2025年5月17日土曜日

2025/5/17 編笠山西岳 B隊

日時:5月17日(土)

メンバー:CL大串,SL鈴木,前嶋,松原,大門,日々野,杉浦,石田,清田

行程:
17日:静岡=富士見高原駐車場-編笠山(西岳)-青年小屋-西岳(編笠山)-富士見高原駐車場=静岡


記録:
新入生が入部して初めての登山に行ってまいりました!天気が悪い予報で少し心配していたが、思ったよりも雨は弱く少し安心した。いつも通りの3時集合で一年生は驚いていたが、みんな早めに部室に集合していて驚いた。


    朝3時の部室   

今年は入部してくれた一年生が多いので今までとは異なり、部隊を二つに分けて登山することになった。山岳部経験者もいたため、それほど心配はせずに登っていけた。


みんな楽しそう

初心者の子達もついて来れていたし、読図も頑張っていて、これからが楽しみである。樹林帯歩きはそれほど悪くもなく順調に進むことができた。樹林帯を抜ける寸前にはツルツルの氷があり、一年生の様子を見ながらゆっくりと進んだ。


初の岩場でウキウキの一年生たち

樹林帯を抜けるとまあまあ岩場が続いていた。一年生の中には「気持ちー↑!」と叫んでいる子もおり、愉快な状況だった。雨はひどくないが風があったので慎重に山頂に向かった。山頂着いてすぐのところに残雪があり、撤退するか迷った。



どうするか迷う大串さん



これから天候が悪化していくということですぐに撤退を決断。樹林帯までは3点支持を徹底して下山開始。45分ほどかかったが無事に樹林帯までたどり着いた。樹林帯に入ってからは気が抜けてしまい、結構な速さで下ってしまった。また、樹林帯に入ったところで体調は大丈夫なのか聞いておくべきだった。反省である。

最後の方に渡渉ポイントがあったが、上りでは聞こえなかった水の音が聞こえ何事かと思い横を見ると、鉄砲水の要領で沢に水が流れ始めていた!雨の日の登山特有の貴重な出来事を経験することが出来た。林道に入った辺りから晴れ始め、一年生も笑顔になり、会話の数も増えていた。


みんな元気そうで何より
お疲れ様でした


まとめ:
初回にしてはハードな山行だったため、一年生は大丈夫かなと考えていたが、みんな楽しそうに登っていたのが印象的だった。隊を分けるのは不安だったけれど、自分にとって主体的に登るトレーニングとなる良い山行となった。何気に部での日帰り登山は初めてだったので楽しかった。
(文:鈴木)

2025/5/17 西岳編笠山 A班

日時:5月17日(土)

メンバー:CL菅原,SL中村,松田,梅田,笹木,青島,野瀬,湯本,川村

行程:
17:静岡=富士見高原駐車場-西岳(編笠山)-青年小屋-編笠山(西岳)-富士見高原駐車場=静岡

記録:
数年ぶりに入学式での部活動の声掛けが解禁され
大先輩方と愛すべき後輩による
献身的で狂気的な山岳部愛にあふれる新歓によって
今年は11人もの新入生を迎えることとなりました。
声掛けできるなんてつゆ知らずの3年は全てを丸投げし
その裏で四国にクライミングトリップに行ってました

「山に帰ろ~」
四国また行きたいですね

新入生には何の罪もないが
週末直撃待ったなしの温暖前線…
まあ初山行なんて毎年高確率で雨だし
樹林帯多くて渡渉のない山に転戦
三時集合を見せつけるのは毎年のこと。
みんな集合早くて偉かった。

9人ずつの二班に分けて周回の計画行ってきます

52号を走っていた時に比べれば雨は弱いものの
新品の雨具も靴もザックも濡れる最高の滑り出し
樹林帯をのんびり地図とみらめっこしながら歩きます
地図読み頑張っていて良き

SL中村のペース管理も読図ポイント選びも素晴らしかったです
伝家の宝刀「好きな食べ物」で一年生との会話を繋いだり。

女子が入って嬉しそうな松田
こんな劣悪な環境でも終始みんな笑顔で楽しそうにしているのが印象的でした

岩場が増えてきて濡れているので
よりフラットフッティングを意識して
前線が近づくにつれて雨も風も強くなってきました

11時前に西岳山頂着。よく頑張りました

道が雨で川になり始めていたことや
この先の残雪や諸々を鑑み撤退決定
編笠山に飛ばしたインディアンコールは
爆風の逆風で届くわけもなく
ガスに隠れてしまったのであきらめて下山開始

すぐチョコレートコーティングされる登山靴
これ以上ない練習にもってこいな道でしたね

一時間ほど歩いた後休憩で止まったところ
どうも中村がおかしい。
食欲なくてもレーションは入れろと言ったけども
水飲める気配がしないと言うのでお湯を飲ます
聞けば雨具の下が全て濡れて寒いというし
手の動きも頂上時よりかなり悪い。低体温症である
ツエルトを広げて上半身は全て着替えさせ
雨具が内側までびっちょり濡れていたので
ポンチョ型のツエルトをかませたうえで雨具を着せ
テムレスを付けさせたらだいぶましなようで下山再開
ガス一式持って行ってもよかったなと思う反面
お湯の状態で持って行った方が即効性があってよかったなと

以下中村
前述にもある通り、今回の山行で僕(中村)が低体温症になってしまうということがありました。個人の反省とともに今後の山行の参考のためにも、少し詳しく事の経緯を書いていこうと思います。

入山して最初の1時間くらいは雨がかなり弱く、フードを外して歩くくらいだったが、段々と雨が強くなってきて着ていた服が少しずつ濡れ始めた。山頂まで残り1時間くらいの時点でカッパの下の衣類は全て濡れていた。このときはまだ寒くなくて、服が冷たいなくらいだった。山頂に到着したときには寒いと感じていて、手にはほとんど感覚がなく、とても動かしづらかった。下山することが決定し10分くらい休憩して下り始めるも、とても寒い。寒い以外考えられないくらいだった。そこから1時間くらい下ったが、SLとしての仕事をほとんど忘れていて、寒いと思いながら無心に下っていた。寒いので止まりたくなかったがCLの提案で休憩を取る。止まってみるとシバリングが始まった。手もほとんど動かないし、制御できないほどのシバリングだった。これはまずいとのことになり、いったんツェルトで屋根を作ってもらい、暖かくしてもらった。菅原さんからもらったお湯を飲んでパンを食べる。フリースを持ってきていたので、上半身を全て脱いでそれを着てツェルトをかぶってその上からカッパを着た。服を替えたらかなり暖かくなったので行動を再開する。雨もほとんど止んでいてすぐに回復した。そのまま歩き続けて下山した。

考えられる原因
1、カッパの性能が落ちていた
  それほどひどい雨でもないのにびしょ濡れだった
  5年前くらいからずっと使っているものだった

2、レーションを食べていなかった
  普段の山行もそうだが、ほとんどレーションを食べていなかった(パン1つくらい)
  雨だったのでレーションを取り出すのが面倒だった
  エネルギー不足で熱を生産できなかった

3、着替えようとしなかった
  フリースを持っていたのに着替えなかった
  ずっと濡れていたから体温が奪われた

4、半そでだった
  腕にカッパが常に密着していて手がとても寒かった
  いつもだともっと早く登って汗をかくので半そでにした

5、低体温症に対する認識の甘さ
  そんなに簡単になるとは思っていなかった
  5月なのに夏山の感覚でいたのできっと雨でも暑いだろうと思い込んでいた

6、冬山の感覚で登っていた
  この前までは冬山だったので感覚がおかしくなっていた
  手の感覚が無くても全く異常だと思わなかった

7、気合で行動してしまった
  寒くてつらかったが「あと数時間頑張れば」と我慢して歩き続けてしまった

8、SLの仕事に集中しすぎた
  SLとしていろいろ考えたり1年生もたくさんいたのでそっちばかり気にしていて自分のこ
  とを何も考えていなかった
  1年生が低体温症にならないか心配で体調をよく聞いていたが自分のことは何も心配して
  いなかった

9、個人の体質の考慮が足りなかった
  僕(中村)は部員の中ではおそらくかなり脂肪が少ないほうで寒さ対策をする必要があった
  去年の冬の仙丈ケ岳でも寒さで動けなくなってしまったことがあった

いろいろと原因を考えてみましたが思ったよりもたくさん見つかりました。こういう事態というのは1つの原因ではなく複数の原因が重なって起きるものだとよくわかりました。後から考えてみると去年やったトムラウシ山の遭難事例検証にとても似ていることがわかってゾッとしました。ソロだったらと思うととても怖かったです。前にも寒さでやられたことがあるのでこれからはこのようなことがないように寒さに関しては人一倍気を付けていきたいです。そして、適切に判断して助けてくださった菅原さんと処置の手伝いをしていただいた他のメンバーの方々、ありがとうございました。あと1年生、初回山行なのに先輩としてSLとして情けない姿をお見せしました。ごめんね。
以下菅原さん

着替えて体が温まり笑顔が戻った中村

温暖前線が通過し露骨に気温が上がり
だいぶ林道チックな感じになってきたので
しりとりしてみたり野球の話したり
一年生だけで話しながら歩いてみたり

下りてきたら晴れるのはいつものこと
お疲れ様でした。

まとめ:
今度は暑さに悶える山行記録を書くつもりであったのにまた寒さに悶える記録を書くことになってしまった。一年生が終始笑顔で登ってくれていたのが印象的であった。隊を分けると反対側の人たちと喋りできないのが残念であるがここまで人数が多いと仕方がない。うれしい悲鳴である。次は晴れるといいな~
(文:菅原)

2025年5月4日日曜日

GW 小川山 烏帽子岩左稜線

日時 : 5月4日(日)

メンバー : 菅原、中村

行程 :
テン場(6:50)~烏帽子岩左稜線取り付き(7:30)~登攀開始(7:40)~登攀終了,下山開始(17:00)

記録 :
GWにクライミングしに小川山に行くことになり、2日目にマルチに行くことになった。小川山にはたくさんのマルチがあるが、蓮容さんお勧めの烏帽子岩左稜線に挑戦することにした。烏帽子岩左稜線は18pでとても長く、プロテクションもほとんどNPで取るので、マルチの中でもアルパインに近いルートだ。ちなみにこの日は、僕ら以外にも他の先輩たちが「ガマルート」や「春のもどり雪」に取り付いていた。

4日
起床は6時。前日の夜は1時くらいまで起きていたので眠い。ギアを選定してパッキングしながらラーメンも食べて、7時前にはテン場を出発する。今日は渡渉で岩を飛んで濡れずに渡ることができた。途中で道に迷うも修正して、40分で取り付きに到着。ちょうど1p目を登っていくパーティーが見えた。

地上とはしばしの別れ

1p目 20m 5.7 : ルンぜを登る
菅原さんリード。 砂混じりで朝イチだったこともあり、結構怖かった。

2p目 20m 5.7 : 少しフェースを登り、トラバースして、またフェースを登る
菅原さんリード。1p目の終了点に先行パーティーがいたこともあり、ロープの関係上で菅原さんが連続でリードした。トラバースで結構怖そうにしていて、自分も怖かった。

3p目 20m 5.6 : ダブルクラックを5mほど登り、トラバースする
中村リード。カムがバチ効きするところがあり嬉しかったが、回収が大変だったと言われた。このあたりから風がかなり強くて、上着を着ていてもかなり寒かった。先行が詰まっていて、10分ほど休憩した。
本日最初の中村リード
 
4p目 30m 5.8 : 寝ているフェースを登り、岩頭に出る
前半菅原さんリード、後半中村リード。先行パーティーが登るのを待っていたが、横のラインでも行けそうとなり、菅原さんがルートの右のラインからの突破を試みるが、残り5mのところで黄色ロープがスタックする。その場で一度ピッチを切り、中村が黄色ロープを回収しながら赤ロープでフォローする。そこから残りを中村がリードした。途中、気が付かずに浮石にカムを決めてしまって、その岩を持ったら動いてカムが取れた。手で叩いて先に確かめるべきだった。終了点に着くととても風が強く、5mしかないのにほとんど会話できないほどだった。セカンドビレイをするときに焦りすぎて、一回セルフを外してしまった。

5p目 30m 5.4 : 岩稜を歩く
菅原さんリード。気持ちのいい岩稜歩きだった。たまにふらつくくらいの風が吹くのでゆっくり歩いた。
露出感が高い

6p目 40m 5.4 : 岩を乗り越えながら岩稜を歩く
中村リード。木々が生えた稜線を歩いた。最後に簡単なボルダーがあったがプロテクションは取らずに終了点まで歩いた。フォロー時はボディービレイで時間を短縮した。

7p目 30m 5.5 : フェースを登る
菅原さんリード。木々に囲まれたフェースを登った。

8p目 30m 5.5 : 階段状のフェースを登り、残置ハーケンがあるフェースを登る
中村リード。2つ目のフェースに時間がかかった。ホールドが遠くてあまりガバが無かったので難しかった。また、カムが入るところがほとんどなくて、残置ハーケンで落ちたくなかったので怖かった。5.5らしいが5.9はあっていいと思った。
8p目終了点より

9p目 30m 5.7 : 3mほどのチムニーを横から抜け、岩頭を左からトラバースする。
菅原さんリード。菅原さんが間違えて岩頭を直登してしまう。幸いボルトがあったようで、それでビレイをしながら中村がトラバースをする。トラバース後に、残置でロアーダウンした。
トラバースは壁が前傾していて難しかった。

10p目 30m 5.6 : 両側が切れ落ちたナイフリッジを歩き、岩稜を登る
前半菅原さんリード、後半中村リード。ナイフリッジはとても気持ちよかった。先行パーティーが何故か途中でピッチを切っていたので仕方なくピッチを切る。そこから中村がリードした。終了点は、ピナクル2つで作成した。
面白い地形

11p目 35m 5.5 : 少し下って、クラックの基部まで登る
菅原さんリード。いつもの登山道のように歩く。風でロープが木に引っかかって大変だった。

12p目 40m 5.7 : 10mほどのハンドクラックを登り、少し登る
中村リード。クラックはちょうどテラスから外れたところにあり、真下は完全に切れ落ちていた。下が怖くてリードしたくなかったが代わってくれないので、仕方なくリードする。ため息をついていたら1つ前のピッチから「ガンバー」と応援されたのでとても元気が出た。とりあえずテラスからクラックに寄りかかって1p目を取ってから登り始める。途中でパンプして落ちそうになったが、気合で登り切った。マントルにはガバカチがあった。嬉しくて大騒ぎしていたら後ろのパーティーからナイスが飛んできた。しばらく歩いてピッチを切った。ロープがめちゃくちゃ重かった。次のピッチが歩きだったのでもっと早めに切ってもよかったなと思った。
まじで怖かった

13p目 50m 歩き : 懸垂下降の支点まで歩いて下る
懸垂下降の地点に着くと先行パーティーの最後の人が下降しようとしていた。ロープを捌いていたが、ふと懸垂下降をしている人のロープを見ると何故かビレイ器と環付きが付いていた。そしてその人は素手で下降しようとしていた。大慌てで声をかけるとすぐに戻ってきてハーネスにセットして下降していった。下は崖だったので間に合ってよかったと思うと同時に、自分もデバイスの確認を気を付けようと思った。

14p目 20m 下降 : リッジを懸垂下降する
下がリッジなので振られないように慎重に降りた。支点の木が枯れていてグラグラしていたので怖かった。

15p目 35m 5.5 : 階段状のチムニーを登る
中村リード。クラックの側面にある小さなクラックでプロテクションを取りながら登っていった。セカンドビレイをするときにバックアップを取らずに残置2つでビレイしてしまった。

16p目 15m 下降 : 5mほど懸垂下降し、歩く
最初に降りた中村が懸垂下降の途中で終わったと思いロープを外してしまったがクライムダウンで降りた。

17p目 35m 5.7 : 5mほどのワイドクラックを登りフェースを登る
菅原さんリード。プロテクションが取りづらく、ホールドも悪かった。体を押しつけたりして、何とか登る。後半も悪かった。

18p目 15m 5.8 : チムニーを登る
この時点で4時半で時間がなく、落ちずに登れる自信も両者ともなかったので、ぺたぺた触って敗退することにした。思っていたよりもデカかった。
挟まって記念撮影

帰りは17p目を懸垂下降して、斜面を適当に下って登山道に復帰してテン場まで帰った。

まとめ :
今回は3回目のマルチでマルチでリードするのは初めてだったので緊張した。ピッチ数がとても多く普通のマルチと違って別の面白さがあった。プロテクションの取り方やビレイのシステム、他にもシングルピッチでは出てこないようなことがいろいろあって勉強になった。総合力を試されるようなマルチだった。特に菅原さんに比べて支点の構築やセカンドビレイの準備が遅いのでたくさん経験を積んで早くできるようにしたいと思った。あと、距離や風の影響で声が聞こえないという場面が何回かあった。今回は臨機応変に対応して何とかなったが、事前に合図を決めておいてもいいかもしれないと思った。特にビレイ解除、ロープいっぱい、登ってくださいは必要だと感じた。今回、18p目ができなかったのは自信がなかったのもあったが、時間が足りないということもあった。先行パーティーが1pごとに毎回切っていたし毎回待っていたので遅くなってしまっていた。一度に2pくらいつなげて登れていたら十分に余裕をもって18p目に取り付けていただろう。次に来るときにはもっと早く取り付くかあまり人いないときに取り付きたい。そして18p目を登れるように練習しておきたい。

(文 : 中村)

2025年4月19日土曜日

2025年 新歓山行 越前岳

日時:4月19日(土)

メンバー:菅原、大串、梅田、松田、中村、鈴木(大)、高林、有間、新入生

行程:
19日:静岡=越前岳登山口ー越前岳ー越前岳登山口=静岡

記録:
今年の新歓山行は去年と違って規模が大きくなった。越前岳を登ることになったが、登る高さは満観峰に比べて何倍もある。今年は11人もの新入生が参加してくれて山行は大いに盛り上がった。

朝は8時に集合して、4台の車で移動する。

今年は多いですねぇ

駐車場まで無事に着いたが、駐車場が埋まっていてさっそくその対応に迫られる。話し合った結果、ドライバー以外を駐車場に降ろして、ドライバーは空いている駐車場側の登山口から登ることになった。筆者は新入生と一緒に登ることになった。

SLは梅田さんが担当

新入生とおしゃべりしながら登山道を登っていく。後ろのほうには山岳部出身者が集まっていて、強そうな子がたくさんいた。2時間弱で頂上に到着した。5分後くらいにドライバー組も到着した。いい感じのスペースを見つけたので、焼きそばを作った。

焼きそばを食べながら楽しくおしゃべり

下山も控えているので早めに切り上げて、記念写真を撮って下山を開始する。

みんないい笑顔だね

下山のSLは中村が担当した。下山は少しぬかるんでいて段差もあるところがあったので慎重に歩く。道がたくさんあって歩きやすい道を見つけるのが難しかった。帰りも同じくらいのペースで歩いて、3時半に下山した。

いい景色だね

まとめ:
今年は人数がとても多かったが、みんな楽しそうだったのでよかった。たくさん入ってくれればと思う。
さて、実は登りのドライバーの人たち側で事件があった。山頂でドライバー側の人たちが来たときに、とても喉が渇いたと言っていた。話を聞いてみると、あちら側には水が全くなくて、大変だったそうだ。こちら側のザックに水分がすべて入っていた。いろいろ焦っている中で皆が充分に話をすり合わせずに動いたせいでこうなってしまったんだと思う。今回は新歓で時間もなかったので焦ってしまったが、重要なことなのでしっかりとコミュニケーションを取りながら全体での行動を決定していくのが大切だと思った。
(文:中村)

2025年3月20日木曜日

2025/3/20~3/22 冬季 鹿島槍ヶ岳東尾根

日時:3月20日(木)~3月22日(土)

メンバー:堀、菅原、OB真達

行程:
20日:静岡=大谷原登山口-一ノ沢ノ頭-幕営適地 
21日:幕営地―二ノ沢ノ頭―第一岩峰―第二岩峰―鹿島槍ヶ岳北峰-幕営適地 
22日:幕営地―鹿島槍ヶ岳南峰―冷池山荘―大谷原登山口=静岡 

記録:
さてさて早いもので静岡でもソメイヨシノ開花が騒がれている今日この頃ですが、
真達さんとこの冬最後の山行に行ってきました。
北アルプス鹿島槍ヶ岳に東尾根から登って赤岩尾根から下りてくる二泊三日の計画です。
始発の電車に乗り身延線の国母駅で真達さんの車に拾っていただき登山口手前の駐車場まで、ここで大井さんの車を発見。山頂でばったり会えないかなと淡い期待を抱いてみたり。
ガチャ類やロープを入れたザックはパンパン。今回も同期に借りた100Lを持ってきました(大串ありがとう)
林道を少し進んだ後適当にラッセルして東尾根に乗ります。トレースはあったのですが尾根に乗るまでは無視して違うラインで登りました。暑くて全員あみあみ一枚でした(笑)
一日目は風もほとんどなくいい天気。駐車場で大井さんの車を発見したので天狗尾根のどこかにいるだろうと目を凝らしますが見つかりません。
だんだん雪団子で重くなってくるワカンに悶えながら歩いていると…
突然右側からインディアンコールが聞こえてきました。
先に見つけられてしまいスナイパーから狙撃でもされた気分でしたが元気が出ました。
かろうじて堀がカメラに捉えたようですが大井さんどうですか合ってますかね?
最後は尾根が細くなってきていやらしさトラバースで堀が落ちて行ったりしましたが
16時に頭に着くことが出来ました。なんだかんだ4時間1000mアップですよ。
正面に鹿島槍ヶ岳が見える素晴らしいテン場ですね。
今回の山行用に秀岳荘でエアライズのスノーフライを買ってきましたので初使用です。正直無かったら2日目夜がかなりまずいことになっていたと思います。
先行者の二人組は17時頃まで頑張っていました。
個人のコッヘルを忘れてきたためにペンネの袋で代用することが決まったりありましたが
19時に無事就寝

2日目
4時に起床し5時半出発。風が若干気になりますが視界はそこそこ良好。
先行者のトレースのおかげですぐ追いついてしまいました。
先行者の方々はコンテで丁寧に歩いていたので岩峰で順番待ちも嫌なので追い抜かせてもらいました。
堀ご所望のスーパーラッセルタイムです。
白峰三山でもトレースがあったり堀は今シーズンラッセル不足に嘆いていました。
さすがは北アルプスの積雪量といったところでしょうか
真達さんのラッセル力には感嘆するばかりでした。
ワカンを付けるか微妙なラインであることやそもそも尾根が長く自分はついていくだけでやっとでした。
第一岩峰の取りつきでロープを出しました。
岩峰にわざわざ回り込むことはせず左の雪壁からコンテで突破しました。
徳永さんからお借りしたクウォークのおかげで快適でした。
第二岩峰は堀がリードするつもりでしたがプロテクションが悪そうで真達さんにお願いしました。写真以上に立っていて難しかったのでリードしてもらって良かったです。
アックスの効きが個人的に悪く、岩の露出も悪く足のスタンスが悪い印象でした。自分は右のチムニーに入ってプロテクションを回収した後クライムダウンして左に乗り込もうとして落ちました。
スタンディングアックスビレイも例年現役だけでの雪訓ではあまり力を入れて練習はしていませんでしたが、今年の遠見尾根の雪訓ではかなり時間をかけて練習しました。
八ヶ岳での特訓も含めて今回がこの冬の集大成です。
今日ラッセル一回もしてないなと思って一瞬先頭に出ましたが
ピークの遠いこと遠いこと......10分持たずに真達さんに替わってもらいました。
でもって少し歩いたら
堀もろとも雪庇踏み抜きました。真達さんのトレース通り歩いたのですが堀と自分の二人分の体重がいけなかったのか堀の足元から自分の足元にかけて亀裂が入っていくのが見えました。
今山行一回目のピッケル制動で止めました。堀は若干ロープに荷重かかったようですがほぼ自己制動で止めました。コンテは安心感があっていいなと思いました。
山頂に近づくにつれて風が強くなっていき、鹿島槍ヶ岳北峰に着くころには真っ白になってしまいました。山頂標識は雪の下ですがここが一番高いことは分かりました。
北壁登攀した青木さんのように山頂で寝転がる余裕はなかったです(記録を読んで知ってはいたのですが山頂ではすっかり忘れるくらいに疲れてました)
真達さんは南峰も今日中に取りに行くのために風の弱いコルで休憩にしてくれましたが、ここまでの爆風と疲労度、時間と目の前の爆風雪壁を見てその場に天幕することにさせてもらいました。スノーフライをクライミング道具を総動員してがちがちに固めました。
強風で起きてしまうものの寒いということはなかったですが、不安感は残るためお酒は進まなかったようです。

3日目
今日も風が強いです。撤収に手間取ってしまい少し出発が遅れてしまいました。
風の妖精(レベルMax)相手はなかなか手強かったです。
テン場から3mも離れれば耐風姿勢が必要な強風で
幸い視界はいいのですが、不安感もあったのでコンテにしてもらいました。いざ南峰へ
南峰までの登りは真達さんを先頭に耐風姿勢を交えながらジリジリ進みました。
正直部の山行なら行動しない判断するレベルの風でした。昨日疲れきった体で突破するのは無理あったかなとも感じつつ南峰登頂です。
南峰から冷池までも標高下げられるまでは強風に晒されて続けました。
前に見えているのは爺ヶ岳の山々と針ノ木岳に続く稜線でしょうか
コンテのロープが風に流されて岩に引っかかって四苦八苦
立山から剱岳方面です。レンズ雲は強風時に出るそうです。
冬毛の雷鳥に会いたかったのですがこの風では出てこれませんよね。
冷池山荘から赤岩尾根までの分岐まで少しだけ登り返しました。
だいぶ風も収まりましたがここまでで既になかなかの疲労度です。
看板が完全にひっくり返っていますね
雪の状態見つつ距離を空けてトラバース開始
出来るだけ刺激は与えたくないんですが途中から腰まで埋まるせいでそこそこのラッセルを強いられました。
斜面二つほどトラバースして赤岩尾根に乗りました
赤岩尾根からは3人上がってこられたので東尾根をバックに写真を撮ってもらいました
風も当たらずポカポカでしたが、雪がかなり緩く
雪の下が空洞になっていたりして足がとられまくりで
滑落停止を2回ほどしました(下まで落ちなくて良かった)
菅原は滑落停止をやったこともありかなり慎重に歩いてしまったり精神的にも参ってしまいました。
堀真達さんに林道歩きで遅れをとるのはいつものことですが最後は気力で頑張りました
体力も精神力もギリギリまで使い切った山行でした
真達さんから焼酎の余りを頂いてご機嫌な堀くん
国母駅近くで晩御飯をご馳走になり電車で静岡に帰りました。

後日Instagramで見かけたのですが東尾根で先行していたパーティーはファイントラックの方々であったようです(ドライレイヤー使ってます!とか言えればよかったですが……)
木曜から日曜の山行を組める労働環境はさすがですね


まとめ
今季は雪訓から始めて毎月八ヶ岳に行ったり大唐松尾根白峰三山を組んでみたり、真達さんのお力を借りてアイスやアルパインに挑戦してみたり、個人的にかなり頑張った冬でした。というのも自分がこの世界に手を出せるのか知りたかったのが発端で、体力や登攀力に圧倒的な差を付けられていく堀についていけるか不安で押しつぶされそうでしたが、たとえ足を引っ張としても得るものが何かあるだろうと全ての山行敢行しました。
この世界に手を出せるのかという問いに明確な答えを得られた感覚はありませんが(うまく言語化が出来ないと言った方が正確かもしれません)山への向き合い方や自分が山と自分自身に求めるものを考え直すきっかけにはなったように思いますし、つらい中歩きながら感じたことや自問自答を繰り返したことは価値あるものだったと思います。
少しだけ言語化するならば、全員が同じレベルになれるわけではないということだと思います。同じ経験を積んでも得られる経験値が同じではなく、同じ本を読んだからといって同じ知識量が頭に入るわけでもなく、同量の努力で同レベルにいけるわけでもなく、各々の生活において同量の努力をする難易度が同じなわけもありません。それぞれが身体的な差のみならずあらゆる差を持っているはずです。その差を埋める努力が各々必要だとしても完全に埋まるものではないことも事実だと思います。だから山岳部や山岳会といった組織ないしはパーティーで動くのかなといったところに落としどころを付けることにしました。
個人としては本山行において本能的にやばいと感じる場面が多々ありました。それは自分がどのように落ちていくか、どのように事故に繋がっていくか明確に想像できてしまったことに起因するように思います。強風下での行動中も滑落停止中も冷静であるとともに自分の置かれている環境のやばさをひしひしと感じていました。これまでの自分の経験を全て上回った山行であったことは間違いないです。それでも南峰から見た立山連峰は格別でした。このような経験を積ませてくれた真達さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
クリスマスに八ヶ岳に一緒にこもってくれた梅田や白峰三山に付き合ってくれた奥津さん、この冬全ての山行一緒に奮闘した堀、毎月特訓を組んでくれた真達さん、アイスアックスなどを貸してくださった若月さんや徳永さんに改めてお礼申し上げます。
来年度はどんな新入生が入ってくるのか、どんな山行計画が組めるか、どんな景色を見られるか、どんなトラブルが襲い掛かるか(テント浸水はもう勘弁してほしいですが…)、不安と楽しみが半分半分です。この長ったらしい記録を最後まで読んでくれた新入生がもしいるのであれば、登山でもクライミングでも沢登りでもマラソンでもサイクリングでもやりたいと言った時には山岳部の先輩方やOBさんが死ぬほど強力に応援してくれるということを伝えておきたいです。こんなメンタル弱虫でもこのような素晴らしい山に行くことができるようになりますからね、ぜひお待ちしております。
最後になりますがOBの皆さんに置かれましては今後とも暖かいご声援と熱いご指導よろしくお願いします。
暑さに悶える山行記録を書く頃までクライミングにでも勤しもうと思います。
ではまた

文責 菅原