2021年12月12日日曜日

2021年12月11日 天狗岳 雪上訓練

日時:12月11日(土)

メンバー:CL東,SL金子,鈴木,生熊,池田,市川

行程:
静岡=唐沢鉱泉ー黒百合ヒュッテー天狗岳ー唐沢鉱泉=静岡

記録:

雪道と車が多いせいで登山前からわちゃわちゃしてしまったが、なんとか車を停めて準備を始める。この山行が今シーズンで初めての雪山だったが、去年入部して割とすぐに雪山に連れられたことや今回が雪上訓練ということもあり、僕はすこし落ち着いた気分で準備を進めた。

ここからスタート


樹林帯をかき分けていく



黒百合ヒュッテに到着!まず特筆すべきはこの一面に澄み渡る青空!この景色だけで来て良かったと思うほどにきれいだった。気温も特別寒いわけでもなく開けてるにもかかわらず風も全然吹いてなくてとても穏やかだった。みんなもこの景色が気に入ったのか15分くらいここでレーションを食べながら休憩していた。ただ雪面からの照り返しがとてもまぶしく、長く見ていると目が痛くなってしまう。景色を見ていたいけどまぶしいから見れない、そんなジレンマを抱えながらこの時間を過ごした。サングラスをもっておくとこういうときに便利だと思った。

雲ひとつない快晴!


ただ照り返しがきつかった・・・



休憩を終え、黒百合ヒュッテを出発すればここから天狗岳に向けて上っていくことになる。


ここから本格的に天狗岳へ



途中、東天狗岳に着いた。ここでも天気が良くかなり気持ち良かった。このあたりは稜線が近いため風は少し吹いていたがその風すらも心地よく感じた。

(東)天狗岳


イェイ!


西天狗岳に到着!これまた雲ひとつない快晴で僕たちを迎えてくれた。それもあってか山頂にはたくさんの人がいて賑わっていた。僕が今まで上ってきた山でこれほどまでの快晴の山頂は2月の仙丈ヶ岳以来かもしれない。やっぱり天気が良い山頂は良いものである。毎回これくらい天気が良ければなあと痛烈に思った。

天狗岳山頂到着!


集合写真



その後、無事下山し、静岡へと戻った。帰り道で車が汚れてしまったので部室で洗車することとなった。ホースの水をかける程度で落とせる汚れだったので一安心。みんなで交代で汚れを落としている中で、なんと池田がめちゃめちゃ上手にホースの水を操るではないか!素人がやろうとすると二つに分かれてしまうのに対して、彼がもつホースからはひとつに集約された水圧の強い水が出ていた。それによって細かい汚れを集中的に落とすことができた。曰く、実家の庭の手入れの手伝いでホースの扱いに慣れているとのこと。その甲斐もあって僕たちは車の汚れきれいさっぱり落とすことができた。

部室で洗車


まとめ:

今回の山行はとにかくずっと天気が良かったのがとても気持ちよかった。ただその分、照り返しも強く、雪盲の危険性を肌で感じることができた。サングラスなどで対策できればより楽しめたと思った。
雪上訓練ということもあって体力的にしんどいというものではなかったが、今シーズン初めての雪山だったので歩行が全然安定しなかったのが反省点としてあげられる。これからもっと歩行技術を向上させて冬山を乗り越えていきたい。
(文:鈴木)

2021年11月13日土曜日

2021年11月12~13日 バラ谷の頭〜黒法師岳・丸盆岳

日時:11月12日(土)~11月13日(日)

メンバー:CL増地,SL金子,蓮容,生熊

行程:
12日:静岡=戸中川ゲート(林道)→シブロク歩道→バラ谷の頭(幕営)
13日:バラ谷の頭→黒法師岳→等高尾根(→カモシカ平)→丸盆岳→等高尾根(カモシカ平)→黒法師岳丸盆岳登山口 →戸中川ゲート=静岡

記録:



12日:
黒法師岳の山行記録を任されていたが書いていないことに気づき、お正月明けの実家でぬくぬくと記録を書くことにした。なので文章も全体的にぬくぬくとしているかもしれない。

✌️

戸中川ゲートまでの林道は結構な悪路かつ電波が早々に途切れてしまうので入山連絡は早めにしてしまいたい。運転係じゃなくて良かった。

とりあえずジブロク歩道まで4kmほど林道を歩かなければいけないので進み始める。単調でつまらない道だが500m間隔で標識があるので現在地の把握は容易である。脳内ではビートルズの『Tomorrow Never Knows』が永遠に流れていた。途中雨が降り始めたのでカッパを着込んだがジブロク歩道に着く頃には止んでいた。



道中の休憩小屋


入山して間もなく


「沢を渡ると西側の尾根に取り付いてしまう」という2年前の静大の山行記録をありがたく活用し、間違えることなく予定の尾根に取り付く。西側の尾根は激急登らしい...。


だが、トラバースし先に尾根に乗れば楽だったものを、斜面をそのままほぼ直上する選択肢を取ってしまったために結局激急登となってしまった。先にトラバースしてしまう、か...なるほどと思った場面である。

1682m分岐

尾根に乗ってからは順調に高度を上げていくが何やら雪がつき始めたではないか。どうやら2年前よりも初雪が早いようだ。明日歩く稜線も真っ白になっているのが見える。嬉しいような嬉しくないような、、、あれっ腹痛が、、、

今日は朝から腹の調子が悪く何度もトイレに行っているが雪を見ると余計腹が冷えるように感じるのは気のせいだろうか。ケツを拭きすぎて切れ痔のようになり股が擦れると痛いので終始ガニ股で歩く羽目になってしまった。


ファイティン!
バラ谷の頭到着

この辺りから樹氷が目立ち始め笹藪、青空とのコントラストで本当に素晴らしい景色を見せてくれた。本来笹藪の美しい絨毯を見にここへやってきたがこのおまけはお釣りがくるレベルだ。


本邦最南端2000mの地を見に行った後、幕営予定地の黒バラ平へ向かう。写真ではわかりづらいが、笹+雪のコンビネーションで非常に滑りやすいので相当の神経を使う。生熊があまりにも滑るので蓮容さんが注意していた。



14時半には幕営地に到着しさっさとテントを建ててのんびりしていた。蓮容さんが焚き火を起こそうとしたが雪であらゆるものが湿っており結局燃え上がらず諦めてテントに戻ってきた。

全然つかんやんけ!

自然とこのポーズが頭に浮かんできたらしい


この後は楽しく談笑したり誰もいない山中をいいことにカラオケをした後、夕食にビーフシチューを食べたがこれがまあ美味い。蓮容さんが食糧担当の時はレベルの高い合格点をオールウェイズ出してくれる。




13日:

おはようございます。



朝から快晴だった。ペンネスープを腹に入れとりあえず黒法師岳を目指す。


目線

なかなか気持ちの良い歩きだったが黒法師手前は笹が深くなりかき分けながらの登りだった。これがもし下山路だったらなかなか苦戦を強いられただろう。

また笹藪をかき分けるのに必須の軍手だが、それのみだと手がかなり冷えるので全員手袋の上から軍手をつけていた。

黒法師岳

1時間弱で黒法師岳を登頂した。この久しぶりの寒さは自分の体に去年の冬山を思い出させ身が引き締まる。
樹氷だらけの黒法師をのぞむ

うへえ

また昨日のバラ谷の頭の下りの経験から黒法師の下りもある程度想像できたが、予想通り笹と雪でシビアな状態に仕上がっていた。左側は切り立った崖となっていてなかなか緊張する場面であった。
時間をかけ慎重に下っている最中、前を歩いていた蓮容さんが突如「ストップ!」と叫ぶと同時に生熊が斜面をゴロンゴロン転がっていて頭の整理が追いつかなかった。どうやらバランスを崩し転倒したらしい。本人にとって初めての雪道ということもあっただろう。大事に至らなくて本当によかった。


目の前に見えるのが大無間山、だったはず

等高尾根分岐に着いたところで丸盆岳に行くか下山するかで審議したが、時間が別に押していないこともあり寄ることにする。こういうのは決断するときは億劫になりがちだが、いざやり終えると「やってよかった」となることが多い。


気持ちの良い歩きだ。やはり少人数の方が山行は面白い。体感あっという間に丸盆岳到着。



復路は蓮容さんと生熊が笹の尻セードで降りていたが僕とリッキーさんは真顔でそれを見ていた。
奥行きがあっていい写真

等高尾根分岐に戻り下山を開始したが序盤でいきなり踏み跡が消えた。すぐに気づいて道を修正したが、現在地がどこか論理的に考察できたのでこれもいい機会となった。

後は登山口まで特に問題はなかった。

市川さんじゃないですか




下山


戸中川ゲートまでの(楽しい)林道ダッシュが始まった。しかしこれが事件の発端となる。そう、誰も本日の核心はここからだということを知らなかった...。

駐車場に到着し、荷を片付け、さあ帰ろうとなったときに、生熊「自分のスマホないです。ザックに入れてたんですが」
実は林道ダッシュの時、男3人で生熊のザックを担ぎながら走っていたのだ。そのザックからスマホがポロリした説が浮上する。あの6kmの林道で。

そこで自分たちが出した結論は、、、



「ザックにあるだろ!(^ω^)」

何を血迷ったか私たちはロクに確認しないまま車を発車させてしまったのだ。出発から30分ほどたった後、生熊「やっぱりないです...」おっと?これはUターンか...?

最初に書いたが戸中川ゲートまでの林道は結構な悪路である。またこの道を使い、私たちは再び駐車場へ戻ってくることになった。この頃には日が沈み辺りは真っ暗である。


男3人のうち2人が探しに行き1人が生熊と車で待機することになったが、全く行きたくなかった私は率先して待機役を買ってでてしまった。そういうとこやぞ。


ヘッテンとスマホを持ち蓮容さんとリッキーさんは暗闇の中へ消えていった。私たちはジッと車で待っていたが1時間半たっても戻ってこない。不安になったが、しばらくして2人が帰ってきて安心した。本当にお疲れ様でした。しかしくまなく探したらしいが結局スマホは見つからなかった。私は2人を労いレーションのナッツを全てあげた。


全員疲れ切っていたがここから長い帰宅が始まる。16時半に下山したにもかかわらず静岡に戻ってきたのは夜中の4時半という地獄の行程となってしまった。



この横たわっている灰色の石像は何だろうと思われるかもしれないがこれは私だ。この爆睡し地に伏している頭が今回の過酷さを物語っている。



*生熊のスマホは心優しい方が拾ってくださり、警察に届けられ、後日無傷で手元に戻ってきました。本当にありがとうございました。


まとめ:
ザックを担いで走ってはいけない。

(文:増地)

2021年10月9日土曜日

2021/10/9~10 八ヶ岳 赤岳~硫黄岳

日時:10月9日(土)~10月10日(日)

メンバー:CL増地,SL鈴木、金子、東、池田、生熊

行程:
9日:静岡=美濃戸口駐車場(6:20)-行者小屋-赤岳-横岳-硫黄岳-赤岳鉱泉(16:00)
10日:赤岳鉱泉-美濃戸口駐車場=静岡

プロローグ

今回(も)主将の蓮容さんはいない。今回は来年度に向けて二回生と一回生のみで経験を積むための山行である。事前に地形図を読み込み、山行記録や動画を拝見した限り、今回の山行は一日目の行程がとても長いように思える。私は一日目の行程時間は10時間近くかかってしまうのでは?と思い先輩に相談

私「今回の山行は一日目がだいぶ長くないですか?」

先輩「え?7~8時間くらいの行程じゃない?まあ生熊さんの体力次第ですね(^^)」

私「、、、ソウナンデスカ、、?」


記録:
9日 晴れのち曇り
朝6時くらいに美濃戸口駐車場に到着。駐車場の混み様から人の多さは容易に察せられる。

あぁ、車、多いな、、、

6:20頃出発。ここからは林道歩きである。はじめはお葬式のような静かな冷たい雰囲気で歩いていたが次第に口数が増え、帰りのご飯を何にするかや蕎麦うどん論争など楽しくおしゃべりしながら歩いた。


林道を終え、美濃戸山荘に到着。南沢ルートから行者小屋を目指す。ここからは樹林帯歩きである。私は今回が初めての八ヶ岳であったがこのさまざまな樹木や苔が生い茂る樹林帯に終始興奮していた。


よきよき

よきよき

相変わらず誰かさんのペースが遅いせいでのんびり行者小屋に到着。ここで少し休憩。

雄大やなぁ、、、(今から登るんか、、、)

ここでヘルメットを装着し出発。ここからはひたすら登りである。分岐を皆で確認し、文三郎尾根を行く。


少し登ったところで赤岳名物マ○○トの地獄の階段。


これがまあ長い。事前の下調べでこの階段のことは覚悟していたつもりだったがそれにしてもなげえな!ふん!嫌いだ!!階段なんて!!!

、、、文明の利器に殺意を抱く日が来るとは

なんとか階段を登り終えたところで少し休憩をとる。次第に辺りがガスってくる。立ち込めるガスが早く進めと警鐘を鳴らす。

そしてここから山頂へは大きな岩がいくつも待ち受けているガレ場である。クライミングが好きな私は少し心躍るような面白い道だが疲労で楽しむ余裕はなかった。

荷物がなければもっと楽しめるのに、、、

やっと登頂 ハイ!チーズ!


時刻はすでに12時を回ったところ。ここで東さんから現実的なお言葉が


「14時までには硫黄岳に着きたい。ペースをあげよう」

マ、、、ジ、、、?もう階段&ガレ場で足ふらふら、、、

なんて叫びが届く訳もなく、いざ出発

慎重に慎重に


まるっ!

崖っぷち!

そしてスリル満点の大同心&小同心を越え、やっとこさ横岳に到着
実は一歩手前のピークを横岳と勘違いしたとかなんとか、、、

さあ残すは硫黄岳。時間ないねぇ!ガスどんどん濃くなるねぇ!暗くなってくるねぇ!
焦る気持ちから横岳からの下りはほぼダッシュ
な・の・に!誰かさんは硫黄岳への最後の登りでまたもやペースダウン
あーもー早くおうち帰ってショパンコンクール(動画配信されてるやつ)聴きたい!


時刻は15時過ぎ。ガスが立ち込める中なんて危ない稜線歩きであったろうか。健心さんだけ爆裂火口を見に行ったが他のメンバーは硫黄岳に無事着いた安心からか座り込んだまま動かなかった。
「この石食べれるんすよ」(嘘)

そして樹林帯を降り、やっっと赤岳鉱泉へ到着。無事にたどり着けてよかった。
時刻は16時。今日の出発が6時頃だったことから行程時間は約10時間。ほら!だから言ったのに!よくない予想が当たってしまい情けない限りである。

そしてここからお楽しみが待っている。そう!今回の山行の夕ご飯はなんと焼肉なのだ!!

楽しそう~(楽しかった)

おいしそう~(おいしかった)

おいしいお肉とご飯をおなかいっぱい食べ、ぐっすり就寝

10日 晴れ
今日は赤岳鉱泉から駐車場に下るのみであるため、朝はさほど急がずに出発。ちなみに朝ご飯はお汁粉。夜といい朝といい今回の食事は今までで一番良かったのでは。

good-bye 八ヶ岳

途中リッキーさん消失事件が起きたが特に問題もなく談笑しながらすいすい下山した。



そしておいしいほうとうで腹を満たし、各々帰路に着いたとさ
はいさどんどん


まとめ:
感想・反省(懺悔?)
 途中から嘆きの多い山行記録となってしまったが今回の山行では苔などの植物が楽しめる樹林帯からスリルのあるガレ場や爆裂火口など様々な山の姿を見ることができ、とてもおもしろかった。特に大同心、小同心の崖歩きは好奇心に踊る胸を必死に押さえて歩くほどであった。反省点としては、ルーファイミスによって歩きにくい道を行くことが何度かあったことである。よく山行の反省で言われるがもっと主力のメンバー間だけでなく全体のコミュニケーションを向上したい。そして1つ見逃してはいけないことがある。この記録にちょくちょく出てきた「誰かさん」は言わずもがな私である。私の最大の課題は体力である。今回は運よく天候が崩れなかったが、本来は14時頃には行程を終えなければならないし、稜線歩きなどもってのほかである。頭で分かっていても足が動かない。これはもうトレーニングするしか解決方法がないのは分かっている。だが、いつまでこんな体でいるつもりなのか。もう雪山まで二カ月を切っている。今のままではパーティーを危険に晒すことは火を見るより明らかである。悩む暇があったら歩荷しろ。そう自分に叱った山行であった。

(文:生熊)