2022年6月25日土曜日

2022年6月25~26日 鳳凰三山縦走 赤抜沢左俣遡行ーオベリスク登攀

日時:6月25日(土)26日(日)

メンバー:CL増地,SL生熊、鈴木(健斗)、富沢、有間、奥津、鈴木(琴音)、高林、吉田
若月、蓮容

行程:
25 静岡=夜叉神峠―杖立峠―苺平―南御室小屋
26 南御室小屋―薬師岳―観音岳―地蔵岳―南御室小屋―苺平―杖立峠―夜叉神               峠=静岡

記録:
今回のパーティーの人数は驚異の9人。人数の多さから不安な面もあるが、にぎやかな山行になりそうだと私は少し胸を躍らせていた。また、私にとってはSLデビュー山行である。そして今回は別パーティーでOBの若月さんと現役主将の蓮容さんが沢を登り、オベリスクで私たちと合流するのだとか。
うーむ、、、、なんとも情報量の多い山行である。でも楽しみだ。

25日
上級生同士のコミュニケーションがうまく合わず初っ端から車問題が発生したがなんとか解決し、静岡から車を走らせ夜叉神峠駐車場へ向かう。(東さんありがとうございました。)
そこで若月さんと蓮容さんとばいばいし、私たちは、夜叉神峠登山口を8時に出発


樹林帯をさくさくと進む。途中で読図の確認も行いながら8時50分には夜叉神峠に到着。いいんじゃないか?(cv.小林さん)

初々しい1回生


...一方その頃、蓮容たちは赤抜沢入渓点まで(無駄に)約3時間の歩荷を行っていた。
広河原からアクセスするとすぐなのだが、バスの時間が合わないし、時間に余裕もあるしで、ただただ車道を歩く。
一方その頃新人は...とかいって本隊に思いを馳せる(現実逃避)。
沢の状況・オベリスク登攀の情報は別の記録にまとめるのでそちらを参照してほしい。

8:50 後輩達に思いを馳せながら歩く先輩の図


驚異の3時間歩荷など想像だにしてない私たちは悠々と10分ほど休憩を取り、出発。さあまた樹林帯へ。
今回私は初めてSLから見える景色を見た。当たり前のことだがSLは先頭であるため、基本的に自分の前に人がいない。なんだが目の前の景色を独り占めしているみたいで思わず笑みがこぼれた。

いやおもろ


なんていろいろ感動しているうちに10時15分ごろ杖立峠に到着。


ここからまた樹林帯を進む。私は今回初めて1回生と登山をしたが、とても楽しかった。奥津と高林を中心にたまに他のメンバーも加わっておしゃべりながら歩き、とてもパーティー全体の雰囲気がよかった。
考えてみればずーっと黙りながら延々と樹林帯歩くってだいぶ苦痛よな。




そんなこんなで11時すぎに苺平へ到着。

ふぁいとぉ!


本隊が苺平へ向け順調な登りをしている頃、有名なシレイ沢を越えてようやく赤抜沢入渓点へ到着。やれやれ。
準備をしている間に夜叉神峠からのバスも丁度通過。...切ない...。
獣でも見ているような目を乗客の方々に向けられていた気がすると若月さんが喜んでいた
10:50入渓点。準備中に丁度バスが通過していった。


一方、休憩を終えた私たちは南御室小屋へ向かうのみ。ここからは下りがほとんどなので気持ちも軽い。話に花を咲かせながら順調に進み、12時半ごろ小屋に到着。早い。登山開始4時間半でテント場に着いてしまった。すごいな今年の1回生。

カラフルやなー(しろめ)

うー-ん。人が多いっっっ!!駐車場の車の多さから予想はしていたがテントの多さに驚いた。さすが鳳凰三山。人気だ。


水を眺める有間
ここの水場は風情があってよき


新人達がテン場でゆっくりしている頃、私たちもアルプス特有の美しい渓相の中での遡行を楽しむ。連瀑などもあるが、いずれの滝も快適に登攀できる。

水は痺れるほど冷たい!

15時頃、幕営地を定め、最低限の火起こしをする。花火で。

う~ん、Sparkling!!!

因みに、花火は酸素がなくても燃える、差し込める、といった点から無駄に有用でした。



一方現役組はテントを張り、各々自由にすごしたのち16時ごろから食事作りを開始した。今回は9人いるためお米を9合炊く。9合炊くのってどれくらい時間かかるんだろう、、、?健心さんと顔を見合わせながらおそるおそるコンロに火をつけ、炊き始める。
案の定、だいぶと時間がかかり、だんだん待っている間の会話のネタも尽きてきた。どうしよっかなぁと思い、「ゲームでもしますか?」と健心さんに提案。すると健心さんが「ピンポンパンゲームをしよう」と言い、そこから晩御飯のチーズリゾットに入れるベーコンの数を競ってピンポンパンゲーム開始。
みんな最初は困惑したがなかなか楽しかった。
ちなみに勝者はけんてぃーさん。おめでとうございます。
このあと夕立があったが、ここでの幕営は快適だった。

晩御飯を終え、明日の予定やルートを確認し、各々解散。とはいえその後すぐ雨が降ってきたためほぼみんな就寝。
その頃、蓮容達はたたき下ろすような突風と雨に荒れ狂るうタープの下、ふて寝をかましていた。

夕立が収まったのは19時頃。それから一晩分の薪を集め、飯にありつき、25歳児に花火で小マットを溶かされ、就寝したのは21時過ぎであった。
両手に花火を持って寝るんじゃあない


本隊 ゲームに勝ち誇る女帝・生熊

沢隊 夕立も止み、ようやくゆっくりと食事&ささやかな飲み会

それぞれが山での一夜を楽しむ。

本隊が寝た頃、沢では22歳児と25歳児はウイスキーを燃やしたりベーコンに梅酒をぶっかけたり(異常に旨くなった)(メイラード反応)小マットを溶かされたりしていたそうな...。



26日
3時に起床し、朝ごはんの味噌ラーメンを食べる。今年の1回生はいっぱい食べる子が多く、本当にありがたい。大きく育てよ(何目線)。

起床


4時20分出発。登り始めからルーファイミスをしてしまったが順調に歩みを進める。とはいえ、登山3ヵ月ぶり、泊りの登山に至っては半年ぶりの私の足には1日目の疲労を感じる。1回生にも1日目の疲労が残っている子がいるように見える。がんばれ。今日がんばったらオベリスクで若月さんと蓮容さんに会える。思わず顔がほころぶのを感じながら登って行く。


などと生熊が思いを馳せているとき、私たちは爆睡していた。
若月さんの、「蓮容、そろそろ米だそうか」で起きたのが5:00。本来の出発予定時刻。
お茶漬けおいし

5時半に薬師岳登頂。予想はしていたが稜線の風がとても強く、萎えそうであったがなんとか進む。(薬師岳への登りで「走っていいよー」って言ったら迷わず奥津が山頂へダッシュしたのはまた別のお話)

👍


続いて6時10分ごろ観音岳登頂。惜しくも白根三山に雲がかかってはいたものの、富士山と伊豆半島が見え、とても興奮した。ほかにも甲府盆地を拝み「市街地が見える!」とみんなで騒いだ。

観音岳!
(風が強くて山頂が広くなかったため集合写真が撮れなかった、、、)


そして7時半ごろようやく地蔵岳登頂。ここで少し長めの休憩をとる。お疲れ様!三山完登したね!!


お疲れ様!


さて、お楽しみのオベリスクは、、、んー、おかしいな、、、若月さんも蓮容さんも見当たらない、、、?試しに私と健心さんでオベリスクの近くまで歩いてみる。んーやっぱり見当たらない。健心さんがインディアンコールをするも返事がない。(いや、仮にオベリスクを登ってたとしても返事は厳しいか)まだ来てないのかな、、、?


(参考資料:その頃の沢組 7:40)
山で美しい写真を撮る時、汚物が映り込むことがあったらそれは妖怪写真汚しの仕業じゃ。
なあに、もう一回撮ればよい。(cv.田の中勇)





もう少し待とうか健心さんと相談するが、とりあえず南御室小屋で合流することにし、8時前に地蔵岳を出発。ちぇ。

人の気配がない、、、


ここからはひたすら来た道を戻るのみ。意外と観音岳への登り返しが長く、縦走のピストンのしんどさを感じた。

長いなぁ、、あの二人どこにいるんだろうなぁ、、、

すると
「Awawawawaaaaaaaa!!!!」(形容しがたい奇声)

聞き覚えのあるインディアンコールが!ハッと振り返ると離れたところに若月さんと蓮容さんの姿が!!!
「若月さんだ!!蓮容さんだぁ!!」
各々みんなで叫びながら思いっきり手を振った。おそらくこの山行で一番歓声が上がった瞬間であっただろう。うれしい!

健心さんが蓮容さんたちのもとへ行き、協議した結果、追いつくから先に行ってて、とのこと。まあそーだろーなーと思いながら南御室小屋を目指して進む。

そして観音岳で休憩を取り、薬師岳にただいまを言い、砂払いを過ぎて樹林帯へ。樹林帯をひたすら下るのに飽きてしまった私は鼻歌を歌いながら下っていたらいつの間にか後ろで1回生たちによる私の歌っている曲当てクイズが始まっていて面白かった。


さて、沢組はここからもう一つの主題となるオベリスク登攀に取りかかる。

人の目が多い西面を避け、東面へ回り込む。
蓮容がリードで取り付くが、カムの設置がなんとも言えず時間がかかる。
登ったあとは若月さんをビレイ。若月さんはあっというまに登られた。さすがです。
上からは丁度薬師岳に登り返していく本隊が見えた。
少し風化が見られるため、手・足共にホールド注意

オベリスク頂上から(9:30)

帰りは二人で懸垂下降してから、下でリードクライミングの要領でビレイし、若月さんにクライムダウンでカムを回収していただいた。その後、1時間半程度で本隊と合流した。


そんなこんなで南御室小屋に到着し、しばらくして沢組とやっと合流してお互いに昨日から今日にかけてのお互いの行程を報告し合った。衝撃の事実!寝坊したんかい!!!

荷物をまとめて南御室小屋を出発。

順調に進み、苺平に到着。ここでSLを1回生の奥津に交代!ふぁいと!
1回生の中には続く下りによる膝の痛みを訴える子がちらほらおり、また疲労からペースが落ちてきている子もいたのでどうなるかなぁと思いつつ後ろから様子を見ていたが、みんなすいすい歩いていきずんずん高度を落としていく。ほんとに今年の1回生は強い。すごいなぁ。しかもわいわい楽しそうに下山している。とても微笑ましい。



夜叉神峠で休憩を取り、駐車場へ。今日のような10時間近い行程は1回生にとって初めてである。最後SLをやってくれた奥津をはじめ、みんなお疲れ様!!!

このわちゃわちゃ感がなんとも好き


なんと今日は高林の誕生日!部室に帰ってからみんなでお祝いし、花火をした。そして反省会をし、各々の帰路に着いたとさ。


はいさどんどん

まとめ:
今回の感想は、楽しかったの一言に尽きる。今年の1回生は人数が多い分全員で山に行くことが難しく心配な面もあるが、今回の山行を見る限り、とても雰囲気がよく、一緒に山に行ってとても楽しい。1回生同士で励まし合ったり冗談を言い合ったりしている姿がとても微笑ましかった。(昨年、同級生が全員消えた私は思わず遠い目をしてしまった。)今回の山行は私にとって初めて体力に余裕のある山行だった。日々の歩荷の成果がようやく出始めたのかと思い本当に嬉しかった。だが、まだSLをこなす上で十分な体力があるわけではないと思うためまだまだ精進していきたい。やはり歩荷最強説は体力不足に悩む後輩たちに伝承していきたいと強く思った。全体の反省としては、1回生はまだ少し支度に時間がかかっていたことかなと思った。これは慣れるしかないが、時間の使い方を考えるのも一つの手だろう。また、今回は休憩適地の一歩手前で休憩をとることが多く、とても不規則な休憩の取り方になっていた。休憩を訴えることはとても大切だし、体力に限界を感じた時は訴えるべきだと思うがその希望をすべて通してしまうと、その後の計画に支障がでることもあるのでケースバイケースに対応する必要があると思う。(ゆーて休憩を訴える子の気持ちは痛いほどわかるためなんとも言えない。ちょっとでも休憩したいよね、、、)
以上、情報量の多い山行でした。

(本文:生熊 青字:蓮容)



2022年5月22日日曜日

2022/5/21~22 八ヶ岳 硫黄岳〜天狗岳

日時:5月21日(土)~5月22日(日)

メンバー:CL増地、SL池田、東、鈴木、高林、富沢、犬塚、有間、蓮容

行程:
21日  静岡=桜平駐車場-オーレン小屋
22日 オーレン小屋-赤岩の頭-硫黄岳-夏沢峠-根石岳-天狗岳-オーレン小屋-桜平駐車場=静岡
22

記録:

21日:天候 

新入生を迎えはじめての山行は、みんな大好き八ヶ岳にすることにした。例年に漏れず初山行は雨であり新入生は可哀想である( ◠‿◠ )。車の人数関係で池田がバイクでアプローチすることになった。本人は出発前は乗り気だったが、登山前から雨風に晒され着いた頃には坂本慎太郎ばりの渋い顔をしていた。

唐沢鉱泉起点で1日目から天狗を取る予定だったが、雨の稜線を歩くには条件が悪かったため桜平駐車場発でさっさとオーレン小屋へ行ってしまうことにした。

楽しみだね!


読図しながら

新入生が残雪に興奮していた。静岡県民って雪を見た時の反応が皆同じな気がする。

!?

オーレン小屋着

時間が余っているので駄弁ったり、昼寝したり、ココアを飲んだり、本を読んだりと各々が自由な時間を過ごしていた。オーレン小屋にあるトイレはSSランク級の綺麗さで感動した。

カレーは、美味しい

今回食糧係も担当したが肉を持ってきすぎて肉丼カレー味みたいになった。



22日:天候 曇り

どんよりした天気だったが雨は降っておらずありがたい。午後にかけて回復していく見込みだったので、稜線上で晴れるといいなあと思いながら出発する。

去年より残雪が多い!

登る1年と東

樹林帯はずっと残雪が続いており、1年生は初山行で雪上の歩行をするいい機会となった。程よく締まった雪で歩きやすい。しかし体重のある1年生の1人は何度も雪を踏み抜いており、そのたびに前の方から「ああっ」とか「ほおっ」とか聞こえてきた。


稜線に出る

1年 元気のTK林

一休み

20分ほど歩けば


硫黄岳 着

個人的にはこれで5回目の硫黄岳である。実家へ帰省するのと同じ頻度で来ているので実質帰省かもしれない。
爆裂火口はガスで見えず...

一旦下ります みんないい笑顔


サクサク歩きます

この辺りはずっと蓮容さんと喋っていた記憶しかない。気持ちの良い樹林帯を抜けると根石岳が見える。

この登りいいですよね

ナチュラルに「写真の質が下がる」とか言って
すみません蓮容さん


上級生は気持ち良くなってしまったのかこの登りをダッシュしていた。やっぱ山といえばダッシュですよね(一年生は笑いながらそれを眺めていたが次の鳳凰三山では君たちが走る側になることをこの時はまだ知らない)。


数十分の間だが青空が迎えてくれた。さっきは見えなかった爆裂火口もチラリと見えて満足である。一年生も喜んでいた。

根石岳 着

天狗へ向かいます

この稜線は貫禄があり本当に素晴らしいが、去年に八ヶ岳全山縦走をやった時にはここを通過する際にすでに体力が限界を迎えており、登りが本当にキツかった記憶があるので色々と噛み締めながら登った。



東天狗手前

東天狗を取り、西天狗まで行ってから記念撮影。

フレッシュ新入生

モッサリ上級生

山頂でしばらく待ってみたが晴れる気配もないので下山を開始する。オーレン小屋まで戻ってテント撤収し登山口へ。


疲労のTK林


同期


14時前に下山。お疲れ様でした。下山してから天気が良くなるところも含めて山岳部らしい。しかし写真を見る限り稜線上は雲に覆われてそうだった。

帰りのご飯屋さんを検索していると、何やらお腹いっぱいにしてくれそうなところがヒットしたので行ってみることにする。楽しみだ。

!?

!!?

!?!?

一瞬カバの餌が出てきたのかと思ったが人間用だった。フードファイター御用達の量の料理が私たちの胃を蹂躙する。しかも女子2人の頼んだ料理が抜きん出て量が多く、みんなで手分けしても手も足も出なかった(腹は出たが)。完全敗北した私たちは仕方なくフードパックを購入しみんなで持ち帰った。

そんな1コマが山岳部LINEのプロフィール写真に決定


まとめ:
新入生初山行だったがみな足取りがしっかりしていて今後に期待が持てる山行だった。雪上や岩場でも転倒する場面がほとんど見られなかったので、体力さえつけば部としての行動の幅はグッと広げられるだろう。また今回来れなかった新入生も含めて、よく喋りよく笑う子が多くコミュニケーションが活発である。去年度はメンバー間のコミュニケーションがマチマチだった印象が拭えなかったのでこれは非常に良い傾向ではないかと思う。

(文:増地)