2024年12月24日火曜日

2024/12/24〜27 八ヶ岳クリスマス山行

日時:12月24日(火)~12月27日(金)

メンバー:CL菅原,SL梅田

行程:
24日静岡―八ヶ岳山荘―美濃戸山荘―行者小屋(BC)
25日文三郎尾根―赤岳―地蔵尾根
26日赤岳鉱泉―大同心稜(撤退)―赤岩ノ頭―硫黄岳―赤岩ノ頭ー赤岳鉱泉
27日―阿弥陀岳(途中まで)―美濃戸山荘―八ヶ岳山荘―静岡

記録:
12月24日
年内最終授業をこなしバイトをこなして0時に部室に行く。バイト終わりから来てくれた堀を運転交代用に後ろで寝かせたが、助手席であるのにも関わらず前嶋が自分を寝かせてくれたので、八ヶ岳山荘まで3時間ほどは眠れた。送ってくれた堀前嶋は富士川ボルダーを楽しんだようである。

大串の100Lを借りればよかったと後悔した

5時に出発し行者小屋までの長いアプローチ。ロープを梅田に持たせれば良かったと思いつつ、意地が無駄に頑張るせいでキャンプ地まで持つことになった。
南沢が長く感じる最後の平坦に入ってからが長い。肩と膝が壊れるかと思った。肩から先に血液がめぐらず腕が痺れてくる。
金網はよく滑るので気をつけましょう

ベースキャンプを設置するのをいい事に食糧の軽量化を怠ったのが祟る。結局1.4キロの肉も半分しか食べ切れなかったし餅も半分近く持って帰ってきた。びびってガス缶を5つも入れたのも余計だった。行者小屋の樹林帯内で風がなさそうな位置にテント設営。フライが閉じられない事を忘れて何も対策してこなかったのでテントマットを挟めておく。
別日撮影

アイゼンをつけて文三郎尾根に出発。アイゼン歩行練習に重きをおいて時間決めて下山することにした。赤岳中岳に伸びる分岐を遠目に確認して撤収。文三郎尾根は傾斜が急で下りも時間がかかる。2550付近で連絡と天気図のスクショをとって樹林帯に逃げ込む。
白黒の世界に赤いシェルは映えるなとか考えてた

晩飯ラーメン。豚肉350g。せめてものクリスマスイブ要素であるコカコーラは凍っていた。

25日
アルファ米に味噌汁の元とチャーシューを入れる。カモシカスポーツの2kgのアルファ米を適当に小分けしたためお湯の必要量が分からず時間を食ってしまった。
6時半出発。出た瞬間分かるいい天気である。予想通り高気圧がいい仕事をしている。文三郎尾根は強傾斜であるが昨日下見した通りであり特段困らなかった。
阿弥陀岳北陵が綺麗に見える

赤岳と中岳の稜線に出てからは岩が露出して集中力を要するが鎖も十二分にあってルーファイも歩行も困らなかった。キレットとの分岐の後、鎖が無くなるタイミングで梅田の希望でロープを出しスタンディングアックスビレイをしたが、登ってみたらかなり簡単で拍子抜けしたようである。本日一番乗りで下山開始しばらくまでトレースはなかった。
ゴーグルに映る景色すら素晴らしい

赤岳展望荘まではコンテで下り赤岳展望荘でロープをしまい休憩する。地蔵尾根での下山は階段がいやらしいが丁寧に1歩1歩行けばなんら問題なかった。
天気図的に明日動ける可能性が若干出てきたので大同心稜に偵察だけでも行くことにして連絡しておく。
26日が天気的に無理そうだったら27日に、技術的に行けなかったら赤岩ノ頭経由で硫黄岳に切り替えようという方針を立てた。
梅田は明日に向けて大同心稜を本で度再確認し始めたが、おやつのお汁粉とシュトーレンを食すと案の定すぐ寝始めた。
梅田が寝た後自分はこの本を2周読んだ

1人残されるとラジオが欲しいと思った。
晩御飯はペンネ。凍った豚肉350gに火を通すのは苦労した。

26日
4時に起床。ラーメンを食し5時半に出発。
赤岳鉱泉を経て大同心沢に着く。大同心沢の踏み跡から大同心稜への分岐の踏み跡があることは知っていたが、ちょっと行った位では出てこなかったので初めから沢の右岸に取り付くことにした。結果的には途中から踏み跡に出て大同心の基部まではサクサク進んだ。
大同心基部から小同心側へのトラバースでロープを出したが、準備中から風が強くなってきた。梅田がエイトノットもテンパり気味でわけわかめになっていたのもあり撤退を決める。暖かい岩場でちゃんと練習させてからまた来ようと思う。
トラバースを終えて見上げたところ

大同心基部までのピストンは夏も合わせて3度目である(悲しい)
時間的にはサクサクだったので赤岩ノ頭経由で硫黄岳に行くことにする。27日に回す案もあったのだが、27日も天気がいい訳では無いし10時にもなっていないのにテントに戻るのは勿体ないということで、トレーニングも兼ねて歩くことにした。
トレースもなくプチラッセルもあったが稜線まで出る。ガスってはいるものの2週間前の雪訓の時より視界は良かったので山頂を目指すことにした。ただし風は強かった。
梅田にピントを持って行かれた

2週間ぶりに硫黄岳山頂を取り下山。大学入ってから実家に帰った数よりも硫黄岳登頂数の方が多くなってしまった。
今日はよく頑張った気がする。
晩御飯はラーメン。今回毎食異なるラーメンで美味しかった。

27日
ジオラインのタイツが痒くなってしまい夜に脱いだら寒くて寝れなくなってしまった。梅田も起きたそうなので単純にこの4日間で最も寒い夜だったのだと思う。
5時半に起床し、お汁粉を作り出発。阿弥陀岳の夏道に沿って歩く。取り付きを間違えてしまったがコンパスの向きを信じて脳筋直上して夏道に出る。トレースは全くなく足首から膝までのラッセルが続く。なぜワカンをテントに置いてきたのかと文句を言いつつ、北陵との分岐の少し先まで歩いた。
コンプレッションチェックをした上でその先の沢地形に入る直前で帰ってきた

行者小屋前でロープワークの復習をするが、梅田のスタンディングアックスビレイのセットがハチャメチャだったので、理論を頭で理解して体に覚えさせるよう言った。ハーネスのギアループの整理であったり、カラビナの扱いであったりクライミングに行ってない影響が大きそうである。 テントを片付けて下界に降りる。今日は上がってくる人がかなり多い。
部室にBDのアイススクリュー10本以上あるんですよね

途中で南沢小滝の見学をして八ヶ岳山荘に下山した。
冬山の下山は軽くも小さくもならないようである。温泉までベンツの停まる別荘たちを横目に5キロ歩く。梅田は冬用登山靴で歩く人にもっと配慮して欲しいと硬いアスファルトに文句を言っていたが、そんな人達は恐らく僕らだけだと思う。
歩きでしか寄らないであろう場所にも寄り道

スタッドレスを履いてきていない迎えの車のために温泉から富士見駅方面を目指してまた5キロほど歩く。途中でご飯を食べていたらちょうど堀くんが迎えに来てくれた。ありがとう。
おわり
(文:菅原)

まとめ:
(梅田)

今回の参考では自分の未熟さが浮き彫りになった。支点確保の方法や道具の基本的な使い方など学んだ内容の多くを忘れている。冬山登山においてそれらの技術は必須であるためきちんと習得する必要がある。復習にあたってただやり方を真似るだけでなく原理を理解して覚えることを意識したい。原理を理解することで間違いを減らせたり気付けたりするためだ。また練習の際にオーバーミトンをつけるなどして実際の状況に似せて練習をしたい。

目標としてオーバーミトンをつけた状況で滞りなく操作ができることを目指して冬休みの間に訓練を積んでいく。


(菅原)
去年は雪不足で充分に冬山をやることが出来なかったが、今年は雪に恵まれそうである。自分が冬休み期間を勘違いしていたためにバイトがなかったので現在無職である(クリスマスに下界で用のなさそうな)梅田を誘って長めに冬山にこもる計画を立てた。結果的にピークを取ったのは一般ルートからの赤岳と硫黄岳であったが、天候や自分たちの技術的なレベルの判断の上で行動することを四日間繰り返せたのは良い経験になったと思う。真達さんに教わったロープワークもさわりだけであるが実践に活かせたし、四日間アイゼンをはいて歩き続けただけでも良いトレーニングであったと思う。梅田は桁違いの体力を持っているので自分もそれについていけるだけの体力がまだまだ必要である。夏にマルチピッチのクライミングは意識的に行くようにしたが、小同心は雨で敗退したこともありアルパインの経験が足りていないようにも思うのでこの冬は色んな人を色んな山や岩に連れまわそうと思う。

2024年12月15日日曜日

2024/12/14~15 遠見尾根雪訓

日時:12月14日(土)~12月15日(日)

メンバー:CL増田,SL菅原,高林,有間,前嶋,梅田,大串,堀,鈴木,中村 OB真達さん,ヘイキさん,クリスさん

行程:
14日:静岡=駐車場-アルプス平駅-地蔵の頭-雪訓-幕営地
15日:幕営地-雪訓-地蔵の頭-アルプス平駅-駐車場=静岡

記録:
冬のOB交流会(雪訓)。雪があるところが良いなぁ(去年は砂の中で訓練だった)と思い、おととしも行った遠見へ。行く前に天気から別に北アじゃなくても雪はいっぱいありそうだなぁなんて...。
最近ロープをまったく使えていないのでOBさんにお願いして、ロープワークをみっちりと教えていただいた。


今回はありがたいことに真達さん、ヘイキさんが参加してくださることに。
OBさんとは7時半に待ち合わせ、各自北アまでの長い道のりを...
ところが、忘れ物、忘れ物、そして除雪車により1時間以上現役が遅刻...教わる立場なのに...

駐車場が分かれてしまい、準備が大変だったりゴンドラが止まってて行列ができあがってたりしたこともあり、少し遅い出発となってしまった。

忘れ物したのにご機嫌だね

先週は私用で参加できなかったため、今季初の雪山となる。寒いなぁ、重いなぁなんて思いつつ駅から歩き出す。まだスキーヤーは少なく突っ切るときもあまり罪悪感がなかった。その反面、登山者は多く日帰り装備の人や同じく雪訓をやるような荷物の人がちらほら

雪だ

雪山らしい写真だね

さっそく雪と戯れる

1年中村 彼ももう2回目の雪山だ

かっこいい1枚
          
地蔵の頭通過後、その下の平らな場所で雪訓をすることに。同じ様なパーティーが1組いたため、距離を空けてテント設営。駅を出て1時間程度の短い行程だった。雪訓メインだから当たり前か
テント設営後、雪訓開始。ありがたいことに真達さんが雪訓メニューを考えてきてくださった。

まずは滑落停止から

なかなか様になってる!?

今回はロープワークがしたいとのことでここから特別講義の始まりです。

スノーマッシュルーム

アンカー作り

スノーマッシュルームは初めて教えていただいた。意外と強度がありびっくり。
実践で使う機会はあるのかな?

個々で作成

引っ張って強度チェック

お次はスタンディングアックスビレイ。
わざわざソリを持って来てくださり、トップが滑り勢いがついてしまった際の停止を練習できた。フォローなどの勢いが弱いときは止まるが、勢いがついてしまうと難しさを感じた。
特に体重差がある場合。

交互に上から
          
失敗

ポイントは、勢いよく止めないことだとか。1回勢いを吸収し、その上で止める...うーん、クライミングでも言われるけどやはり難しい。

その後は簡易雪洞掘り。ピッケルを用いて個人個人で掘っていく。
掘ってみると意外と楽しいもので、夢中で掘り続ける。最終的には横になれるサイズができあがった。

掘り掘り、堀堀

そうしてるうちに日も暮れ、本日の雪訓は終了。
部のテントに全員集まり鍋をつつく。今日はカレーチーズ鍋。
テントに10数人が入り、ぎゅうぎゅう詰めに。天井が低いことも合いまり、足が攣ったり腰が痛くなったり。

大人数だと美味しいね

夕方作った雪洞で寝る猛者も。

高林専用です

住めば都

朝、明るくなるのに合わせ撤収。

日の出

本日も雪訓から。ヘイキさん、クリスさんは滑りに行くそうでここでお別れ。ありがとうございました。
ロープを出してコンテの練習。

本日も真達先生

練習あるのみ

コンテも知識でしかなかったため、実践できて良かった。
荷物背負いながら、強風時など、本番には及ばないが経験できたのは大きかった。
この後、コンテしながら近くのピークを取りに行く。
ここで、部員間のレベル差を少し感じた。クライミングやってる人とあまりしていない人で、ロープワーク関連で差ができているなと思った。
やはりいろいろつながっているな...

下りは搬送訓練を。
雪山ならではの搬送方法があり勉強になった。
後輩を包み

下っていく

幕営地に戻ってからは、雪訓名物?の埋没。
後輩や志願者を雪の中に埋めていく。
埋まった際の対処もあるが、実際に埋まったら助けも分からない環境下でパニックになる気がしてしまう。
本番は顔も埋まるからね...

ビーコン所持者も増え、捜索訓練も行い、これにて終了。
撤収準備の時に悪天候でリフト・ゴンドラが止まるかもといわれそそくさと下山。
お疲れ様でした。

流石に歩いて帰る気はない

集合写真

まとめ:
今回は今までで1番雪訓ができたと思う。部で行く上で基本となること、ステップアップにつながるもの様々なものを教えていただいた。本番ではなくても、山行で余裕があるたびに訓練し、全員でマスターしたい。
今回はOBさんのおかげでここまでの満足感につながりました。特に真達さんは、2日目1人で面倒をみてくださり感謝しきれません。ありがとうございました。今後もよろしくお願いします。
(文:増田)

2024年12月7日土曜日

硫黄岳 雪上訓練







日時:
12月7日(土)~12月8日(日)

メンバー:CL高林,SL松田,菅原,堀,大串,中村,前嶋,梅田,鈴木(大)

行程:
7日:静岡=桜平駐車場–夏沢鉱泉−オーレン小屋

8日:オーレン小屋–赤岩ノ頭–硫黄岳–夏沢峠–2581m分岐–オーレン小屋–夏沢鉱泉–桜平駐車場=静岡

記録:
 気温も下がり冬山の季節となってきたので、アイゼンやピッケルを使った歩行に慣れるために、雪上訓練を行うことになった。そこで、雪も積もっているだろうと八ヶ岳に行くことになった。あくまで今回の目的は訓練なので、天候が悪くなったらすぐに撤退するという注意喚起のもと、山行に挑んだ。

7日
7時半に駐車場に到着。
本当は上の駐車場に車を止めたかったが、車の性能が心配だったので、下の駐車場に車を止めてしばらく林道を歩くことに。所々、地面が凍結しており冬山の洗礼を食らった。

    サングラスでウキウキの前嶋さん

地味な登りがきつい

9 時15分に夏沢鉱泉に到着
行程時間が少ないためお楽しみをいっぱい持っていたが、初めての雪上歩行だったため、この時点でかなり疲れてしまった。幸い、本日の目的地であるオーレン小屋までは少しの時間で着くことができるため、命拾いした。

       外のベンチで休憩

10時5分オーレン小屋に到着

ここが本日泊まるところとなるオーレン小屋のテン場。到着して少し休憩した後、歩行の仕方やピッケル、アイゼンの使い方の講習を行った。雪はあったが水分量が少なくさらさらしていたため、あまり歩行については実感が掴めなかった。講習が終わった後、冬季小屋に行ってみると、なんと、他のパーティーが宴会を行なっていた。僕は疲れていてすぐ寝てしまったが、小屋に来た先輩たちは色々分けてもらったらしい。
広くていいね!

鬼ごっこをしていたらしい

      菅原さんが教えてくれた

各々がしばらくの間、休憩し時間もいい感じになってきたので、16時ごろに集まりご飯を作ることにした。今回のご飯は、ホワイトシチューとフランスパンになり、今回も大串さんが率先してご飯を作ってくれた。大串さんが作ると失敗がないのでとても安心できる。シチューはもちろん美味しかったが、フランスパンが思ったよりも美味しく、これからの山行に持っていこうと決めた。

      シチューとフランスパン

8日
時々起きてしまい昨夜はあまりよく眠れなかった。とりあえず朝ごはんの準備をしながら、昨日できなかった荷物の整理を行った。朝ごはんは、毎度お馴染みの肉団子の入ったラーメンだった。嫌いではないがなぜかこの日はあまり箸が進まなかった。ご飯を食べ終わった後は、ゲーターを靴につけテントの撤収を行なった。もう一方のテントはゲーターを中でつけることを忘れており、外で付けていた。撤収が終わり6時半ごろ行動開始。登るにつれ積雪の量が
増えていき、歩行も辛くなってきた。

8時20分赤岩ノ頭到着
ここで一旦耐風姿勢の訓練を行なった。また、風が強かったので、この後の行動をどうするのかの相談も行なった。相談の結果、アイゼンとゴーグルを付ければ、硫黄岳までは行けるだろうということに

        耐風姿勢の練習

     ゴーグルとアイゼンを装着中

9時15分硫黄岳に到着
道中から風が強く吹いており、山頂では先が見えなかった。そのためここで引き返すことに。アイゼン歩行は思っていたよりも楽に歩くことができ、楽しかった。赤岩ノ頭に下る際、強い風が吹いてきて飛ばされそうになったのにはびっくりした。下りの際は余裕が出てきたので、雪面を滑りながら降りたりした。オーレン小屋で一服し、残りの行程を進んだ。下りはとても楽で、スムーズに進むことができ、12時30分には下山できた。

     ここにピッケルの残置があった

駐車場にて岩を吟味する男たち

まとめ:
 無駄なものを持っていき大変ではあったが、これからのことを考えるといい訓練になったと思う。冬山のことも色々と知ることができ、実りのある訓練となった。今回は風が強く、綺麗な景色を拝むことができなかったが、また行く時は拝んでみたい。
(文:鈴木大樹)