2021年8月6日金曜日

2021年8月6日(金)甲斐駒ヶ岳 黒戸尾根

日時:8月6日(金)

メンバー:CL蓮容,SL増地

行程:
5日:静岡=尾白川渓谷駐車場
6日:尾白川渓谷駐車場=笹の平分岐=刃渡り=五合目小屋跡=屏風小屋跡=七丈小屋=八合目御来迎場=甲斐駒ヶ岳=八合目御来迎場=七丈小屋=屏風小屋跡=五合目小屋跡=刃渡り=笹の平分岐=尾白川渓谷駐車場=静岡


プロローグ


二回生一行は5日、一泊二日で甲斐駒ヶ岳黒戸尾根に登るべく早朝から車を走らせていた。
今回主将の蓮容さんはいない。二回生だけで登ることで経験値をつけるためだ。
黒戸尾根はブナ立尾根、西黒尾根と並ぶ日本三大急登の一つである。今回行くのは七丈小屋で一泊してから甲斐駒を取るメジャーな方法だ。なんかこのルートを日帰りで行く人も中にはいるらしいが、今回の私達には関係ない。

私自身は、今回の山行に非常にワクワクしていた。事前の下調べも入念に行ったし、体力づくりもしてきた。天気もいいとのことだったので、まさに万全の状態で現地に向かっていたのだ。

もうすぐで尾白川渓谷駐車場だ。そんな時、あることを思い出す。


あれ、登山靴....................


私は登山靴を持ってきていないことに気がついた。運転中だったが危うく目の前が真っ暗になるところだった。

さようなら...

私の残地が決定した。メンバーは私のことをとても慰めてくれた。本当に申し訳なかった。他の4人を登山口がある吊り橋まで見送り、私は周辺を車でブラブラすることに決めた。


ひとしきり暇をつぶした後、夕食にラーメンを食べていた時のことである。主将の蓮容さんから電話がかかってきてこう言った。



「明日、黒戸尾根日帰りしよっか(^ω^)」



_________これは登山靴を忘れた私の、禊の山行の記録である...。





記録:

5日の深夜に蓮容さんが原付で到着した。私の下宿先へ寄り登山靴を回収してきてくださった。なんていい先輩だろうか。本当にありがとうございました。



尾白川渓谷駐車場


自分たちが乗ってきた車で車中泊し、朝5時前に出発。本来15時間のコースタイムなので、短縮前提の山行である。序盤からアクセル全開で飛ばす。夏で天気も良かったため、開始30分後にはすでに汗だくである。シャリバテと脱水症状だけは絶対に避けたいため、栄養と水分補給だけはこまめに行う。

また、日本三大急登と言われているものの、道がしっかりしているため歩きやすい。去年歩いた深南部に比べれば全然マシである。

笹の平分岐点 甲斐駒まで7時間の看板に震える

開始1時間で笹の平分岐に到着した。いいペースである。傾斜が緩いところでは蓮容さんが後方から「走りな(^ω^)」と急かしてくるのでとにかく走る。



刃渡り。滑落事故が起きている場所なので慎重に

刃利天狗


わずか2時間半で五合目小屋跡に到着。

梯子と鎖場が連続してくる。中には90度のものも。この辺が核心部かな


五合目小屋跡からしばらく行ったところで昨日出発した二回生組とすれ違う。ほんとごめーーーーーん!


七丈小屋

本来幕営予定だった七丈小屋で水を補給する。キンキンに冷えている炭酸なども置いてあったので誘惑されたが、下山後の楽しみにとっておこう。

御来迎場あたりでついに異変が...

八合目御来迎場あたりで、ついにバテ始める。内臓が痛み、足も思ったように進まなくなってきた。それでも行く。これは禊なのだから。ここからは大きめの岩稜帯が続き、慎重を要する。ここを越えれば山頂はすぐそこだ。

うおー

余裕の表情の蓮容さん

後少し

ご立派


登り9時間のコースタイムを、4時間半で到着することができた。正午までに甲斐駒取れなければ撤退するつもりだったので一安心。ここから長い下りが始まる...。

なんとも言えない表情である

仙丈もバッチリ


今からこれ下るのか...

上部の岩稜帯では鎖場も多かったが、「クライミングの練習だと思って鎖に頼らないように」との指摘をいただいた。

9合目にある鉄剣が刺さっているスポット。
蓮容さんが登ってるのをいいことに休憩してました


五合目小屋跡まで戻ったあたりから、明らかにペースが落ちてきた。徐々に走るのも難しくなり、蓮容さんとの距離も開き始める。笹の平分岐までの道のりが永遠に感じられた。蓮容さんは終始笑顔で「いい道だな〜(^ω^)」と言いながら歩いていた。この人の体力は底無しである。


まあ!美味しそうなマッシュルーム!

出発してから8時間で笹の平分岐まで来た。すでに限界突破していたが、なんとなく9時間ぴったりで下山したかったので走り始めた。ペースも徐々に戻ってきたので、蓮容さんもニッコリである。

なんとか開始9時間で下山することができた。登りと下りのタイムが同じなのは無様である。
下山してすぐ自販機で三ツ矢サイダーを一気飲みしたが、あれに匹敵する美味さはなかなか味わえないだろう。

禊にふさわしい辛さを味わうことができた。蓮容さんありがとうございました。





まとめ:
2度と登山靴を忘れることはないと思った。

(文:増地)

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