2022年1月23日日曜日

2022/1/23~24 鳳凰三山


日時:1月23日(土)~1月24日(日)

メンバー:CL蓮井,SL増地,東,金子,池田

行程:
12日:静岡=夜叉神峠駐車場-夜叉神峠-杖立峠-苺平-南御室小屋
13日:南御室小屋-薬師ヶ岳-観音ヶ岳-地蔵ヶ岳-観音ヶ岳-薬師ヶ岳-南御室小屋-苺平-杖立峠-夜叉神峠-夜叉神峠駐車場=静岡

記録:

1月22日(土)
今回は雪上訓練ではなく本格的な冬季縦走である。いや~ぁ、胸が高まりますなぁ

駐車場には車がずらり。
残置なし。ザックよし。靴紐よし。いざ出発!!!


今回のメンバーは体力オバケが勢揃い。
(撮影:蓮井)



出発から約1時間で夜叉神峠に到着。幕営予定地まではあと4時間くらいだろうか。

西側の稜線が美しい。いい天気だな~

池田は今日も元気である。

我らが主将は水も雪も大好きである。


苺平



正午前、幕営予定地である南御室小屋に到着した。幕営地でのんびりできる山行もたまにはいい。

蓮井主将が脱出訓練に挑んでいる。

主将と副主将コンビ



今日の献立は白米と鍋。身体が冷えた後に食べる鍋は格段においしかった。


1月23日(日)


本日天気晴朗なれども外寒し。冬の朝6時はまだ暗い。ヘッテンを煌々と照らし、ずんずん高度を上げていく。

甲府盆地を望む。


奥に北岳が見える。



1つ目のピーク、薬師岳に到着。



その30分後、2つ目のピークである観音ヶ岳に到達した。折り返し地点までもうすぐだ!

富士山もくっきり見える。


西側は雲行きが怪しい。夕方には雨が降り出すだろうか。



観音ヶ岳から地蔵岳が意外と長い。岩場が多く、高低差も大きいため体力を消耗した。

お地蔵様が鎮座している。



ようやく地蔵岳山頂に到達した。鞍部に立てられている看板の前でパシャリ。ここから来た道を引き返す。

無事に下山できますように・・・!


朝よりも雲が多くなってきた。



10時30分頃、薬師ヶ岳小屋にて休憩を挟む。ここで私は水が足りなくなり、他の人から水を分けてもらった。朝お湯を補充しとけばよかったな・・・



南御室小屋を少し過ぎたあたりの樹林帯。ここで池田のアイゼンが2,3度外れるトラブルが発生した。約10分後、アイゼンが無事装着できたので再び出発、高度をずんずん下げていく。


夜叉神峠を過ぎてから雪がめっきり少なくなる。約30分後に無事、駐車場に到着した。天候が悪化する前に帰還できたのでほっと一安心。次の山は周回コースがいいなぁ・・・。




まとめ:
1ヶ月ぶりの冬山縦走だったので多少の不安があったが、歩行や地図読みなど技術的な観点での練度向上が図れたので非常に有意義な山行であった。また久々の縦走だったので、南アの見せる様々な表情をじっくり堪能することができた。決算合宿に向けて体力および技術力の向上を図っていきたい。

(文:金子)

















2022年1月16日日曜日

2022/1/16 宝永山雪訓

日時:1月16日(日)

メンバー:CL蓮容,SL東,金子,池田,生熊

行程:
16日:静岡=太郎坊線前駐車スペース(6:30)ー御殿場口(7:05)ー宝永山(11:30)ー
        御殿場口ー太郎坊線前駐車スペース()=静岡

記録:

今年度初の登山は、年末以来しばらく期間が空いてしまったため日帰りの雪上訓練から行うことにした。
決算合宿を見据え、クラストした斜面での歩行練習のために宝永山へと向かった。
少し薄暗いうちから柵を乗り越え御殿場口に向かう。
幸い道路の凍結は少なく、ギリギリまで奥に車で来ることができた

すぐに日が昇ってくる。道路はカチコチ。

日に照らされる富士山

よい天気に恵まれ、白と青のコントラストがすばらしい。
こうしてみると宝永山を越えた先の富士山すら近くに見える。(実際は。。。)
冬の富士山と言えば超爆風のイメージだが、この日は下の方においては非常に穏やかであった。暖かい、というより暑いくらい。

日も徐々に高く

斜度は緩く、シャクシャクなる足下が心地よい



双子山を横目に高度を上げていく。富士山は景色があまり変わらないのが苦手な部員が多いみたいだが、個人的にはずっと開けた景色の中を黙々と歩くのは嫌いじゃない。
そんなに怖い斜度ではないが、カチカチには凍っていて下まで一様な斜面。
足の間隔や置き方が乱れていないか確認・監視しながら。


休憩中はザックが滑り落ちないように!
装備が飛ばされないように!
それぞれ注意して行動することを指導。入部してから3回目の冬。先輩方に再三言われたことを自分が言う番になってしまった。

11:30には宝永山への尾根に

途中から生熊のペースが全く上がらなくなってきてしまった。
体力に個人差はあり、遅い者に合わせるのは大原則だがそのバランスについては非常に難しい。
新入生を迎えるにあたり、その場しのぎのペースダウンや装備の再分配以外で、部全体のレベルアップのために、普段からのトレーニングや体力錬成を目的とした山行の組み方などを今一度話し合う必要があるのかも知れない。

富士山をバックに。雪は爆風で飛ばされていた。金子、無念の残置。


宝永山に上がると、そこからはいつかの雪上訓練ぶりとなる富士山の爆風が出迎えてくれた。少し再会感があって嬉しい(?)。
上に上がる前に防寒着を準備し直したのだが、金子のオーバーミトンがはるか彼方に...。
宝永山を手前にして金子は風裏に残置し、4人で宝永山へ。稜線を長く歩くような場所や泊まり山行では致命的なミスである。一応、ザック内にミトンを突っ込んで作業していたようだが、冬の風を侮ってはならない。
自分とその一個上の先輩方は、これで風の精()Tさんの満面の笑みとその恐怖を思い出す。


写真だけ撮り、山頂の爆風から逃げるように撤退。
下りの歩行も再確認しながらさっさと下山した。


まとめ:
冬山では装備の扱いに特に注意したい。
斜面を滑り落ちるザックやピッケル、飛ばされるミトン、外れるアイゼン...。
文面に起こすとどこかシュールだが、どれも油断すると簡単に起こりうるし、致命的なものになりうる。夏山の新人教育を行う段階から装備や道具の扱いについての意識をしっかり教えていく方針を部内で共有したい。

あと一つ、爆風後の温泉は骨身にしみる。
(文:蓮容)


2021年12月19日日曜日

2021年12月18〜19日 八ヶ岳 硫黄岳 雪上訓練

日時:12月18日(土)~12月19日(日)

メンバー:
OB: 青池,真達,谷木,小林,伊藤,高田,若月
現役:CL,SL増地,金子,鈴木,生熊,芳村

行程:
18日:静岡=美濃戸口-赤岳鉱泉-赤岳鉱泉付近雪上訓練
19日:赤岳鉱泉-硫黄岳-赤岳鉱泉-美濃戸口=静岡

記録:
OBの方からお誘いを頂いて、交流会も兼ねて硫黄岳に雪上訓練に行くこととなった。

私は今年初めての雪山で、なんとなく楽しみにしていた。
が、そのようなモチベーションは本番が近づくにつれ雲行きが怪しくなっていき、去年の記憶からか体が雪山に対して拒否反応を示し始め、前日には動けなくなっていた。準備が大幅に遅くなり、一睡もせずに行こうとしたら炬燵で寝落ちし、起きたのは集合時間ぴったりであった。
顔面蒼白で部室に着き、カッパとヘルメットを忘れたことに気が付いた。なんと情けないスタートであろうか。もたもたと準備をする私を待っていて下さった方々には、非常に申し訳なかった。


18日、早朝に駐車場に着き、なんとその先の林道を車で運んでいただいた。林道がカットできるとは文明も進歩したものである。(ありがとうございます)
ちなみに私は乗りそびれて一人だけ林道歩きか?と思われたが無理矢理乗らせていただいた。
すみませんでした。

最初の感想としては、「寒い」ということである。
駐車場の段階で既にその寒さに恐ろしさを感じていた。しかし、歩くととても暑くなる事を知っているので、最初から薄着で行った。

行者小屋へ向かう


雪はいい感じに積もり、さらさらしていた。

テント場で地面を固める


テントを張り終えると、行者小屋から下の方へ歩き、良さそうな場所を探した。
東君はOBの方と共にアルパインへと向かった。

ちょうど良い斜面で雪上歩行の練習


少し下ると、右手に雪上訓練にぴったりの美しい斜面があったため、OBの方の指導のもと、歩行の訓練を行った。
前々主将高田さんが、つぼ足歩行やキックステップ、ピッケルの持ち方を丁寧に教えてくださった。真達さんからも、長年の経験をもとに歩きやすい方法などを伝授していただいた。

説明の後、斜面を横一列になって登っていった。最初はつぼ足歩行、次にキックステップ、という具合である。雪が深く、軽くラッセル気味であった。

晴れ間に見えた美しい山容


それに釘付けになる人々


途中、事件が起こった。皆で雪の斜面を全力で走り回っていた際に、若月さんがスマートフォンを落としたのである。
というわけで、歩行訓練も兼ねて若月さんのスマホ探しが始まった。

ピッケルで雪面を掘りながら、皆で上へ登っていく。


しばらく時間が経って、諦めのムードが漂ってきた頃…。





「ありました!」

私がなんとなく手を突っ込んだ所にそれはあった。よかったです。


感動の再会(スマホとの)


雪を掘り続けたため、間違いなくピッケル使いが上手くなった。

その後、キックステップや滑落停止、ロープワークなどをじっくりと行い、良い時間になったので引き上げることとなった。アイゼンを使っての歩行は、翌日に行うこととした。

良い写真をありがとうございます


テントに戻り、アルパインに行った人々を待ちつつ夕飯を作った。

ポトフ(?)と米


お米が炊けて、鍋も作り、東君が帰ってこないので、先にいただいていた。東君の分をどれだけ残しておくか考えたりしていた。いつものように談笑して待つ。

日が落ちてくる。

段々と、テント内には不穏な空気が漂ってきた。
(あいつ…まだ、帰ってこない…。)

口少になり、重々しく夕食を口に運ぶ。天候状況や様々な危険が、各々頭を巡る。人生において、ここまで重い空気の夕食は初めてであった。

彼ら


彼らが帰ってきた時、私は放心して何も喋れなかった。これほどまで彼の存在を尊いと思ったのは初めてである。東君だ!東君が笑っている。無事だー!

東君が持ってきたお楽しみ


テントに暖かく迎えられた東君は、「こんな空気の中気が引けるが…」と徐にパイナップルとリンゴとホイップクリームとスポンジを取り出した。

けんしん作


最終形態


大事な仲間が帰ってきたことに一安心し、皆でケーキを食べた。
高田さんから巨大なソーセージと、バウムクーヘンも頂いており、充実した夕食であった。

就寝


翌日(19日)、朝食を終えて硫黄岳へ向かうルートを確認した。硫黄岳に行くことは、前日に決めていた。我々は、地形図を見ながら、正規の登山道のルートでなく、尾根の末端から登っていくルートを使い登頂することとした。

沢を超えた所で位置確認


どうやらここが末端だ


道なき道を行く


尾根に乗り、ラッセルをしながら登っていった。

交代で一人ずつラッセル


少し離れてOBの方々


無事登山道に行き当たり、平和に樹林帯を歩いていった。
雪景色が美しい。

ラッセルカモシカ


木が少なくなる


稜線上は風が強いと聞いた。私は去年の山行を思い出していた。にも関わらず、早く稜線上に出たいと願うのは何故だろう。

森林限界


やはり稜線上は風が強く、最高に寒かった。

ホワイトアウトで何も見えない


岩場が怖い


耐風姿勢


硫黄岳山頂にて、高田さんの指導のもと、耐風姿勢の訓練を行った。
私は実は山頂に向かう途中でも、耐風姿勢をしていた。飛ばされる気がしたので。

山頂で複数の地形図が風に舞ったり、下山早々道を間違えたり、色々とおかしなところはあったが、無事に行者小屋まで戻り、テントを片付けた。私の髪は恒例だが凍り、「イソギンチャクみたいですね」などと言われて腹が立ったが、(そこはサンゴ礁だろ)下界に降りる頃までには溶かしておいた。ついでに凍ったおにぎり(なんで持ってきたんだろう)も溶かしながら歩いた。
駐車場までは何人か転びながら順調に歩き、この山行を終えることができた。

色々と教えてくださったOBの方々、本当にありがとうございました。



まとめ:
今年最初の雪山も、強風の中寒さに打ち震えるものとなったが、レイヤードを去年よりだいぶ改善していたためか、スムーズな感じがした。とは言っても、雪山に慣れていない部分が多く、特に自分の準備の遅さには腹が立った。
歩行に関しても、乾雪だけでなく湿雪や、凍った地面などにも対応できるよう、まだまだ訓練が必要である。OBの方々の手厚い指導を胸に、これからの雪山に挑んでいこうと思った。
また、硫黄岳に対して吹雪の印象しかないのはどうにかしたい所である。晴れている時に登ったら、全く違う景色が見られるに違いないと思った。

(文:芳村)