2018年11月28日水曜日

2018年11月16・17日 深南部 六呂場山~不動岳(秋季合宿)

日時:2018年11月16日(金)~11月17日(土)

メンバー:CL中川,SL中嶌,中村,市川,岡,高橋,宮下,コーチ高田

行程:
16日:静岡=戸中川林道ゲート(7:05)-(矢筈尾根)-1473.7m三角点(10:11)-六呂場山(12:55~13:10)-鹿ノ平(17:06)
17日:鹿ノ平(7:25)-不動岳(8:08~8:20)-鹿ノ平(8:52~9:15)-鎌崩ノ頭(9:56)-(鎌崩尾根)-戸中川林道(12:21)-戸中川林道ゲート(13:55)=静岡

記録:
私が現役として参加する合宿としては最後になるであろう今合宿。
深南部の素晴らしい自然林、笹原のバリエーションを経験してもらいたく、今コースを設定した。

深南部、特にこの水窪山域に入る際には事前に林道情報を確認されたい
浜松市内林道情報 
静岡県道路通行規制情報システム

16日:晴れ
寒気の入りが遅い今年は、戸中川林道の紅葉が丁度見ごろで美しい。
西面で明け方暗いはずの林道の運転も華やかな気分になる。
戸中川林道ゲート


ゲートからすぐの橋


水が流れている装置の脇を登る


しばらくは尾根沿いに黒いホース
今合宿から1年高橋が復活!そして久しぶりに4年中村も参加。
合宿中、中村持ち前のコミカルな語り口で指導をしてくれた。
大変ありがたい。

毎度おなじみの戸中川林道ゲート。
車は他に無く入山しているのは我々のみであるようだ。
ゲートを越えてすぐ左手に現れる道に入り橋を渡ると、
矢筈尾根の取り付きだ。
1412mまでの標高差約800mは急な登りが続く。


1473m三角点、「矢筈山」の標識がありました


深南部らしい景色が広がる


更新されていく森林


1年生元気!


定番のこの標識「耳目は欺かない 判断が欺くのだ」


六呂場山
1473m三角点からしばらくは平坦な広い台地となる。
葉を落とした木々の間から青空がのぞき、
落ち葉の絨毯を歩く。贅沢な時間だ。
鹿ノ平に続く主稜線に乗ると尾根は細くなり、
まもなく六呂場山に到着。
久しぶりの高橋、中村も含めてみんな好調。

この六呂場山からの下りでルート間違いが起きた。
山頂では全員地図を確認・整置していたが、以下の地図の北東~北に向かって出る尾根に注意が払えておらずそちらに入ってしまった。
どう対処するか気になり指摘せず様子を見たが、リーサブ含めた1年生皆、ルートが誤っていることに気づくものはいなかった。
最終的には標高差約70m(腕時計高度計)誤ったルートで下ってしまった。
原因として以下の2つが考えられる。
①読図経験不足
②リーサブ依存

①に関して。山に入る量が圧倒的に不足している。
山にとにかく入り、何でもないところでも地図を見て、
地形図における見え方と実際の地形の見え方のデーターをたくさん
自分の中にインプットすることが必要だろう。
また、地形の読み方を丁寧にすることが必要だろう。
今回誤った箇所は典型的なルートを誤りやすいポイントである。
尾根の連続性的には誤った尾根に続いていて入って行きやすい。こうした細かなポイントも
準備の段階でメンバー内で共有することが必要かもしれない。
◎印刷の倍率を上げるなどして縮尺を1/25000から1/12500にすると
細かい地形を読みやすい。但し、縮尺を細かくすることのデメリットも
頭に入れておくべきである。

②に関して。リーサブ依存になるのは誰しも経験があるだろう。
山においてこれは危険であるという認識を改めて持ち、それを排除するべくぜひこのテーマは議論してほしいと思う。

ルートに復帰した後は、鹿ノ平までがんがん標高をあげていく。
途中、腹痛に襲われた中川のため30分強休憩を取ったが、
日没前に鹿ノ平に到着できた。
鹿ノ平直下の藪は濃く高く、苦労している様子も見受けられたが、
「藪漕ぎ超楽しいです」という変態(褒め言葉)もおり、よかった(笑)


鹿ノ平直下


鹿ノ平まであとちょっと!
夕飯はシチュー。大好物!美味しくいただきました!
11月は岡、中川、宮下の誕生月ということでお手製ケーキでお祝い。
おめでとう!
翌日午後から天気が崩れる予報だったが、夜中外を見ると満天の星空。
お手製ケーキ


いい朝 鹿ノ平


不動岳への登り




不動岳
朝。本当に午後から天気は崩れるの?青空×笹原の美しいこと。
本当にここは天国。テンション高めで不動岳!
下りは早い。鹿ノ平でテントを撤収し、また少し重くなったザックを背負い、鎌崩の頭少し手前から西側に下るトレースに従う。
両手で抱えられないくらいの太い幹がいくつも倒れていた。今年の台風の影響?
登山口手前で少しルーファイミスをしていたが、それ以外は順調に下る。

林道でOBの青木さんとお会いする。消防のパトロールとトレーニングでバラ谷方面に行かれていたようだ。お疲れ様です。

帰りの温泉にあった電気風呂で小学生のように騒いでいた声は女子風呂にも響いていたそう…(笑)(中川談)

まとめ:
計画・出発前については、各チーフ・リーサブを中心によく準備できていたと思う。
読図力、各々の主体性については課題が残った。
リーサブ経験の少ない中嶌中川からは、
①先頭を歩くことのプレッシャー
②パーティー人数が多い時、リーサブ間のコミュニケーションをとるのが難しい
③ルート進行(休憩をいつどれくらいとるか、どのルートをとるか等)の意見をメンバーから引き出すこと、まとめることの難しさといった気づき・反省が聞かれた。大変であったろうが、よい経験になったと思う。
今年度1年生は経験が少ない中で今後リーダーをやることになるが、虚勢を張ることなく、仲間で知恵を出し合い、よい登山をしてほしいと思う。

(文:高田)

2018年10月10日水曜日

2018年9月26日 板取川水系川浦谷 西ヶ洞谷

日時:9月26日(水)

メンバー:CL高田,市川,中村,中嶌

行程:
26日:静岡=新深山トンネル付近(7:53)-西ヶ洞谷分岐(8:17)-トンネル(8:46)-大釜(10:33~11:23)-新深山トンネル付近(13:08)=静岡

記録:
本州南岸に前線が停滞、寒気の流入もあり不安定な天気の為、当初行く予定だった泊まりの沢は中止。
代替としてずっと気になっていた川浦渓谷にある”大釜”を見に遡行してきた。
大釜
今遡行で特に注意したのは2点。
①入渓地点~西ヶ洞谷分岐
②上流部降水による増水

入渓地点~西ヶ洞谷分岐、つまり本流区間。
入渓地点が西ヶ洞谷分岐の上流約100mであり注意する区間は短いが、西ヶ洞谷分岐より下流部は川浦谷本流の核心部分で毎年のように死亡事故が起きている。そちらに流されてしまっては大変だ。
流れが速いので、水量によってはロープを出す判断が必要だ。
今回は泳ぎが得意なメンバー揃いであったが、補助的にロープを出した。

水量が多い沢(=集水域が広い沢)では毎度これに注意したい。
今沢のエスケープルートは引き返すか左岸側尾根(なかなかの傾斜で本当はエスケープに不適。ビバークして増水をやり過ごすぐらいの余裕が必要)に登るしかない。
なるべく早い判断が必要だ。
また、この沢の上流部には川浦ダムがある。
ダムにより増水の抑制機能があることも確かだ。
しかし放流となれば話は別だ。一般的には放流の30~60分前にサイレンが鳴り、放流を知らせてくれる。

~~~~~~~~
車は新深山トンネル上流側出口の脇からつづく小道のゲート前に2、3台置ける。
トンネル手前数キロのところに公衆トイレがあるのでトイレはこちらを利用。
新深山トンネル脇小道




この看板の脇から沢に降りてきます


川浦谷本流の渓相


流れ強し!


西ヶ洞谷分岐から西ヶ洞谷を覗く


水属性 中嶌
突然トンネルが…
過去に川浦ダム下流にもダムを作ろうとしていたらしい
その名残?




中村・市川


人魚と寝釈迦


青く美しい水の色




大釜


大釜にダイブ!深い!




帰りは楽々
大釜までの西ヶ洞谷に悪場はない。水量が多くなければ水線通しに遡行することができ、美しく青い水を存分に堪能できる。
帰りは沢下降で快適に。



まとめ:
1年生に沢泊を経験させてあげられなかったのは残念だ。
ただ、1年生が興奮して楽しんでいてくれていたのでよかった。もちろん自分も(笑)

今沢シーズンを振り返る。
若月と行く予定であった逆河内沢が彼のハード卒論により中止になり、今回も沢泊が中止。シーズン中沢泊できないまま終わってしまった。非常に残念。
沢好きマンを増やしたく、1年生をちょこちょこ連れては行ったが易しい沢が多く、本当の意味での沢のシビアさを感じてもらえたか微妙だ。
攻めた沢が今シーズンできなかったという意味で、沢における自分の微妙な感覚が薄くなっていくことが怖い。
部活から離れる来シーズンは、もう少し攻めた沢がやりたい。

(文:高田)

2018年9月28日金曜日

2018年8月13~19日 赤木沢遡行~黒部五郎~槍ヶ岳 (夏季合宿 高田班)

日時:2018年8月13日(月)~8月19日(日)

メンバー:CL高田,SL市川,大和田(食料L),中川(装備),中嶌(会計L,食料),寺野(装備L)

行程:
13日:静岡駅(9:21)=豊橋駅=岐阜駅=高山駅=富山駅(21:01)
14日:富山駅(5:30)=折立(7:45~8:05)-太郎平小屋(11:10~11:15)-薬師峠キャンプ場(11:40)
15日:薬師峠キャンプ場(3:15)-太郎平小屋(3:35~4:00)-薬師沢小屋(5:55~6:15)-赤木沢出合(8:18)-大滝(10:25~10:48高巻き込)-赤木岳・黒部五郎間稜線(12:48)-黒部五郎小屋(16:45)
16日:停滞
17日:黒部五郎小屋(5:00)-三俣蓮華岳(6:50~7:05)-(双六岳巻道経由)-双六小屋(9:06~9:20)-槍ヶ岳山荘(13:50~15:00)-槍ヶ岳(15:30~15:45)-槍ヶ岳山荘
18日:槍ヶ岳山荘(5:12)-徳澤ロッヂ(9:40~10:30)-河童橋(11:46)-松本(18:15)
19日:松本(7:12)=甲府駅=富士=静岡駅(13:11)

記録:
今年は1年生が10人入部と異例の多さであった。
その一方、上級生は教採・院試と動ける者が少なく、
杉山と2人で後輩を見ざるをえない状況だった。
それ故に1年生1人1人のレベル把握が難しく、最終目標(冬季・春季)を設けず、「基礎固め」に勤しむという方針を決め今年度がスタートした。

夏合宿は杉山とそれぞれ別の課題を設定し、
2パーティーに分かれて行うこととなった。

4月からこれまで、全ての合宿で計画を完遂していた。パーティーのレベルが高かったというより、課題自体易しいものであったからだと思う。山の楽しさ面を強調するあまり易しい課題設定になっていたと思う。最終目標が無いことも影響していたと思う。
私は1年生にとって少し厳しい夏合宿の課題を設定することにした。
1年生の技術レベルで行ける最大限で…
バリエーションもあり…
この欲張りな要望にあったのがこのルートだった。
槍ヶ岳山頂にて
計画を策定した者(リーダー)がルートについて一番調べ、
よく知っていることは勿論である。
パーティー全体の安全を考えた時、このリーダーと他メンバーのルート理解度の解離をなるべく縮めることが必要である。
1人1人が主体的な登山者にならねばならない。
今合宿では私以外、1年生ということもあり、準備の段階で全員でルート分析、情報共有する時間を作った。
静岡駅!いよいよ


乗換の豊橋駅で腹ごしらえ 中嶌
13日:晴れ時々曇り
静岡駅に集合し、この日はひたすら青春18切符の電車旅。
豊橋、岐阜、高山、猪谷の4駅で乗換、計12時間。静岡から富山は遠い。
ようやく富山駅に着き、駅前のファミレスで合宿成功を祈願し、たらふく食う。
駅に戻ると、東大スキー山岳部に遭遇。彼らは夏合宿が終わり、これから帰るところであるという。お疲れ様です。
毎度ご用達のステビバスポットで終電終了後の23時過ぎ就寝。

14日:晴れ時々雨
朝起きると、新たに大学山岳部orWV部と思しきパーティーがステビバしていた。昨晩遅くに着いたのだろう。
まだ休んでいる様子だったので、静かに準備しバス乗り場へ。
折立までのバスは満員で出発。折立までの約2時間再び夢の中へ…

折立に着いたのち、トイレ・体操・体調確認を行い出発。
この日の富山の予想最高気温は37度と高く、午後帯の天気急変が心配される。 
合宿初日で余裕の1年生


太郎平小屋前で突然の雨
太郎平小屋に着き休憩しようとした矢先、雨に降られる。
テン場まであと少しだっただけに残念。
テン場はお盆中とあり混雑。
テン場に着いてからも雨が止んで陽が射したと思えば、
雨が降り、止んでは…の繰り返し。
夕飯は味噌煮込み鍋。
初日であるからと油断し持ってきた(一応冷凍)生の豚肉から卵の香りがし、色も変色しており、絶対にヤヴァイ。
中嶌がひとかけらだけ煮込んで食べてみると
「全然いけますよ、これ!」
いやいや、中嶌の舌が鈍感なのだろうと疑いながら食べてみる。なるほど。臭いも味も普通の豚肉と変わらない。
結局、ゴミに成功ず全て食べることができた
食事後、改めて翌日の行動指針を細かく打ち合わせし、17時半に就寝。
薬師峠キャンプ場


味噌鍋~
15日:晴れのち雨
2時15分に起床する。満天の星空で天気はよい。
全員が迅速に行動し、予定より15分早く出発。
龍谷大山岳部は更に5分前に出発していった。
太郎平小屋までの木道


夜が明けてきた
太郎平小屋から先は数日間、電波圏外エリアの為、携帯から定期連絡をする。
薬師沢小屋までの木道で寺野が繰り返し滑ったため指導。
大した事ない場所でも滑って、それが癖になるのは非常に危険だ。
薬師沢小屋より黒部川本流


薬師沢小屋にて
薬師沢小屋には予定の6時より少し早く着くことができた。
薬師沢小屋で沢装備にチェンジ。
(カッパ、沢靴、ハーネス、ヘルメット装着)
トイレは小屋内にしか無いので注意。
小屋前デッキ脇の梯子から降りると黒部川本流に降り立ち遡行スタート。
黒部川本流の渓相


渡渉中


この天気がいつまで持つか…


へつる中川


沢特有の読図のコツを確認しながら進んでいく。
赤木沢出合少し下流の岩魚止ノ滝を左岸から巻く。巻き道はまるで登山道。
滝下流部は深く掘られ、底の見えない深緑をしており、恐ろしかった。
岩魚止ノ滝方向を下流から写す


巻き道


赤木沢出合で
写真奥が黒部川本流、中央右手を行くと赤木沢


!?


沢変態 中嶌でした
赤木沢出合から赤木沢に進入するところは胸あたりまで浸かる。水量が多いと難しそう。
身体が多少温まってきたとはいえ、ここは北アルプスの沢。一気に冷えます。
ここまで何度も水に浸かって泳いでいる中嶌はかなりクレイジー。

陰気味になっている黒部川本流と変わり、南面の赤木沢に入ると明るい!
大滝と1つの滝を除いて直登でき、天気も良く、ひたすら癒される。








一回目の巻き




夏ーって景色


赤木沢 大滝


大滝の釜に入浴 中嶌


大滝 巻き道


巻き中
大滝は滝の水の流れというよりも岩壁の迫力がなかなかでかっこいい。
登るとしたら…ラインを1年生と考えたが完全なシャワークライミングかな?

少し戻って大滝を巻きます。巻き道はっきり。傾斜が結構ある。
ヌメッていたり、ステップが無かったり、草付きが薄いようであれば間違いなくロープを出すだろう。
今回はゆっくり慎重になりながらもロープは出さず登った。

大滝を超えると水量は減っていく。
赤木沢の詰めは赤木岳や赤木岳より北ノ俣岳側に詰める記録が多いが、進路が黒部五郎ということもあり、中俣乗越を目指した。
標高約2300mで水が無くなり、笹原とハイマツの藪漕ぎに。
この辺りから中川のペースが落ちる。
背丈以上に高いハイマツに元気な1年生達も苦しめられる。
北ノ俣岳側の詰めに比べハイマツが煩いような感じだ。
結局、中俣乗越より約100m東側の登山道に詰めあがった。
藪漕ぎに苦しめられ、ラスト標高差180mに1時間近くかかった。
登山道に出て少しすると雨が降ってきた。
巻き中 大滝を横から


赤木沢の詰め


近いようで遠い稜線


ハイマツの藪こぎ
雨はそれほど強くないが、風が体感風速5m程度吹き始めた。
雨か風がこれ以上強くなるようだったら、風下の黒部川側にテントを張りビバークすることを考えた。
中川のペースが相変わらず上がらないので荷物を高田が持つ。
そのような状況であったが、大和田と中嶌が明るく話をしていた。
雨やガスなど気分の上がらないコンディションは山には付きものだ。
そんな時であっても明るくポジティブな雰囲気を作り出し、維持することはとても重要である。私は合宿成功の成否に関わる重要要素であると考えている。

黒部五郎の稜線を超え、カールの中に入ると風はほとんどなくなり一安心。
ずぶ濡れで黒部五郎のテン場に着き、テントを張っていると強雨が。テントに飛び込む。
乾いた服に着替えると最高!
翌日は寒冷前線通過の予定で停滞が決まっているので、
ゆっくり夕飯をとり、中嶌の怖い話と物まねを見るなりして眠る。
井上陽水の物まね by中嶌
16日:雨
明け方3時ごろ大風でテントが変形しているのに気づき修理。
その後再びシュラフに潜り、8時過ぎまで惰眠を貪った。
1年生にとっては初の停滞。
行動食を貪りながらひたすら駄弁ったり、トランプをしたり、
ホットケーキを焼いたりして過ごした。
1日中風と雨が強かった。

17日:晴れ
朝シュラフから出るのが嫌なほど寒い。女子陣は寒くて起きたと言う。
「俺、寒さ耐性落ちたな~」とも思ったが、
この日、穂高の南岳では今季初の氷点下を記録したことを後で知った。寒い訳だ。
黒部五郎 モルゲンロート


今合宿1のお天気




三俣蓮華岳までの北斜面に雪渓が残ってました
この日の朝食はコック市川による"市川飯"。
大和田を麺恐怖症に貶めたその代物が作られることは、私が主将の間は…ない。


黒部五郎に来て3日目。ようやくその山体の全貌を拝む。好きです。
三俣蓮華岳に行く途中、斜面に雪渓が残っていた。
雪渓から吹き上げてくる風は冷たい。そんな中、大和田と中嶌は半袖。
やっと見えた槍


三俣蓮華岳


双六岳への登り
三俣蓮華岳の山頂から本日の目的地、槍ヶ岳を望む。
今日は全員好調で気持ちのいい稜線歩きを満喫します。
西鎌尾根で
槍ヶ岳山荘は水有料なので双六小屋で一人約5L汲む。
西鎌尾根を歩いているときも終始槍が見えており、気分も高まる!
槍ヶ岳山荘への最後の登りを頑張ると、最高な展望の本日の宿。
テン場は残り4張しか空いておらずギリギリだった。
天気がいいので干し物をしながらのんびり休憩後、槍の穂先へ。
左から市川、大和田


中嶌




1年生の背中 槍の穂先で


足がすくんで立てない中嶌
今合宿で歩いてきた稜線を眺め20分。それ程混んでいなかったおかげでゆっくりと
景色を堪能することができた。
そして穂先で中嶌が高所恐怖症である事実が判明。
山岳部としては中々大変だが、がんばれ!(笑)

夕方になると下界の方は雲で敷き詰められ、遠くには富士山がぼんやりと見える
素晴らしい夕焼けを見ることができた。
夜中にテントから出ると満天の星空が広がっていた。
夕焼け
18日:晴れ
今日も朝は冷え込んだが、身体が順応し幾分か和らいで感じる。
準備後、日の出前に出発の予定だったがとても素晴らしい朝焼けなので、
槍ヶ岳山荘前のベンチで全員で日の出を待つ。 
太陽おはよー


女子陣 手前から中川・大和田


朝日に照る男子陣 手前から市川・中嶌・寺野
いい1日の始まりで今日もスタート。
とは言ってもあとはひたすら下るだけ。
最後まで気を抜かないよう下りの歩行を指導しつつ、徳澤まで下る。
ここで夏合宿終わり恒例のソフトクリームを食らう。
徳澤でソフトクリーム


河童橋前にて


河童橋より穂高
上高地アルペンホテルの日帰り入浴で6日間の汗と汚れを落としスッキリ。
その後、約1時間反省会を行った。この学び、反省を是非とも次に繋げてほしい。私自身も指導がきつく、涙する1年生がいたので反省。
松本城


牛角で合宿打ち上げ
この日のうちに静岡には帰れないので松本でもう一晩。
時間つぶしで石井スポーツ、松本城、明智小学校など周り、
打ち上げの焼肉を食らい、翌日静岡へ帰還。
市川がハラミしか焼かず、ハラミしか食えなかったと中嶌が不満をこぼしていたので
またみんなで焼き肉に行こう(笑)

まとめ:
"「考え」行動し、巻き込むこと"を今合宿では目標とした。
合宿中実践できただろうか?1年生はもう一度振り返ってみてほしい。
「考える」の中には、"様々な可能性を予測・想像する"ことも含まれる。
「もし○○で1人動けなくなったら…」「もし〇〇で雷雨に遭遇したら…」「もし…」…
山中でのアクシデントは付きものだ。
アクシデントを想像し、その対処方法を考えていたか、知識として持っていたか否かで、その後が変わる。
アクシデントに遭遇して初めて学ぶ。
そんな山登りの仕方に、なっていないだろうか。
そんな山登りの仕方で遭難しないのはただ運がいいだけだ。


今合宿の後、複数の1年生から聞かれたのは"逆算して考えること"が
いかに大切なことか分かったというものであった。
1年生は、言われたことはしっかりやる真面目な者ばかりだった。
その一方、なぜそうせねばならないか考えず盲目的に言われたことをやる一面がある。
何事も答えを早くに出してしまう自身の指導方法により、考える癖を奪ってしまったのだと思った。
今合宿中は、事あるごとにそれはなんでだと思う?と問いかけ、理由を考えさせるようにした。
ぜひ、そんな様々な意味において「考える」ことを実践してほしい。
(文:高田)