2015年11月9日月曜日

2015年11月5日~8日 深南部 大無間山~大根沢山

日時:2015年11月5日(木)~11月8日(日)

メンバー:CL:高田、SL:若月

行程:
11月5日:<天気>曇り
1540静岡=1700横手=1930田代―1935てしゃまんくの里
11月6日:<天気>晴れ
0530てしゃまんくの里―0900市営小無間小屋―1010鋸歯―1105小無間山―1325大無間山
11月7日:<天気>晴れのち曇り
0630大無間山―0740三方嶺―0900アザミ沢のコル―1110大根沢山―2112m三角点―2030白樺荘―2200てしゃまんくの里
11月8日:<天気>雨
0630てしゃまんくの里―0700田代=1115静岡

記録:
空が抜けるように高く青い。
バスが一日2往復の都合で時間的に若月に少し無理をさせてしまったが無事乗車。
横手で最大7人乗りのマイクロバスに乗り換え。
運賃に関するハプニングも乗り合わせた田代の方の助けで何とかなる。
明るい運転手と田代の住人と楽しく喋っているうちに4時間のバス旅も終わり、
本日の宿てしゃまんくの里へ到着。テント設営後、登山口の下見を行う。





















てしゃまんくの里にて


6日:昨日下見した道を辿り、登山口へ。登山口の水場で7Lの水を補給。
諏訪神社の境内を突っ切るわけだが、ここが薄気味悪い。突っ切ると一度車道が横切り、
本格的に登りが始まる。小無間小屋まで急登が続くが、天気よく空気もひんやりとしている為、
気持ちよく登る。小無間小屋で休憩をとる。小屋内を見ると、荷物がデポしてあり
他の登山者がいることを知る。
















小無間小屋


小無間小屋を過ぎると、尾根は痩せはじめ鋸歯に着く。
鋸歯は崩壊が進み、山と高原地図ではそもそも2015年度地図より道が削除された。
のように事前情報によりびびっていた鋸歯であったが、登りに関しては慎重に通過すれば
問題はなかった。確かにナイフリッジ状であり、落ちるとアウトな為念のために
簡易ハーネスでトラロープにセルフを取った。
しかし、支点となっている木がそもそも崩れかけていること、トラロープが尾根より微妙に
南側を通っており、場合によってはセルフを取ることにより南側に引かれる形となる等、
危ない場合があるかもしれない。
(山と高原地図 聖・赤石エリアの監修者は大無間山登山路として小無間山北東尾根の利用を薦めている。)

















鋸歯


















しかし展望がよい。富士山


小無間山、中無間山と途中いくつかのピークを越え、13時半前には大無間山へ到着。
樹林に覆われ展望はないが落ち着いた良い雰囲気。テントを設営し、焚火の準備をするが
まだ時間が早いので昔の地図に水場として載っており、現在は崩壊により使用できないとされる
水場の調査に向かった。大無間山から風イラズ方面へ5分ほど向かい、谷を30分ほど下ると
確かに水の流れはあったが貯めるのはかなり大変そうであった。
今回は晩秋であり、一番水量の少ない時期であったが、他の時期はどうなのか気になった。






















この谷を下った


また部分的に凍結しており、暖冬とはいえ冬が着実に近づいていることを感じた。
水場調査を終えると、薄暗くなりはじめたので焚火を始めた。乾燥しており、よく燃えた。
ウインナーを焼いたり、プリンを作ったり21時過ぎまで焚火を二人で囲んだ。





















焚火を囲むと話も弾む。これからの部活なんかについても話す。


7日:この先は道標もない、コースタイムもわからない、バリエーションの世界だ。
自分がやりたかった山歩きの仕方でもあり、テンションが上がる。しかし、私が昨日来た方向を
真逆に勘違いしたため、とんでもない方向に進みはじめてしまった。5分程度で気づき、
正しい道に戻ったが地図コンパスでの確認を怠っていけないのはもちろん、前日中に
翌日の道を簡単にでも調査しておくべきことを学んだ。





















三隅池・三方嶺間にて。笹薮が続く。

大無間山までとは違い、
笹が生い茂っており三隅池周辺では何頭もの鹿が姿を現したり、ヌタ場があちこちにあるなど
野生の楽園に足を踏み入れている体感があった。三方嶺で北方面の尾根に乗り尾根伝いに
進む。ガレの縁を通過する箇所が何か所かあるが、そんな場所は決まって展望がよく
楽しい尾根歩きだ。






















アザミ沢コル・三方嶺間の登り。






















ガレ縁からの展望


地図で見ても分かる通り、今日の目的地大根沢山は
秘境秘峰といっていいほど山深く、見える山々の名前は分からないが山に包まれている
幸せを感じた。
アザミ沢のコルで荷物をデポし、谷を10分ほど下ると水場がある。
こちらは大無間山南の元水場とは違い、一分ほどかければ500mlは溜まる。

アザミ沢コル






















水場

水をたっぷり補給し、再び歩き始める。大根沢山はだだ広い山頂で展望は全くない。
ここから信濃俣、光と繋げる山行も妄想しながら今回は大根沢山東尾根経由で白樺荘へと下る。
















アザミ沢コル・大根沢山間。本当に山に包まれた場所です。






































非常になだらかな山頂。

予定では2112m三角点付近で幕営の予定だったが今日中に降りれそうなので
2112m三角点を通過。この三角点より南東方面の尾根に乗り換え、明神谷林道へ向かう。
この尾根は踏み跡薄く、テープ、マーカーも少なくなる。
事件は1903m地点と1737m地点の間で起きた。このエリアはクマが出るということは
事前に知っていたので、笛をたまに吹くようにしていた。その地点で私が笛を吹いたとき、
谷のほうでガサガサと音が聞こえ、そちらを見ると小熊が三頭自分たちの行き先と同じ方向へ
向かっていった。驚き2人で立ち止まり、少し様子を伺う。檻に入っていないクマを見るのは
初めてだった。ここで話し合い、念のため武器としてお互いナイフを手にし歩くことに。
数十m進み丘を登り切る手前に大きな熊がいた。その距離は5mほど。
こちらをじっと見つめすぐに谷へ降りて行ったが本当に怖かった。
その後は笛をピーピー鳴らしながら明神谷林道下降点近くまで下った。
ここに落ち葉でフカフカの平坦地を見つけ、幕営することに。焚火の準備をし、
翌日のバスの時間を確認すると、午前中の便は白樺荘より南の田代辺りからしか乗れない
ことが判明し、今日中に田代まで降りることに。しかし、焚火大好き若月が焚火を
したいと言うこと、焚火の準備を完璧にしてしまったことから焚火だけしてから降りることに。
これがまたクライマックスを飾るのに見事な焚火だった。焚火の始末をし、白樺荘へ下る。
白樺荘の明かりが獣の目に見えたり見えなかったり。白樺荘でさっぱりし、
施設の方と話しているとご厚意で田代まで送ってくださることに。本当にありがとうございます。
てしゃまんくの里で幕営し、翌日朝のバスで静岡へ帰還。

まとめ:
若月がずっと行きたかった大無間山、そして私も行ってみたかった深南部、バリエーションルート。お互いの欲求を満たす充実感の残る山行だった。
熊たちとは仲良く共存したい。

(文:髙田)

2013年6月2日日曜日

2012年5月31~2日 小川山クライミング

行動概要

5月31日 廻り目平キャンプ場着、幕営
6月1日 藐姑射岩に移動 稲光(5.9)登攀 見かけの5.4(5.8)登攀 秋のささやき(5.9+)登攀 カモシカサイドロックに移動 発熱の街角(5.10b)登攀
6月2日 親指岩に移動 小川山レイバック(5.9+)登攀 妹岩に移動 愛情物語(5.8)登攀 マラ岩に移動 ホリデー(5.9+)登攀 川上小唄(5.8)登攀 姉岩に移動 センター試験(5.8)登攀 卒業試験(5.10b)登攀 
メンバー

峯尾、田中、小林、山本

クラックを登る技術を磨くために小川山に向かった。
text:峯尾,photos:峯尾

6月1日 天候:晴れ後曇り
稲光 見かけの5.4 秋のささやき 発熱の街角
6月2日 天候:曇り後雨
小川山レイバック 愛情物語 ホリデー 川上小唄







感想
小林、山本はクラックを登ることに少しは慣れたようだ。これからもガンガン登りましょう。

2013年5月19日日曜日

2013年5月17~19日 小川山・湯川クライミング

行動概要

5月17日 静岡発 廻り目平駐車場着
5月18日 駐車場発 屋根岩3峰着 南稜神奈川ルート(5.8)登攀 JMCCルート(5.9)登攀 兄岩へ移動 八王子ルート1P目(5.9)登攀、マガジン(5.10a)継続登攀 金太郎(5.9)登攀  八王子ルート(5.7)2P目登攀 駐車場に移動
5月19日 湯川に移動 サイコキネシス(5.10c)敗退 台湾坊主(5.9)登攀 台湾坊主右のクラック登攀 デゲンナー(5.8)登攀
メンバー

峯尾、田中

マルチピッチクライミングのロープワークの確認とカムやナッツのセット技術を磨くために小川山に行った。2日間小川山で登る予定だったが、19日は湯川に移動した。
text:峯尾,photos:峯尾

5月17日、18日 天候:快晴
17日の夜に静岡を出発して、18日の午前1時頃に廻り目平の駐車場に到着した。この日はマルチピッチの南稜神奈川ルートを登る予定で、朝早く出発したかったので、テントを張りさっさと寝た。 4時ごろに起きて、朝食を食べ、装備を分けて屋根岩3峰に向かった。



3峰に着くと、正面に顕著な凹角が見えた。南稜神奈川ルートの取り付きだと断定し、準備をして登り始めた。



以降各ピッチの感想。

1P目

田中リード。このピッチは中間部からクラックの幅が広くなるので、大きめのカムを持っていくと安心だろう。また、中間部にはボルトが1本あった。凹角を抜けた所にある灌木でピッチを切った。

2P目

峯尾リード。下半分は灌木伝いに、壁を廻り込むようにして登り、途中からクラックを登った。クラックに移る所で態勢がレイバック気味になり、体も露出するので怖さを感じた。 その先のクラックも傾斜はないが支点をとりにくく若干怖かった。ハンガーボルトのビレイ点でピッチを切った。

3P目

田中リード。このピッチの出だしはワイドクラック(チムニー?)で下部にはハンガーボルトが1本打ってあった。ボルトの後はクラックを抜けるまでプロテクションはとれず、リードだと結構怖いと思う。 ワイドクラックを抜けると一段上がった所にフレーク状のクラックが現れた。これを登り、3峰の稜線に抜けた。



稜線の先には岩塔?があるが、出だしのスラブにはボルトが無く、スラブを巻くラインも支点が取れなさそうに見えたので、向かって右の、稜線から一段下がった所にある、 木にかかった残置スリングを使い懸垂下降することにした。斜面下方に向かって左に見えるルンゼを2P懸垂下降し、3峰の基部に着いた。以下、この日登ったルートの感想。

JMCCルート(5.9)

最初のボルトが遠く、そこに辿りつくまでが怖かった。

八王子ルート1P目(5.9)

Sunday(5.9)だと思って取り付いたルート。きれいなコーナークラックからテラスにあがり、その奥のコーナークラックへと続く。奥のコーナークラックの取り付きの巨大な浮石には触れない方がいい。

マガジン(5.10a)

八王子ルート1P目を登ると正面に現れる、きれいなコーナークラック。終了点からの見晴らしは最高。

金太郎(5.9)

短いコーナークラック。フェイスムーブで登れる。

八王子ルート2P目(5.7)

ハンドジャムがよく決まって楽しかった。

5月19日 天候:曇り後雨
この日は湯川に移動した。取り付いたルートの感想。

サイコキネシス(5.10c?)

オフセットした、きれいなクラック。見た感じで登れそうだったので取り付いたが出だしで敗退した。次回は登りたい。

台湾坊主(5.9)

コーナークラック。田中のみ取り付いた。上部は人工で登っていた。

台湾坊主右のクラック(グレード不明)

百岩場には載っていないが、終了点があった。ムーブが面白かった。

デゲンナー(5.8)

グレードは高くないが、上部はシンハンドサイズで緊張した。ジャミングの練習にはいいと思う。

感想
田中は、ロープワークは勿論、カムのセットもうまく出来ていた(ナッツは使わなかった)。クライミングの足さばきに関しては自分よりもうまいと感じた。頼もしい奴だ。
南稜神奈川ルートで、自分たちは稜線に達した後下降したが、その先の岩塔も登ることができ、頂上に立てるそうだ。機会があれば、今度は頂上に立ちましょう。





2013年5月6日月曜日

2013年5月2~6日 白馬三山

行動概要

5月2日 xx:xx静岡発 xx:xx栂池高原第2駐車場着
5月3日 3:30起床 6:00駐車場発 6:30尾根末端着 13:00天狗原着 15:15白馬大池着
5月4日 3:00起床 5:00白馬大池発 9:15白馬岳山頂着 9:30白馬山荘着
5月5日 2:30起床 4:50白馬山荘発 5:40杓子岳山頂着 6:40鑓ヶ岳山頂着 14:00栂池自然園着
5月6日 3:00起床 5:00~8:30栂池自然園で雪上訓練
メンバー

峯尾(CL)、蓮見(SL)、小林

雪を求めて北アルプスは白馬に向かった。
text:峯尾,photos:峯尾

5月2日 天候:不明
静岡の部室で共同装備の分配、パッキングをして白馬の猿倉に向かった。途中、現地の雪の状態が気になったので、携帯電話で白馬山荘のHPを見た。 そこには、大雪渓の通行自粛要請の書き込みがあった。猿倉から大雪渓を登るつもりだったが、予定を変更して栂池高原から登ることにした。栂池高原の第2駐車場で幕営した。

5月3日 天候:曇り後晴れ
この日は、しらかば駅の手前から、ゴンドラリフトの真下の尾根を登る予定で駐車場を出発した。しかし、実際には、蓮見の提案で、谷を挟んで北東にある尾根をスキー場の斜面から登った。

尾根の下部は藪こぎで、雪が出始めてからはアイゼンを着けて藪をよけながら進んだ。天狗原に抜ける最後の急登の上部には、 水平方向の割れ目(シュルンド?)があり、そこを登ると雪崩が起きそうだった。雪は締まっていたので、そこ以外は雪崩れる可能性は低いと判断し、割れ目を大きく左から巻きつつ急登を抜けた。 後で分かったことだが、この尾根の上部は雷鳥の生息区域で立ち入り禁止となっていた。天狗原、乗鞍を順調に通過し、白馬大池のテント村で幕営。


5月4日 天候:晴れ後曇り
この日は白馬山荘近くにテントを張り、白馬鑓ヶ岳を往復する予定でテント村を出発した。出だしから風が強く、ときどき耐風姿勢をとりながら進んだ。 途中、自分の地図が飛ばされたが、予備の地図を持っていたのでなんとかなった。また、小林もオーバーグローブを飛ばされたので、彼が持っていたゴム手袋で代用した。 白馬岳に近づくにつれて、視界も悪くなってきたが、引き返すほどではないと思ったので、予定通り前進した。山頂で写真を撮った後、白馬山荘まで下った。


山荘に着いた時点では、蓮見と小林は少し疲れているようだったが、自分にはこの日の内に鑓ヶ岳を往復する気持ちがあった。 しかし、自分もテントの設営で疲れ、しかも相変わらず天候は悪く、また翌日の天候の良いことが分かっていたので、鑓ヶ岳の往復は次の日に先延ばしして、テント内でのんびりした。

5月5日 天候:快晴
まだ、薄暗いうちからテントを出た。空には雲ひとつなく、風もほとんどない。まさに登山日和であることが感じられた。すぐ近くに杓子岳と鑓ヶ岳が見えた。

必要な装備だけ持ち出発。頂上宿舎では数パーティがテントを張っていた。白馬山荘にテントサイトは無いので、本来は自分たちもここにテントを張るべきだったろう。 (自分たちは山荘の主人にテントを張る許可を得たが・・・。)杓子岳直下の急登ではジグザグに傾斜を殺しながら登った。

杓子岳から下り、コルから振り返ると、山頂から東側に伸びるかっこいい岩稜が見えた。 登高欲が湧いた。また、鑓ヶ岳からも東側に大きな尾根が伸びていた。これも登りたくなった。鑓ヶ岳山頂からは往路が見渡せた。また、南にはこの先に続く後立山の稜線が見えた。「この先に行きたい。」 と言う小林を頼もしく感じた。

白馬山荘に戻る途中、まだ日が当っていない杓子岳の斜面をトラバースしたが、サラサラの雪が足元から崩れおちる箇所があり、雪崩やしないかとビクビクした。山荘に残していた装備を片付け、 栂池高原へ向けて下山を開始した。天候が良すぎて、暑かったので、3人とも上着を脱いだ。最後は持っていた水も無くなり、脱水症状になった。栂池自然園に到着し、 翌日の早朝に雪上訓練をしてから下山することにし、テントを張った。



5月6日 天候:晴れ後曇り
栂池自然園の斜面でロープワークの練習をしてからゴンドラリフトで下山した。

総括
今回、2箇所ほど雪崩そうな場所を通過したが、雪崩に巻き込まれた時の為に、ビーコンは必要だと感じた。雪崩に遭わないための知識や技術についても深める必要がある。 また、遠くから見た大雪渓はいつ雪崩れてもおかしくはないように感じられた。特に登りではあまり使いたくはない。
オーバー手袋は今回のように紛失した場合などに備えて最低2組は持つべきだろう。(ゴム手袋だと風は防げるが、蒸れる。)なにより、装備をなくさないように行動する習慣をつけるべきである。

2013年3月29日金曜日

2013年3月26~29日 鋸岳

行動概要

3月26日 xx:xx浜松発 xx:xx戸台駐車場着
3月27日 9:40駐車場発 12:00角兵衛沢出合発 xx:xx左岸岩小屋着
3月28日 6:10岩小屋発 9:40鋸岳第一高点着 12:10鋸岳第二高点発 xx:xx中ノ川乗越着
3月29日 6:00中ノ川乗越発 xx:xx熊ノ穴沢出合着 xx:xx戸台駐車場着
メンバー

ヘイキ、峯尾

text:峯尾,photos:峯尾















             
感想
鋸岳の詳細が知りたい方は廣川健太郎さんのチャレンジ!アルパインクライミングを見て下さい。

自分にはちょうどいいレベルの山でした。ただ、自分の体力の無さが原因で甲斐駒ヶ岳まで行けなかったのが残念でした。(甲斐駒ケ岳まで行き、北沢峠に下るつもりだった。)