2016年9月1日木曜日

8月30・31日 小川山クライミング

日時:8月30日(火)~8月31日(水)

メンバー:杉山、若月、大井


記録:
北アルプスの赤木沢を遡行しようと思っていたが、台風が近づいていたため急きょ小川山にクライミングをしにいくことにした。1日目は雨で登れなかったが、2日目は晴れて登ることができた。

                      5.8のクラック課題

ダーククリスタル(5.9)

やわらかソラマメ(5.8)

ソラマメ(5.9+)

つるかめスラブ

クライミング後1時間ほどボルダーをして帰った。



まとめ:久しぶりのクライミングとなった。1日だけしか上ることが出来なかったが、かなり登ることが出来たのでよかった。

(文:杉山)

2016年8月30日火曜日

8月17日〜23日 北アルプス縦走 黒部ダム〜槍ヶ岳(夏季合宿)

日時:8月17日(水)~8月23日(火)

メンバー:CL高田 SL大井 中村 橋倉 山本

行程:
17日:静岡=黒部ダム=ロッジくろよん
18日:ロッジくろよん=平ノ小屋=五色ヶ原キャンプ場
19日:五色ヶ原キャンプ場=五色ヶ原山荘=越中沢岳=スゴ乗越小屋
20日:スゴ乗越小屋=薬師岳=薬師岳山荘=太郎平小屋=北ノ俣岳=黒部五郎キャンプ場(巻道ルート経由)
21日:黒部五郎キャンプ場=(中道ルート経由)双六小屋=槍ヶ岳山荘
22日:槍ヶ岳山荘=槍ヶ岳=槍ヶ岳山荘=槍沢ロッジ=横尾=上高地=松本
23日:松本=静岡

記録:
夏季長期山行(静岡キャンパス)は北アルプスを縦走してきた。

17日晴のち曇時々雨
静岡から甲府、松本を経由し信濃大町駅まで電車で移動。そしてバスで黒部ダムまで移動した。途中雨が降り始めたが黒部ダムに着く頃にはほとんどやんでいた。黒部ダムを観光した後ロッジくろよんまで移動した。



18日曇のち雨
5時頃行動を開始。ダム湖湖畔を平ノ小屋まで歩く。

平ノ小屋には犬がいた。かわいい。すごくかわいい。


そこから4時間かけて登り始める。途中雨が降り始めるが、休憩をしている間に落ち着いたので強い雨の中行動をせずに済んだ。天気は悪いが五色ヶ原は景色が良かった。


キャンプ場の水場は本来枯れているそうだが天気が雨のため枯れていなかった。つまり雨水。


19日晴
4時頃行動を開始し、越中沢岳まで登る。そこからスゴ乗越小屋まで歩いたが小屋手前で橋倉が体調不良を訴え、スゴ乗越小屋で行動を打ち切った。本来は薬師峠キャンプ場まで行動する予定であった。


明日8月20日は大井先輩の誕生日であったのでケーキを作り誕生日パーティーをした。お誕生日おめでとうございました。



8月20日晴のち曇
本日も4時頃行動を開始。昨日登る予定だった薬師岳に向かい登り始める。稜線を歩いていると丸い月が沈んでいき太陽が登り始める。



がれた痩せ尾根を歩き続け薬師岳に登頂。山頂には薬師如来像の祠があった。


薬師峠キャンプ場まで下る途中、愛知大学の大量遭難地点を通る。遭難をしないよう気をつけて登山をしようと改めて思い直し薬師峠キャンプ場まで行く。ここまでは前日に行く予定だったのでここからが本番だ。

北アルプスの景観を楽しみながらも疲労が蓄積してくる昼下がり、雲行きが怪しくなり始める。


黒部五郎岳を登る途中、雷鳴が響き積乱雲を確認。黒部五郎岳を登頂する予定であったが、夕立が来る前に急いで稜線まで上がり、巻道ルートに逃げる。その後黒部五郎小屋まで行くが結局夕立には遭遇しなかった。


12時間を超える長時間行動を終え、待ちに待った食事の時間だ。レトルトの牛丼は完成された味であり肉のうまみが口に広がる。普段食べても大した美味しさではないのだろうが山の上では極上の味であり、疲れた体にその美味しさが染み渡る。その時の感動はなんとも筆舌に尽くしがたいものであり、涙を堪えるので必死であった。


21日晴のち曇
5時半頃行動開始。天気予報に反して晴れており、稜線歩きが気持ち良い。


空は雲で覆われてしまっていたが、8時に三県の境界となる三俣蓮華岳に登頂する。とうとう長野県まで来たのだ。山頂付近にはライチョウも見られた。


三俣蓮華岳から双六小屋まで降りる。疲労と不安定な天気から、最も時間の短い中道ルートに変更する。ここからは槍ヶ岳から降りるまで水場がないため多めに水を持っていく。多めに持ってきたお菓…食糧もかなり減りザックも軽くなっていたが一気に重くなる。


美しい赤岩の硫黄岳を見ながらひたすら稜線を歩く。

そして千丈乗越まで来る。登りとしてはここが最後の難関となる。ガレており急であるため足元に注意しながら登る。ガスが濃く目の前に迫っているはずの槍がなかなか見えない。


そしてとうとう槍ヶ岳山荘に到着する。登れるうちに登っておこうと槍ヶ岳に登り始めたまさにそのとき夕立が降り始め、行動は中止となった。テン場は思ったより空いていたが良く考えると台風が来ているのだった。

偶然にもちょうど今日21日、槍ヶ岳山荘で山小屋コンサートが開かれる日であった。リピート山中さんのコンサートでたくさんの人たちと歌い、とても楽しく良い思い出となった。



22日晴のち雨
4時起床。朝から天気が悪いように思われたが、撤収の準備をしてテントから外を見てみるとなんと虹が見えた。


しっかりと準備体操をする。


朝日に槍が照らされている。



ヘルメットを被り登り始める。梯子があり急なので慎重に登るがクライミングに比べれば簡単であった。

そして最終目標の槍ヶ岳に登頂。トリプルタイフーンなど知らないかのような見事な青空であった。悪天候を予想していたのでこの青空には岩魚もびっくり。360度の大パノラマを堪能する。



あとはひたすら降りるだけ。しかしガレ場が続くので足元に注意しながら降りていく。距離もあるのでひたすら歩き槍沢ロッジ、横尾を経由して徳沢に着く。ここで絶品のアイスを食べて再び上高地へ歩く。最後のほうはもう走っていた。そしてゴール地点の河童橋に到着。



温泉に入り体を癒してから反省会を開き、上高地を後にする。
松本で焼肉を食べてカラオケボックスで一晩過ごし、静岡まで帰還した。



まとめ:
初めての長期山行であり無事乗り越えられるか不安であったが、無事降りてこられて良かった。終わってみるとあっという間でとても楽しい山行であった。台風の接近にも関わらず天気にも恵まれていて本当に良かった。今回の山行での反省点を次回に生かしたいと思う。寝坊しないよう努力します。

(文:山本)


2016年8月24日水曜日

8月17日~22日 南アルプス深南部 不動岳~茶臼岳縦走(夏季合宿)

日時:8月17日(水)~8月22日(月)

メンバー:CL若月、SL杉山、佐藤

行程:
17日:遠州鉄道曳馬駅→西鹿島駅→水窪→戸中側林道ゲート→不動岳登山口→鎌崩岳
18日:野営地→鹿の平→不動岳ピストン→六呂場山→六呂場峠→黒沢ガレ
19日:野営地→黒沢山→黒山→中ノ尾根山→三又山
20日:野営地→鶏冠山南峰・北峰→池口岳南峰・北峰→加加森山→光岳→光小屋
21日:光小屋→仁田岳→茶臼岳→茶臼小屋→横窪沢小屋→ウソッコ沢小屋
22日:ウソッコ沢小屋→畑薙大吊橋→沼平→白樺荘→横沢→静岡駅


記録:
夏季長期山行(浜松キャンパス)は南アルプス深南部を縦走してきた。


17日 晴のち雨

浜松から遠州鉄道、浜松市自主運行バス、水窪タクシーと乗り継いで戸中川林道ゲートへ。

途中で水をたっぷりくんで、午前11時40分に不動岳登山口に到着。



ここから鎌崩岳までの登りがしんどかった。

食料に関しては全く軽量化を考えなかったため、荷物が想像以上に重い。

初日から3人とも完全にバテて、鎌崩岳に倒れこむようにテントを張った。

計画では鹿の平までの予定だったのだが・・・



この後は夕立に降られ、テントの中で熱湯をひっくり返し、さんざんだった。

さらに明日は悪天予報。

先が不安になった。



18日 曇り時々雨

土砂降りを想像していたが、起きてみると雨は降っていなかった。

今日は沈殿するつもりだったが進むことにする。




鹿の平に到着したが真っ白。

ザックをデポして不動岳を目指す。



午前7時50分。

不動岳に登頂。残念ながら展望はなし。



鹿の平に下り、ひと休みした後、六呂場山方向へ下る。

傾斜がきつく、藪も深い。



途中、キレット状の悪場を通過する。



六呂場山山頂。

黄色い看板には ”耳目は欺かない判断が欺くのだ” の文字が。

何となく緊張感をかきたてられる。


この後、12時前に六呂場峠に着いたので、この日のうちに黒沢ガレまで行った。

天気は最悪だったが、事前の計画に追いついたことで少し希望を感じた。





19日 曇りのち雨

午前3時起床。

前日は土砂降りで行けなかったので、まずヘッドランプで水をくみに行く。



星がきれいで今日の天気に期待がふくらむ。

ところが出発の準備をして、黒沢山に登っているうちに辺りはガスで真っ白。



午前6時15分。黒沢山登頂。

もののけ姫の世界に迷い込んだようだった。



黒沢山から中ノ尾根山に行く途中の2095mピークが全員一致、今回の縦走の核心部となった。

背丈を超える笹が密集し、視界が効かない広いピークから曖昧な尾根をとらえる。

しばらくうろうろすると”黒山”の標識を発見し、ここから下った。



ここの藪は特にすごかった。



午前11時45分。

中ノ尾根山登頂。


計画では笹の平まで行く予定だったが、疲れたのでこの日は三又山までとした。


なお、今回参考にしたガイドブックには ”三又山から梶谷川源頭に15分も下れば水が得られる” とあるが、ここで水を得るのは大変だった。

ガレた斜面を落石におびえながら150m下り、登り返しも急な草付きで悪い。

ガイドブック出版後に状況が変わったのか、今年は稜線が水不足だからなのかは分からないが、今後この山域を縦走する方は参考にしてほしい。


この日も盛大に夕立に降られた。



20日 晴れのち雨

午前4時半。出発の準備をする。



連日の悪天と笹露の中での行動で乾いている防寒着が無く、寒い。



この日は午前中は天気が良く、久々に日光を浴びて行動できた。

遠く笹の平が見える。




写真を撮り忘れたが、鶏冠山南峰は変化に富んでいて面白かった。

山頂の雰囲気も素晴らしい。



午前7時半。こちらは鶏冠山北峰。



笹の平。



この辺りから天気は下り坂で、池口岳に登り始めると小雨が降り始めた。



午前10時半。

池口岳南峰をピストンし、北峰に登頂。

ここから加加森山に向かうところで分岐を見落とし、西尾根の方へ20分くらい下ってしまい、
40分かけて登り返した。

これは本当に申し訳なかった。





加加森山まではひたすらこんな感じ。

ユニークな名前にも納得がいく。

この辺りから地面を覆う植物が笹からシダ類に変わった気がする。

大倒木帯では森が輪廻転生していることを肌で感じた。


加加森山から光岳までは雨が強くなってきたこともあり、しんどかった。



午後5時。光岳に登頂。

光小屋に着くと、人里に来た感じがした。

ここで光小屋のご主人に台風の情報を聞き、大無間の方へは行かず、畑薙ダムに下山することにした。




21日 晴れのち曇り

どのみちバスの時間には間に合わないので、今日はウソッコ沢小屋までとした。

のんびり7時出発。



今日はこんなに天気がいいが、明日は台風が直撃するらしい。



仁田岳より。



午前11時半。茶臼岳。

ここからの下りは、連日の疲労もありしんどかった。

午後3時ころウソッコ沢小屋に到着。



夕食はカレー。

初日に苦労したおかげで、4日目も具はニンジン、ジャガイモ、ベーコンという充実ぶり。


佐藤のラジオで天気予報を聞いて、就寝。




22日 曇りのち雨

朝起きてみると、どんよりと曇ってはいたが、雨は降っていなかった。

ラッキー。午前7時過ぎに出発。



畑薙大吊橋。

まだ小雨程度。


この後畑薙ダムを過ぎたあたりで雨が降り出した。

臨時駐車場で下山届を提出し、

ついでに白樺壮までトラックで送ってもらった。(ありがとうございました。)


白樺壮で温泉に入り、食事をし、南アルプス深南部の本を買った。

あとは井川地区自主運行バス、静鉄ジャストラインと乗り継いで静岡駅へ戻った。


まとめ:
今回静キャンと長期縦走を分け、南アルプス深南部へ向かったのは自分の希望によってである。
悪天もあり苦労をさせたが、付き合ってくれた杉山と佐藤には本当に感謝している。(若月)


今回、初めて深南部の山に挑み大きな経験となったと思う。
他の山域にはない山深さがありその分だけ苦労することもあったが、終わったときの達成感は今までの山行にはないものであった。
すべて予定通りとは行かなかったが深南部の良さを知り、今後もこの山域に挑戦したいと思った。(杉山)

初めての深南部登山、今まで知らなかった山の一面を見た気がします。
登山道がついていない、藪をこぎながら登る山。
こんなところに人間が入るものなのかと思った場面が何度もありました。
同時に、人が入っていないからこそ残っている自然の美しさも目にできました。
天候に恵まれず、たき火ができなかったのがすごく残念ですが、また次回の楽しみになったと思います。
今回の山行では、日を追うにつれてばて気味になってしまったのが一番の反省です。
もっと体力をつけて行こうと思います。(佐藤)



















(文:若月)

2016年8月17日水曜日

8月15日 早木戸川 瀬戸の渓谷

日時:8月15日(月)

メンバー:高田、若月

行程:
15日:浜松=瀬戸際橋付近ーおきよめの湯下堰堤ー瀬戸際橋=浜松

記録:

『日本の渓谷'97』(現品は持っていない泣)に収録されている早木戸川 瀬戸の渓谷へ
行ってきた。
記録も10年ほど前の記録によるとすごいゴルジュがあると言う。
想像以上に自分達にとってはヤバ沢だった。


























入渓前のいつも通りの若月

5時半浜キャン前サークルK集合。7時半過ぎに到着。
瀬戸際橋下流側すぐの車一台ギリギリ停まるスペースに車を置く。
瀬戸際橋上流側の適当な場所から入渓。道路との高さが意外にある。

前日の雨のせいか、水が濁り気味だ。
10分ほど平凡な渓相を遡ると、大きな淵に守れたゴルジュの入口に到着する。





















ゴルジュ入口の巨大な淵。

水は濁っており、何か出そうで怖い。
この淵がヤバかった。

淵が始まって直ぐに足の着かない深さとなり、泳ぎを強いられる。
側壁付近も全く足が着かない。
そして側壁の手がかりもあまりない。

自分は泳ぎが得意な方なので問題なく滝の取り付きに着いたが
その時、自分の名前を呼ぶ声がし、後ろを振り向くと若月が
溺れかけていた。

何とか岸に辿り着いたが、水の怖さを改めて思い知る経験であった。

その後30分ほどぼーっと淵を眺め、ザックピストン法による泳ぎを練習し、
帰ろうということになった。

ザックピストン法は防水袋に空気を入れるとなお効果的かつ安定的に
使うことができるとわかった。

懲りない自分達はこれを利用して淵を突破し、ゴルジュを見に行くこととした。
自分がまず滝の取り付きまで泳ぎ、若月をザックピストン法で引っ張った。

滝は左岸の側壁沿いにそれほど難しくなく通過できる。

滝を越え、目の前に広がるゴルジュの淵に震えた。


































ゴルジュになみなみと注がれた水はどこかおだやかで.奥まで続いていた。
ここも足が着くわけもなく、泳ぎで突破した。
ゴルジュが左にカーブし現れる3mCS滝は左岸から登ることができる。
ここを越えると、沢は穏やかな渓相となり、詰めるとおきよめの湯下の堰堤となる。


まとめ:泳ぎの沢の難しさを如何なく体験した。
ゴルジュは側壁が高くせり立ち閉じ込められたような錯覚に陥るもので、
少しキザな言い方だが、自然が作り出すものの迫力に畏怖の念を
感ぜずにはいられなかった。大変自分の糧となる沢だった。
(文:高田)