2016年10月26日水曜日

2016年10月15・16日 丸盆岳東尾根~黒法師岳~前黒法師岳

日時:2016年10月15日(土)~10月16日(日)

メンバー:CL高田,SL若月,大井,杉山,岩城,山本

行程:
15日:静岡=寸又峡温泉駐車場(4:45)-千頭ダム(6:50~7:10)-天地吊橋(7:35~7:55)-919mコル地点(9:00)-丸盆岳(14:00~14:40)-カモシカ平(15:00)
16日:カモシカ平(6:00)-等高尾根分岐(6:30)-黒法師岳(7:05~7:20)-ヘリポート跡(9:30~9:50)-前黒法師岳(11:15)-前黒法師岳登山口(14:00)-寸又峡温泉駐車場(14:40)

記録:
乾燥した空気や富士山雪化粧のニュースが流れたりと、冬が近づいているのを
感じるようになってきた。
読図力UPと冬山に向けた体力養成、そして何よりカモシカ平の素晴らしい景色を
見せたいと思い、このルートを選んだ。
寸又峡の渓谷美は帰りにおあずけ




千頭ダムのチンダル現象。美しいですな


コンクリートが水にえぐられてるのがよくわかる




寸又川左岸林道への分岐。近いうちにまた来ます
我らはダム湖左岸の林道を更に行きます。


突如地形図にない隧道が現れるが…


中はこの通り水浸し。
河原に降り、隧道部分を回避する。
渡渉もなく簡単に隧道出口部に戻れた。


天地吊橋


山本。ここは一人ずつ。


板は朽ちている。この吊り橋も近い将来使えなくなってしまうのだろうか。


















































































吊り橋を渡った対岸側は薄い踏み跡が続いてる。
数十メートルつづら折りに登った後は919mコルに向かってトラバース。結構な傾斜。
ちなみに行きのTopは山本。地形図と薄い踏み跡を頼りに頑張ってルーファイ。
トラバース中


タマゴダケ!中身が有るもの初めて見た!





















ぴったり919mコルへ出る。お見事。
尾根に乗ってしまえばこっちのもの。尾根の角度が変わるところでは
整置し直し、コンパスのメモリー機能を利用して方角維持する。
1448mピーク手前の船窪地形は地形図で見るより手前から始まっている。
10m以下の小地形が地形図に現れないということを体感。
船窪地形内





















展望がなく単調な尾根をひたすら登る。
そうこうしていると少しずつ笹が出てきて、少しひらけたり。
いやぁ天気最高!


大井。本格的な藪漕ぎスタート


元気の良い笹に苦しめられる




























































尾根が広いので方角を確認しつつ獣道があるところは道をお借りしつつ、
頂上を目指していく。山本は寝不足がたたりばてる。


あと少しが長い


あの恐ろしい鎌崩を望む


丸盆岳到着!!一番好きな山です。


画期的下山方法『藪版尻セード』を発明!(笑)



幕営地まであと少しだがここで30分程昼寝


へばっても元気な1年生と杉山、大井


カモシカ平、黒法師を望む






本日の幕営地。


日が沈む


夕陽に照らされる丸盆

深南部といったら焚火!焼き芋、ウインナー、マシュマロを焼きつつ
チーズinキムチ鍋を食らう。美味美味!カロリーもよく摂れる。


夜明け。富士山が浮かび上がる


予定時間通り出発。
曇りという予想に反して快晴。


朝は霜が降りる寒さでした。冬が近づいてるね


黒法師岳


黒法師って名前がかっこいい。



























































































































































































黒法師岳から寸又峡温泉方面へ。
黒法師岳~ヘリポート跡間は踏み跡が薄く、テープ類も少ないため
整置で随時方向を確認する。今日のTopは岩城。
どこを歩いてもいい。それも深南部の醍醐味


前黒法師。季節の移ろいが感じられるいい1枚


ヘリポート跡。気持ちいいところです。






















ヘリポート跡からしばらくはそのまま旧南赤石林道を進む。
コルから再び尾根に乗る。
前黒法師岳。この団子標識はどこの組織が管理しているんだろう


前黒法師岳より先はよく歩かれている上に、うるさい程にテープがある。
長い長い下山。
寸又峡に降りると観光客がいっぱい。川根茶ソフトを食べ帰路へ

まとめ:
1年生にとっては初の深南部。楽しんでくれたようでよかった。
今後SLを務める上でも大切なルーファイを鍛えるため、1年2人にTopを任せた。
ポイント(尾根の方向が変化する場所etc)での確認ができているかについて特に
うるさく言ったつもりである。この点は今後もよく気にしてほしい。
本人達も藪山でのルーファイの難しさをそれぞれ感じてくれたと思う。
読図作業は今後も丁寧にやっていこう。
ルート


(文:高田)

2016年10月21日金曜日

10月13日&10月20日 立岩(愛知県豊橋市)クライミング

日時:10月13日(木)&10月20日(木)

メンバー:若月、杉山、坂田

行程:
13日:浜松駅→新所原駅→立岩(坂田は自宅よりチャリで15分)→新所原駅→浜松駅
20日:13日と同じ

記録:
今期、浜キャンメンバーは全員木曜日が全休!
この休みを利用しない手はない、ということで2週連続で近場の立岩でクライミングをしてきました。

若月、杉山は浜松駅に集合し電車で立岩に移動。
坂田は実家からチャリで15分程度。正直うらやましいです。

























10月13日

まずアップに、西ノ壁下部(Ⅲ)を登りました。

終了点に残置やリングは無し。
下降は近くの木から懸垂するか歩いて降りるしかありません。

自分たちは懸垂下降するついでに無名クラック(Ⅴ)にトップロープをかけて練習しました。
























5月のOB交流会で来たときにリードで取り付いて叩きのめされたクラックでしたが、
トップロープでホールドを確認しRP出来ました。

坂田、杉山は右隣のチムニー状を登るクラックルート(5.9)にもトライ。
こちらをリードするには相当に大きいサイズのカム類が必要になりそうです。


続いて、フェブラリーステップ(5.10a/b)に取り付きました。



















上部と下部にそれぞれ核心部をもつ好ルート。
ホールドを探しながら何とかOS出来ました。

杉山は繰り返しトップロープで練習し、トップアウトしていました。

自分は回収便で急な腹痛に襲われ、危うく終了点で漏らしそうに・・・
しばらくトラウマになりそうです。



最後は習いたてのダブルロープのシステムを使って、チムニー右ルート(Ⅲ)を登りました。
バンド沿いに弱点を突く自然なルート取りに、30mというスケールもあり、とても楽しんで登れました。
カム類は必須。
カメラを忘れ、写真を撮れなかったことが悔やまれます。

3人で立岩のてっぺんに立って、この日は終了。



10月20日

この日は坂田が寝坊して遅刻。

杉山と自分はラッキー(笑)とばかりにマルチピッチクライミングに挑戦しました。
西ノ壁下部(Ⅲ)と西ノ壁上部(Ⅴ)をつなげて立岩のてっぺんを目指します。


1P目 西ノ壁下部(Ⅲ)15m 杉山リード。

一本目のボルトまでが高いなと思いましたが、すいすいと登っていきました。
リードに慣れたようです。

1P目ビレイ点にて。



















フォローは快適でした。



2P目 西ノ壁上部(Ⅴ)15m 若月リード

眺めも良く、ガバガバと登れて楽しかったです。
ただ、なかなかプロテクションが取れず少々ランナウトした箇所もありました。





















立岩の上から。いい眺めです。



















OB交流会のときシングルロープで同ルートを登ったときは、
上部で絶望的なくらいロープの流れが悪くなりましたが、
今回はそんなこともなくダブルロープってすごいと思いました。



懸垂下降で岩の基部に降りると、坂田がいました。




続いて、杉山がフェブラリーステップ(5.10a/b)にリードで挑戦。

 
 
 
















































奮闘するも下部核心でテンションが入り、この日はRPならず。
 
リードでのトップアウトには成功し、本人は手応えを感じたようでした。
 
 
 
 
次は前々から気になっていた東のクラック(10a/b)
なかなか見栄えの良い好ルートだと思います。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
上部でホールドとしてクラックを使うものの、登り自体はフェイスっぽい。
ボルト間隔が遠いので、最低1カ所はカムやナッツでの支点が必要だと思います。
 
先程のフェブラリーステップとグレードは同じですが、ボルトから離れる箇所が多く、
こちらの方が緊張しました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
遅れてきた坂田。楽しそうです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
杉山。先程のリードの疲労があり、しんどそうでした。
 
この後回収便でもう一度トライさせてもらい、2度目でRPしました。
 
 
 
 
 
最後に、チムニールート(Ⅲ) 30m に取り付きました。
チムニー右ルートと並んでこちらも楽しかったです。
 
ボルトも時々ありますが、やはりカム類は必須。
 
最初に持っていたヌンチャク12本、すべて使い切ってトップアウトしました。
 
フォローの坂田にカメラを預けましたが、撮った写真はこれだけだったようです(笑)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
それと、下からチムニールートの途中に見えるぶら下がった物体はペットボトルでした。
 
OBの話によるとハチが巣を作るのを防いでいるらしいです。
 
 
 
 
前回同様、3人で立岩てっぺんに立ってこの日は終了。
 
さて、懸垂下降。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
坂田に懸垂下降のやり方を教える杉山。
 
坂田はロープワークで習って以来、懸垂下降をしていなかったようで、
いきなりの30m懸垂下降が怖そうでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
まとめ:
この木曜日を利用して、各週くらいで岩や山に行きたいと思う。
 
(文:若月)

2016年10月17日月曜日

10月10日 三つ峠 登攀講習 (マルチピッチのシステム備忘録付)

日時:10月10日(月・祝)

メンバー:高田,若月,大井,杉山,中村,岩城,山本,橋倉

行程:
10日:静岡=三つ峠登山口(裏登山道)-天狗岩-三つ峠登山口(裏登山道)

記録:
三連休は天気が悪く予定を変更し、翌週行う予定であった登攀講習を前倒しで行った。
前日9日も文登研で学んだことの伝達も兼ねて、部室で
・基本的な結びの復習 
・確保理論(お粗末でしたが…)
・ギアの特性理解
・基本的なビレイの復習
・固定分散と流動分散の使い分け
・マルチピッチの手順確認
をしていたので、その実践練習的な意味もあった。

当日は上記に加えて、
・ダブルロープシステムを用いたマルチピッチの練習 
・アンカー構築方法(強度評価をしながら)
・懸垂下降の手順復習
を行った。

下山の林道は夕飯の奢りを掛けて競走した。

実は三つ峠は初





















終了点にて
杉山登る。若月ビレイ中

1年当初より体重が20kg減った中村

橋倉がんばる。

シングルロープでも練習

杉山

山本がんば!

ギャラリーたくさん(笑)
































































































































































【マルチピッチ手順 備忘録】

ハンガーボルト・リングボルト・ピトンと様々なアンカーがあり、
アンカー構築を教えるのにはとてもいいゲレンデ。
朽ちて落ちているリングボルトがいくつもあったり。
登る前にロープを捌いておき、ロープのスタッグを防ぐ。
トップとビレイヤーで
①ハーネス・ヘルメットがきちんと履けているか(ウエストベルトは腰骨より上・レッグベルトは掌が入る余裕)
②フィギュアエイトフォロースルーがきちんとドレス無く縛れているか。
③セルフを取っているか。
④確保器のセットの確認。(ロープがカラビナを介して通っているか・向きがあってるか)
⑤右側ロープと左側ロープの呼び方の確認(色) ※ダブルロープの場合
を互いに確認する。確認できたら、「お願いします」と互いにあいさつしクライムオン!

一つ目のプロテクションは早くとる。(墜落係数2の墜落を避ける)
登る前に一つ目のプロテクションを取っておくのもいいだろう。
登っている最中は逆クリップやZクリップに注意する。

終了点に着いたら、まず自分より上部の支点にクリップ若しくはセルフを取る。
強度評価が難しいアンカーを4つ利用して、1つのマスターポイントを作る。
マスターポイントの角度が60度以内になるよう注意する。
強度評価が難しいので固定分散を利用。
固定分散はロープ長さの消費が少なく、途中で長さも調節できるクローブヒッチを利用。

アンカー評価の項目は
「S・R・E・NE」
Solid・・・強固
Redundant・・・多重性
Equalization・・・均等加重
NoExtension・・・伸張防止

最善のマスターポイントを作ったら、クローブヒッチでメインロープからセルフを取る。
そこで初めて、「ビレイ解除!」とビレイヤーにコール。
「ビレイ解除しました!」と聞こえたら、メインロープでとったセルフのところにロープを手繰っていく。
この時すくい上げによる絡みに注意する為、始め長く段々と短くしていく。
(次のピッチを登るときロープは上から出ていくが、その上側のロープを足元で長い長さで手繰っていたために下にあるロープをすくい上げてしまい、絡むのを防ぐ。)
「ロープいっぱい!」これが聞こえたらマスターポイントにガイドモードでATCを掛け、
ロープをセットする。
この時、ロードストランド(クライマー側ロープ)が上側に通されていることを確認する。
これはクライマーが墜落すれば、自動的にブレーキストランド(ビレイヤー側のロープ)を押さえ、
オートブロック機能が働くためである。
全て準備ができたら、「登っていいよ!」とコール

ビレイヤーが終了点に着いたら、まずマスターポイントからセルフを取る。
ここで「ビレイ解除!」とビレイヤーがコール。ビレイヤーがビレイを解除したら
「ビレイ解除!」とコール。

その後、次のピッチに続いていく場合にはギアの受け渡しを慎重に行い、
ビレイヤーは確保器をビレイループにセットし直しボディビレイでビレイを行う。
ここでも一つ目のプロテクションは早くとる。終了点の一番上の支点を利用するのもよいだろう。

次に全てのピッチを登り終え、懸垂下降するときの手順だ。


まとめ:
部全体の傾向として、一つ一つの作業が雑で、確認作業も丁寧であるとはお世辞にも言えない
状況であった。今回の講習を一つの契機として、丁寧な作業、丁寧な確認を徹底させていこうと思う。
また、コールについて少し気になった。良かれと思って発しているのであろうが、いらないコールが増えて、これは誤解が発生しかねないなと思うような場面があった。
現在部内で使われているコールについては再考せねばならないと思った。
まだまだ一つ一つの作業が遅いので、部活動内で繰り返し練習していこうと思う。
(文:高田)