2025年10月13日月曜日

2025/10/12-13 一年生山行 鳳凰三山

日時:10月12日(日)~10月13日(月)

メンバー:CL笹木,SL大門,日比野,青島,石田,清田,湯本

行程:
12日:静岡=夜叉神峠登山口ー夜叉神峠ー枝立峠ー苺平ー南御室小屋
13日:ー薬師ヶ岳小屋ー薬師ヶ岳ー観音ヶ岳ー薬師ヶ岳ー薬師ヶ岳小屋ー南御室小屋ー苺平ー枝立峠ー夜叉神峠ー夜叉神峠登山口=静岡

記録:
 初めまして、山岳部1年の笹木です。山に入り浸っていた夏休みが明け、1年生7人中5人が免許持ちになったため、恒例の1年生山行として先輩に勧められた鳳凰山に行ってきました。
自分が雨男であるうえに、週末に台風がやってきそうだという予報で、半ば諦めながら事前準備を進めました。

12日
 午前3時、先輩がいない部室に違和感を感じつつ、わくわくと不安を詰め込んだザックを車に乗せ、さぁ出発!…とはならず、遅刻した青島の到着を待ち、気を取り直して出発。免許持ち5人とはいえ全員がペーパードライバーの中、わナンバー+初心者マークという最強の盾を持ち、夜の道路を突き進んでいきます。休憩をはさみながら無事登山口に到着。運転怖かった。やっと一息つけるねって思ったのも束の間、メインは山なので休むのもそこそこに、準備して登り始めます。
        

さぁ行こうか


清田はこっちを向いてくれません


歩き出して1時間ほどで夜叉神峠に到着、ここで一休み。うすうす感じつつ誰も何も言わなかったのですが、結構なペースで登りました。あれだけ心配していたのは何だったのだ、と言わんばかりの登山日和な天気です。

 
晴れてよかった


レゴブロックの話で清田と日比野が盛り上がりながら、1時間ほどで枝立峠。大門がいいペースで歩いてくれます。


フルグラ勢多め


その後も気持ちのいい登りが続き、和気あいあいと登っているとアクシデントが。突然笹木が足を攣りました。幸いすぐ歩けるようになりましたが、大事をとって一休み。時間に余裕があったので、その後のペースも落としてもらいました。運転中に余計な力が入っていたのかなと。反省ですね。



登っていて楽しい道でした



謎の看板



そうこうしているうちに小屋に到着。


本日のホテル


チェックイン(テントの受付)を済ませ、テントをたて終え、時間は13時前。各々が持ってきたジュースやお菓子を飲み食いして時間をつぶします。この時間も楽しい。夜ご飯まで大富豪をしながらいろんな話をしました。たった1人の女子である湯本も楽しそうにしてました。



3時間ほど続けてました



安定の鍋

夜ご飯を食べようとしたその時、メンバーに衝撃が走ります。石田がヘッテンを持っていないことが発覚。翌日の行動は少し長めなため、ヘッテン行動をする予定でした。小屋の方にヘッテンを借りることができないか聞いてみましたが、無いとのこと。みんなで話し合った結果、明るくなってから行動、観音ヶ岳まで行って引き返すことにしました。翌日の朝食べるお米を炊いて、よく眠れることを願い就寝です。


13日
 山岳部に入って一番の快眠で、個人的には五つ星テン場でした。ほかの人たちもよく眠れたようで一安心。朝ごはんに食べたお米がお世辞にもおいしいとは思えない味で、下山したら美味しい白米を食べようと決意し行動開始。
しばらく歩き樹林帯を抜けると讃えたくなるような景色が広がってました。天気がもってくれて本当によかった。



ずっと見てられる


穴があったら入りたい


薬師ヶ岳小屋で休憩をはさみ、薬師ヶ岳、観音ヶ岳と問題なくすすみ、地蔵ヶ岳に行けそうな感じもありましたが、無理はしないと前日に決めたためここで撤退。



薬師ヶ岳


右上の人は部員ではありません


富士山もよく見えますね

いつかリベンジしてやる、という強い気持ちをもって下山開始。ひとまず南御室小屋まで一気に下ります。



不完全燃焼


南御室小屋からは先頭を交代。あまり先頭で歩いたことがない人たちに歩いてもらいます。石田、湯本、青島の順に歩いてもらいました。



やっぱりいい景色

不完全燃焼な気持ちを晴らすかのようなスピードで、12時過ぎには駐車場に到着。これまでの山行のように温泉に向かうと、そばにボルダリング(笑)の壁が。



壁があったら登りたい


少しさわったあと温泉で汗を流し、もうひと踏ん張り。安全運転で静岡まで帰りました。白米は美味しかったです。


まとめ:
1年生だけの山行ということで緊張感はありつつ、ゆったりとした空気感で行動できました。心配していた台風の影響は特になく、気持ちの良い登山でした。
ヘッテンがない時の対応など、今回の山行についての話し合い・改善の余地は大いにあります。そのことに気づけただけでも意味はあると思いますし、次回以降の山行にもつなげていかなければならないと、今まで以上に感じました。非常事態も歓迎できるくらいの精神で山に登れるようになりたいですね。

何はともあれ、メンバー全員が無事に帰ってくることができてよかったです。

(文:笹木)



2025年8月13日水曜日

2025/8/12-17 子槍登攀 槍穂縦走

日時:8月12日~8月17日

メンバー:CL菅原,SL堀,中村,笹木

行程:
13日:(12)静岡―沢渡駐車場―上高地―横尾山荘―槍沢ロッジー槍ヶ岳山荘
14日:―小槍登攀―槍ヶ岳山荘―中岳―南岳小屋
15日:―大キレット―北穂高―涸沢岳―穂高岳山荘
16日:―奥穂高岳―ジャンダルム―西穂高岳―西穂山荘
17日:―上高地―松本駅―東静岡駅

記録:
0日目1日目
皆さんいかがお過ごしでしょうか。夏ですね。長期縦走の季節ですね
当初の計画では七倉山荘から湯俣川を遡行し北鎌尾根を経て槍ヶ岳に登り、子槍登攀を行った後西穂高岳まで縦走するつもりでしたが、事前合宿から撤退するレベルの雨によって乗鞍上高地に大雨警報がでる始末。
沢はどうしようにもないので北鎌尾根は諦め上高地入山に路線変更。
それでも沢渡駐車場から上高地までのバスが動くのかは不明でとりあえず行ってみて考えることに

軽量化に頭を悩ませ

沢渡駐車場までは同期に送ってもらいました。ありがとう!

沢渡駐車場で5時間ほど寝れると思っていたものの4時過ぎから券売機の前には長蛇の列ができていました。登山者ならまだしも小綺麗な観光客がこの時間から並んでいるのには目を疑いましたが、慌てて並びました。
上高地までの交通規制が解除されるかハラハラでしたがほぼ始発のバスから動きました。
自分たちの前には約70人、後ろには200人以上は並んでいたように思います。

建物全体を一周するくらいに並んでいました

有名なかっぱ橋です。いってきます!

左岸は増水で通行止めになっていたので右岸を通り、林道をかっ飛ばしていきます
水は要所要所で補給できるので最小限に

涸沢の分岐の横尾山荘には長野県警の方がいました。
スポルティバ履いている率が高くかっこいいなと

横尾山荘を過ぎると登山道に近くなってきて勾配もついてきましたが
まだまだイケイケドンドンといった感じ。

増水の影響は確実にありました

本合宿でも通るのだけど果たして大丈夫だろうかと思ったり

ババ平から先の長いこと長いこと
一番引っ張れるところまで引っ張ってから
最後の渡渉だろうと思われる沢で各自水を汲んでスーパー歩荷タイム開始
槍ヶ岳山荘までおおよそ二時間牛歩レベルで歩みを進めます。

ガッスガスで槍の全貌は全く見えず

しんどい中よく頑張りました

エアライズ3での生活始まりました

子槍登攀のアプローチの下見にも行きたかったのですがガスで何も見えないので明日の朝には晴れることに期待し、大まかな時間ごとの行動方針を決めて就寝

2日目
真っ白だよ~

案の定真っ白ではあったもののとりあえずはテントを片付け、小屋前の風除室で晴れるのを待ちます。
待ちます。待ちます。待ちます。

今がチャンス!

一時間ほど待って晴れたタイミングでアプローチ開始
ヘリポート横からがれ場をトラバースしていきます

晴れた西鎌尾根、裏銀座を眺めるのは初めてかも

当たり前だけど道はあんま良くないなと

子槍ドーン

先行パーティーが曾孫槍の方にいったので待ち時間なしで取り付けました
堀と中村、菅原と笹木で登攀開始
笹木はアルパインはおろかマルチピッチデビューが子槍登攀になってしまったので菅原が全ピッチリードを頂きました。まずは子槍と曾孫槍のコルにあがり、子槍登攀から

堀君リードかっこいいね

大同心を経験した中村

残置がたくさんあるのでカンテ沿いは高度感はあるもののガシガシいけます
シングルなので屈曲には気を使いましたが1ピッチで抜けられました。

一年生笹木初めてのギア回収しながらのフォロー

子槍山頂の標識が見当たらなかったのが残念ですが
今回のメインディッシュ、アルプス一万尺を踊りましょう
去年の秋の深南部で堀君がハーモニカを始めた時に練習しておいてと軽いノリで言っていたのですがついに現実にすることが出来ました。
ガスってしまっているので子槍感はありませんでしたが…

うっすら大槍がみえますか

60mロープを繋げて一回でコルに向けて懸垂下降
時間はまだあるしせっかくなので孫槍方面もやることに


曾孫槍は浮石に注意しないといけない感じですが簡単

個人的には次の孫槍が一番のハイライトでした
一気に残置が減り、ロープスケールも60mほぼいっぱいいっぱいに延ばし切りました。
笹木にナッツキーを渡していないなとも思いつつカムは一セットしかないのでナッツも多用しました。プロテクションはよく観察すればバチ効きポイントがあるので節約のためにランナウトはするものの恐怖感はそこまでなく、爽快なクライミングを楽しめました。

上部に堀君がいるのが分かりますか

後ろには子槍が

槍ヶ岳山荘を望む

天気は晴れたりガスったりを15分から20分おきに繰り返す感じ
時折槍ヶ岳山荘が見えたり北鎌尾根と独標が見えたり
大槍は登山道側への落石をしないように気を付けていきます

こういうの好きそうな中村がリード

山頂に出るクライミングは楽しいですね

斜度もかなり寝ているのでほぼ歩きでした
終了点をどうするか悩みましたがはしごを借りました。

山頂は激混みでした

ガイドが引き連れるツアー客と被るのも嫌だったのでそそくさと下山開始
時間が遅くなってしまったので迷いましたが計画通り南岳小屋までいくことに

大槍と左に見える孫槍

まぁ小屋まで三時間なんでね

ガスガスなのも諦めて歩きます

あと少し

山小屋の赤い屋根はいつ見ても安心するなと

南岳小屋の奥には大キレットが見えるはずなのですが安定の真っ白なので諦めて就寝。
スペースも広く平らで快適なテン場でした

3日目
今日は大キレットが核心といったところ
昨日頑張ったのでおおよそ6時間の予定です

笠ヶ岳方面 晴れた~

大キレット よくヒトはここ通れると思いましたよね

南岳小屋からでてすぐ下りはじめ、最低コルまでは概ね下り基調
そこそこ人は入っていそうで岩も安定している印象で鎖やはしごもきちんとあるので安心
他のパーティーもかなりいました

ここを下ってきたんですよ

かの有名な長谷川ピーク

飛騨泣き矢印が上向き垂直でもはやおもろい

大井さんが滝谷の登攀に来ているそうなのでコールを飛ばすと爆速で返ってきて歓喜
鹿島槍ヶ岳でも思いましたが、コール返ってくるととても元気をもらえます。
以降も下降地点のコルなどから定期的に飛ばしましたが爆風により返信なし

北穂小屋はスイカも売っていて大盛況でした

大キレットを終え、あとはもうお散歩というわけにもいきません
北穂から涸沢岳まで地図上の距離的にはすごく短いのにコースタイムはかなり長くなっています。はしごもあるし階段状であるもののそこそこの垂壁を上り下りさせられます。
ここらへんからロープとガチャ類が入ったザックに膝が悲鳴を上げ始めていました

涸沢岳

穂高岳山荘にはお昼前には到着
明日はいよいよジャンダルムなので長めのレストということで今日はもう終わり
穂高岳山荘は学割はありませんが水は無限でトイレの電気は自動点灯というとても3000mの稜線の山荘とは思えないほど立派でした。
菅原は軽量化も兼ねて温泉後のTシャツを現地調達と決めていたのでジャンダルムTを購入。一層気持ちが引き締まる思いでした。

後輩に特大の役を上がられて頭を抱える中村

ここまで予備日を消費していないかつ、天気予報的に明日に行くことはほぼ確定なので予備食一食をお昼ご飯に食べ、麻雀をしながらレーションを貪り食い軽量化。堀君は毎度ながら消毒液(ウィスキー)で喉を綺麗にしていました。
トイレに行こうと小屋にいくと

大井さんがいるではありませんか

なんなら3つ隣のテントが大井さんらのテントでびっくり
大山行きたいっすねとか冬の戸隠とか魅力的な話をさせてもらいました

山荘裏より奥穂高岳とジャンダルム

明日こそは晴れるかな
どうせ驚きの白さだろうな
とか思いつつ緊張もありながら就寝

4日目
もはや見慣れた白さこの時期はこんなもんなのかなと
奥穂高岳山頂で日の出くらいに調整したが早めに出れた
ガスが晴れることはしばらくなさそうなので行くことに

来ました日本で3番目に高い場所に

マーカーは随所に多めに打ってある印象

奥穂側から行くとウマノセは下り

ジャンダルムと言えばウマノセとかロバの耳とか名前のついている難所が何か所かあるのですがガス過ぎて見通しもなにもないので目の前に出てきたものに対処していく感じ
まぁ確かに悪いけど荷物軽かったらクライミング要素にもっと嬉々としていたと思う。

荷物が重いんじゃ

ジャンダルム直前 一度下りてから

ジャンダルム直下でザックをデポして山頂へ
有名なジャンダルムの天使は去年谷底に消え、紆余曲折あったもののジャンダルムの立派な山頂標識がおかれた代わりに個人のジャンダルム天使は撤去される形になったそう
残念だなとは思いつつも国立公園内であるためにそれぞれの立場で苦労したのだろうななどと勝手に考えていた。

景色?もちろん真っ白ですよ

降りてきたら一瞬晴れてピークが見えたり

奥穂からジャンダルムまでは1時間、ジャンダルムから西穂までは3時間程かかるのでこっからの方が核心説はあります。まぁやることは変わらないので確実に歩いていくだけですがね
ブロッケン現象

本山行の個人的ベストショットなので特大で

西穂から来たらこれ登るの絶望しそうだねとか話しつつ

天狗の鼻到着です。看板は盲牌で

有名な逆層スラブ 濡れてたらやばそう

下って

登って

ここら辺まで来ると虚無りたくなる気持ちもありますが、それを許さないほどにアクセントが効いた道でした。行き交う人は何が入ってるんだと言うくらいにザックが小さくみんなで苦笑いしてました。

堀と中村による西ポーズ

西穂まで来ればお散歩だってことでね
もうみんなここまででお腹いっぱいになってしまったので爆速で西穂山荘を目指します。

もはや独標にもときめかず

おつかれさま

3年生コンビ

プラティパスに貼るラベルが欲しかったので槍穂系列の山荘限定のビールを購入
個人山行なんでね。3年生コンビで乾杯
食べてみたかった尾西のエビピラフを食べてみたり、酔いながらも明日上高地から松本まで行くバスの予約を取ったり、本山行を歩ききった事による緊張からの解放でダラダラと過ごしました

5日目
温泉が7時に開くらしいので1番風呂を目指して朝イチで下山開始。堀くんによる本気の爆速下山

安定のガス ももええわ

無事下山 よく頑張りました

さすがに入りには行かなかった

7時からはありがたい

温泉の後はバスの時間まで上高地観光
お盆休み最終の日曜もあってかかっぱ橋にはすごい量の人

プリンとアップルパイ悩んで2つとも買っちゃった

どのピークかはいまいち分からんけど全部歩いたからよし

松本までのバスは新島々で電車に乗り換え
冬に乗鞍行った時にこんな所に立派な駅だなとか話していましたが上高地の玄関口でした

サイゼで腹ごしらえと反省会

6時間電車に揺られ帰ってきました

来週もこの電車に乗るのかとか思いながら静岡まで電車に揺られ
東静岡で100分ほとんど誰もしゃべられない満身創痍焼き肉をして帰りました。

まとめ:
2年前の本合宿槍ヶ岳を登った時に子槍を見て先輩にあれ登れるんだよと言われた時にそんな馬鹿なと思いつつ、ダラダラと山岳部を続けた結果登れるようになってました。後輩にこういう遊び方もあるよって魅せられたのは良かったなと思います。去年の夏に大滝山荘でテン場ご一緒した方に槍穂縦走は若いうちにやっとけと言われ、大キレットとジャンダルムは正直不安もあって胃腸に悪い後半戦でしたが、久しぶり胸を張って頑張ったと言える山行になったと思います。
まだ夏は始まったばかり!
ではまた

菅原