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2024年11月24日日曜日

2024/11/23~11/24 南アルプス深南部 丸盆岳

日時:11月23日(土)~11月24日(日)

メンバー:CL梅田,SL堀,大串

行程:
23日:静岡=麻布山登山口(7:30)ー麻布山(9:10)ー前黒法師山(9:50)ーバラ谷の頭(11:30)ー黒法師岳(12:40)ー丸盆岳(14:00)ーバラ谷の頭(16:00)
24日:バラ谷の頭(7:45)ー麻布山(10:00)ー麻布山登山口(11:15)=静岡

記録:
不動岳の山行を私用で休んだため、笹薮でのテント泊をすることができなかった。しかしどーしても深南部のあの稜線で一泊したい!ということで深南部に行きたそうな堀と二つ返事でOKしてくれそうないると心強い梅田に声をかけ、前々から行ってみたかったバラ谷の頭に行くことにした。丸盆岳はおまけ。山岳部にあるまじき発想である。

23日
3時に部室集合。梅田6分遅刻。
麻布山登山口までは細い部分はあったがえらく道がきれいで、駐車場にも車が十台近く停まっていた。事前に調べていたわけではないが、戸中川林道の方から入る計画ならこうはいかなかったはず。ラッキー。

山日和

麻布山までは整備がかなり行き届いていた。整備されているが故の階段がきっつい。梅田に水の量を聞いたところ、8Lと答えが返ってきてビックリ。計画の4Lでは少ないからという事らしいが、じゃあ6Lでいいじゃんと思った。多分彼はリットルではなくガロンの世界で生きている。

麻布山に着いたが山頂標識が見えない。探すのも面倒だったため山頂には帰りに寄ることにして先に進んだ。


こんな看板が麻布山から前黒法師山への下りにあったため身構えたが、ピンクテープとご丁寧に下りの階段まで用意されていた。階段は戸中山に着く前に無くなったが、今回の山行ピンクテープと踏み跡が途切れることはなく、ルーファイに困ることがなかった。楽できて嬉しいような物足りないような。

前黒法師山までの登り、急に堀が速くなった。まずい離される!と思いながら一生懸命位食らいつく。なんとか山頂まではもった。山頂での休憩中に堀に速かったと文句を垂れたところ、梅田はそんなこと無いと言う。真相は闇の中。

座ったら丸太がへし折れた

名前を前黒法師岳だと思っていたので写真を見てあれ?と思い調べてみると、前黒法師岳はまた別の場所にあった。どちらの山も前と呼ぶにはずいぶん離れているような気がする。他に前のつく山は前常念岳くらいしか思い浮かばないが、あそこは地図で見ても距離感的にも常念岳の一つ手前って感じがするし...。うーんわからん。

前黒法師山からはしばらく下りと平坦で楽だったが登りが始まるとずっと辛かった。足が上がらない。だんだん遠ざかっていく堀の背中、後ろからの視線が痛い。バラ谷の頭に着くころにはもうボロボロで、デポができることに安堵していた。ちょいとペースが速いだけで登り自体は普通だった。


本日の幕営地、バラ谷の頭に到着。テントを立ててしまい荷物を軽くしてふたたび出発!霜が降りていて嫌な下りだなーと思っていると、前で堀が尻セードを繰り出した。ずざざざざと滑っていく堀を見て真似してみるとおお、進む進む。楽しかったので下りは試せそうな場所で笹セードをひたすら試していた。

登りは笹の丈が高く大変だった。しかし手がかりになるのがありがたい。

前が見えねェ

久々のおだんご

黒法師岳からの下りは霜がさらに多い。地面からにょろにょろした霜がたくさん生えていた。さらに樹氷ができかけていて綺麗で、さっきまでとはまるで別の世界にいるみたいだ。ガレていて転んだら下まで転がっていきそうだったので慎重に下っていく。

無事下ることができたが、何の変哲もない、ちょっと泥でヌルっとした登りで足を滑らせ、梅田に後ろ蹴りをかましてしまった。すまんかった。


カモシカ平にはテントが1張張ってあった。というか張ってあるテントを見て丸盆岳の手前にカモシカ平があることを思い出した。軽くショックを受けた。のんびりしている暇はなかったので今回は足を止めなかったが、またいつか行こうと思う。

丸盆岳に到着。疲れた。山が見渡せるが不動岳以外はどれがどの山かさっぱりわからない。奥の方の山は雪が積もっていて、冬の訪れを感じた。せっかくなので鎌崩の様子を見てから帰った。

実は反対側は曇り

いいねーないでるねー

丸盆岳からの下りは笹セードがたくさんできて面白かった。カモシカ平を通過していたところ、テント泊をする方に「楽しんでたね!」と言われ、若干恥ずかしかった。

嬉々として滑る大串、頑なに滑らない梅田

バラ谷の頭までの途中、カモシカ平に泊まるグループとすれ違った。麻布山からそうだったのだが、夏の南アルプスほどではないもののやけに人が多い。何組かとすれ違ったりバラ谷の頭で出会ったりした。

バラ谷に戻ってくると、先客が。どうやら貸し切りにはならないようだ。せっかく天気もいいし外で鍋をやろうとしたが、鍋も体も全く温まらないので、結局テント内に逃げた。11月下旬に外は厳しいか。


今日の晩御飯はキムチ鍋。辛いのが苦手な人がいるので部の山行ではキムチ鍋を食べることができない、という事で決まった。3人しかいないからと贅沢をし、豚肉に加え今回は魚も用意!切り身を持ってきただけなのでぐつぐつ煮ているうちに崩れてどこに行ったがわからなくなり、魚のうまみも辛さに埋もれてどこかに消えたが、いつもより具沢山な鍋を食べているという気分だけで普段より五割増しでうまかった。

食後にはケーキを用意。少し早いが梅田の誕生日を祝った。

明日の行程は5時間程度、今日来た道を下りるだけと行程に余裕がある。明日は5時起床6時発にして、今日の夜は夜更かしをしようなんて話をしていたが、実際夜になってみるとあまりそんな元気はないようだ。時間は午後6時20分。すでに会話は少ない。まだ寝ないけど寒いからとシュラフを出した後、梅田はクイックにいびきをかいて寝始めた。堀はまだ起きていてスマホをいじってたため、私もしばらくネットサーフィンにしゃれこむかとぼんやりスマホを見ていた。

ふと気が付くと7時半になっていた。どうやら寝落ちしていたらしい。こりゃいかんと急いで歯を磨いて用を足し寝た。ちらっと横を見るといつの間に堀も寝ていたようだ。

24日
なんとなく目を覚まし時計を見ると午前2時過ぎ。外はシャカシャカと音がする。笹が風で揺れているのか、シュラフってこんなにあったかくなるんだ、と考えながらまどろんでいた。

─────────

目が覚めた。どうやらあの後すぐに寝たらしい。しかし疲れているおかげかよく眠れたな、と明るくなったテント内をぼーっと眺めていた。

うん...?明るい?

腕時計は6時30分を指していた。

跳ね起きると堀も体を起こしているのが見える。真ん中でぐっすり寝ている男をたたき起こした。みんなで仲良く寝坊した。1時間30分で済んだのが不幸中の幸いだった。

テントに何かがくっついているのが陰で見える。霜かと思ったらうっすらと雪が積もっていた。昨日歩いた稜線も白色になっている。ゆうべバラ谷の頭に登ってきた人たち曰く、22日は強風だったらしい。いいタイミングで丸盆をとれた。今回やたら運に恵まれている。

朝ごはんは味噌ラーメン。昨日のキムチ鍋の汚れのおかげでうっすらキムチ風味。いそいそと食べて撤収した。

11時間寝てスッキリ!

麻布山の山頂は帰りはすんなり見つかった。行きの時は木の陰にうまいこと隠れて見えなくなっていたみたい。

全員スラっとした体形に

登りではあんなに恨めしかった階段も下りではすいすい歩けてありがたく感じる。なんか速ぇなあと思いながら下山した。

まとめ:
個人山行でよかった………
(文:大串)

2024年11月16日土曜日

2024/11/16-17 深南部 六呂場山 不動岳

日時:11月16日(土)~11月17日(日)

メンバー:CL有間 SL増田 高林、梅田、前嶋、菅原、松田、堀、鈴木大樹、中村

行程:
16日 静岡=駐車場-矢筈山-六呂場山-幕営地

17日 幕営地-不動岳-鎌崩岳-駐車場=静岡

記録:


今年こそは不動岳へ!
そう意気込んでいざ出発。


今回は先客がいて鹿ノ平で泊まるそう。
鹿ノ平を独り占めできないのはちょっと残念だが最高なのは変わらないのでガンガン進んでいく。

出発



普段の道よりは少し悪いかな

今回は梅田が先頭を歩く。
梅田が先頭の時はキツイけどなんかついて行けるという不思議なペースで進んでいくので皆から好評だ。

出発して1時間が過ぎた頃、後ろから人が徐々に迫ってくる音がしてきた。そんなに遅いペースじゃないけどな〜と思いながら進んでいると後ろから「どこの大学?」と何処かで聞いたことのある声が!





















大井さん登場!

声の正体は静大山岳部OBの大井さんでした!w
確か今は島根に住んでらっしゃるはずだよな?と思ったが広島の山岳会の方とこの時期の深南部を登りに来たそうです。
正直意味がわからなかったです。
更に登山靴を間違えて二足とも右足用の靴をもってきてしまったそう。意味がわからん。
強い人は道具に左右されないみたいです。

少し喋ったあとで先に行ってもらい先輩に負けないように進んでいきます!




紅葉がキレイ

楽しそうで何よりです





ちょっと登った先の平なところで休憩。
止まるとちょっと寒いですね。冬が近づいているのを感じます。




サルノコシカケ

座れるぐらいの立派なサルノコシカケを発見!
手としてもスタンスとしても良いホールドでした



癒されます


ここらへんはとても広く適当に進んでも楽しいです


後ろから荒い息遣い




集合写真はなし

やっと六呂場山に到着!
有名な標識の前で休憩します。
特に深南部ではレベルの高い読図が要求されるので肝に銘じます。





温かいらしいです







鹿ノ平までの最後の下りをこなします。
少し道が悪く細いので慎重に進みます。
こういう悪いところは人数がいると余計に時間がかかってしまうのは仕方がないですが、より正確に早く通過できればもっと部として良くなっていくと思いました。



だんだん笹が深くなっていき楽しくなってきました!



これを登りきれば

着いたー!!!

去年から行ってみたいと憧れていた鹿ノ平に到着しました!
僕にとってはまるで天国みたいなところで最高でした!




先に着いていた大井さん達のお隣にテントを建てて今日の行程は終了。



晩御飯はモツ鍋。鷹の爪を持ってくるのを忘れてしまいちょっとミス。しかしニラが良いアクセントになっていて大満足です。




ご飯のあとそれぞれがテントに戻る中、なぜか外で寝ようとするバカが3人いた(堀、増田、梅田)。
バカ1
バカ2

10時頃から雨が降り出し、いつの間にか、ザーザー降りに。増田は雨の第一陣は我慢したがその後の強い雨に負け中村が入っている3人テントへ。
ビチョビチョの人が入ってきて中村は最悪だったそうな。
梅田は雨の中寝れなかったらしいが堀は途中ちょっと起きただけで意外と寝れた。

コツは入り口を出来るだけ絞って横向きに寝ることで顔に直接当たらないようにすることだ!







起きたら最高の天気

大井さん達は先に不動岳に行ってしまった。朝のんびりし過ぎて、遅くねと大井さんに言われてしまった。



梅田が先頭



ひき肉?





ようやく頂上へ

いつの間にか先頭だったはずの梅田がいつの間にか最後尾になってしまった。話を聞くと稜線を外れてトラバースしながら登ってたみたい。先頭では梅田の所在が分からず不安になっていた。

全体
先輩方

大井さん達に写真を撮ってもらいました。ありがとうございます。


不動岳のちょっと奥に行くとすごい展望が。深南部の山々が見渡せてまた行きたくなります。


来年にでも行こうと思います。



下山もキモティー



鹿ノ平に着くともう大井さん達は先に下山するみたい。山の上で会えたのは奇跡としか言えないです。
冬の大山に行くときはよろしくお願いします。


大井さんありがとうございました。





のんびり

名残惜しいですが鹿ノ平とさようなら。
下山で道を間違えないように気をつけます。


笹が深い

気がついたらあっという間に下山。来週はお隣の丸盆へ行く予定。カモシカ平も楽しみです。

おしまい


実は誕生日だった堀

先に部室についていた部員がサプライズとしてケーキを作ってくれた! 
山で誕生日を迎えるのも良いですね。



まとめ:
去年は雪が降ってしまいあえなく撤退した不動岳だったが、今回は特に何事もなく登ることができてとても嬉しい。
来年は変な尾根から深南部の山々を巡ってみたいと思います。

(文:堀)


2024年11月3日日曜日

2024/11/3-4 深南部 風イラズ 大無間

日時:11月3日(日)~11月4日(月)

メンバー:CL増田,SL高林,有間,大串,梅田,前嶋,鈴木(大),松田,堀,中村

行程:
3日:静岡=栗代山登山口-大小屋戸山-尾栗峠-抜ヶ谷山-幕営地
4日:幕営地-風イラズ-前無間山-大無間山-前無間山-風イラズ-抜ヶ谷山-尾栗峠-大小屋戸山-栗代山登山口=静岡

記録:
3日:小雨

 本来であれば2年前の大無間周回のリベンジの予定だったが天候の関係で2泊3日は難しいという判断になり、大無間ピストンに変更となった。正直、かなり楽しみにしていたため残念ではあるが仕方ない。


スタート

 天候はあいにくの雨。ただ、文句を言っていても仕方ないのでとっとと歩みを進める。



ブレる二人

 栗代山の山頂標識がまさかの枝にぶら下がっている方式で驚いた。多分次回来るときには無くなっていると思う。


ガンガン登ります



森の妖精さん

 バリエーションルートにしては全体的に踏み跡がかなり明瞭で少し拍子抜けしてしまった。そんなこんなで大きなトラブルもなく、一日目は終了し、抜ヶ谷山を通過した直後の1621m付近で幕営した。

4日:晴れ


 翌日は打って変わって快晴となった。


段々と冬の空に近づいている


ほんの少し冷や冷や

 大無間に近づくに従って若干道が悪くなり、ペースにも陰りが見え始め、大無間を取るか否かで少し話し合いをした。最終的にペースを気合で上げれば取れるという判断になり、取りに行くことに。


皆さんは読めるかな?


守りたいこの笑顔


若干みんな疲れている


皆さんは読めるかな?Part 2


60点の笑顔


紅葉もようやく見頃です

 何とか大無間も取れて、無事下山...。とはならず、ここからが本山行における最大の核心となった。下山は栗代山を取らずに、登山道の下を通る林道を使う計画であった。しかし、この林道までのアプローチがかなり悪い。倒木や枝が多く、足が取られかなり通過に難儀した。


まだマシなところ

 林道に着くまでにかなりの時間を要してしまい、合流する頃にはあたりはかなり暗くなってしまっていた。後は林道をただ歩いていくだけと考えていた。途中で林道が崩壊していたのだった。林道が崩壊した地点の近くには梯子が設置されていた。事前の下調べが甘く、この梯子を使えば、いずれ林道に復帰できると安易に考えてしまった。いざ、登ってみるとスーパー激悪トラバースをする羽目に。眼下には真っ暗な谷が広がっており、足を滑らしたら恐らく無事では済まないであろうことが容易に想像できた。


スーパー激悪トラバース

 しかも、途中で頼りとなっていたロープが無くなり、完全に進路が分からなくなってしまった。ここで増田は尾根を気合で直登して上に何かないか探しに行った。すると、運よく別のトラバース道に合流できた。このあたりで、梯子のかなり手前に階段が設置されていることを思い出し、どうにかして元来たトラバースを戻り、階段を上ってみた。最終的に増田と合流できた。


真っ暗です

まとめ:
 そんなトラブルもありつつ、何とか下山。行動時間は驚異の14時間となってしまった。今回のダメだった点はリサーチ不足に尽きる。この林道に関する情報は完全に見落とされていた。一歩間違えたら遭難などの最悪の事態もあり得る状況であったと言える。今回のようなことは新南部などのマイナー山域に入山する際にはついて回るものだと言える。今後はこのようなことがないように注意していきたい。

(文:高林)