2016年10月17日月曜日

10月10日 三つ峠 登攀講習 (マルチピッチのシステム備忘録付)

日時:10月10日(月・祝)

メンバー:高田,若月,大井,杉山,中村,岩城,山本,橋倉

行程:
10日:静岡=三つ峠登山口(裏登山道)-天狗岩-三つ峠登山口(裏登山道)

記録:
三連休は天気が悪く予定を変更し、翌週行う予定であった登攀講習を前倒しで行った。
前日9日も文登研で学んだことの伝達も兼ねて、部室で
・基本的な結びの復習 
・確保理論(お粗末でしたが…)
・ギアの特性理解
・基本的なビレイの復習
・固定分散と流動分散の使い分け
・マルチピッチの手順確認
をしていたので、その実践練習的な意味もあった。

当日は上記に加えて、
・ダブルロープシステムを用いたマルチピッチの練習 
・アンカー構築方法(強度評価をしながら)
・懸垂下降の手順復習
を行った。

下山の林道は夕飯の奢りを掛けて競走した。

実は三つ峠は初





















終了点にて
杉山登る。若月ビレイ中

1年当初より体重が20kg減った中村

橋倉がんばる。

シングルロープでも練習

杉山

山本がんば!

ギャラリーたくさん(笑)
































































































































































【マルチピッチ手順 備忘録】

ハンガーボルト・リングボルト・ピトンと様々なアンカーがあり、
アンカー構築を教えるのにはとてもいいゲレンデ。
朽ちて落ちているリングボルトがいくつもあったり。
登る前にロープを捌いておき、ロープのスタッグを防ぐ。
トップとビレイヤーで
①ハーネス・ヘルメットがきちんと履けているか(ウエストベルトは腰骨より上・レッグベルトは掌が入る余裕)
②フィギュアエイトフォロースルーがきちんとドレス無く縛れているか。
③セルフを取っているか。
④確保器のセットの確認。(ロープがカラビナを介して通っているか・向きがあってるか)
⑤右側ロープと左側ロープの呼び方の確認(色) ※ダブルロープの場合
を互いに確認する。確認できたら、「お願いします」と互いにあいさつしクライムオン!

一つ目のプロテクションは早くとる。(墜落係数2の墜落を避ける)
登る前に一つ目のプロテクションを取っておくのもいいだろう。
登っている最中は逆クリップやZクリップに注意する。

終了点に着いたら、まず自分より上部の支点にクリップ若しくはセルフを取る。
強度評価が難しいアンカーを4つ利用して、1つのマスターポイントを作る。
マスターポイントの角度が60度以内になるよう注意する。
強度評価が難しいので固定分散を利用。
固定分散はロープ長さの消費が少なく、途中で長さも調節できるクローブヒッチを利用。

アンカー評価の項目は
「S・R・E・NE」
Solid・・・強固
Redundant・・・多重性
Equalization・・・均等加重
NoExtension・・・伸張防止

最善のマスターポイントを作ったら、クローブヒッチでメインロープからセルフを取る。
そこで初めて、「ビレイ解除!」とビレイヤーにコール。
「ビレイ解除しました!」と聞こえたら、メインロープでとったセルフのところにロープを手繰っていく。
この時すくい上げによる絡みに注意する為、始め長く段々と短くしていく。
(次のピッチを登るときロープは上から出ていくが、その上側のロープを足元で長い長さで手繰っていたために下にあるロープをすくい上げてしまい、絡むのを防ぐ。)
「ロープいっぱい!」これが聞こえたらマスターポイントにガイドモードでATCを掛け、
ロープをセットする。
この時、ロードストランド(クライマー側ロープ)が上側に通されていることを確認する。
これはクライマーが墜落すれば、自動的にブレーキストランド(ビレイヤー側のロープ)を押さえ、
オートブロック機能が働くためである。
全て準備ができたら、「登っていいよ!」とコール

ビレイヤーが終了点に着いたら、まずマスターポイントからセルフを取る。
ここで「ビレイ解除!」とビレイヤーがコール。ビレイヤーがビレイを解除したら
「ビレイ解除!」とコール。

その後、次のピッチに続いていく場合にはギアの受け渡しを慎重に行い、
ビレイヤーは確保器をビレイループにセットし直しボディビレイでビレイを行う。
ここでも一つ目のプロテクションは早くとる。終了点の一番上の支点を利用するのもよいだろう。

次に全てのピッチを登り終え、懸垂下降するときの手順だ。


まとめ:
部全体の傾向として、一つ一つの作業が雑で、確認作業も丁寧であるとはお世辞にも言えない
状況であった。今回の講習を一つの契機として、丁寧な作業、丁寧な確認を徹底させていこうと思う。
また、コールについて少し気になった。良かれと思って発しているのであろうが、いらないコールが増えて、これは誤解が発生しかねないなと思うような場面があった。
現在部内で使われているコールについては再考せねばならないと思った。
まだまだ一つ一つの作業が遅いので、部活動内で繰り返し練習していこうと思う。
(文:高田)

2016年10月6日木曜日

9月27・28日 尾白川鞍掛沢・乗越沢

日時:9月27日(火)~9月28日(水)

メンバー:CL高田,中村,岩城

行程:
27日:静岡=日向山登山口(7:05)-林道終点(8:40)-入渓地点(8:55)-尾白川本流分岐(11:20)-乗越沢出合:露営地(14:45)
28日:乗越沢出合(7:15)-鞍掛山北側コル(10:00)-日向山(11:50~12:10)-日向山登山口(13:00)=静岡

記録:
7月から計画していた福士川は上流で9月中旬に土砂崩れがあり、
濁りが抜けないという情報を得、泣く泣く福士川は中止とし尾白川に行ってきた。

日向山登山口に車を停める。平日であるが、そこそこ車がある。
ゲートを超え、てくてくてくてく。
お盆以降の天候不順の中、今日は貴重な晴れ空。林道歩きで汗ぐっしょり。
早く沢に入りたい。

1つ目のトンネル

2つ目のトンネル

3つ目のトンネル























































3つのトンネルを通過する。千と千尋の神隠しに出てきそうなトンネル。
2つ目のトンネルは入口上部が脆そうで、将来的に埋まってしまいそう…

3つ目のトンネルを超えると林道終点はもうすぐ。林道から沢までは結構高さがあり、
急なので慎重に下る。

入渓地点


























透き通ったきれいな水!白い石たち!おまけに青空!
長雨で心配された水量・濁り共に問題なさそう。
4mナメ





















遡行を始めてすぐ現れる大きな釜を持ったナメ滝。
泳ぎ好きが集まった今日のメンバーはすぐ泳ぎます。
冷たい水に絶叫しながら、岩城が先陣を切っていく!

ナイス!

中村もいい泳ぎ・攀っぷり!



























甲斐駒から流れるこの水。とっても冷たい。
透明だけど水が若干緑色





















安倍奥に慣れている我らにとっては渓相が明るい。
水流左側を登った









































この沢の特徴として、岩がぬめっており濡れているところはフェルトソールだと滑る。
この滝の左側も濡れているところは滑りそうで怖かった。
今回、カムを厳選して5個しか持ってきていなかったが、キャメロット2番以下特に小さいサイズは
持っていけばかなり役に立つ。
美しいナメ滝が続く





















ウォータースライダーには少し危険が伴いそう…





























尾白川本流との分岐(1:1)


























































人間はしごからの…

うぇーい









































癒しな雰囲気





















尾白川本流との分岐で右股に入る。渓相は支流らしく落ち着いたものとなる。
怪しい二人









































繰り返すようだが水が冷たく、雲が出てきてかげってきたので泳ぎはもう勘弁。
と思っていた矢先、またしても深い釜の滝。
沢で滝行することがルーティンとなっている岩城はこの滝で滝行するという。

水圧が凄く動けない。心配。

無事滝行スポットに登る。

































































時間はかかったものの無事滝行スポットに登っていた。こいつやっぱ寒さに強い。
とはいうもののさすがに「泳ぎはもういいっす」と震えながら言っていた。

水流左側を登る。草付きを掴みながら登れるのでノーロープ。



























岩城が少し苦戦した滝

自然ってほんとすごい





















































この沢は総じて、直登できる滝が多く楽しい。
フェルトソールは滑りやすいがその緊張感も楽しかったり。

各所に露営適地はある。
今回我々は乗越沢出合下流50m右岸側の台地で露営した。
気が湿っていたのと着火剤を全く持ってきていなかったので
安定した着火まで2時間かかった…

タープも張ったが、冷え込み寒かったので焚火の周りでオープンビバーク。
星空を眺めていたらいつの間にか就寝。
沢はやっぱ焚火だね。





















燃えるソーセージと荒ぶる中村





















焚火の周りで就寝









































朝。沢の朝は寒い。今日は昨日とは打って変わって重い曇り空。

乗越沢出合



























乗越沢出合の滝は登ろうと思えば登れそうであったが、
体が温まっておらず寒いので左岸側の草付きを登る。





















乗越沢の渓相は鞍掛沢とは変わり鬱蒼としており、どこか安倍奥のような感じ。
平凡かつアザミがうるさく、あまり面白くない。
タマゴダケの跡





















乗越沢のイメージはこいつ。アザミ。ほんと痛い





















きのこ分かるようになりたいなぁ





















鞍掛山北側コルへの詰め





















乗越沢は支沢が多く、丁寧な読図が必要。
乗越沢のルーファイは2人に任せてみたが、いい感じ。
詰めの藪は低く、傾斜もゆるい。

日向山。甲斐駒チック





















日向山山頂はけっこう人がいて、お漬物の差し入れを頂いたり。(ありがとうございます)
山頂から登山口まではかなり歩きやすい整備された道。
半分過ぎた辺りから土砂降りの雨が…

まとめ:
ナメのとても美しい沢であった。尾白川本流も行きたい!
泊り沢初めての二人も楽しんでくれたようで明るく、頼もしかった。
ただ、もう少しクライミング力を上げよう。
福士川は残念であったが、来年ぜひともリベンジする。

(文:高田)