メンバー:蓮容,高田(OB)
行程:
29日:静岡=川浦渓谷駐車場(9:30~10:00)-入渓(10:15)-海ノ溝谷出合(10:30)-2m滝(10:45)-巨釜の滝(11:40)-3mCSの滝(12:40)-川浦渓谷駐車場(15:20)=静岡
群馬や埼玉では40℃を越える所さえ出ているような本格的な暑さ。
ってなわけで、沢登りに行ってきました。
記録:
せっかくの高田さんとの沢登りのため、ゴルジュと泳ぎとシビレる沢をチョイスし、奥美濃の海ノ溝谷へ。名前からすでに満足させてくれそうな気配が漂います。
この谷の遡行区間は1kmちょっと。直線距離なら500m。そのくせグレードは4級ほど。。。ミジカシい系なようで、どんな核心が待っているのかワクワクしながら向かいます。
高田さんは残業続き、この3日間の睡眠時間は併せて6時間ほどとかいう大人社会の闇を垣間見ながら、すき屋の朝食と仮眠を経て駐車場へは10時ごろ。山中でもすでに気温は30度近く。
この気温、いつもなら不平不満たらたらですが今日に限っては最高です。
高田さんは寝不足だろうがなんだろうが常に元気です。
沢の前なら多分地球滅亡前日でも元気です。
今回は時短のため、荷物は1つにまとめリード空荷で遡行しました。
この日は他に1パーティ海ノ溝に入るようで、ここで挨拶を交わしました。
1号橋を渡りすぐの左岸から踏み跡を辿り、最後は懸垂15m |
降り立ちました |
入渓はすぐにできましたが、河床はヌメヌメ。
第一の核心後は、しばらく平和な区間が続きます。
そしてそれからすぐに...。
その後はCSから側壁を直登したのち、トラバースして滝を越えます。見るからにヌメっていて落ちればCSの裏側の洗濯窯へ。本日一番の精神的核心ですが、高田さんの迫真の泳ぎを見せていただいた以上、私も働かなければなりません。
岩の色からしてもう嫌らしい気配が漂うほど。注意して歩きます。
全国的には晴れ傾向が続いていましたが、この辺りは連日激しい夕立があったらしく水量は特別少なくはなっていないようで嬉しい!?限り。
そしてまたすぐ海ノ溝谷出合が見えてきます。
本流左岸からヌメる岩をへつって侵入しました。
第一の核心 |
出合の滝を越えるとすぐに第一の核心。
蓮容リードで右岸を泳ぎとヘツりのミックスで突破。
それなりにクライミング力が必要でした。
時短のため高田さんを左岸側から強引に引き上げましたが、とんでもない水圧を顔面に浴びかえって大変そうでした笑
右岸は水中からだと厳しい? |
本当に溝のようなゴルジュが続きます |
ゴルジュゴルジュ |
ヌメヌメで這い上がるのが大変(苦笑) |
第一の核心後は、しばらく平和な区間が続きます。
とはいっても泳ぎはちゃんとあり、ヌメリにも気を使いながら。
しかし、素晴らしく見事なゴルジュが途絶えることなく続きます。普段なら興奮しながら無駄泳ぎや無駄水線突破をしていたことでしょう...。
しかし、今回は2人とも本能的に消耗を避けるルート取り。緩むことのないゴルジュがそうさせたのせしょうか。
青い水、水中深くまで及ぶゴルジュ、、、ここまででも来た甲斐があるというものでした。
次の核心までは癒しな区間が続くため、さくさく進みます。
谷の内部は外の猛暑とは無縁で、ずっと谷底の水に浸り体も冷えてきたころ、第二の核心となる大釜を持つ滝に到着しました。
この釜の前は多少開けており、セーブポイントな感じ。
行動食を体に入れつつ体温を戻します。
登攀が核心とのことで、ここも蓮容リードで行かさせていただきます。
気持ちのいい滝でした |
最初はヘツりを試みましたが、ホールド甘く断念。飛び込んで滝の右側からフリーで突破しました。離水はややパワーを要しますが、一手上に出せればガバが連続。滝の横というルートも相まって爽快なセクションです。
離水がやや大変だったので時短のため、カムでお助けを設置。1~2番が効きます。
登ったあとは水流を横切って終了。沢っぽくて映える写真が撮れます(笑)。
流心のフリクションは良好ですが、増水時は要注意かもしれません。
その後すぐに水路を持つ小滝が現れます。
高田さんが泳ぎにかかりますが、突破できず。
表層は素直な流れですが足は奥のCSに吸い込まれる感じがしたそうで、水中の流れはかなり複雑になっているかもしれないため要注意です。
高田さんでもダメな泳ぎは人類には不可能な泳ぎ。瞬時に巻きを決めました。
これは高田さんでも突破できず |
左岸ルンゼ脇から巻きます。 |
巻きは歩いて降りられます。ヌメリ注意。 |
そしてそれからすぐに...。
❕ ハスイがなにか見つけたようだ。 |
青い水、ハングし狭まったゴルジュ、灰色のCS,CS裏に隠された滝とそのホワイトウォーター...。最高に威圧的で神秘的な空間が待っていました。
最初、リードを譲っていただきますが、圧倒的水流とホワイトウォーターの前にあと一手が届かず...。10トライぐらいしたでしょうか...?断念。
高田さんに委ねます。
そして、さすがの高田さん!水流に真っ向から立ち向かう超圧倒的泳ぎで数トライのうちにCSに到達しました。(人類の出力じゃねぇ!!)
その後、CS下からハンマー投げを試みていましたが投擲は苦手であることを悟ったようで、カムを活用しCS上へ。本日一番の核心に対し、さすがの突破力でした。
他の記録を参照しても、ボイルが激しく取り付きまで完全にホワイトウォーターでした。 (それに真向勝負って...) |
CS上から。...いかにもヌメリそうです。 |
手が届く範囲のフットホールドをタワシで丹念に磨き、ハイステップを決め登ります。悪いのは最初の一歩だけで、一歩無事にこなせばあとはガバ。落ち着いて登れば大丈夫です。
とはいえ、ゴルジュはしばらく続くため、完全には気を緩めずふざけず進むことを確認しながら。。。
とはいきませんでした。
残った区間はご褒美タイムというべきゴルジュ。
深青色の水路、ちょうどよい釜を持つ小滝、美しいスラブ滝…。
封印していた無駄泳ぎ、無駄水線突破をフルバーストで遊びまくり、最後まで充実の遡行でした。
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!?!?!? |
ゴルジュが緩んだ瞬間、一気に夏の空気へ。
無事に異空間から脱出できたことを感じながら、すぐの所にあった適当な尾根から脱渓しました。
まとめ:
海ノ溝は、短いながらも見どころが多く、というか区間全てが見どころのような素晴らしい渓谷でした。全国的な猛暑の最中、震えながら遡行できたのは贅沢という他ありません。
海ノ溝は、短いながらも見どころが多く、というか区間全てが見どころのような素晴らしい渓谷でした。全国的な猛暑の最中、震えながら遡行できたのは贅沢という他ありません。
渇水していないならば泳ぎも高強度にこなす必要があるし、登攀力も必要で、要素ごとのバランスが取れた非常によい真夏の遊び場です。
ただし、ある程度の実力がないと水圧の強さやなんてことない場所でのヌメりにより、補助があっても突破が難しい場所もあります。一緒に行ける人を選ぶのが唯一の難点でしょうか。
しかし、こういった総合力が試される沢は非常に楽しいことを再認識しました。
これからも是非いろいろな所での遊び相手をしてやって下さい!
(文:蓮容)