メンバー:CL宮下,SL蓮容,中島,森,市川,東,金子,増地,鈴木
行程:
21日 静岡=寸又峡温泉駐車場-朝日岳登山口-朝日岳-日向山-鹿の土俵場
22日 鹿の土俵場-三方嶺-大無間山-風入らず-1351mピーク付近
23日 1351ピーク付近-三角点1280.3m-栗代山-県道77-寸又峡温泉駐車場=静岡
21日晴れ
静岡を深夜に出、4時30分に寸又峡の駐車場に到着する。駐車場所だが、この時期は行楽シーズンでありより寸又峡に近い第3駐車場は混雑する。泊まり登山の場合、多くの空きがある第1駐車場を利用するのがよさそうである。
まだ暗く、風もあったがいつものこと。第三駐車場にある綺麗なトイレを使わせていただき準備を済ませ、てくてくと登山口に向かう。
駐車場から登山口までは看板や標識が案内してくれる。
まだ暗い寸又峡の温泉宿を眺め、早くも下山後の風呂に思いを馳せたのは私だけではないはず。
猿並みとは吊り橋となるとはしゃぎ出す我々のコト |
本山行最初の山、朝日岳であるが、登山口から1400m近くひたすら登りをこなす必要がある。二泊三日の装備を背負っていくが、まあつまりしんどい。
まだまだ長い行程のことは考えないようにし、頭を空っぽにして歩き続ける。
朝日岳のガレ場 |
栗山沢の頭 そしてまだまだ登る |
10時前朝日岳到着 ぐったりした鈴木と張り切った蓮容の腹 |
朝日岳に10時前到着。鈴木は今回で2回目の山行であり、さすがに疲労が見られる。
長めに休息をとり、出発に備えるが正直ここからはしばらく下るだけと油断していた...。
杖をつく中島おじいちゃん |
朝日岳を越え藪を越えしばらくすると、木々が開けだし気持ちのよい歩行となる。いくつかの小ピークこそあれど登り一辺倒であった朝日岳と、先が見えない藪であった先ほどの状況とは異なる道でなんとも楽しい。
鉄板があった ヘリポート跡だろうか? |
しばらく進むとヘリポート?以来の人工物 |
テン場での寒さに晩秋を感じる |
11月生まれの方々を祝う |
時間的には三方窪で泊まることも可能だったが、メンバーの疲労を考慮し鹿の土俵場付近で幕営。乾いたヌタ場跡を利用した。風は微風だったため外で飯を作り、11月生まれの方々をいつものケーキで祝う。
我々の他に誰もおらず、風も穏やかであり静かな一晩を気持ちよく過ごさせてもらった。
22日晴れのち雨
いつものように暗いうちから起き出し、シリアルを食む。ミルクを忘れたらしくココアで食べることとなったが、不味くはなし。ただ、腹がすく予感がし、燃費の悪い私はいつもより多くの行動食をポッケに忍ばせる。
この時点ではよく晴れており星が綺麗であった。
三方窪に到着 ほっと一息 |
私たちは今回、三方窪までを暗い時間帯に通過したがこの付近は道がはっきりしない笹藪で、かつ二重稜線ぎみであるため、コンパスと地形図を常に睨みながら進むことになり非常にプレッシャーがかかる場所であった。このように道が不明瞭な場所では明るくなるまで待つのも選択に入れるべきかもしれない。
三方窪からは一気に高度を上げる急登があり、笹を掴みながら登る。
三方峰 ガレガレで格好いい |
9時過ぎに山頂を踏む。長い行程だが、大無間の手前は緩やかな斜面が続き、また美しいシラビソ原生林が広がっており静かな山歩きを堪能できる。
ここで朝日岳山頂以来となる別パーティーに会う。その方々以降は別パーティーに会うことは無く、大無間の山域としての深さを実感する。
風不入に12:00 |
大無間で休憩、続いて風イラズに至る。ガレ場はあるものの笹藪を巻けばさほど問題ではなかったのだが、問題はここからであった...
さて、この標識がある意味本山行の一つのハイライトとなる。
黒枯山は1621mピークとして認識していたが、この看板はおそらく1720mにあったと思われる。現在地を1621mと思い込んでしまったせいで、この先の尾根が分岐する地点でコンパスが合わず大きく時間をロス、最終的には携帯のGPSに頼って現在地を確認することになるという情けない結果となった。もし携帯が使えない場面であったら、もし時間的に余裕が無いときであったら...。
反省点として、山行記録をもっと多く読み込み、また看板も絶対ではない(今回のケースやイタズラのリスクがある)ことを認識しなければならない。
小雨の中の幕営 色々あった二日目、皆萎えている |
その後、1351m地点までの道中も尾根の分岐が複雑で、また霧雨も降り出し視界が悪く、間違った尾根に降りかけては足場の悪さに引き返す、といったことも実際にあるなど読図の甘さが目立つ。私の個人の能力とパーティーとの連携両方の向上の必要を痛感した。
また、風不入からの下り自体テープも少なく分岐が分かりづらく、ガレている部分もあり、ここを通過される方は注意していただきたい。
同上、大小屋戸山 |
本山行最終ピーク |
最後に栗代山への登りをこなす。山頂は藪に覆われていたが、南側は開かれており接岨湖が望める。
ここからの下りで鈴木がバテる。が、帰りの林道では1年の中で荷物を持ってあげていた。
優しいなあ。
そこからは大井川、続いて寸又川を眺めながら下山した。
まとめ
今回は積雪期を見据えた体力錬成と、当山岳部伝統 秋は深南部!という風潮に今年も漏れなく乗っかって、晩秋の朝日岳から大無間、風不入と2泊3日で周回した。
昨年に比べて自身は体力面での余裕ができ、また先輩方はさすがの3回生、的確なアドバイスをいくつもいただいたが、東、増地、金子はまだ山行の回数も少ないのにこの長い行程を楽しんでいるようで素質を感じる。鈴木は体力面ではまだ他の1年には遅れこそとるものの、この山行をこなしたことで少しでも自身に繋がればうれしく思う。
全体を通して静かな秋の深南部をじっくりと堪能できた素晴らしい二泊三日であったが、同時に課題もよく見えた。
ルーファイに関しては、メンバー全員が行うべきだが、CLとSLに依存している部分がある。来年度では3回生は私一人であり、この状況が強まってしまうことが懸念される。それぞれが現在地把握に努め、対等な立場で意見できる意識と関係性を今後築いていきたいと思う。
(文:蓮容)