2022年9月1日木曜日

2022/8/31~9/1 農鳥岳大唐松尾根 白根南嶺縦走

日時:8月12日(土)~9月1日(日)

メンバー:CL蓮容,SL増地,池田

行程:
31日:静岡=奈良田温泉-大門沢ゲート-P1542-P1704-雨池山-P2346-大唐松山-P2580-P2633(幕営)
1日:P2633-農鳥岳-大門沢下降点-広河内岳-大籠岳-白河内岳-笹山-(ダイレクト尾根)-奈良田温泉=静岡

記録:


南下してくる秋雨前線に伴い、剱岳北方稜線の代替案として組まれた今山行。
今までの人生で一番喘ぎ声を出した2日間になりました実績解除、オメデトウ!


31日:天候 曇りのち雨


x回目となる奈良田温泉に到着し、さっさと出発する。どんよりと曇っており自分たちの行く末を暗示しているようだ。



大門沢ゲートまで歩く


大門沢ゲートから標高1150mの鉄塔までは巡視路が伸びておりそれを辿っていくことが
できる。最近疲れないよう自分の歩き方を見直しはじめたのでそれを意識しながら歩いた。


取付

巡視路終点で一服

今回の大唐松尾根はバリエーションルートだが大唐松山は山梨百名山に指定されているらしい。それもあってか大唐松山までは比較的テープや踏み跡があった。


しかしいきなり悪い斜面で緊張させられる

1 5 4 2

個人的に好きな写真である

一気に1000mほど標高を稼ぎ雨池山に到着する。いい雰囲気だった。ここからはしばらく稜線が広いので尾根の右側を意識しながら進むといい。





痩せ尾根に入る

P2346~大唐松山までは岩が混じった痩せ尾根になっており気をつけたい。緊張はしたがちょうど欲しいところにホールドがある感じで苦戦するほどではなかった。


大唐松山 最高点

なんとか天気が持ち堪えておりありがたい

ハゲてないですよ

あとはP2633まで標高差もあまりないと安心していた自分が馬鹿だった。ここからが本番だった。


Q. 目の前のハイマツが進路をさえぎっている。どうする?



A. 突っ込む。



というわけで突っ込みます。

オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオオラオラオラオラオラオラ



オラオラオラオラオラオラ




オラオラオラオラ......


ゼェ...ゼェ....

 

完全にハイマツ漕ぎを舐めていた。幹や枝の一本一本は硬くしなやかで手でかき分けるのも体力を消耗する。背丈の高いハイマツはもはや壁 壁 壁 壁 壁でうまく枝に乗り上げないと進めない。先頭を交代して楽ができる冬のラッセルの方がまだマシだと感じた。


もう限界...

大唐松山〜P2633は距離にして2キロほどだが5時間かかった。闇堕ちするかと思った。


本日の幕営地

農鳥岳が目の前に

雨がぱらつきだした頃、なんとか幕営予定地に到着した。
テントでお湯を沸かしている際に鍋が倒れ、入っていた水が全てなくなってしまった。蓮容さんの靴下がびしょびしょになり珍しく蓮容さんがイライラしていた。

夕食はせっかくの個人山行なのでお湯で食べられるレトルト系を各々が持ち寄って食べた。完成された味が疲れた体に染み渡り、幸せだった。






1日:天候 雨


外へ出てみると農鳥岳の威圧感が強すぎて笑ってしまった。イエローマジックオーケストラの「CASTALIA」が聴きたくなるような荘厳な雰囲気だった。

出発したらすぐ雨




P2633からコルまでは昨日と同じような藪漕ぎが続き、一旦草付きの斜面に入る。斜面を終えるとやや左側に窪地状の地形があるのでそこを上がれば最後の激藪漕ぎが待っている。藪の手前に一箇所脆いガレ場を通過する箇所があるので慎重に行きたい。


コル付近

草付きを上がる


ここが最悪だった

この藪漕ぎがどうしようもなかった。蓮容さん曰くゴリ押しで体を引き上げるのがいいらしいが最後までよくわからなかった。半ベソをかきながら喘いでいた記憶しかない。


ここを越えるとようやく藪の背丈が低くなり安心できる。しばらく歩けば農鳥岳手前の登山道に出ることができた。



登山道に感謝を込めて土下座

8:50 農鳥岳

池田が珍しく「早く帰りたい」と言っていた。ハイマツ漕ぎは池田の方が上手かった。


大門沢下降点

あとは景色もクソもない白根南嶺を縦走し、笹山ダイレクト尾根から下山した。寒かった。

広河内岳




笹山北峰


去年読図でやや苦戦した覚えのある白根南嶺だが、前より道中のペンキマークが増えており明らかに簡単になっていた。山頂の看板が新しくなっていたのでその時に付け加えられたのだろうか?

14:40下山 お疲れ様でした


下山後蓮容さん「秋雨前線ざまあみろ!縦走してやったぞ!」いい響きですね。




まとめ:
充実した二日間でした。ハイマツフ◯ック!

(文:増地)


2022年8月8日月曜日

2022/8/8 木曽川水系岩倉谷 樽ヶ沢遡行

日時:8月8日(月)

メンバー:CL蓮容 SL増地 池田 奥津 

行程:
8日:静岡=岩倉林道ゲート-樽ヶ沢出合-樽ヶ沢遡行-林道-岩倉林道ゲート=静岡

記録:

初めて中央アルプスの沢へ。樽ヶ沢は泳ぎよりも登攀メインの2級の沢である。高速を使い岩倉林道ゲートへ向かう。

恵那SAボルダー 9級

7:00 岩倉林道ゲート


樽ヶ沢にかかる橋から取り付く。容易に降りることができる。池田はこの日のために度付きのゴーグルを購入していた。

ここから入渓

序盤から小滝の連続

ひたすら登る


写真が逆さまのせいでどう見てもプロである




快適な登りがしばらく続いた後に大滝が現れる。一段目の6m滝は右岸巻き。二段目の30m滝は蓮容さんがリードで取り付く。滝の右側は逆層になっている箇所があり悪そうなので左側から登った。

リード中


アッセンダーで後続が続く。滝の音で全く声の伝達ができないので、事前に蓮容さんと手振りでの合図を設定したがこれはなかなか有効だったのではないかと思う。何気に沢でのビレイとハーケン回収は初めての経験だった。ハンマーで強く叩いてもハーケンがなかなか取れず苦戦した。


登攀自体は簡単で楽しい

ライフジャケットに感謝()しながら飛び込む

CS滝 登れそうにないので左岸から巻く。踏み跡、テープあり


この高巻きを終えしばらく進むと35mの大滝が。これも蓮容さんがリード。右から攻めるのが良さそうだ。

見上げる池田

高度感がある。待ってる間寒い...

上から


ホールド多めで明るい沢ということもあり落ち着いて登ることができた。



そしてここが増地のやらかし地点である。この滝の上部がスラブ状になっており、足を滑らせ下まで滑落してしまった。痛い

あの箇所は他大学の記録によると上部が悪かったので1人が巻いてロープを出したらしい。自分があの箇所を突破できるできないにかかわらず、後続の安全を考え一度全員クライムダウンするのが最善だっただろう。不幸中の幸いか足の打撲のみで済んだので遡行を継続。

あと蓮容さんの迅速な容態確認はとても参考になった。

簡単な右から登り直します

ここです

このCS滝は裏から登れる。ただ落ちた後で余裕が全くありません(笑)

うおおおおあああ

分岐 右俣へ進む

左は水量が少ない


分岐のすぐのところにちょっとした滝があるので、ここは蓮容さんがフリーでのぼりロープを垂らして肩がらみビレイする方式で突破した。

ここを抜けると徐々に水量は減ってくる。ちょうど良いタイミングで大雨が降り出したので適当な枝沢を詰めあがり林道へと帰還した。

この枝沢はけっこう脆かった

13:20脱渓 3年池田と1年奥津

林道を歩き最初の入渓点まで戻ってきた。この辺りで水が苦手な僕の特訓をしたり馬鹿なことをやったりして車へ戻った。


あ、垢BANだ〜〜


帰りに立ち寄った柿其温泉というところ、休みだったのに入れていただけたし何故か安くなったし温泉も最高だったしでオヌヌメです。



まとめ:

滑落は初めての経験だった。ある意味貴重な経験をあそこまで安い怪我で済んだのはラッキーと言うしかない。
蓮容さんは言わずもがな、奥津と池田も水属性のようでありマグロのように動き回っていた。僕はマグロにはなれないかもしれないがせめてマンボウぐらいまでいけたらもう少し沢を楽しめるのではないかと思う。ただ写真を見返していると生き生きとしているので案外楽しんでいるのかもしれない。

(文:増地)