2023年11月5日日曜日

2023/11/3~5 鈴鹿セブンマウンテン

日時:11月3日(金)~11月5日(日)

メンバー:CL高林,SL増田,増地,有間,菅原,堀,前嶋,大串,渡邊,松田,梅田

行程:

3日:静岡=藤原岳登山口(7:00)-藤原山荘(9:05)-藤原岳(9:20)-治田峠(11:14)-竜ヶ岳(13:30)-三池岳(17:10)

4 日:三池岳(5:30)-釈迦ヶ岳(8:13)-猫岳(8:43)-羽鳥峰(9:35)-根の平峠(11:21)-御在所岳(13:33)-国見峠(14:00)-杉峠(16:35)

5 日:杉峠(4:00)-雨乞岳(4:34)-武平峠(7:12)-鎌ヶ岳(8:15)-水沢岳(10:12)-入道ヶ岳(12:05)-椿台神社バス停(14:14)-藤原岳登山口(15:50)=静岡

記録:

こんにちは。現主将です。
個人的にここ一ヶ月は激動の一ヶ月でした・・・。色々ありましたが感情を失うこともなく楽しくやっております。
今回は私の地元でもある三重の鈴鹿セブンマウンテンへ。鈴鹿セブンマウンテンとは、鈴鹿山脈の藤原岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳、御在所岳、雨乞岳、鎌ヶ岳、入道ヶ岳の7つを繋ぐ縦走路の総称です。地元ではありますが訪れるのは初めてで、前々から行ってみたかった山域の一つです。秋晴れの中、紅葉で色とりどりに染まる鈴鹿の山々を堪能してきました!



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3日:天候 快晴

今回のルートは、3日間合わせて30時間(1日平均約10時間)のCT設定のため、日没が早いこの季節でそこそこシビアな時間管理が求められることを皆念頭に置いた上で行った。

高速を使い7時前に藤原岳登山口へ

いざ、出発

読図練習のため、1年生主体で先頭を交代していく。先発は1年梅田。梅田の後先考えないナイスペースにより、予定より1時間強巻いた状態で藤原岳に到着。

1. 藤原岳


標高が低いというのもあるが暑すぎる。夏山かな??

治田峠に向け下る


先頭を菅原に交代し先へ進む。この区間は全体的にザレており落石注意。三点支持を交えつつ丁寧に下る。3日間通してザレ場、砂礫が多かった。

多志田山での尾根の方向転換にも1年生はきちんと対応

振り返る

治田峠。アップダウンばっか

治田峠から少し進んだピークで先頭を渡邊にバトンタッチ。渡邊家の家訓は「急登は一気に登れ」だそうです。


いい雰囲気が続く

この辺で小さいながらも二重稜線地形を発見。ちょうどよかったので1年生に説明しておく。

飲むには不適かな?


2. 竜ヶ岳

竜ヶ岳は開放的な笹原。もうここにテント張ってしまいたかったが進みます。

重ね岩


石榑峠に降り立ち少し上がった広場で休憩するが、高林の様子がおかしい。今朝から言っていたが頭痛がひどいらしい。鎮痛剤を飲んでしばらく休むとのことで、その間他のメンバーで水場へ水補給しに行った。今回は全員6Lの水を持って来たが、このペース、この暑さ、水の消費が激しく水場の存在は非常にありがたかった(7Lの水と2Lの三ツ矢サイダーを持って来た堀くんは病気だと思います)。

ここでテント張るか、否か

日没も迫っているが、高林が復活したので進むことに決定。先頭を自分に代わってもらい日没に間に合うようペース調整した。

痩せ尾根を通過しつつ

三池岳までのアップダウンをひたすらこなす

渡邊がバテてキツそうだったが、松田は「段々元気になってきました」と言っていた。怖い


日没ギリギリで幕営予定地に到着できました。
6人テント❎2をギリギリ張れるスペースを見つけそそくさと設営。


夕食は鍋。食担の1年の気合が入っておりかなり具沢山、豪勢な鍋を堪能できた。しゅ、しゅごい、、、
明日も行程時間が長いので4時起床5時半発に設定して就寝。

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4日:天候 晴

おはようございます。目覚ましを止めようと手を伸ばしたら高林の顔を鷲掴みしてしまい割と本気の「ごめん」が出た。

ラーメンチャーシュー入り
水を惜しげもなく使ったおかげで美味でした

予定通り5時半に出発し、釈迦ヶ岳を目指す。本日の先発は松田。


日の出

出発から1時間たち休憩をとっていたところ、松田が幕営地にスマホを残置して来たことが判明。急遽自分と二人で往復1時間のトレランが始まりましたがその後の行程に概ね支障はありませんでした。

悲しそうな松田

標高1000mの雲海

3. 釈迦ヶ岳(逆光)

トラブルで遅れましたが釈迦ヶ岳到着。今日も天気が良く気持ちいい。

猫(にゃんこ)岳😸

歩きやすい道が続く

羽鳥峰

何やら見えますね

羽鳥峰からの登り返しでスズメバチの大群を発見。藪を漕いで登山道を迂回する羽目に・・・通行の際はお気をつけて。

迂回中

根の平峠

国見岳〜御在所岳に向けてもう一踏ん張りの登り。この辺りは花崗岩が特徴的で前嶋が喜んでいました。

御在所岳はこちらになります

こちらではないです

国見峠で荷物をデポし御在所岳へ。


4. 御在所岳

御在所岳、自分の母が山岳競技をやっていた頃トレーニングでよく通っていた思い出の場所になります。山岳競技をやっていたことを知ったのは自分が山岳部に入った後ですが・・・血は争えないようです。

国見峠近くの沢で再び水補給。煮沸するか悩んだが味に問題なく時間もなかったのでみんなそのまま飲んでいた。

さすがに皆疲労の色が見えてきたが、再び日没時間が近づいて来たのでもう一度先頭を代わってもらい、早足で杉峠を目指す。

ひたすら沢地形を下っている感じでルーファイとしては楽しい

1時間強歩いたか、少し時間に余裕ができたので1年に交代する。杉峠に向けて最後の登り返しは後ろにいる増田有間の合唱を聴きながら。

この辺に小学校あったの?まじですかぁ〜〜!!?(迫真)

写真では伝わりませんが、
杉峠にはでかい杉が一本ドシンと

ん?


杉峠には先客が。杉峠から少し北へ上がった適地に幕営しました。
本日は梅田、堀、大串が外で寝たいとのこと。今年の代はテント外で寝たい勢がちらほらおり、テントが広く快適になってありがたい!冬もお願いします!

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5日:天候 晴れ時々曇

バスに乗りたい関係で4時に出発。暗闇の中、しょっぱなから急登をこなし、笹藪をかき分ける。

5. 雨乞岳

東雨乞岳

東雨乞岳〜1026m分岐間の下りがぬめっていて歩きにくかった記憶があります。

沢地形を下る

沢谷峠まで来れば分かりにくい箇所はなくなる

一旦おりますが、また登ります・・・

大串のナイスペースもありつつ

6. 鎌ヶ岳

鎌ヶ岳〜水沢峠間は痩せておりちょっと怖い。

素敵な山容

薄雲に太陽はおぼろげ

水沢岳(宮越山)

書くこともなくなってきたが何やかんやあり

7. 入道ヶ岳
セブンマウンテン完遂!

疲れたー!みんな山頂へ滑り込んでいました。ここまで歩き通し達成感あふれるムードが漂います。

しばらく寝てから

椿大神社へ下山

予定ではバスと電車を乗り継ぎ車へ帰還するつもりでしたが、たまたま近くにきていた自分の母が運転組を車まで送ってくれることに!親は偉大です。


お疲れ様でした



まとめ:
深南部、冬山に向けての読図練習、体力錬成・・とか言いつつ個人的にただ行きたかっただけの山行。地元にこんないい山があるとは!日本アルプスだけでなく、他の山域にももっと足を伸ばしてみたいと思うこの頃です。

(文:増地)

2023年9月30日土曜日

2023/9/30~10/1 南アルプス 布引山・笊ヶ岳

日時:9月30日(土)~10月1日(日)

メンバー:CL高林,SL有間,奥津

行程:
12日:静岡=笊ヶ岳登山口駐車場-広河原-山ノ神-桧横手山-布引山-笊ヶ岳-幕営地
1日: 幕営地-小笊ヶ岳-布引山-桧横手山-山ノ神-広河原-笊ヶ岳登山口駐車場=静岡

記録:
 夏休みに一回ぐらいは二年生山行をやりたいという話はしていたが、去年と同様になかなか予定がかみ合わず夏休みが終わる直前になってしまった。今年のGWに撤退した笊ヶ岳を取り返そうという目標で前回とは反対側からアプローチをすることになった。まさか、今年中にリベンジを果たせるとは思ってもいなかった...。

30日:天候 快晴


先客が多く驚いた

 事前の情報で駐車場が激狭との口コミがあったので5時半ぐらいに到着したがすでにいっぱい。何とかねじ込んだ。ここで関西(?)から来られたと思われる女性二人組と遭遇し、軽く立ち話をして見送った。途中何度かすれ違ったがのちにこの女性パーティーが大変な事態に巻き込まれるとは誰も予想していなかった。


滑らかなトンネル


謎の廃屋

 序盤はとにかく林道歩き、夏休み中にだらけ切った体には少々きついが歩みを進める。



鹿


擬態上手すぎ

 今回のルートはかなり道が悪く、ところどころで土砂崩れの跡や落石によって金属製の梯子が遥か谷底に吹き飛んでいて不穏な雰囲気が漂っていた。しかし、事前に把握していた通りなので気にせず進む。


個人的ベスト恐怖ポイント

 とは言ったものの、ここはかなり怖かった。なんせ梯子を少しでも踏み外したら谷底に真っ逆さま。しかもこの梯子、建付けが悪く余裕で揺れる。あの有馬や奥津がビビるほどなかなかに危険なポイントであった。クライミングで苦い思い出がある筆者としては拷問のようだった。


土砂崩れ跡をトラバース


面白いくらいに揺れる橋


涼しげな広河原

 そうこうしている内にコースタイムの半分程度で広河原に到着。九月の残暑にやられ、川の水と戯れてリフレッシュしてから出発。
 

無事に帰って来れますように...。


元気いっぱい有馬とバテバテ奥津


珍しく疲れ果てている奥津

 SLの有間のペースがかなり早く、後方2人組がバテまくる始末。しまいには後輩がいないことをいいことに「もう帰ろ~よ~」「もう休憩したいよ~」「早いよ~」などと泣き喚く。しかし、SLは「そうだね~」と適当にあしらってペースは変えなかった。


突然のガレ場


美しい

 このルートの最大の危険個所。晴天時はよっぽど運動神経が悪くない限り踏み外すことはないが、雨天時は相当危険だと思った。ちょうど登山道の地面が粘土気質で水分を含むとかなり滑りやすそうであったためだ。もし、雨天時に通過するようなときは十分に注意されたい。


需要のないツーショット


布引到着

 本来であれば布引周辺で幕営する予定だったが有間が飛ばしてくれたおかげでかなり早く到着してしまったので笊ヶ岳も取ってその周辺で幕営することになった。


笊ヶ岳を目指して


晴天

 その後、特にトラブルもなく、無事に笊ヶ岳に到着。素晴らしいくらいに晴天だった。


ピース✌


ふっじさーん


 日中は暑かったが、流石に秋が近いこともあって日が沈み始めると急激に気温が下がっていった。徐々に冬山が近づいて来た。


 まさかのポップコーンの再登場。夏合宿ではアルミが貫通してバターが溢れまくって大変な目にあったが今回は上手に完成。おいしかったです。

1日:天候 雨
 「なぜ、雨が降っている...。」起きて一番最初に思ったことだった。事前の予想天気図で今日の15時くらいに低気圧が接近して雨が降ると予想していたがどうやら予報が大分外れてしまったらしい。テンションはダダ下がりだったが、昨日笊ヶ岳まで取っていたのが不幸中の幸いであった。皆、この雨だったら笊には行かなかったと口をそろえて言っていた。


雨の中の出発準備、一番嫌いである


 近くに小笊があるという話だったので折角なら取りに行こうということになって向かったのだがかなりの急こう配で大変だった。なぜ来てしまったのかと激しく後悔。
 あまり、こういうことは言いたくはないがこのピークを取る価値はほぼない。本当にない。登山道上に突然小さな看板が木に張り付いているだけで何もない。余りの小ささに見逃すところだった。山岳部に入部してから一番がっかりしたピークだった。恐らく二度と行くことはないだろう。

 そんなこんなでテントを撤収してそそくさと下山開始。


バカでかキノコ


例の危険箇所

 前述の危険箇所。案の定かなり足が悪く、恐る恐る歩みを進める。可能な限り崖側には近寄らずに細心の注意を払って無事通過。


例の橋で恐れおののく筆者


自然の力


まだ需要のありそうなツーショット

 下山はただひたすら下るだけ。行きで危険に思ったところも難なく通過できた。そして駐車場で出発時に出会った女性パーティーと再び遭遇したがここで衝撃の事実が分かった。一人があの林道で谷底まで滑落してしまったらしい。幸い、落ち葉がクッションとなって骨折などは一切せず、自力で登山道に復帰できたそう。しかし、頬などには痛々しい傷が多く滑落の壮絶さを物語っていた。どのポイントで滑落したか詳しくは聞けなかったが谷底まで一番高かったところでは50m近くあるように見えた。本当に無事でよかった。
 もし、仮に自分たちがその現場に居合わせたらどうしただろうか。もし、大けがをして身動きがとれなかったらどうしただろうか。そんなことを考えてしまった。

まとめ:
 久しぶりの超少人数山行で好き勝手出来て楽しかった。大学生活もまもなく折り返し、後悔がないように登れる山は今のうちに登っておこうと強く思った。
 最後の遭難の件は少なからず恐怖を覚えた。その時自分たちには何ができるのか、滑落したのが部員だったら冷静に対応できるのか、様々なことを考えるきっかけとなった。今年の山岳部はヒヤリハット事案が去年と比較しても多いと感じる。悲惨な事故を起こさないためにもより一層注意して山行を行って生きたい。

~余談~
 先日とあるサイトを読んだ。ぜひ色んな人に読んでほしいのでここで共有させて頂く。

「冷たい雨の中消えていった命」

 このブログは岳沢小屋のスタッフの方が書かれたブログである。遭難における死亡事例に関する話題であるが詳細についてはブログで確認してほしい。
 自然を相手にしている以上、人間は常に翻弄される側であるのは言うまでもない。特に登山では翻弄され、最悪の場合は死という終わりを迎えてしまうことも多くある。当然ながら我々山岳部も決して他人ごとではなく、常日頃いつ当事者になってもおかしくない。そのためにも自分たちは講習や普段の山行を通してそのようなリスクをできる限り低減させ、万が一があっても適切に対処できるように知識や技能の蓄積を怠らないようにしているが、このブログやあの女性パーティーの件でよりこの蓄積が大切なものであると再確認させられた。

ブログの最後はこのように締めくくられている。

「最後に、名も知らぬ登山者さまのご冥福を祈りつつ、助けてあげられなく申し訳なかったです、ごめんなさい」

どうしてもこの言葉が忘れられない。誰かにこのような言葉を言わせないためにも気を付けていきたい。

(文:高林)