日時:9月21日(土)~9月30日(月)
メンバー:CL増田,SL有間
行程:21日:静岡=芝沢ゲート(17:30)-易老渡(18:40)
22日:易老渡(3:00)-易老岳(7:30)-光小屋(10:00)
23日:光小屋(5:00)-光岳(5:10) 光小屋(6:10)-イザルガ岳(6:20)-茶臼岳(10:20)-上河内岳(12:30)-南岳(13:10)-聖平小屋(14:35)
24日:聖平小屋(3:25)-聖岳(5:34)-奥聖岳(6:00)-兎岳(8:00)-中盛丸山(9:30)-大沢岳(10:15)-百閒平(12:00)-赤石岳(13:50)-荒川小屋(15:45)
25日:荒川小屋(4:15)-前岳(5:30)-高山裏避難小屋(8:10)-小河内岳(11:21)-烏帽子岳(12:40)-三伏峠小屋(13:30)
26日:三伏峠小屋(6:15)-塩見岳(9:42)-新蛇抜山(12:30)-安部荒倉岳(13:40)-熊ノ平小屋(14:17)
27日:熊ノ平小屋(6:40)-間ノ岳(8:52)-三峰岳(9:30)-野呂川越(11:35)-両俣小屋(12:03)
28日:両俣小屋(5:15)-野呂川越(6:00)-伊那荒倉岳(7:40)-大仙丈ヶ岳(9:42)-仙丈ヶ岳(10:23)-長衛小屋(12:58)-仙水小屋(13:37)
29日:仙水小屋(5:11)-駒津峰(6:33)-甲斐駒ヶ岳(7:24)-仙水峠(9:45)-アサヨ峰(11:52)-早川尾根小屋(13:42)
30日:早川尾根小屋(5:20)-広河原峠(5:53)-高嶺(7:23)-地蔵岳(8:08)-南御室小屋(10:18)-夜叉神峠小屋(12:31)-夜叉神峠駐車場(13:16)=静岡
記録:
割と大きな計画を立ててくれました。7泊8日、日程の都合により予備日1日。
奥津の目標としていた山行です。
行く前はまだ実感がわかず。どんな気持ちでいたらいいのかと、とりあえず夏合宿の気分を思い出していた。
21日:芝沢ゲート-易老渡
1座目の光岳はどちらから入ってもアクセスが悪く、今回の芝沢ゲートまでも車で約5時間、そのうえ山道は悪路だった。運転手として堀君を買収。今回は不参加となった高林も送迎係になってくれた。(やさしい)
お昼前に出発した一行は、浜松のパーキングエリアで昼食をとり、私はその後寝ていたので覚えていないが、いつのまにかうねうねした狭い道になっていた。堀一人じゃなくてよかった、と高林に感謝。
着いた時にはもうだいぶ夕暮れだった。見送られることが普段ないので二人を残して出発するのが変な気分だった。なんだか緊張。
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行ってきまーす |
ゲートをこえて、さっそく自然落石にあった。気づいて後ろに下がったのであたりはしなかったが、自分たちで身を守らなければならない、という、山に入った感覚があった。いつもより心細い、、、。
約1時間ほど歩いて(真っ暗です)、易老渡へ到着。トイレの近くにテントを張ってコンビニで買ったご飯と、暖かいスープを飲み、就寝した。
(有間)
22日:易老渡-易老岳-光小屋
テン場は電波が入らず、前日までの情報を頼りに登山開始。
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さあ、いよいよ |
計画では茶臼小屋を目指す長い長い1日のため、朝も早く、行動開始。ヘッテン行動である。
うん...ひどいね。土砂降りだよ。登山道が川になってる。行く前から悪いことが分かっていたけどここまでとは...(電波復旧後確認したらもろに寒冷前線通過中だったかも)
今後、完走できるか暗雲が立ちこめる!?
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本人曰く気分↓↓↓のポーズらしい |
天気の悪さと縦走分の食料が重たいことも相まって言葉少なく登っていく。
途中で今後についても話したが、稜線での天気で判断することとした。
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もうべちゃべちゃ |
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やっとこさ分岐到着 |
稜線上は風が強く、時節体勢を崩すくらいの風の時もあったため今日は光止まりにした。雨にやられて気力もなかったのもあるかも...
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当たり前のように湖 |
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倒壊 |
静高平を越えると、道もウッドデッキ風になり歩きやすく。風にあおられて滑ったから悪天時は良くないかも。当たり前だが、水場表示のある静高平は小川になっていました笑
やっとこさ光小屋到着。10時過ぎには着いたが、もう今日は終わり。「なんで来たの?」と至極もっともな反応をしながらもお茶で迎えてくださった小屋番さん。ほんとありがとうございます。身体に染みました。看板もちゃんと保管してくださっているとのこと。すみません💦
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初めて来たね |
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え、温泉!! |
10時半と1日の終わりにしては随分と早い気もするがほかに行くところもない。嵐の中、テントを立て耐えしのぐ。暇すぎて風の音が唯一の娯楽だった。
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パスタ(1回目) |
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一瞬の晴れ間も! |
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まだまだ先は長そうだ |
どうやって8時間も耐えたのか分からないが、する事もなくなって就寝。
(増田)
23日 光岳-茶臼岳-上河内岳-聖平小屋
起床。棒ラーメン+乾燥野菜を食べ、まずは光岳を取りに行く。歩いて軽く10分。
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食べやすくて速い。 |
今山行、これが最初で最後のラーメンでした。予定では。
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まだ暗い |
ここから奥が深南部。この奥に入るのもいいなあ、と思いながら、光石がほんとに白くて光って見えることを確認して、戻る。
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写真真ん中下に光石 |
戻ってテントを片付け、小屋の方に挨拶して出発。
急に受け付けていただいてありがとうございました
次は看板取りに来ます💦
昨日とは打って変わって、青空が見える!
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気分は良好 |
イザルガ岳も寄り道して、(いい寄り道だった!)
たったか茶臼を目指す。
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丸くて平らなイザルガ岳 |
昨日登った沢筋を下りながら、やっぱり長かったな、と思う。
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色々干してます |
易老岳まではちょこっと上りつつ、らくらく。
次に向かう茶臼岳は、私は冬にしか行ったことが無いので、どこから出るんだろうな、と想像しつつ歩く。茶臼から光方面に向かってくる方はほとんど出会わなかった。
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ぽかぽか |
希望峰に到着。仁田岳はパスする。
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希望っぽい顔して、って言ったのに、、、 |
小ピークに騙されながら、茶臼最後の登り。だんだん出てくるハイマツ帯に、登ってきた感を感じる。
山頂には別パーティーが。何尾根を登ってきたか忘れてしまったが、ハイマツ漕ぎしてきたそう。
「南アは変な尾根から登るのが楽しいんだよ∼」とのことです。
ハイセンスな趣味だなあ。
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一発目お団子 |
茶臼から降りていると、オレンジの服着たオジサンに出会った。茶臼小屋が小屋締めだから寄って行って、何かいいものもらえるかもよ~、と言われた。うーむ。
ちょっとジュースとかもらえちゃうかなという甘い期待と、小屋締めって何してるんだろ、っていう好奇心から、茶臼小屋まで足を延ばした。
結果、ジュースはもらえなかった。あのオレンジのオジサンは小屋関係者ではなく、ライチョウの先生らしい。気まずいので普通にジュースを買った。
小屋は、布団が気持ちよく干されていて、雪に備えて小屋の窓に板を張り付けているところだった。夏の茶臼小屋は冬見た時よりもっとあたたかく素敵だった。
さ、次いこ。
上河内岳までは緩やかに、でも確かな上りである。冬はどこらへんで撤退したんだろね、と話しながら進む。途中で出会ったハキハキ元気お兄さんに計画を話すと、すごい!と言われてやる気出る。
単純な二人です。
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晴れ間のタイミングもばっちり |
二年ぶりの回収。やっぱりでっかくていい山じゃん。
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風は寒い |
東海フォレストの看板が分岐を教えてくれる。
今回随分よく出会うことになるなあ、、と思うと、愛着さえわきそうです。
就職しようかな...
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若干崩壊地を進む |
すぐにガスったり晴れたり。振られなかっただけましだね。
ところで結構下るね。
聖平小屋は立派できれいな場所だった。小屋締めの日であり、小屋の人は最後の一泊をして帰るようだ。冬季小屋を借ります、と声をかけ、雨でぬれたテントを干す。
あの雨の日に登ってきたの?と言われた。なんだか恥。
ついでに自分の荷物も小屋内に全部干す。かなり本気でばらまけたので、奥津に、意外とちゃんと散らかすねえ と言われた。全部臭いし濡れてるんやもん!
他に来客者がいないことを願った。
電波スポットで今後の天気予報を確認し、小雨が降りだしたので夜ご飯にする。
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米と肉。 |
奥津の個装のデザートをいただく。ありがとう!
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山でのフルーツ嬉しい |
今回の山行は、未知の長さなので、アミノバイタル等に課金をした。青、赤の通常タイプに加えて、ゴールドも買ってみた。運動後に飲むことで疲れを翌日まで残さないらしい。
効き目があるのかないのかは信じるか信じないか次第かもしれないが、信じて飲む!
粉末タイプである。ニガテだ...。またこのような課金の機会があれば、絶対にオブラートを持参しようと思う。
明日雨が降っていませんように...。就寝。
(有間)
24日:聖平小屋-聖岳-奥聖岳-兎岳-中盛丸山-大沢岳-百閒平-赤石岳-荒川小屋
さぁ、今日は聖取る日だ。昨日小屋で思ったが、個人的に1番好きな山は聖かもしれない。
なんだろうね、最後のでかい山頂目指しての登りがとてつもなくわくわくする。
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お疲れさまです |
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すごくうっすら |
本日もヘッテン行動である。なにせ、ヤマップのコースタイムで14時間歩く。初日の遅れを予備日使ってでもまかないきれず、今日頑張らないと最後までいけなくなってしまう。てな訳で頑張りどきである。いやー長いね。14時間。
聖までもう少しってとこであたりは明るく。わんちゃん日の出山頂で見れたりしないかな..
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もうすぐ! |
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かっこいい!? |
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朝日 |
ぎりぎり間に合わなかった。残念!
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いや~かっこいい!!! |
好きって言いつつまだ2回目の聖岳。また来ます
こんな景色見せられたら疲れなんて吹き飛ぶね。歩き始めて2時間。まだまだあるか
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奥聖も輝いてるぜい |
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え、今日あれも登るの |
天気が良い!景色が良い!!だからこそ見えてしまった...
今日の行程、長いのに加えて3,000m峰を2つ登るのである。いや~ぐるーーって稜線長いね。あんな下るんだね。あんな登るんだね。え、しんどくない.......
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お団子で栄養補給 |
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よし、行くぞ! |
それにしてもね、3,000mを登ったのに、また下るって何事だろうか。山同士をロープーウェイで繋げたら良いのに、なんて妄想しつつ歩く。歩くしかないからね。
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足がすくむ |
兎岳までは下りがメイン。所々崩壊していたが、それ以外は特に困ったこともなく。
本日は、ポカポカと良い日和だったが日陰に入ると爆風も相まってちょいさむ。兎岳まではレイヤリングに頭を悩ませつつ。
天気も悪くてガスガスで、1ヶ月半前と大差なかったのが残念。
赤石のお団子標識をまたも取り忘れた...悔しいね。
赤石岳から荒川小屋を目指そうとしたときに、避難小屋で小屋じまいをしていた方に「そっちじゃないよー」、「バス動いてないよー」といわれた。心配してくださったんだろう。僕も間違えてると思います。笑
何気に今日はその人しか会わなかった。
赤石より先は、8月に事前合宿で通った場所。景色が見えないこともあり、ただただ進んでいく。
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やっと見えた |
荒川小屋着!
結果として11時間半だった。うん。よく歩いたね。
中岡さんにご挨拶し、テン泊しようとしたが...「良いよぅ、小屋泊まってきな」と有り難いお言葉が!それだけじゃなく土砂崩れにより宿泊者がいなくなってしまったからとのことであっったかいご飯までいただきました!!
夜は、たまたま滞在されていた塩見小屋の奥さん(次の日二軒小屋から蝙蝠尾根とって塩見に帰られるそうだ)とご一緒し、様々な山の話を聞けた。楽しかったです。
途中の紅葉だと思っていたものが実は虫枯れと知ったのは残念だった。
(増田)
25日 荒川小屋-高山裏避難小屋-小河内岳-三伏峠小屋
昨日つけてもらったストーブのおかけでびしょびしょだった靴下はからっから。
やっと乾いた。
日持ちパンを食べて、軽めなご飯を済まし、泣く泣く荒川小屋を出る。
本当にお世話になりました。また来ます!!!
カールを上がり切ったところで日の出に追い付かれそうになる。
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わくわくしてくるこの時間 |
太陽がじらしている間に、前岳の分岐付近に到着。振り返ると今日向かう山脈が見えた。
この瞬間がとても好きだ と感じる。
歩いてきた稜線が見えるとき、これから歩く稜線が見えるとき。
引きで、自分を見つめることができる。
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朝日に照らされだす感じ |
今回は出る瞬間も見逃さなかった。おはよー世界!!!!
なんでこんなにしっかり見ているかというと、カレーメシを食べていたからである。
ご来光見ながら朝ごはん食べたいよね、ということで、出発時パンだけ食べて1時間強の出だしをしのぐ作戦。強風の稜線の中、風の弱まる岩陰で縮こまってカレーメシを作っていた。美味しすぎた。
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信じて混ぜる! |
おかけで奥津のカッパはカレーメシの匂いがずっとしていたそう。
荒川崩壊地横を下る。大崩壊地だ。すごい。
高山裏避難小屋までは楽しく下り&トラバース。
そこをポイントに、上りにシフト。たまにすれ違う人、みんな強そうなんだけどなんで。
何度も崩壊地を見るが、やっぱりすごいなと思いながら歩く。かっこいいと思ってしまう。
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崩壊地多い |
ライチョウにも出会った。もこもこしていて可愛い。癒される∼
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二羽いたね |
小河内の登りは天気が良くて、景色も良くて楽しかった。というよりハイになっていて、飛行機にむかって呼び掛けたりしていた。📢
「ねぇ飛行機さーん、どこに行くのぉぉぉぉお」迷惑な登山者になるところだった、反省。
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ヘイ! |
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噂のかわいい避難小屋 |
前小河内岳の看板は小っちゃかった。君も立派だよ...。
まあ、前と言ってもいいよ、と言えるくらいの距離感だった。
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前○○岳ってあらかたこんな扱い |
ここでまたしてもガス。まあもう慣れているので、そんなに落ち込まないよ。
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崩壊地を横目に下る |
運が悪ければこういった崩壊地の、崩れる瞬間に立ち会うことになるのだろう。
楽しく、ドキドキする道だったが、決して油断はしなかったし、できなかった。
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烏帽子岳 |
烏帽子岳の山頂では、おじさま二人が優雅な山頂焼き肉をしていた。
もう少し早く来てくれたら肉があったのに∼
と言われた。なんだか若者に肉をくれようとする優しい方たちが多いな。素敵な世界だ。
ここらへんになると、人も多くなった。
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個人経営だそう |
それもそのはず、三伏峠はアクセスが良く、登山口から2.3時間登ると出てくる。
素敵なのだが、水場がちょー遠かった。距離がというか、感覚的に。
五分強くらい緩やかに下らなければいけなくて、一回で済ませなければ、再度行きたくないなと思う距離である。もちろん一回で済ませた。料理用に、と書いてあったので、念のため、今回の山行のために買った浄水器を使ってみた。ちょっとめんどくさかった(^^)
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またパスタ! |
雨は時折ぱらついており、外で食べようとしたタイミングでまた降ってきたので中で食べた。
明日はいよいよ塩見。奥津との相性が悪いんじゃないか問題が出ている塩見。
緊張するな。
まだよく寝れた日だったと思う。
(有間)
26日:三伏峠小屋-塩見岳-新蛇抜山-安部荒倉岳-熊ノ平小屋
良い天気!
楽しみだね
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気持ちいいね |
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リベンジ? |
どの日も朝は元気だね。寝て、疲れがリセットされるわけじゃないがなんとなく元気な気がする。久しぶりに人も多く、道を譲ったり譲られたりも新鮮に感じる。
塩見小屋までは人も多く、危険箇所も見当たらなかった。
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かわいいサイズだった。 |
徐々に岩場が増えてきて、道も険しく。
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(文字通り)雲行きが怪しく? |
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岩場!! |
岩場チックになり、鎖が増えてきた。相性が悪いわけではないが、いろいろあった塩見なこともあり、実は内心とてもビクビクしていた。こん山行で1番恐怖を感じたかもしれない。
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無事到着 |
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塩見手ぬぐい買っちゃいました |
さ、そして始まります、仙塩尾根。今回の目的の1つでもあるこの尾根。まだ1回も歩いてことないのもありこの長大な尾根を歩いてみたかった。
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先は長いね |
仙塩尾根も最初は下りメイン。
小ピークはあるがどんどん標高を落としていく。途中崩落してるところもあり。なんなら、地図やヤマップにすらないところがあり、新しい道ができあがりつつある場所さえあった。ピンクテープがつけられていてどんどんトレースをつけていく段階だった。
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右側切れ落ちてますな |
塩見の下山中、蝙蝠尾根からやってきた塩見小屋の奥様と再会。2日ぶりに会うのになんだかとてもうれしかった。蝙蝠尾根も歩いてみたい尾根に追加かな。
下りがメインだとすごい楽だ。そのツケはちゃんと帰ってくるのにね
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標高下げると植生も変わるよ |
人があまり通っていないのが分かる道だった。看板はぼろぼろ、トレースもはっきりしていないことが多い。山頂までのピークハントも道がなく通り過ぎたりもした。
後は暇すぎて、有間に野球を延々と説明していた。野球のルールって難しいよね。
かの有名な松井の5打席連続敬遠から最近のピッチャーの傾向について、奥津の勝手なMVP予想と各球団のエースについて、メジャーと日本のプロ野球はどんな感じか、今年の移籍事情はどうなっているのか... |
どこにピント合ってる?笑 |
本日の宿は熊の平小屋。お借りします。
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解放ありがとうございます |
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テラスからは絶景が |
小屋の中にノートがあり、利用者がいろいろ書き込んでいた。とても面白く、世の中いろんな人がいるなと感じた。
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ささやかな課金 |
テントで寝るのも好きなので全然いいんだけど、小屋内で足を好きなだけ伸ばして寝れるのもいいなぁと感じる小屋泊だった。
(増田)
27日 熊ノ平小屋-両俣小屋
天気は今にも雨が落ちてきそうな曇り。予想していたよりは耐えている、といったところ。
昨日見えていた西農鳥は見えず、ぼんやりとした世界になっている。
合羽を着ず出発。そのあとすぐ合羽を着ることになった。
ゆっくり確実に登っていくと、農鳥小屋付近へのトラバースルートが出てくる。
農鳥おじさんの話をしながら、いつかは行ってみたいねと、ルートにもおじさんにも思いをはせる。
この辺りもクマ情報があったので、周りを見回しながら歩く。
ハイマツ帯と岩稜で割と楽しい道だった。手と足を大きく使って進む。
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三方向示して!というリクエスト |
まだかまだかと登り切って、三峰岳に到着。間ノ岳と仙塩尾根の分岐。
デポして、間ノ岳を取りに行く。ここも間ノ岳を目の前にして、とても楽しかった。
三年目にしてやっと間ノ岳!これで南アのトップ3は制覇ですな。
北岳のほうからやってこられた方に写真をお願いする。
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北岳方面をバックに |
ここから後は、小屋に向かって下るのみだ。長いし、およそ1000m下る。逆だったら辛すぎる。
少し雨に降られて下りの岩場が怖かった。どんどん木々が生い茂って、森になっていった。
苔むした森で、クマだけではない、動物が好みそうだと思った。
野呂川越についたが、さらに標高を下げなければいけない。
本当にまだ下ってしまうのかと騒ぎながら下った。この山行いち悲しい下りだった。
文句を言いながら下った先に、こじんまりとした川沿いの小屋があった。
テント場も何カ所かあり、小屋にも泊まれるようだった。
奥津、念願のラーメンをいただくことにする。
この一週間のラーメンがあの光岳の朝で終わってしまったのかと騒いでいたのでね!
私も、小屋のご飯には興味があったのでわくわくしていた。30分後に食べに向かう。
がっしりした小屋主であろう男の人が、中華鍋で野菜をいためていたところだった。
麺は即席であろうが、とんでもなく美味しかった。暖かいし、美味しい。
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おいしい😢 |
小屋に貼ってあるクマの写真や魚の写真を見ながら食べていると、小屋の猫が来てくれた。
こんなところで癒してもらえるなんて!
山で過ごしているというフィルターがかかっているせいか、強そうに見えた。
この猫もクマと出会ったりしてるのかな。
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もしかしてクマと戦ってる...? |
ラーメンも食べ、テントでゆっくり山の話をする。
クマ出るらしいねこの辺は。
明日の天気はどうかな。
まあまあ好きなこの時間である。
奥津のウイスキーで体を少々温めつつ、明日の準備をして就寝。
(有間)
28日:両俣小屋-野呂川越-伊那荒倉岳-大仙丈ヶ岳-仙丈ヶ岳-長衛小屋-仙水小屋
スタートが1番憂鬱な日。何が悲しくて昨日1,000m下ったのを登り返さなきゃいけないんだろう。とか思っていたら、やってくれます有間さん。鬼の爆速。さすがっす。
朝は怖かった。熊の目撃があるエリアだったのでかなりおびえていた。静かになると怖いので、ずっとしゃべっていた。
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最初のピーク |
今日も朝は元気。身体が慣れたのかな?そんな急じゃない登りが続く。
もう長すぎて話すこともない。しょうがないから野球雑談を延々と話す。後で聞いたところ、途中からラジオ感覚だったらしい。そんなもんか...
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やまぶかいね~ |
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池(水場ではない) |
このあたりから有間さんやらかします。ほんとに
仙丈まであと3時間のあたりからスピードアップ。早かった。
途中で聞いたらここ巻きたいって思っていたらしい。何したいんだろ、お腹空いたのかな?
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み、みえた? |
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いい字! |
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初、大仙丈 |
ついに仙丈ヶ岳到着。人が多いね。
記録は驚異の1時間巻き。うん。縦走の8日目にやることかな笑
初仙塩尾根の感想としては、長いね、うん。それに尽きるわ
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久しぶりの人によるパシャリ |
ここから先も経験済み。7月に来たから約2ヶ月ぶり。
下りの最中にお年寄りの方と女性のお二人とお話を。
「すごい荷物だね~、どこから来たの?」
「今日は両俣小屋からですけど、光岳から入りました」
「て、てかりぃーー!!!」「あのバカ尾根を歩いてきたのか!」
そうなんです。ありがとうございます。その反応がとても嬉しいです。
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ここも2ヶ月ぶり |
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そして何日ぶりかのアスファルト |
当初は長衛小屋泊の予定だったが、時間があり、テント泊できそうとのことで仙水小屋まで行くことに。長衛小屋には人が大量にいて驚いた。
13時半過ぎに小屋到着。テント泊は他にいなくて貸し切りに。あまり広くなかったから他にいなくて良かった。
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そして欲望に負けた |
驚いたのが、夕方になってもテントの横を通り過ぎていく人がいたことだ。こんな時間でどこに行くんだろうか、ピストンにしてもおそすぎないか、と少し心配になった。
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大量ペンネ |
今日を無事に歩ききれて、ゴールまでがちゃんと現実味を帯びて感じられるようになったと思う。そんな感傷に浸りつつのテント内だった。
(増田)
29日 仙水小屋-甲斐駒ヶ岳-栗沢山-アサヨ峰-早川尾根小屋
今日はちょい登りが多めの日。
朝はお茶漬け。体を温めつつカロリーもちゃんととれる、時短レシピです。
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夜のうちに水入れたアルファ米に、お湯入れる完璧! |
つい最近行ったばかりの甲斐駒ヶ岳です。
仙水峠で荷物をデポし、ぐんぐん登る。デポなんだから、と、一応とばす。
身軽なので岩場も安心。直登ルートを突っ切っていると、ちょっと迷った。トレースだと思ったら、すぐに引き返してて、みなさん自由に登ってるんだなと思った。印も消えかけだった。
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こっちか~ |
さすがは甲斐駒、人が多い。ツアーもいるし、ファミリーもいるし、こんなにガスってるのにさすがだね。
山頂は一瞬晴れ間が!甲斐駒ヶ岳の看板が新しくなっていた。これは来たかいがあった。
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きれいになった看板とパシャリ |
山頂では電波が通じていたので、部のみんなに連絡と、天気図にらめっこ。
30分くらいたってましたね。
下りも迷った。危ない、ほんとに滑落しそうな角度のとこまで行っちゃいそうだった。
駒津峰の登りで抜かしてきた人たちに、
早いねえ、頂上はまだ先...?とか声かけられながら下った。
さてこっからです、今日は!この山行のもう一つのポイント、初めての早川尾根。楽しみ!
前回来た時歩いてみたいと思っていた道を歩けるので一応わくわくしておりました。
だいぶガスでしたが。しっかり標高アップして、最後は岩チックな道を登り、栗沢山!
ツアーのおばさま、おじさまがたに会いました。
みなさん仲良しそうで、ツアーって一日目であんなに仲良くなるのかな、楽しそうね、と老後ライフの参考になるのかならないのか分かんない話をしながら進む。
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ガイドのお姉さんに撮ってもらった |
栗沢山からアサヨ峰の稜線は楽しかった!
くぅーーー、晴れた時もう一回行こう!
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ガスと紅葉が幻想的 |
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鎖もあったよ |
アサヨ峰はいい感じの看板があり、大きな岩の上に乗れる感じだった。
まだきれいに稜線がつながっていたが道はなかった。
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白。 |
仙丈や甲斐駒に今も人がいるんだろうなあと、雲の中を見つめる。
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確か、仙丈を撮った |
さて、降りますか。ちらっと見える私たちの行く稜線は、下り基調。
仙塩尾根の時より絶望感はない。鍛えられたか?
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ほら、綺麗だよ |
岩が多い道が続き楽しいところだが、濡れているせいで少し怖い。土砂降りじゃなくて良かった。ハイマツアタックのせいで、上からの雨は少ないのに服がびっっしゃびしゃ。
合羽を着る有間。諦めないおきつ。
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ハイマツ! |
小ピークがあるも、そんなに上がらないのでしんどくないよ。晴れてたら両側楽しめただろうな。岩とハイマツの上で泳いでいたのに、だんだん木々の中に潜っていく。
早川尾根小屋は、通る人も少ないので、管理人さんがいたらラッキーの時期。
今回は残念ながらお会いすることはできなかった。お気持ちboxにお気持ちだけ入れさせてもらう。
この山行、小屋巡りも楽しんでいる。いやほんと面白い。
小さくて、トタン屋根に雨の音が趣深い避難小屋(冬季開放○)があったが、結局テントを張った。狭いしさ!臭いし、オレンジがかったテントの中はやけに心臓をドキドキさせてくるし。荷物も乾かないし、どうせ雨だからしまうのが嫌だけど!!この山行、テントで寝れるの今日で最後なんよね、、
いや、十分テントで寝ただろう。5日も。
結局テントが好きなんだよ
ということで、テントを張り、綺麗な水場でちょろちょろ出ていた有難い水を頂き、トイレも使わせてもらい、いつものように、テントで過ごした。
時間も少しあるし、山での最後の晩餐なので、余った乾燥マッシュポテトとサラミとふりかけのポテサラを楽しんだ。タンパク質、脂質、軽く野菜、そして炭水化物。一応考えられた完璧な食事なのだ。割合は置いといて。
今回の山行でウイスキーのお湯割りが気に入ってしまった。体があったまるので。雪国の人の気分だ😌⛄
明日も未知の岩場があるらしいので、
今日みたいな湿り具合はやだね。とか言ってると、
奥:もうあと一日かあ... ...ちょっと早いけどありがt
早いって!!!
最後まで気を抜かないでいただきたいのでそんなこと言わせないぜ。フラグ回収したくないのでね。
明日の指針を立て、話すことも話し尽きたはずだがなんか喋って就寝。やっぱりテントの中はオレンジがかっていた。
(有間)
30日:早川尾根小屋-広河原峠-高嶺-地蔵岳-南御室小屋-夜叉神峠小屋-夜叉神峠駐車場
いよいよ最終日
朝、何故か雨(ガスっぽいけど)カッパを着て動くことに
ちょっと迷った。昨日の岩場がつるつるして怖かったので、雨が降っている今日も嫌だなと。途中の分岐から、広河原におりることもできる。一応しっかり迷ったが(疲労により少々弱気)、完遂したい気持ちがちゃんと背中を押してくれた。
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白根が見える |
ガスっぽいのは残念だが、時折キレイな雲海をみることができ、それもそれでって感じだ。地蔵まで歩いたことがないエリアだが、これといった危険箇所はなかった気がする。
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ここ直登ってマジ? |
危険箇所はなかったが、高嶺付近は岩場が多かった。
垂直な岩を登るところもあり、クライミング要素を感じ楽しかった。
ちょっとずつ地面が白っぽくなってきたらもう鳳凰三山も近いと分かる。
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案の定 |
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何度目かのワーオ! |
地蔵まで来ちゃえばゴールは近い。
何度か歩いていることもあり、悩むことなく進んでいく。
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イケイケ |
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ドンドン |
南御室で小屋の方と少しお話をしたが、水不足を感じているらしい。縦走をしていると小屋の水はかなり貴重なため、有料化や宿泊者のみなんてことにはならないといいなぁと感じた。
途中鹿と遭遇した。全然気付かなくて、木の裏側にいてびっくりした。
道中あったことと言えばこのくらいかな
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もうラスト。あいにく景色は... |
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最後のご褒美 |
迎えを頼んだ高林との時間調整も兼ねて峠で休憩を。温かい豚汁が身体に染みたなぁ~
最後はほんとに下るだけ。途中木に看板が着いているものがあり、樹種当てクイズなんかをしながら登山口へ。何回か来ているおかげか、この樹種が見えたらもうゴールだねなんて専門チックなことを言い出す先輩も。
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これにて完 |
下山後、迎えに来てくれた高林と合流。ありがとう
どうやら、9日間も山にいた僕たちは想像よりも臭かったらしい。高林が悶絶し、えずいていた。自分たちがそんな匂いを発している自覚もなく、喜んで高林に近づく奥津・有間。近づくな!とえずく林。そして、現実を(嗅覚で)感じ、ショックを受け騒いでいる2人。カオスな空間が広がっていた。
温泉がとびきり体にしみ、帰りに食べた炊き込みご飯が下界に帰ってきたことを教えてくれた。
まとめ:
有間:今までで一番長く、重く、少人数で、山にこもった。
この山行で心配だったのは、予備日が一日しかないこと、天候等踏まえ完遂できるかどうか、クマに遭遇するかどうか、と、いろいろあるが、山に飽きてしまわないかということ。縦走は好きだが、一週間も山に入るのだ。長いし、つらいことも多いだろうし、帰りたい、投げ出したい、と、山をやってきて初めて、思ってしまうのではないかと怖かった。 ならなかった。途中で降りたいだなんて思わなかった。その感覚を得られただけで満足だし今後の山に対する気持ちはよりクリアになった。自信も少しはついたと思う。
特に危険すぎる場所はなく、ただ集中力と体力と気持ちが試された山行だったと思うが、山に必要なベーシックなことを強化できたと思う。朝の出発が予定より遅くなった日が少々あったが、縦走の疲れをとると考えると、危険でない範囲の必要な甘えだったと思う。
思い出として振り返ると、 最高だ と思える景色に加え、あの疲労感さえも懐かしく思う。南アルプスがさらに好きになった。計画を立て、実現可能にし、楽しい山行にしてくれた奥津に感謝している。体力面はもちろん、柔軟性、判断ポイントなど、まだまだ見習いたいことばかりである。送り迎えをしてくれた二人もありがとう。
今後も、山を楽しむ気持ちと、山と真剣にやりあう気持ちを大事に、多くの山に登りたいと思う。
増田:今回の山行、予備日1日しかなかったのにしっかりと完遂できて、一緒に行ってくれた有間に本当に感謝している。これだけの計画を立てる機会もあまりないだろうし、次にチャレンジする機会があるかも分からないので一度で完遂したいが、予備日1日では不安が残る。行く前はそれが怖かった。縦走という響きに憧れた分、夜叉神峠なのか、北沢峠なのか、広河原なのか、結果次第で満足感は大きく変わってしまうだろう。やるんだったら全てやりきりたいし、もし途中で無理だと分かったら潔く諦め、次の機会を探っていたかもしれない。そういう意味では、カギは初日にあったのかもしれないと下山してからは感じている。悪天とペースにより初日に予定通り歩けず暗雲立ちこめたが、行程と日数を考え直しぎりいける範囲で修正できた。2人で頭を悩ませ作り上げたが、あれがなければ完遂なんてできなかっただろう。山は自己責任によるところが大きいスポーツで厳しさを感じる部分も多いが、こうやって自分たちで決めていくのも山ならではなのかもしれない。
好きな登山の形について考えた際、自分はやはり長期の縦走だと山岳部入ってからの山行を通して感じている。今回の山行も、南ア縦走という響きに憧れ、1年時にはいつかやりたいと考えていたが、3年生になり実行できた。荷物も重たいし、地上の快適な暮らしが遠ざかってしまうが、やはり縦走が好きなんだなと再確認できた山行となった。1つの目標は達成できたわけだが、まだまだ歩いていない道や山脈は残っている。次はどこをどう繋げるか、計画を立てるのが楽しみだ。
(文:有間、増田)