2019年11月20日水曜日

2019/10/20 天竜川水系 名古尾沢

日時:2019年10月20日(日)

メンバー:CL高田,SL中嶌,市川,佐野,蓮容

行程:
20日:静岡=名古尾沢林道横断点[400m]付近駐車適地(8:05~8:30)-名古尾橋[115m](9:30)-林道横断点[400m](12:16)-脱渓地点[600m付近](14:14)-駐車地点(14:40)=静岡

記録:
1ヵ月の東欧・アフリカバックパック旅から帰国し、早速沢へ。
6月に天候不順で延期になった1年生の初沢登りでもある。
私以外の今回のメンバー
天竜川沿いの左岸側道路(152号の対岸)は7月から通行止めで入渓地点の名古尾橋までは車が入れない。
ということで、標高400m程で名古尾沢が林道と交わる地点付近に車を置く。
ここに置くと車で登らないといけない分ガソリンは勿体ないように思うが、下山時は脱渓地点から近くとても楽だった。
"なごうばし"
名古尾橋の袂から沢に降りていきます


入渓地点
 入渓地点にて市川。
「先輩、水量多くないっすか?」
勘のいいやつめ…
そう、1週間前に襲来し東日本広域に被害をもたらした台風19号の影響で
水量が多めなのだ。
ただ、多めとはいえ濁りなく水は透き通り、普段の水量が少なめなこの辺りの沢において多少水量が多いのは寧ろ好都合である。
普段、水を浴びなくても登れるようなちょっとした滝がシャワーで登る特上アトラクションに変身していた。


1年生①佐野「こんなの無理ですよ~」とか言いながら満面の笑みで登ってくるドM野郎です


佐野 いい顔してます


お水大好き系モンスター中嶌が小滝に意外に苦しんでました


とは言っても、何だかんだ登ってくるあたりさすが2年生です


トップは2年生市川と中嶌に任せてみる


直登できる小滝が続いて楽しい




1年生②蓮容 新たな沢変態を生んでしまった…


蓮容 こいつは今後化けますよ...!!


1年生コンビとこの沢の主
標高400mの林道横断点


標高400mの林道横断点まででも十分楽しめる。が、時間もあるので遡行継続。
天竜川水系によくある巨岩帯


なかなか面白そうな小滝です


沢マンの降臨!(市川)


沢マンをしても中々難しい…


沢マン2(中嶌)にバトンタッチ!


あとちょっとのところで水圧に負けドボン…沢マーン!


癒しな小滝群が続きます


ゴルジュチックなところも


CS滝 右岸から小さく巻く




前来たときは楽しく登れた滝も今日は水量が凄くて難しい!
ラストの写真の滝のところはゴルジュチックになっていて雰囲気がある。
今日は水量が多く、1年生の突破は難しそう。ちょうど時間もいい感じなので
左岸の支沢を登って林道へ。

まとめ:
10月も後半、木々の葉も色づき始めた秋風吹く中の沢登り。
盛夏にやるような淵に入って、滝に突っ込み攀じってを初沢登りの1年生2人、いい顔して楽しんでくれており大変良かった。

2年生2人も自分たちでルーファイして行こうという意欲が見え良かった。
ただ、若干行き当たりばったりなところが見受けられる。
シビアそうな滝が遠くに見えたら、手前にいる段階から広い視野で色んな可能性を考え
遡行していくことが必要だろう。

これで今沢シーズンは終わりだろう。
当初今年目玉の予定であった若月との逆河内沢は天候不順で中止になり残念だった。
その一方で後輩達、特に市川と中嶌の沢活動における成長と意識の変化(沢に対する正しい怖がり方)が感じられ、良きパートナーになっていってくれるのではないかと楽しみになるような成果あるシーズンだったと思う。
来年に向けて後輩たちから行きたい沢の具体的な名前も挙がっている。
来夏はもっと大きく長い沢に後輩たちと行きたい。

蓮容(1年)感想:
始めに、今回の沢登りのの率直な感想としては初体験のことばかりで非常におもしろく、楽しい山行でした。
水場がもともと好きでしたが、沢という環境に大きく踏み込める機会はこれまでなく、より深く山の中にも入れた今回はいい体験でした。
また、沢の「巻く」ということや水流を受けながらクライミングをするということにも触れることができたのも、今シーズン中には経験できてよかった反面、アッセンダー使用に不安が残る中行ったため、ロープを活かすような経験を積めなかったのは、後にも書きますが反省点のひとつです。
次に沢登りを通じて思ったのは、当然ですが、服装の重要さです。真夏でも川に浸かればけっこうな寒い思いをしましたが、この時期でも衣服を工夫すれば耐え難い冷たさに感じることはなく、動いているうちは全く寒くなかったため、逆に服装を間違えたときの怖さを感じました。
他には、複数人で登ることの大切さについても強く認識することになりました。
滝壺に入ったり、直登してみたりという経験は、初心者ではあったとはいえ一人では挑もうと思えないところでも周りの支えで行ってみたり、バックアップがあるということの安心感を実感しました。
反省点はたくさんありますが、まずはハーネスの故障についてです。いままで、装備を見るときに自分は見た目を見るぐらいで、直接あちこち触って確認することはありませんでした。しかし、もしビレイ器を落とすといったこととなっていたら、タイミングによっては引き返すことも登ることもままならない非常に危険なことになることとなっており、装備管理をいいかげんにするリスクを強く感じました。
次は落石を沢へのアプローチや巻くときに発生させてしまっていることです。今回のような道がないような斜面は慣れてはいなかったのに、前にあまり離されないように雑に進みすぎていたところがあったのだと思います。
安全のためにも、歩行技術を高めるためにも前とのコミュニケーションを取りつつまずは丁寧に歩けるようにします。また、コミュニケーションについては、ルート探索を前に任せきりにせず自分でも行い、共有することはすぐにでもできたはずなので、今後とくに意識して行こうと思います。
また、先ほど述べたとおり、アッセンダーといった道具の扱いがまだ不安であり、ここははやくおさえる必要があります。
様々な反省点等ありましたが、道なきところを、水場を渡り水を浴びながらクライミングをし、深く山に入れる沢は今後もとても楽しみです。上記の反省に加え、今回はまだ登れなかった滝や、苔であしを滑らせ手伝ってもらったりする場面があったので、それらも攻略できるよう励みたいです。

佐野(1年)感想:

提出待ち

市川(2年)感想:
今回は初めての1年生を連れての沢だった。この時期まで遅れてしまったのは申し訳なく思う。1年生2人は初めてにも関わらず、とてもよく動いてくれた。
天竜の沢特有の、連続して出るボルダーチックな小滝の登攀に関しては見事なものだったと思う。
自分のこの闘争心は何処へ行ってしまったのか。
しかしながら、まだ1年生はこのたった1度きりなので、読図、高巻き、渡渉、ロープワークなど、まだまだ沢の知らない部分は沢山ある。
来年は新人と共に、積極的に数をこなし、教わったことを継承していけたらと思う

中嶌(2年)感想:
10月終わりということもありとにかく寒かった。寒さに弱い自覚は無かったが一年生を見ているとまだまだ修練が足りないなと感じた。千倉沢のおかげで殆どの滝が滝に見えなくなった。つまり、巻かなくても登れるだろうと考えるようになった訳である。沢は習うより慣れろが一番適したフィールドだと思う。

(文:高田)

2019年10月31日木曜日

2019/10/26~27 安倍奥 七人作りの尾根 八紘嶺

日時:10月26日(土)~10月27日(日)

メンバー:CL宮下、SL市川、中川、佐野

行程:
26日:静岡=新田バス停(8:45)-稲荷大明神(9:09)-△1357.9(10:50)-1766(13:20)-1730(13:55)
27日:1730(5:30)ー蜂蜜山(6:46)ー大谷嶺(7:55)-八紘嶺(9:24)-1480分岐(10:29)-道路(10:45)-梅ヶ島温泉(11:23)=静岡

記録:

26日:晴れのち薄曇り
 静岡駅から2時間弱直通バスに揺られて登山口最寄りのバス停へ到着。登山口付近には駐車場としてはグレーゾーンな場所が鳥居の横にあるだけなので登る際はバス利用をお勧めする。ちなみにトイレは駅で済ませた方が良い。この週末は行楽日和と聞いていたのだが…。
 9:09 鳥居を潜り登り始める。
9:17 山行の天気を祈る。だが神無月だ。
 10:50 1357.9m三角点。
 11:05 広い尾根の右手側。少し崖崩れに。
 12:56 藪漕ぎ。わっせ わっせ。
身長を超えるほどの笹藪にも遭遇。
13:59 傾斜の緩い平らな場所で設営。
 鳥居をくぐったら登山開始。気温は高くなかったがまだ日があって急登なためか汗がしたたり落ちる暑さだった。石段を超えたらお社がありそこを右側から尾根にのって登り始めた。東にある別の尾根と合流し三角点の場所まで尾根を登ったとき、コンパスが示す方向と実際に歩いた道が少し異なる現象に遭った。だがしばらく登ると方向もあってきたのでしっかりと尾根の上を歩くと良いだろう。

 1300mを超えたあたりから笹薮が登場。三角点は踏み跡から少し左手にあったので正しく尾根に乗れていたら見つかるはずだ。ここからは藪漕ぎ&藪漕ぎで進んで行く。たしかに藪漕ぎではあったが密度はそれほどでもなかったので比較的易しい方だと思う。

 1766mのピーク付近は多重稜線になっていて何回か尾根を跨いで歩いた。地形図で見るのと実際に見るのでは地図には表れない細かな地形的特徴も多くあり思った以上に読図が難しく勉強になった。幕営はピークから少し下りた場所で行った。左に行ったところには崖の法面工事のための柵があるので現在地の把握が容易であった。
16:40 夕焼け。

 秋という事で夕食は鍋を解禁。静岡県民御用達である黒はんぺんを初めて食べたがつみれに似ているというのが感想である。夜は防寒着をあれこれ用意したがあまり冷え込み過ぎなかったので快適に眠ることができた。夜中用を足しに行った人は鹿の鳴き声が恐かったそうだ。


27日:薄曇り
 4時起床で朝食をとり撤収し、5時半には登り開始。まだうす暗く遠くが見えにくくコルまで下りるのが大変だった。そこからは左に崖が常に存在しているのだがあまり崖上を歩くことも少なく藪漕ぎもなかったので歩きやすかった。
5:48 夜明け。
 崖との境。
 6:58 露頭がしっかりと見える。
 熊の爪痕…?
 わかんを拾う。
 蜂蜜山を背中に。
 7:59 大谷嶺到着。
9:35  八紘嶺到着。
 富士に笠雲がかかっている!
 10:45 道路に出た。
 11:17 梅ヶ島温泉の登山口。

 途中いろんなものを見たり拾ったりして七人作りの尾根を登り詰め大谷嶺に到着。そこからは登山道があるので容易に下山。台風の後だったので心配していたが然程荒れている様子もなかった。ただ、安倍峠に行く稜線上のルートはいまいちわからなかったのが残念である。


まとめ:
 地形図に表れない細かな実際の地形の読図の難しさを体感することができた。思った以上になんともない場所だったり複雑だったりと読図力が必要される場面も多かったが意外と登りやすく藪漕ぎができる山だと思う。
 わかんも落ちていたので冬季も一度登ってみたい。
(文:宮下)

2019/9/6~7 釜川右俣千倉沢

日時:9月6日(金)~9月7日(土)

メンバー:CL高田,SL市川,中嶌

行程:
6日:静岡=大谷内ダム=駐車地点(7:15~7:44)-取水堰堤(8:09)-819m出合(9:09)-三ッ釜(12:27~13:41)-(千倉沢)-清水沢出合付近にて幕営(17:18)
7日:幕営地点(8:05)-林道横断点(10:50~11:10)-駐車地点(14:30)=大谷内ダム=静岡

記録:
今後部内で沢活動を引っ張っていくであろう2年生2人を連れて、新潟県へ沢遠征。
関東の沢(白山書房)によるとグレードは4級だということでビビり気味の2年生2人と格闘してきた。
三ッ釜 下部
6日:晴のち曇時々霧雨

南の海上に台風がいることもあり静岡は曇りで雨も予報されていたが、
新潟まで来ると青空の沢日和。
静岡から車を走らせること5時間。釜川沿いの林道ゲート前に到着。
ゲート前に5台程、ゲート手前を左手に入った奥のスペースに10台程は停められそうな駐車スペースがあったが、ド平日のこの日、他に車は無かった。

準備をし、いざ沢へ。
沢への下降点を見つけるのに少し手間取った。
正解はゲート手前を左手に入った奥のスペースから延びる踏跡を辿る。
しかし駐車地点付近に何か所も赤テープが大量に付けられ踏跡のあるところがあるのだが、
何れも沢に降りていく踏跡ではなく困惑させられる。何の為のものだろう…
取水堰堤


市川「水量多くないっすか!?」


青空の元、遡行開始!




いきなり泳ぎ…!
さすがは豪雪地帯にある沢、水は冷たく、量豊富だ。
沢幅の広いところでは穏やかな流れも、狭まったところでは轟音を立て暴れている。
一方、豪雪地帯に多いというオロロやアブの姿は幸運にも見かけない。
二俣(2:1) 右俣へ
底の見えない淵をもつ小滝 右から行く


泳いで登って…
奥にCS滝 右から巻きました

まだまだ余裕そう


側壁がそそり立ちカッコいいところ。これが暗い沢だったら恐ろしい


泳いで左の溝状のところから登る
後続はロープで登ってもらう


滝上から


「やっと落ち着けるか…」「ん!?」


なかなか休ませてくれません(笑)


水中のホールドを拾いながらヤツメウナギ泳法で


ホワイトウォーターの危険、見極めを学んでもらう


水は綺麗


へつって 市川


へつって 中嶌



中嶌「先輩!ここ泳ぎで突破していいっすか?」
まだまだ沢も前半なのにゴリゴリ体力消耗するスタイルを選ぶ中嶌。
分かりやすく楽しそうなのでこちらも嬉しいが、以下のことを改めて学んでもらう
①水の流れを読む → 
・おかしな流れがある淵・釜は泳がない
・逆に反転流を利用して楽に進めることも 
②ホワイトウォーターの怖さ 
・浮力が下がる→沈む 空気を含んだ水の比重は軽くなる
・空気を含んだ水は抵抗が少ない為泳ぎづらい
・釜いっぱいに斜めにホワイトウォーターが入るような
 釜は強力な反転流が発生している場合があり危険

光をも飲み込む緑色の深い淵を覗くと稲妻の如く魚の家族が走る。
冬には雪で埋まる過酷な谷にもこれだけの命が生きることに改めて驚かされる。
三ッ釜






中嶌「ほぉーー!魚めっちゃいますよ、ここ!」


三つ釜の縁を歩く


三つ釜を上部から振り返る
決して我々を驚かすために出来たわけではないこの三つ釜。
浸食されてきた壮大な歴史を想像する。自然の造形力には毎度驚かされる。

さぁ今日の核心はここから。怒涛の滝ラッシュ!!
滝の左側から登る


ひえ~ 底の見えない淵を泳いで水線左側に取り付く


飛沫を間近に感じながらの登攀


30mロープギリギリだったので滝の高さは15m程でしょうか?
頑張る中嶌


市川「あそこ、めっちゃ魚いますね」


これも水線左側から登った。落ち口が微妙そうだったのでロープ出す。キャメロット#0.5利用


出てくる滝がみんな美しくてお腹いっぱい。


水が冷たくなってきて突っ込むのを躊躇する2年生2人


いやでも泳ぐしかないっしょ!!


メインディッシュないい滝が次から次へと出てくる。
そろそろデザート級で頼みます!!
この滝は右岸側の壁から巻くが中間部が少し悪い。

豪華な滝、淵があまりに多く、写真に収めるのを忘れてしまうほど。
市川は体重が軽いせいかちょっとした水流突破に時間が掛かる。太れ!!
後半部、2年生2人は滝が出てくるたび「これで終わってくれ!!」と神頼みしてて笑いました。

この沢、側壁に生える草木の幹が軒並み沢側に傾斜して倒れている。
(雪が多い地域特有?)
懸垂する時は支点のすっぽ抜け防止で、幹にタイオフしたスリングを支点のバックアップで取るというこれまでの沢では無い経験をした。
焚き火と市川
魔界から召喚したかのようなヤバい色の菓子を作る中嶌


予定より1時間ほど遅い17時過ぎに幕営予定地の清水沢出合に到着。
たくさん滝登ったね。2人共よく頑張った!
出合は清水沢の滝が近い関係で風が吹き寒いので、千倉沢を5分程遡行した左岸側で露営。
焚き木は市川の頑張りでたくさん集まった。
中嶌の火の扱いでよく燃え、21時過ぎまで焚火を囲んで語り合う。
濃密な1日の終わりは、天の川が横たわる美しい星空を眺めながら。

7日:晴れ




さっそく泳ぎますよ


滝右側の壁から小さく巻くように登りました


淵を泳いで中央の岩から登る


市川滑るか!?


絶好の沢日和




短い廊下も意外に流れが強い




ラスボスの滝右側からトラバースして滝の裏側を通り左の水線から登る
ロープを出していましたが、アッセンダーで滝裏通過中の中嶌が滝の流れに負けロープの伸びで水にドボン




復帰して登ってくる中嶌


やっと穏やかになりました




飛んでいるみたい


林道横断点


橋の上


想像していた林道と違う…普通にバリエーション


林道…らしいです
この日も朝からいい天気だ。ラーメンで簡単に朝飯を済ませ、いざ出発。
出発して直ぐ水に浸かるシーンがあり若干悶えながらも
順調に進んでいくと大きな釜を従えたラスボスの滝が。
高さは20mちょっとだろうか。中間部から上は傾斜も落ち
大きな問題は無さそうだが、下部の突破が核心だ。

ロープを繋ぎ滝へ。滝裏のスペースは思ったよりも狭く、
這って進む。少しでも水流に当たれば水流に連れていかれ、
滝つぼに持っていかれそうだ。
早まる鼓動を鎮めながらここを通過。後は苔で滑りやすくなっている左の水流を気を付けて辿れば滝上だ。
次は中嶌がアッセンダーで登る。
私の位置からだと核心の滝裏通過が見えないが、ここに
差し掛かったところでロープにテンションが掛かる。
恐らく水流に持っていかれたのだろう。
滝壁にホールドが無いこと、水が入り重くなったザックの
せいで上手く釜から這い出せない中嶌。
10分が経ち、補助ロープで中嶌のサポートをしようと
準備し始めていた頃何とかアッセンダーを頼りに登ってきた。
小柄な市川は上手く滝裏を通過し突破。

この滝が終わると滝らしい滝は無くなり、
太陽で照り輝く穏やかな流れとなる。
続いた登攀での緊張を解きほぐしてくれるようだった。

橋が横切る所で林道上に上がる。装備を解除し、
林道を行くが、想像していた林道とは異なった。
背丈以上の草木をかき分けて進むような感じ8割、
2割ダート道。
道がこれだけ自然に還りつつあるのに、沢を横切る橋が
あれだけしっかり残っていたことに驚く。

予想よりも時間は掛かりながらも駐車地点に夕方前には
到着し今回の沢旅は完了。

まとめ:
滝登攀、泳ぎ、焚火、釣りと沢の良さを存分に味わう
ことのできる良沢だった。
これから沢活動を引っ張っていくであろう今回の2人は、
あまり難しい沢に連れて行けておらず、沢のシビアな面を感じてもらう為にも易しくは無い沢に連れていきたいという思いがあり、それを先ずは達成でき良かった。
2人からも今後の沢に繋がるような良い反省が聞かれ、今後の彼らの沢旅紀行が楽しみだ。

私自身の反省は、ロープ装備についてだ。今回30mシングルロープ(8.9mm)と20m補助ロープ(6mm)を持って行った。滝の登攀、懸垂下降は30mシングル。お助け、廊下の泳ぎ突破、短い難所に補助ロープを使用した。補助ロープの使用は少し掴むくらいのイメージでいたが、テンションを掛けるなどハードな使い方をしてしまった。初心者を連れていくときにはお助け用でもテンションを掛けることを前提としてロープ選定をせねばならないと思った。

市川感想
多分今までで一番大きな沢登りだったと思う。そして初めての沢泊だった。今回は全てフォローだったが、それでも滝を登るのに苦戦した。こういった長い沢でこうもこなす滝の数が多いと、一つ一つにあまり時間をかけてはいられない。迅速かつ丁寧な行動が必要だと感じた。基礎的なロープワークは勿論、滝の登攀力もつけていきたい。 沢泊自体は楽しかった。行動範囲も広がりそうだと思う。

中嶌感想

初の沢泊だったが、泊まり云々の前に沢の難易度がたかかった。一度アッセンダー登攀で滝から落ちた時は実力の無さと水の怖さを改めて感じた。しかし沢での焚き火はとても楽しく、水もかなり綺麗で自然に溶け込むような思いがした。帰ってから沢靴を見たがよくこれで行ったなと自分を褒めたくなった。この沢を通して精神的に成長できたと思っている。

(記録文:高田)