父殿にあれこれ言われたのでまだ行動可能時間であり天気の崩れもまだ持つと判断し農鳥岳へ歩みを進める。急登であったが皆足取りはしっかりとしており時間をかけずに西農鳥に登頂。「やっほー!」と叫ぶだけの体力がまだまだ残っているらしい。
 農鳥岳山頂。ここら辺でガスが景色をかき消してきたがここからは大門沢へ下るだけなので雷のことは一安心。だが、肩の小屋から農鳥までかなりの長時間行動で疲労の蓄積による注意力の低下が下山の危険性を上げている。そのことを意識して下山を開始した。特に今期のメンバーは下山の悪い歩行の仕方や落石などが目立つため皆にも留意してもらいたいことである。
 大門沢小屋。ここのトイレは凄いので一度ご利用してみては如何かと…。
久しぶりのご飯の写真。今回は和風きのこパスタ。
 夕食までの時間が空いていたので沢で涼んだり昼寝をしたり。明日は少し下山をするだけなので起床は少し遅めにして就寝。

12日:晴れ
 今日も星は見られたようで大気も安定している。3日間天気が持つのは素晴らしいことだ。朝食をとりテントを撤収し奈良田へ下山。
奈良田の里温泉は営業9時開始とのこと。下山が早すぎたためしばし川遊びに興ずる。温泉に入った後は青果市場に寄ったりしながら静岡に帰着。そのあと本合宿に向けた話し合いを行い無事今回の準備合宿は終了。

まとめ:
 今期初めての晴れ間の続く山行を遂行することができた。一年生にとっては景色が見られる山は初めてだったのではないだろうか。晴れているとテントの撤収もスムーズに行うことができていたと思う。
 テン場や登山道でのマナーなど他人の行動で目に付く所がいくつかあったが、自分たちの行動はどうであっただろうか。人の振り見て我が振り直せというが言われるまでは気づけないことがほとんどであると思う。細かい部分にも意識を向けていきたい。パーティ同士がすれ違う時など譲る譲らないの見極めもマナーの一種だと考える。
 毎度の事となってしまうが体力は今までも、これからもずーっと付きまとってくる課題だと感じた。下山のとき休憩がとれるスペースが少なくあまりとらなくなっていたが長時間ノンストップだったとは思わない。体力があれば並大抵のことはどうにかなるので長時間動き続けても問題のない基礎を作ってもらいたい。それと、今回地図を見て整置を行い現在地の把握を行った人はどれほどいたか。地形を読むくらいの余裕を持てるくらいにはなりたいものである。

(文:宮下)

2019年8月26日月曜日

2019/7/13~14 南アルプス 仙丈ケ岳 甲斐駒ヶ岳 (体力錬成合宿)

日時:2019年7月13日(土)~7月14日(日)

メンバー:CL宮下、SL佐野、市川、中嶌、中川、森、田中、蓮容、白水、池田

行程:
13日:静岡=芦安=北沢峠ー長衛小屋(BC)-甲斐駒ー双子山ー長衛小屋
14日:長衛小屋ー小仙丈ー仙丈ー長衛小屋ー北沢峠ー芦安=静岡

記録:
13日:晴れ
 真夜中の1時から慣れない大きめの車を寝不足で走らせ芦安の駐車場に到着。天気がそこまで良くないはずの3連休にも拘らず大勢の登山家がすでに待機しており その中に紛れつつ広河原行きのバスを待った。バスを乗り継いで北沢峠に到着しBCの長衛小屋にてテント設営をし、多少軽くなったザックを担いで甲斐駒へと向かう。体力錬成なのに荷物を軽くして良かったのだろうか?
 大きくガレた岩場を歩いて行った。浮石もいくつか存在しており確実な足運びが必要とされてくるような場所だが躓いたり転倒したりすることなく皆歩けていたと思う。
鳳凰三山のオベリスクを望む。
摩利支天である。いつか登ってみたい。
甲斐駒ヶ岳の直登とマキ道の分岐だ。直登ルートはやや難易度が高いとされているがそれは下山時の危険性からくる難しさで、一定のクライミングの技術があれば登りに関しては然程問題はないと考えたが、メンバーの1人が登っている最中に足を踏み外してしまい擦り剥く程度の怪我を負ってしまった。原因としては当人の慢性的な視界不良と注意力の低下が要因ではないかと思われるがメンバーの技量を過信してしまい適切なルート選択を行えていなかった可能性がある。
甲斐駒ヶ岳からの眺め
集合写真
面白い地形。冬には凄い雪庇になりそうだ。
テン場に帰着。甲斐駒ヶ岳からは行きとは異なるルートを使い下りてきたが一年生の皆はかなり疲れ切っている模様で石に躓いたりペースが急激に遅くなったりと酷い下山の仕方をしていた。少しばかり長い行動時間であるがまだまだ体力不足なのが分かった。疲れてくれば集中力も落ち、危険が増すことになるため日々の生活から体力づくりを心掛けてもらいたい。それと睡眠時間はとても大切なので寝不足な私は早めに寝た。

14日:小雨
 起床後朝食をとり余分なものを置いて小さくパッキングを行い準備体操を行いいざ仙丈へ。食事をとってから準備体操を行うまでの時間がかかり過ぎていた。テントを片すわけでもないうえ、目標時間を設定しているのでこれからはしっかりと時間を見て行動してもらいたい。
朝から雨は気分が沈む
 カッパとザックカバーが色とりどりに並んでいる
 誰も気にも留めなかった小仙丈ヶ岳。稜線に出てから雨風が増し体力が持っていかれたのだろう。ここからは急登も少なくなるので多少はマシになったのか。
集合写真2枚目
 雨のせいで景色が真っ白。おまけにレンズに水滴がいっぱいついて綺麗に撮れない。一年生の登った感想が気になる。 
初めて雷鳥を見れた。解像度ギリギリで粗い

まだ一部で雪渓が残る
 雨の仙丈ケ岳を踏破し無事下山。皆昨日よりは疲労が少なく丁寧に歩けていたと思うがまだまだ歩行技術は覚束ないので精進していこう。

まとめ:
 今回は1泊2日の山行にしてはお金がかかった。マイカー規制でバスを利用せねばならずそのバス代が学生には結構な額で在学中はもうこの仙丈甲斐駒のアプローチは行わないだろう。今回の合宿で山が初めての人や、まだ2回目の人もいたが、だいぶこの部活に慣れたのではないかな思う。細かく挙げれば限がないが鍛錬すべきところがたくさんあり、本人も自覚はあると思うのでこれからも山に行って精進してもらいたい。私は寝不足が一番の敵であると思った。願わくは次の山行は太陽の日差しを浴びたい。

(文:宮下)

2019年7月28日日曜日

2019/7/28北山川水系前鬼川

日時:7月27日(土)~7月28日(日)

メンバー: 高田、中村、市川、中嶌

行程: 浜松=前鬼登山道駐車場-入渓地点-本流出合-垢離取場-小宿坊-前鬼登山道駐
    車場=浜松

記録: もともとは柿其川に行く予定だったが、天候悪化で転身することに。場所は奈良は前鬼川。前日は主将のお宅に泊めていただいた。美味しい夕食を頂き、主将の高校時代のビデオを見せられ得も言えぬ気持ちになった。
朝早く車で発ち、愛知を抜け関西へ。

林道から駐車場へ。先に2パーティーほどいた。子供連れでキャンプをしていた様だ。
日差しが伸び唸るような暑さ。支度をし駐車場下から入渓する。川は冷たく水飴のように透き通っている。
足がつかないところも多い。泳いで突破する。
身長と体重の無さからかなかなか水流を抜けることができない。フローティングロープを出してもらいやっとの思いで進む。
 大滝にぶつかり、高巻く。残置ロープが据えられている。しかし直後に対岸への渡渉を強いられる。真下は滝で水量も多く、質の悪い渡渉だった。フローティングロープは残置してあったハーケンに中間支点で取り、主将が突破を試みる。じりじりと進んでいくが、流心の辺りで体が傾いた。みるみる流されロープとハーケンに荷重がかかる。しかしすぐさま復帰し、2発目で突破。中嶌、中村先輩も抜け、自分は最後のフォローだった。もう少しというところだったが、途中で体がふわりと浮き上がる。とっさに岩へとダイブし、事なきを得た。
やれやれだぜ・・・と思ったところにまたしても難所が。中嶌が奮闘して全員無事に抜ける。僕はギリギリまでへつったが、無事入水した。
その後も泳いだりしながら進み、終点垢離取場に到着。

中嶌が糸を垂らすと一匹かかった。その後リリース。
右岸側から登山道に上がり、小中坊を経て駐車場へ。


まとめ: 豪華な転身先だった。今回は渡渉技術の大切さを学べたと思う。機会があれば
練習したい。フローティングロープはちょっとした時にさっと出せて便利だった。渡渉では水の抵抗も少なくて良い。一本持っててもいいかもしれない。


(文:市川)

2019年6月23日日曜日

2019/06/23 笛吹川ナメラ沢



日時:2019年6月23日(土)

メンバー: 大井 市川 高橋 岩崎

行程: 静岡:雁坂トンネル駐車場→沓切沢橋→久渡川降下点→1350m 二俣→1420m ナメラ沢出会→1960m 遡行終了点→2050m 鞍部→1855m ピーク→1735m 地点→久渡川→沓桐沢橋→駐車場

記録:
          6時53分 雁坂トンネル手前の駐車場で身支度。
          林道を歩くのでその後でもいい。


沓切(くつきり)橋。ここから入渓。

最初の分岐。左に。

5程の滝もとい壁。登り易い。
           名に恥じぬ美しいナメが続く。

ナメに対してフエルトが効きにくい。
中ノ沢との出合い
脱渓。背の低い笹薮を抜ける。

尾根に出る。下山は踏み後と赤テープと読図。
沓切橋の下に到着。

まとめ: 読図は必要だが全体的に難易度は低い。新人も良い動きをしてくれた。
    

(文:市川)

2019/6/15~16 八ヶ岳 赤岳 リーサブ養成合宿

日時:2019年6月15日(土)~6月16日(日

メンバー:
A隊CL宮下、SL佐野、中川、田中、白水
B隊CL市川、SL蓮容、中嶌、森
行程:
15日:静岡=美濃戸口駐車場(8:00)-行者小屋(12:00)
16日:行者小屋(5:00)-中岳分岐(7:20)-行者小屋(8:00)-赤岳鉱泉(8:40)-美濃戸口駐車場(10:40)=静岡
記録:
15日:霧雨

 軽と普通乗用車の2台を借りて赤岳への登山口である美濃戸口まで車を走らせた。9人参加の合宿で定員数ぴったりの移動は膝にザックを抱えての乗車になり、快適度は低かっただろう。悪天候なのは予測済みであったが土砂降りの雨の中を移動中、渡渉もできずに撤退かな?と考えていたが駐車場まで行くと雨は鳴りを潜め、何とか登れる雨模様であった。
八ヶ岳山荘の軒下で準備中
水量は多いのか?
南沢から登り始めた。カッパが暑いくらいだ
新入生も現在地を確認し整置を行う
沢を登っていく。石も濡れていて歩きにくい
行者小屋のテン場
 正午くらいにテン場に到着し、この日の行動予定が終了。運転疲れか2年男子は夕食までお昼寝タイムを満喫。初めてのテン泊の子も居り、テントの設営やセオリーなど手間取っていたがそれは経験を重ねてもらいたい。
 夕食はシェフのミートスパゲッティなるものを頂いた。ゆで汁が残らない素晴らしき水加減で味も良かったが、量が足りない人もいたかもしれない。
 就寝中に馬鹿でかい雷鳴が一発だけ響いたがとても恐ろしく感じた。
おや…?めんのようすが……?

16日:小雨 強風
 3時半に起床し朝食を頂きながらその日の方針を決定した。本来の行程では赤岳横岳硫黄岳と南八ヶ岳を縦走する予定であったが、天気の状態を勘案した結果、赤岳の頂上までのピストンを行うこととなった。


 恐ろしいことに地図の読み間違えから取り付く尾根が見えておらず沢を遡行しすぎ雪渓の残る場所まで登ってしまった。さすがにこれはルートを間違えているなと思い一度テン場まで戻ってみると沢の方向にロープの規制線や尾根には赤テープがついており明らかに見逃しのルーファイミスをしてしまっていたことが分かった。
 小雨ほどの天気で薄暗く、足場も悪く足元にばかり注意がいってしまっていたことが主な原因であると考えている。地図読みと地形読みが正確であると思い込んでいたためコンパスも正しい方向だと過信してしまいミスに気付くのが遅れてしまったということも考えられる。
 時間がかかってしまったが文三郎尾根に乗れる場所が分かったので気を取り直して登って行った。低気圧の通過後で天気図が西高東低の気圧配置をしており、森林限界を越えると風が強く吹き込んできた。

 雨の影響で鉄階段は滑りやすく、体はもっていかれそうなほどの風を受け、視界は明かず、体感温度は氷点下に近かった。そのため中岳の分岐までは登ったが、これ以上は危険が過ぎると判断し引き返しを決めた。




 行者小屋に戻り赤岳鉱泉まで抜け、北沢から美濃戸口駐車場まで無事に戻ることができ、確かに安堵することができた。

まとめ:

 初めておおよその新体制の2年生と新入生での山行を行うことができた。ピークを踏めなかったのは残念ではあったが、当初から予想されていた悪天候のなか山行を行うことや道迷い、撤退を決めるなど、CLとして良い経験を積むことができた。
 自分も歩き方はまだまだだが、それでも恐いと思う歩行の仕方をしている人が多くいたこともあり、登っている最中はいつ撤退の判断を下すかを常に考えながら歩いた。ぜひ山行回数を重ねてしっかりとした危険性のない歩き方を体得してほしい。
 新入生にとっては大変な山行であったと思うが今回の経験を活かせるように何が足りなかったなどを2年生も同様に再度考えてみてもらいたい。

(文:宮下)