メンバー:CL若月、SL杉山、佐藤
行程:
17日:遠州鉄道曳馬駅→西鹿島駅→水窪→戸中側林道ゲート→不動岳登山口→鎌崩岳
18日:野営地→鹿の平→不動岳ピストン→六呂場山→六呂場峠→黒沢ガレ
19日:野営地→黒沢山→黒山→中ノ尾根山→三又山
20日:野営地→鶏冠山南峰・北峰→池口岳南峰・北峰→加加森山→光岳→光小屋
21日:光小屋→仁田岳→茶臼岳→茶臼小屋→横窪沢小屋→ウソッコ沢小屋
22日:ウソッコ沢小屋→畑薙大吊橋→沼平→白樺荘→横沢→静岡駅
記録:
夏季長期山行(浜松キャンパス)は南アルプス深南部を縦走してきた。
17日 晴のち雨
浜松から遠州鉄道、浜松市自主運行バス、水窪タクシーと乗り継いで戸中川林道ゲートへ。
途中で水をたっぷりくんで、午前11時40分に不動岳登山口に到着。
ここから鎌崩岳までの登りがしんどかった。
食料に関しては全く軽量化を考えなかったため、荷物が想像以上に重い。
初日から3人とも完全にバテて、鎌崩岳に倒れこむようにテントを張った。
計画では鹿の平までの予定だったのだが・・・
この後は夕立に降られ、テントの中で熱湯をひっくり返し、さんざんだった。
さらに明日は悪天予報。
先が不安になった。
18日 曇り時々雨
土砂降りを想像していたが、起きてみると雨は降っていなかった。
今日は沈殿するつもりだったが進むことにする。
鹿の平に到着したが真っ白。
ザックをデポして不動岳を目指す。
午前7時50分。
不動岳に登頂。残念ながら展望はなし。
鹿の平に下り、ひと休みした後、六呂場山方向へ下る。
傾斜がきつく、藪も深い。
途中、キレット状の悪場を通過する。
六呂場山山頂。
黄色い看板には ”耳目は欺かない判断が欺くのだ” の文字が。
何となく緊張感をかきたてられる。
この後、12時前に六呂場峠に着いたので、この日のうちに黒沢ガレまで行った。
天気は最悪だったが、事前の計画に追いついたことで少し希望を感じた。
19日 曇りのち雨
午前3時起床。
前日は土砂降りで行けなかったので、まずヘッドランプで水をくみに行く。
星がきれいで今日の天気に期待がふくらむ。
ところが出発の準備をして、黒沢山に登っているうちに辺りはガスで真っ白。
午前6時15分。黒沢山登頂。
もののけ姫の世界に迷い込んだようだった。
黒沢山から中ノ尾根山に行く途中の2095mピークが全員一致、今回の縦走の核心部となった。
背丈を超える笹が密集し、視界が効かない広いピークから曖昧な尾根をとらえる。
しばらくうろうろすると”黒山”の標識を発見し、ここから下った。
ここの藪は特にすごかった。
午前11時45分。
中ノ尾根山登頂。
計画では笹の平まで行く予定だったが、疲れたのでこの日は三又山までとした。
なお、今回参考にしたガイドブックには ”三又山から梶谷川源頭に15分も下れば水が得られる” とあるが、ここで水を得るのは大変だった。
ガレた斜面を落石におびえながら150m下り、登り返しも急な草付きで悪い。
ガイドブック出版後に状況が変わったのか、今年は稜線が水不足だからなのかは分からないが、今後この山域を縦走する方は参考にしてほしい。
この日も盛大に夕立に降られた。
20日 晴れのち雨
午前4時半。出発の準備をする。
連日の悪天と笹露の中での行動で乾いている防寒着が無く、寒い。
この日は午前中は天気が良く、久々に日光を浴びて行動できた。
遠く笹の平が見える。
写真を撮り忘れたが、鶏冠山南峰は変化に富んでいて面白かった。
山頂の雰囲気も素晴らしい。
午前7時半。こちらは鶏冠山北峰。
笹の平。
この辺りから天気は下り坂で、池口岳に登り始めると小雨が降り始めた。
午前10時半。
池口岳南峰をピストンし、北峰に登頂。
ここから加加森山に向かうところで分岐を見落とし、西尾根の方へ20分くらい下ってしまい、
40分かけて登り返した。
これは本当に申し訳なかった。
加加森山まではひたすらこんな感じ。
ユニークな名前にも納得がいく。
この辺りから地面を覆う植物が笹からシダ類に変わった気がする。
大倒木帯では森が輪廻転生していることを肌で感じた。
加加森山から光岳までは雨が強くなってきたこともあり、しんどかった。
午後5時。光岳に登頂。
光小屋に着くと、人里に来た感じがした。
ここで光小屋のご主人に台風の情報を聞き、大無間の方へは行かず、畑薙ダムに下山することにした。
21日 晴れのち曇り
どのみちバスの時間には間に合わないので、今日はウソッコ沢小屋までとした。
のんびり7時出発。
今日はこんなに天気がいいが、明日は台風が直撃するらしい。
仁田岳より。
午前11時半。茶臼岳。
ここからの下りは、連日の疲労もありしんどかった。
午後3時ころウソッコ沢小屋に到着。
夕食はカレー。
初日に苦労したおかげで、4日目も具はニンジン、ジャガイモ、ベーコンという充実ぶり。
佐藤のラジオで天気予報を聞いて、就寝。
22日 曇りのち雨
朝起きてみると、どんよりと曇ってはいたが、雨は降っていなかった。
ラッキー。午前7時過ぎに出発。
畑薙大吊橋。
まだ小雨程度。
この後畑薙ダムを過ぎたあたりで雨が降り出した。
臨時駐車場で下山届を提出し、
ついでに白樺壮までトラックで送ってもらった。(ありがとうございました。)
白樺壮で温泉に入り、食事をし、南アルプス深南部の本を買った。
あとは井川地区自主運行バス、静鉄ジャストラインと乗り継いで静岡駅へ戻った。
まとめ:
今回静キャンと長期縦走を分け、南アルプス深南部へ向かったのは自分の希望によってである。
悪天もあり苦労をさせたが、付き合ってくれた杉山と佐藤には本当に感謝している。(若月)
今回、初めて深南部の山に挑み大きな経験となったと思う。
他の山域にはない山深さがありその分だけ苦労することもあったが、終わったときの達成感は今までの山行にはないものであった。
すべて予定通りとは行かなかったが深南部の良さを知り、今後もこの山域に挑戦したいと思った。(杉山)
初めての深南部登山、今まで知らなかった山の一面を見た気がします。
登山道がついていない、藪をこぎながら登る山。
こんなところに人間が入るものなのかと思った場面が何度もありました。
同時に、人が入っていないからこそ残っている自然の美しさも目にできました。
天候に恵まれず、たき火ができなかったのがすごく残念ですが、また次回の楽しみになったと思います。
今回の山行では、日を追うにつれてばて気味になってしまったのが一番の反省です。
もっと体力をつけて行こうと思います。(佐藤)
(文:若月)
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