メンバー:堀、菅原、OB真達
行程:
20日:静岡=大谷原登山口-一ノ沢ノ頭-幕営適地
21日:幕営地―二ノ沢ノ頭―第一岩峰―第二岩峰―鹿島槍ヶ岳北峰-幕営適地
22日:幕営地―鹿島槍ヶ岳南峰―冷池山荘―大谷原登山口=静岡
記録:
記録:
さてさて早いもので静岡でもソメイヨシノ開花が騒がれている今日この頃ですが、
真達さんとこの冬最後の山行に行ってきました。
北アルプス鹿島槍ヶ岳に東尾根から登って赤岩尾根から下りてくる二泊三日の計画です。
始発の電車に乗り身延線の国母駅で真達さんの車に拾っていただき登山口手前の駐車場まで、ここで大井さんの車を発見。山頂でばったり会えないかなと淡い期待を抱いてみたり。
始発の電車に乗り身延線の国母駅で真達さんの車に拾っていただき登山口手前の駐車場まで、ここで大井さんの車を発見。山頂でばったり会えないかなと淡い期待を抱いてみたり。
ガチャ類やロープを入れたザックはパンパン。今回も同期に借りた100Lを持ってきました(大串ありがとう)
林道を少し進んだ後適当にラッセルして東尾根に乗ります。トレースはあったのですが尾根に乗るまでは無視して違うラインで登りました。暑くて全員あみあみ一枚でした(笑)
一日目は風もほとんどなくいい天気。駐車場で大井さんの車を発見したので天狗尾根のどこかにいるだろうと目を凝らしますが見つかりません。
だんだん雪団子で重くなってくるワカンに悶えながら歩いていると…
林道を少し進んだ後適当にラッセルして東尾根に乗ります。トレースはあったのですが尾根に乗るまでは無視して違うラインで登りました。暑くて全員あみあみ一枚でした(笑)
一日目は風もほとんどなくいい天気。駐車場で大井さんの車を発見したので天狗尾根のどこかにいるだろうと目を凝らしますが見つかりません。
だんだん雪団子で重くなってくるワカンに悶えながら歩いていると…
突然右側からインディアンコールが聞こえてきました。
最後は尾根が細くなってきていやらしさトラバースで堀が落ちて行ったりしましたが
16時に頭に着くことが出来ました。なんだかんだ4時間1000mアップですよ。
今回の山行用に秀岳荘でエアライズのスノーフライを買ってきましたので初使用です。正直無かったら2日目夜がかなりまずいことになっていたと思います。
先行者の二人組は17時頃まで頑張っていました。
個人のコッヘルを忘れてきたためにペンネの袋で代用することが決まったりありましたが
19時に無事就寝
2日目
4時に起床し5時半出発。風が若干気になりますが視界はそこそこ良好。先行者のトレースのおかげですぐ追いついてしまいました。
アックスの効きが個人的に悪く、岩の露出も悪く足のスタンスが悪い印象でした。自分は右のチムニーに入ってプロテクションを回収した後クライムダウンして左に乗り込もうとして落ちました。
白峰三山でもトレースがあったり堀は今シーズンラッセル不足に嘆いていました。
さすがは北アルプスの積雪量といったところでしょうか
真達さんのラッセル力には感嘆するばかりでした。
ワカンを付けるか微妙なラインであることやそもそも尾根が長く自分はついていくだけでやっとでした。
第一岩峰の取りつきでロープを出しました。
岩峰にわざわざ回り込むことはせず左の雪壁からコンテで突破しました。
徳永さんからお借りしたクウォークのおかげで快適でした。
第二岩峰は堀がリードするつもりでしたがプロテクションが悪そうで真達さんにお願いしました。写真以上に立っていて難しかったのでリードしてもらって良かったです。アックスの効きが個人的に悪く、岩の露出も悪く足のスタンスが悪い印象でした。自分は右のチムニーに入ってプロテクションを回収した後クライムダウンして左に乗り込もうとして落ちました。
スタンディングアックスビレイも例年現役だけでの雪訓ではあまり力を入れて練習はしていませんでしたが、今年の遠見尾根の雪訓ではかなり時間をかけて練習しました。
八ヶ岳での特訓も含めて今回がこの冬の集大成です。
今日ラッセル一回もしてないなと思って一瞬先頭に出ましたがピークの遠いこと遠いこと......10分持たずに真達さんに替わってもらいました。
今山行一回目のピッケル制動で止めました。堀は若干ロープに荷重かかったようですがほぼ自己制動で止めました。コンテは安心感があっていいなと思いました。
山頂に近づくにつれて風が強くなっていき、鹿島槍ヶ岳北峰に着くころには真っ白になってしまいました。山頂標識は雪の下ですがここが一番高いことは分かりました。
山頂に近づくにつれて風が強くなっていき、鹿島槍ヶ岳北峰に着くころには真っ白になってしまいました。山頂標識は雪の下ですがここが一番高いことは分かりました。
北壁登攀した青木さんのように山頂で寝転がる余裕はなかったです(記録を読んで知ってはいたのですが山頂ではすっかり忘れるくらいに疲れてました)
真達さんは南峰も今日中に取りに行くのために風の弱いコルで休憩にしてくれましたが、ここまでの爆風と疲労度、時間と目の前の爆風雪壁を見てその場に天幕することにさせてもらいました。スノーフライをクライミング道具を総動員してがちがちに固めました。強風で起きてしまうものの寒いということはなかったですが、不安感は残るためお酒は進まなかったようです。
3日目
今日も風が強いです。撤収に手間取ってしまい少し出発が遅れてしまいました。
正直部の山行なら行動しない判断するレベルの風でした。昨日疲れきった体で突破するのは無理あったかなとも感じつつ南峰登頂です。
前に見えているのは爺ヶ岳の山々と針ノ木岳に続く稜線でしょうか
風も当たらずポカポカでしたが、雪がかなり緩く
雪の下が空洞になっていたりして足がとられまくりで
滑落停止を2回ほどしました(下まで落ちなくて良かった)
堀真達さんに林道歩きで遅れをとるのはいつものことですが最後は気力で頑張りました
体力も精神力もギリギリまで使い切った山行でした
真達さんから焼酎の余りを頂いてご機嫌な堀くん
国母駅近くで晩御飯をご馳走になり電車で静岡に帰りました。
後日Instagramで見かけたのですが東尾根で先行していたパーティーはファイントラックの方々であったようです(ドライレイヤー使ってます!とか言えればよかったですが……)
木曜から日曜の山行を組める労働環境はさすがですね
まとめ
今季は雪訓から始めて毎月八ヶ岳に行ったり大唐松尾根白峰三山を組んでみたり、真達さんのお力を借りてアイスやアルパインに挑戦してみたり、個人的にかなり頑張った冬でした。というのも自分がこの世界に手を出せるのか知りたかったのが発端で、体力や登攀力に圧倒的な差を付けられていく堀についていけるか不安で押しつぶされそうでしたが、たとえ足を引っ張としても得るものが何かあるだろうと全ての山行敢行しました。
この世界に手を出せるのかという問いに明確な答えを得られた感覚はありませんが(うまく言語化が出来ないと言った方が正確かもしれません)山への向き合い方や自分が山と自分自身に求めるものを考え直すきっかけにはなったように思いますし、つらい中歩きながら感じたことや自問自答を繰り返したことは価値あるものだったと思います。
少しだけ言語化するならば、全員が同じレベルになれるわけではないということだと思います。同じ経験を積んでも得られる経験値が同じではなく、同じ本を読んだからといって同じ知識量が頭に入るわけでもなく、同量の努力で同レベルにいけるわけでもなく、各々の生活において同量の努力をする難易度が同じなわけもありません。それぞれが身体的な差のみならずあらゆる差を持っているはずです。その差を埋める努力が各々必要だとしても完全に埋まるものではないことも事実だと思います。だから山岳部や山岳会といった組織ないしはパーティーで動くのかなといったところに落としどころを付けることにしました。
個人としては本山行において本能的にやばいと感じる場面が多々ありました。それは自分がどのように落ちていくか、どのように事故に繋がっていくか明確に想像できてしまったことに起因するように思います。強風下での行動中も滑落停止中も冷静であるとともに自分の置かれている環境のやばさをひしひしと感じていました。これまでの自分の経験を全て上回った山行であったことは間違いないです。それでも南峰から見た立山連峰は格別でした。このような経験を積ませてくれた真達さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
クリスマスに八ヶ岳に一緒にこもってくれた梅田や白峰三山に付き合ってくれた奥津さん、この冬全ての山行一緒に奮闘した堀、毎月特訓を組んでくれた真達さん、アイスアックスなどを貸してくださった若月さんや徳永さんに改めてお礼申し上げます。
来年度はどんな新入生が入ってくるのか、どんな山行計画が組めるか、どんな景色を見られるか、どんなトラブルが襲い掛かるか(テント浸水はもう勘弁してほしいですが…)、不安と楽しみが半分半分です。この長ったらしい記録を最後まで読んでくれた新入生がもしいるのであれば、登山でもクライミングでも沢登りでもマラソンでもサイクリングでもやりたいと言った時には山岳部の先輩方やOBさんが死ぬほど強力に応援してくれるということを伝えておきたいです。こんなメンタル弱虫でもこのような素晴らしい山に行くことができるようになりますからね、ぜひお待ちしております。
最後になりますがOBの皆さんに置かれましては今後とも暖かいご声援と熱いご指導よろしくお願いします。
暑さに悶える山行記録を書く頃までクライミングにでも勤しもうと思います。
ではまた
文責 菅原