2023年9月30日土曜日

2023/9/30~10/1 南アルプス 布引山・笊ヶ岳

日時:9月30日(土)~10月1日(日)

メンバー:CL高林,SL有間,奥津

行程:
12日:静岡=笊ヶ岳登山口駐車場-広河原-山ノ神-桧横手山-布引山-笊ヶ岳-幕営地
1日: 幕営地-小笊ヶ岳-布引山-桧横手山-山ノ神-広河原-笊ヶ岳登山口駐車場=静岡

記録:
 夏休みに一回ぐらいは二年生山行をやりたいという話はしていたが、去年と同様になかなか予定がかみ合わず夏休みが終わる直前になってしまった。今年のGWに撤退した笊ヶ岳を取り返そうという目標で前回とは反対側からアプローチをすることになった。まさか、今年中にリベンジを果たせるとは思ってもいなかった...。

30日:天候 快晴


先客が多く驚いた

 事前の情報で駐車場が激狭との口コミがあったので5時半ぐらいに到着したがすでにいっぱい。何とかねじ込んだ。ここで関西(?)から来られたと思われる女性二人組と遭遇し、軽く立ち話をして見送った。途中何度かすれ違ったがのちにこの女性パーティーが大変な事態に巻き込まれるとは誰も予想していなかった。


滑らかなトンネル


謎の廃屋

 序盤はとにかく林道歩き、夏休み中にだらけ切った体には少々きついが歩みを進める。



鹿


擬態上手すぎ

 今回のルートはかなり道が悪く、ところどころで土砂崩れの跡や落石によって金属製の梯子が遥か谷底に吹き飛んでいて不穏な雰囲気が漂っていた。しかし、事前に把握していた通りなので気にせず進む。


個人的ベスト恐怖ポイント

 とは言ったものの、ここはかなり怖かった。なんせ梯子を少しでも踏み外したら谷底に真っ逆さま。しかもこの梯子、建付けが悪く余裕で揺れる。あの有馬や奥津がビビるほどなかなかに危険なポイントであった。クライミングで苦い思い出がある筆者としては拷問のようだった。


土砂崩れ跡をトラバース


面白いくらいに揺れる橋


涼しげな広河原

 そうこうしている内にコースタイムの半分程度で広河原に到着。九月の残暑にやられ、川の水と戯れてリフレッシュしてから出発。
 

無事に帰って来れますように...。


元気いっぱい有馬とバテバテ奥津


珍しく疲れ果てている奥津

 SLの有間のペースがかなり早く、後方2人組がバテまくる始末。しまいには後輩がいないことをいいことに「もう帰ろ~よ~」「もう休憩したいよ~」「早いよ~」などと泣き喚く。しかし、SLは「そうだね~」と適当にあしらってペースは変えなかった。


突然のガレ場


美しい

 このルートの最大の危険個所。晴天時はよっぽど運動神経が悪くない限り踏み外すことはないが、雨天時は相当危険だと思った。ちょうど登山道の地面が粘土気質で水分を含むとかなり滑りやすそうであったためだ。もし、雨天時に通過するようなときは十分に注意されたい。


需要のないツーショット


布引到着

 本来であれば布引周辺で幕営する予定だったが有間が飛ばしてくれたおかげでかなり早く到着してしまったので笊ヶ岳も取ってその周辺で幕営することになった。


笊ヶ岳を目指して


晴天

 その後、特にトラブルもなく、無事に笊ヶ岳に到着。素晴らしいくらいに晴天だった。


ピース✌


ふっじさーん


 日中は暑かったが、流石に秋が近いこともあって日が沈み始めると急激に気温が下がっていった。徐々に冬山が近づいて来た。


 まさかのポップコーンの再登場。夏合宿ではアルミが貫通してバターが溢れまくって大変な目にあったが今回は上手に完成。おいしかったです。

1日:天候 雨
 「なぜ、雨が降っている...。」起きて一番最初に思ったことだった。事前の予想天気図で今日の15時くらいに低気圧が接近して雨が降ると予想していたがどうやら予報が大分外れてしまったらしい。テンションはダダ下がりだったが、昨日笊ヶ岳まで取っていたのが不幸中の幸いであった。皆、この雨だったら笊には行かなかったと口をそろえて言っていた。


雨の中の出発準備、一番嫌いである


 近くに小笊があるという話だったので折角なら取りに行こうということになって向かったのだがかなりの急こう配で大変だった。なぜ来てしまったのかと激しく後悔。
 あまり、こういうことは言いたくはないがこのピークを取る価値はほぼない。本当にない。登山道上に突然小さな看板が木に張り付いているだけで何もない。余りの小ささに見逃すところだった。山岳部に入部してから一番がっかりしたピークだった。恐らく二度と行くことはないだろう。

 そんなこんなでテントを撤収してそそくさと下山開始。


バカでかキノコ


例の危険箇所

 前述の危険箇所。案の定かなり足が悪く、恐る恐る歩みを進める。可能な限り崖側には近寄らずに細心の注意を払って無事通過。


例の橋で恐れおののく筆者


自然の力


まだ需要のありそうなツーショット

 下山はただひたすら下るだけ。行きで危険に思ったところも難なく通過できた。そして駐車場で出発時に出会った女性パーティーと再び遭遇したがここで衝撃の事実が分かった。一人があの林道で谷底まで滑落してしまったらしい。幸い、落ち葉がクッションとなって骨折などは一切せず、自力で登山道に復帰できたそう。しかし、頬などには痛々しい傷が多く滑落の壮絶さを物語っていた。どのポイントで滑落したか詳しくは聞けなかったが谷底まで一番高かったところでは50m近くあるように見えた。本当に無事でよかった。
 もし、仮に自分たちがその現場に居合わせたらどうしただろうか。もし、大けがをして身動きがとれなかったらどうしただろうか。そんなことを考えてしまった。

まとめ:
 久しぶりの超少人数山行で好き勝手出来て楽しかった。大学生活もまもなく折り返し、後悔がないように登れる山は今のうちに登っておこうと強く思った。
 最後の遭難の件は少なからず恐怖を覚えた。その時自分たちには何ができるのか、滑落したのが部員だったら冷静に対応できるのか、様々なことを考えるきっかけとなった。今年の山岳部はヒヤリハット事案が去年と比較しても多いと感じる。悲惨な事故を起こさないためにもより一層注意して山行を行って生きたい。

~余談~
 先日とあるサイトを読んだ。ぜひ色んな人に読んでほしいのでここで共有させて頂く。

「冷たい雨の中消えていった命」

 このブログは岳沢小屋のスタッフの方が書かれたブログである。遭難における死亡事例に関する話題であるが詳細についてはブログで確認してほしい。
 自然を相手にしている以上、人間は常に翻弄される側であるのは言うまでもない。特に登山では翻弄され、最悪の場合は死という終わりを迎えてしまうことも多くある。当然ながら我々山岳部も決して他人ごとではなく、常日頃いつ当事者になってもおかしくない。そのためにも自分たちは講習や普段の山行を通してそのようなリスクをできる限り低減させ、万が一があっても適切に対処できるように知識や技能の蓄積を怠らないようにしているが、このブログやあの女性パーティーの件でよりこの蓄積が大切なものであると再確認させられた。

ブログの最後はこのように締めくくられている。

「最後に、名も知らぬ登山者さまのご冥福を祈りつつ、助けてあげられなく申し訳なかったです、ごめんなさい」

どうしてもこの言葉が忘れられない。誰かにこのような言葉を言わせないためにも気を付けていきたい。

(文:高林)

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