2018年9月11日火曜日

2018年8月11日 愛知川水系神崎川本流

日時:8月11日(土)

メンバー:CL高田,市川

行程:
11日:静岡(3:30)=国道421号線沿い池田キャンプ場付近駐車地点(7:40)-階段:入渓地点(8:25)-480m取水堰堤(8:35~8:50)-天狗滝(11:00~11:15)-ヒロ沢(11:45)-天狗滝上部より登山道出合(12:30)-左岸林道出合(13:45)-駐車地点(14:25)=静岡

記録:
山にいても暑い今年の夏!
行きたい沢リスト(消化率5%未満)の中でも特に涼めそうな滋賀県の沢に行ってきました。

今日は山の日&お盆開始ということで早朝にも関わらず、道は混み気味。
車は国道421号線沿い池田キャンプ場近くに停める。
ここから約2kmのところに「道の駅 奥永源寺渓流の里」がある。
トイレはこちらを利用できる。
神崎川左岸の林道入口ゲート

神崎川左岸林道へは鍵を持っている車両が頻繁に出入りするので、ゲート付近などへは駐車しないほうがよいだろう。
ここから沢へ降りる
今回の沢のような本流遡行では水量が気にかかる。
1年生を連れた沢登りでは尚更だ。
水量に注視して入るような沢では事前から付近河川の水量と土壌水分量、雨雲レーダーから上流集水域における局所豪雨を観察する。
そこまでしても結局は現場判断となってしまうことが多いが、こうした情報を事前に収集しておくことは撤退判断時の根拠材料になりうる。ちなみに今回の水量は少なめであったように思う。
入渓地点 巨岩ごろごろ


取水堰堤 左岸側から登る


取水堰堤の上から バックウォーターへ続くはしご


一見きれいなバックウォーター
入渓地点から少し行くと取水堰堤がある。これは左岸側から堰堤に乗り、バックウォーターへ降りる。
バックウォーターへはボッチャーンと飛び込むか梯子で降りるか選べる。バックウォーターを巻くことはできない。
ちなみにバックウォーターの水は死んでた(水に動きが無く淀み色々浮いている)
水深5mほどのこのプールを泳ぎ切ると、遡行は本格的にスタート。
いきなり長い淵


水流に抗いがんばる市川


良い笑顔


ダイナミックな渓相


途中見つけたペツルボルト



ひたすら泳がされます。下部で渡渉訓練をするのもいいかも。
白い石灰岩の沢で明るい。
大きく素晴らしい一枚岩


水は緑系の色 とても綺麗です


真ん中が天狗滝


滝の中から市川を撮る


滝の上から
ツメカリ谷、白滝谷という名渓を横目に本流をガンガン遡行していくと天狗滝。滝の裏側にはホールド・スタンスがたくさんある。
私が登った後、市川にロープを出そうと準備しているとき、
ノーロープで登ろうとしていた市川が3m程墜落。ヒヤッとしたが無傷だった。沢における登攀の考え方について指導が甘かったと反省した。

この天狗滝で引き返すパーティーも多いようだが、時間も早かったので予定通りヒロ沢出合を目指す。


天狗滝上、登山道出合


林道に上がった


林道はこの通り舗装されている


夏の空
ヒロ沢出合で引き返す。帰りは流れに身を任せ流れていきながら~
天狗滝上部の登山道出合から登山道に乗る。登山道とはいっても仕事道程度の感じ。地形図とは異なる登山道の位置に不安になりながらも、林道へ出で暑い夏空の下45分程歩けば駐車地点へ帰還。

まとめ:
泳ぎ系の沢初めての市川は沢で泳ぐことがいかに難しいか感じただろう。
夏合宿の赤木沢でSLを務める市川にとってよい経験になったと思う。何よりも楽しんでくれてよかった。
沢登りは1度に連れていける下級生の人数が少なく、育てるのが難しい。
(文:高田)

2018年9月6日木曜日

2018年8月6~8日 南アルプス茶臼岳~聖岳(夏季準備合宿)

日時:8月6日(月)~8月8日(水)

メンバー:
A:CL高田,SL市川,大和田,中川,寺野,中嶌
B:CL杉山,SL宮下,岡,後藤,田中,恒川
行程:
6日:静岡(2:30~2:55)=沼平ゲート(6:35~7:05)-畑薙大吊橋-ウソッコ小屋(9:00~9:10)-横窪沢小屋(10:20~10:40)-茶臼小屋(13:20)
7日:茶臼小屋(4:20)-上河内岳(5:40~5:45)-聖平小屋(7:55~8:25)-小聖岳(10:15)-聖岳(10:20~10:30)-奥聖岳(10:55~11:00)-聖岳(11:20~11:25)-聖平小屋(13:05)
8日:聖平小屋(3:45)-大ガレ(5:00~5:11)-聖沢吊橋(6:48)-聖沢登山口(8:05)-沼平ゲート(11:36)

記録: ※主にA班の記録になる
夏季合宿と同じメンバー構成の2パーティーに分けて挙行。
合宿に向けて体力練成と共に"時間管理"、"積極的にコミュニケーション"を意識して取り組んでもらった。
聖岳山頂にて
小笠原諸島にいる台風と東北南部にいる停滞前線に挟まれ、天候が気になる。
8月6日天気図 台風13号”シャンシャン”が接近中…
シャンシャンは8日夜に静岡県をかすめていくということで、撤退判断は慎重に早めに。
また、停滞も考慮に入れ合宿スタート。
1年生のパッキングも前より良くなってきた


畑薙大吊橋


ウソッコ沢小屋上の吊橋


上写真の吊橋から上部を見る
南アルプス南部はアプローチが大変だ。
①バス(静鉄ジャストライン) 1日2往復 ※到着時間が遅く計画が立てづらい
②タクシー(千代田タクシー) ※人数にもよるが値段が高め
③マイカー ※圧倒的に安い(①②は1人あたり3000円~)

今回は父に行きの送りを手伝ってもらい、
高田カー×2、杉山カー×1で12名を輸送した。

沼平ゲート前でしっかり体操をし、スタート。
ウソッコ沢小屋まで順調に登る。
雲が空全体を覆っており蒸し蒸し。意識的な水分補給が肝心。
ウソッコ沢小屋上吊橋の滝の迫力と涼しさに暫し癒され、横窪沢小屋まで登る。
寝不足かな?


元気な浜キャン勢 左から田中・後藤
横窪沢小屋でお茶を振る舞って頂きほっと一息。
茶臼小屋まではまだまだ長いぞ~
気持ちのいい登山道なのだが今日はなんせ暑い…


青空!


茶臼小屋




ハッピーバースデー大和田!
雨を心配していたが、樹林帯を抜けるとなんと青空!
そして茶臼小屋に到着。

到着後、スピーディーなテント設営。グッドです。
女子テンのフライ忘れはあかん。ダブルチェックで気を付けよう。

私が聖平小屋で働いていることもあり、茶臼小屋の皆さんは顔見知り。
まとまった雨がないことによる水不足に小屋の皆さん頭を悩ませていました…
そんな中、夕飯まで腹を空かせている1年生を見てたくさんの差し入れを頂きました。ありがとうございました!
夕飯の支度をしていると強い雨が…!急いでテントの中に逃げ込みますが、テントの中はサウナ状態。中川が頭痛を訴え、熱中症・脱水が考えられたため、冷水入りペットボトルでのアイシング、水分補給を促し様子を見る。

前日が誕生日であった大和田を祝うためシェフ中嶌監修の下、誕生ケーキを製作。
サプライズでみんなでお祝いしました。おめでとう。

7日:
朝は濃霧


一瞬晴れ間が覗きました


上河内岳への登りから聖岳


上河内岳


B班メンバー前から後藤・田中・岡・宮下・杉山


聖平


聖平小屋にて
2日目朝の起床から朝食準備~テント撤収・身支度までとてもスピーディーに行き、予定より15分早く出発。前日のうちに打ち合わせをしっかりしていたお陰だろう。
暗い上に濃霧であるので、ルーファイに注意。市川が一部で悩んでいた。

濃霧ということでライチョウ親子にも遭遇。こいつら本当にかわいい。

一時的に青空がのぞくこともあったが、概ね濃霧に包まれながら聖平小屋に到着。
聖平小屋でも差し入れを頂いてしまいました。本当にありがとうございました。

ここから荷物を軽くし、聖岳山頂にアタック。
山頂まで標高差200m程のところで小雨が降り始める。
山頂に着くと雨は止んだ。少しだが1年生にとって初めての雨中行動だった。
聖岳山頂 両班合同


枯れたチングルマもいい


聖平小屋へ帰還
帰還後、時間があったので聖沢を少し下り魚探しに行く。
中嶌はパンツ一丁になり懸命に探したが獲れなかった。
翌朝早いため18時には寝る。

8日:
暗いうちに出発。


東の空が明るみはじめる


おはよう太陽


あれ?いい天気


椹島ダッシュ(伝統)
この日も起床後の動きがよく予定より早くに出発する。
真っ暗なのでこの道に慣れた高田が先頭をゆく。
大ガレに着く頃、太陽が白峰南嶺の稜線から顔を出し大休止。
そのまま林道まで順調に下る。
登山口から沼平ゲートまでは約15km。途中恒例のダッシュ(通称:椹島ダッシュ)
しながら帰ってきました。

◎2018年11月6日加筆
2018年9月下旬の台風24号の影響でこの山行記録のコースは甚大な被害を受けました。
茶臼小屋までの登山道に架かる吊橋のうち3本が落橋。
聖沢登山口~聖平小屋間も土砂崩れによる登山道消失・倒木が酷い状況です。
現時点ではこのルートを利用した登山はできません。ご了承ください。






まとめ:
全員が時間の意識を持ち行動することができていたと思う。
基本的なことだがとても大切なことだ。
決めた時間を守るということは、パーティーの安全意識の上でも重要である。
少し出発遅らせようか」「少し休憩伸ばそうか」…
こうした"少しぐらい"という中途半端な意識が事故に繋がると考えている。
「時間」の話において考えると、少しが重なって行動時間が延び、
午後帯の雨に当たるリスクが高まるかもしれない。日没までに目的地に着けないかもしれない。
他の話において考えると、懸垂下降時のロープ連結ダブルフィッシャーマンズノットの
末端が少し短かった。「まぁ少しだしいいや」
末端の長さの目安を決めているのには理由がある。予め決めているには理由がある。

合理的な理由や致し方ない理由がない限り、山という危険に溢れたフィールドにおいて
"少し"という隙を作ってはならない。

(文:高田)