日時:2月17日(金)~2月19日(日)
メンバー:CL蓮容,SL増地,池田,鈴木(健)有間,奥津,鈴木(琴)
行程:
17日:静岡=畑薙・沼平ゲート-畑薙大吊橋-ウソッコ沢小屋-中の段-横窪沢小屋-樺段-茶臼小屋
18日:茶臼小屋-(稜線)-奇岩竹内門-(撤退)-茶臼岳-茶臼小屋-横窪沢小屋
19日:横窪沢小屋-ウソッコ沢小屋-畑薙大吊橋-畑薙・沼平ゲート=静岡
20日:予備日
記録:
今年度の決算合宿は南アルプス茶臼・上河内岳へ行ってきました。結論から言うと、上河内岳は強風撤退しました。ですが、今回の山行から学んだことは多く、そう言う点ではなんとか決算山行として形になったと思います。
17日:天候 晴
3:30に部室集合し、いつもより念入りに装備チェックをし、沼平ゲートへ向かう。道中に凍結はなく楽な運転だった。
出発
畑薙大吊橋までの林道を歩く。荷物が重い日はいきなり登山口から歩き出すよりも、多少の林道歩きで身体を慣らしてから登るほうが調子がいいのはいつものことである。吊り橋渡りは自分が一番ペースが遅かった。これもいつものことである。
ヤレヤレ峠 まだヤレヤレはしない
沢筋へ
ヤレヤレ峠を越え一旦沢に降りる。この一回沢に降りる行程のせいで、1時間で高度を50mほどしか稼げていないのは悲しい。
ウソッコ沢小屋手前で有間がオーバーミトンを崖際に落とすアクシデントが起こった。蓮容さんが空荷で下降し回収してくださった。ここで回収不能になれば撤退もあり得た場面なので割とターニングポイントだった。樹林帯でオーバーミトンを外しこそすれどつけなおす場面ってほぼないので、正直腕に留めるよりザックにしまっておいたほうが無難だと思う。
後日聞いた話だが、有間はあまりに今日は物が落ちるので次は自分が落ちるんじゃないかと心配していたらしい(笑)
流石です
ウソッコ沢小屋
入山〜横窪沢小屋まではいいペースできており、1年生は入部当初に比べると本当に馬力がついたなと思った。1日目はペース次第では横窪沢小屋で行程を終えることも考えていたが、このまま茶臼小屋を目指すこととなった。
こういう橋ほんと嫌い定期
1年生達。あれ?ひとり足りないような。。。
無じかえる🐸
雪が増えてきたところでアイゼンを装着。途中からはずっとラッセルになり消耗したが、今回はラッセル要員が多いので助かった。ケンティーがノリノリでラッセルをしていたので成長を感じた。アイゼンワカンに付け替え、ソロで来ていた方とも協力しながら徐々に高度を稼いでいく。
一筋縄ではいかない
課題だったトラバース区間
茶臼小屋へ
尾根筋から茶臼小屋のある沢筋へトラバースしていく区間は、埋もれる雪だったおかげで夏道の赤テープをほぼたどる形で進むことができた。ソロの方によると上部の方に冬季ルート?があるらしい。
予想外のラッセルで時間がかかってしまったがなんとか17時前に行程を終えることができた。
夜ご飯は鍋と米だった マイタケが美味い
明日についての話し合いを終え眠りにつく。
奥津の0番シュラフと自分の1番シュラフを交換したがめちゃくちゃに快適で爆睡した。
18日:天候 曇りのち雨
外へ出て思った。あれ?雲黒くね?
午後には南岸低が来て悪くなる予報だったが朝の時点で微妙な天気だった。稜線へ上がってみると叩きつけるような突風に思わず耐風姿勢を取る。目指す上河内岳の山頂がガスに覆われているのが見えた。ここからは夏道ではなく基本的に尾根を外さないように歩いていく。
降雪はまだ先なので進む
風下側に入ると吹き溜まっており再びラッセルになる。今山行2度目のアイゼンワカンに付け替え歩を進める。やはり風が強い。それもありなかなかペースを上げられない。
なんとか奇岩竹内門に到着したが、この強風で先の痩せ尾根やクラスト斜面を突破するのは難しいとなりここで撤退が決定した。この時風にあおられた拍子に足を攣ってしまい無様な醜態を晒してしまった(ついでにオーバーミトンも飛びかけました)。
一瞬晴れ間が
撤退を始めた瞬間に青空が顔を出したので蓮容さんも言っていたが、多分「その判断、正解!」の晴れ間だったんだろうなあと思う。
近いようで遠かった上河内。シュカブラが綺麗
聖岳が一瞬見えたが写真を撮る頃には隠れてしまった
分岐へ戻り、すぐに登頂できて危険箇所もない茶臼岳だけでも拝みにいく。9月にここへ来たときは雲ひとつない快晴で、その時の景色と照らし合わせながら歩く。
ツーショット
1、3年生で
降りる
茶臼小屋まで戻り大休止。奥津を埋めて遊んだりなどした。
0h~~~マンマミーヤ!
この時点で12時だったので横窪沢小屋まで下山することにする。しばらくすると雪が降り出した。明日の夕方ぐらいまでは降り続く見込みなので結構積もるか?とか思ってたらだんだんみぞれみたくなってきた。ん?みぞれ?いや、これはみぞれじゃない...?
雨やん
静大山岳部屈指の雨男、我らが蓮容さんはここでも豪運を発揮し、この2月の標高1630mの地に雨を降らせ奉った。まさか龍信って竜神(雨・水を司る神)と掛かってたりしますか?静岡は蓮容さんがいる限り飢饉の心配はない。
これには自分も涙を禁じ得ない(泣いてないです)
生熊が鈴木の誕プレにあげた大福をむさぼる竜神
しかし濡れや凍結によるスリップのリスクを考えると全く喜べることではなかった。まだ足を滑らせると助からないようなトラバース区間がいくつも残っている。皆が寝静まった頃外で音楽を聴いて心を落ち着かせる。こんな時でも音楽は音色ひとつ変えず鳴ってくれるのでありがたい。行きでも見た「無じかえる🐸」の看板が目に留まった。そうだ、無事帰る。
19日:天候 雨
天気は相変わらずだった。皆で気を引き締め出発する。
こういう橋ほんと嫌い定期
例のトラバース区間はやはり凍結が目立つ部分が多かった。アイゼンを履いたほうがいいのではと審議したが、木や枝に引っ掛けるリスクもあるということで結局履かなかった。自分が一番怖がって慎重に歩き過ぎてしまったので反省点である。
一歩一歩確実に
ウソッコ沢小屋までくれば凍結はほぼなくなった。崖下に目をやると濁流となった沢がうねりをあげて流れている。大丈夫、こんな音怖くない。
ヤレヤレだぜ。。。
蓮容さんが行き道に落としたコンパスはこの辺で見つかった(小声)池田もミカンを小屋に置いてきたから取りに戻りたいと言っていた。今山行は落し物が多い
11:40下山。お疲れ様でした!
林道は行きと違い荒れていた。本当にこの辺の道は
災害との戦いなんだろうなあと思う。
上河内岳の山頂が踏めなかったのは残念だが、みな楽しみながらよく頑張ったと思う。帰りは白樺荘の温泉につかり、道が楽な島田方面から帰った。帰りの定食屋も美味かった。
部室へ帰ると海外旅行中の高林が置き手紙とともにジュースを残置してくれてあった。やさ林。
まとめ:
目まぐるしい1年間だったが、(僕の滑落を除けば)事故もなくやってこれて安堵している。その時の怪我のせいで夏の本合宿が行えなかったのは心残りだ。来年はぜひ、、、!
去年度はコロナや力量的な面でなかなかうまく活動ができなかった。蓮容さんが残ってくださったことでほぼ去年度のメンバーのままで、かつモチベーションの高い1年生達が入って活動を行えたことで、今年度は活動の幅を広げることができたと思う。
最後に個人的な来年度の抱負を書いておきたい。次夏は北岳バットレスへ行ってみようと思う。正直冬シーズンは目の前のことで精一杯でアルパインのことなど考える余裕はなかったが、決算が終わり少し余裕ができたことで挑戦してみたくなった。院試の勉強もあるので夏の間は山に時間をあまり割けないかもしれないが、せっかく頼もしい先輩に恵まれたのでこの機会に存分に楽しんでおこうと思います。
(文:増地)