2012年2月29日水曜日

2012年2月28・29日 八方尾根・唐松岳(春合宿)

行程

2月28日 静岡=八方尾根スキー場駐車場-八方池山荘-唐松岳-唐松岳頂上山荘
2月29日 -八方池山荘-八方尾根スキー場駐車場=静岡
メンバー

CL:峯尾 SL:森下 M:小田切、菅谷、田中、西村、蓮見

最近、部員みんなで山に行く機会が減り、登山経験のあまり無い部員も増えてきていた。そこで、部員達に山を経験してもらう為に、登山経験のあまり無い者でも登頂可能な唐松岳に行くことにした。
text:峯尾,photos:森下、小田切

2月28日 天候:晴れ
静岡発(4:00)=八方尾根スキー場駐車場着(8:30)-駐車場発(9:20)-八方池山荘着(10:10)-山荘発(10:20)-唐松岳頂上山荘着(14:10) -山荘発(14:30)-唐松岳頂上着(14:50)-頂上発(15:00)-唐松岳頂上山荘着(15:10)

午前4時に部室に集合して、共同装備を準備し、出発。高速で車をかっとばして八方尾根スキー場に向かった。スキー場に着き、登山の準備をして、八方池山荘まで続くゴンドラ・リフトに乗りこんだ。 このリフトでは通常料金に加えて荷物料も払う必要があり、片道だけでも結構お金がかかった。下山時はリフトを使わずに歩いて下る事を心に決めた。

スキー場にて
リフトを乗り継ぎ、八方池山荘に到着。計画段階では、この日の予定は八方池山荘で幕営することになっていた.。 しかし、松岳に辿りつくだけの時間が残されていることと明日以降には天候が崩れることを考慮して、この日の内に唐松岳まで行くことにした。 周りには山スキーの人達もちらほら見え、その人たちはスキー板を履いて尾根を登っていた。尾根をスキー板で歩くなんてよく出来るなと思いながら先に進んだ。 八方尾根の途中にある丸山までは、基本的には広い尾根が続くので滑落する心配はなかった。丸山以降は、尾根が細くなるので気をつけて進むが、特に危険な箇所はなかった。

尾根から不帰ノ嶮を望む
稜線に出ると、西方向に下る登山道の先に唐松岳頂上山荘が見えた。山荘に向かう。山荘に着いた後は、山荘傍の吹き溜まりに荷物を置き、水と食料のみを持って唐松岳に向かった。 唐松岳に向かう途中、左手に一際高くそびえる山が見えた。おそらく剱岳だろう。かっこいい。雪庇に注意して唐松岳を目指す。

唐松岳へ
頂上に着く。唐松岳頂上から北方には深く切れ込んだコルが見られた。おそらく不帰キレットだろう。キレットもさることながら、その前後も難しそうだった。 頂上で記念写真を撮った。人文字を作ってみたけど、何だか分かるかな?風が強いので、頂上をさっさと後にして、山荘まで戻った。

唐松岳山頂 山荘へ戻る
山荘に着くと、荷物を置いていた吹き溜まりを整地して、テントを設営した。テントに入り、余った行動食をつまみながら晩御飯の支度をする。 この山行には酒を持ってきており、翌日は下るだけだったので、この日の夜は宴会となった。酒を飲み干して寝た。

2月29日 天候:曇り
八方池山荘発(12:00)-八方尾根スキー場駐車場着(16:00)=静岡着(未明)

外を見ると、昨日とは打って変わって、あたり一面真っ白になっており視界が悪い。天気予報の通りである。今日のうちに下山する予定だが、特に急ぐ必要も無いので、ゆっくり朝飯を作る。 朝食後、テントをたたみ、下山開始。来た道を戻る。時間が経つにつれて、天候が回復し、視界が良くなっていった。 下山時に枝尾根に間違えて入ることがあると言われている八方尾根だが、視界が良かったので、迷うことなく八方池山荘に辿りついた。

尾根を下る
八方池山荘からはゴンドラとリフトを乗り継いで駐車場付近まで下れるが、お金を払いたくなかったので、スキー場の脇を歩いて下った。 自分たちが歩いて下っている横で、スキーやスノボーの人達がどんどん下っていく。ちくしょう、楽しそうだな、スキーやりたいなー、等と思いながらスキー場を下って行った。 固い斜面を延々と下り続けたので、足が疲れた。

スキー場を下る
温泉に寄って、静岡に帰った。







総括
八方尾根からだと、唐松岳は一泊二日で登頂可能だが、今回の山行では一年生が多かったので、余裕を持たせて2泊3日の計画を立てた。 しかし、結果的には計画よりも早く行程を消化してしまった。時間が余っていたので雪訓でもやれば良かったかなと思っている。 それはさておき、今回のような人数の多い山行は自分にとっては久しぶりで、今回の山行を通して、部員達と山に行くことの大切さを感じた。 2011年度は、私は個人的に活動することが多かったが、これからは皆で山に行く回数を増やしていきたい。

2011年12月24日土曜日

2011年12月21~23日 甲斐駒ケ岳 黄蓮谷

行程

12月21日 静岡=竹宇駒ケ岳神社駐車場
12月22日 -甲斐駒ケ岳五合目小屋跡
12月23日 -黄蓮谷坊主の滝-甲斐駒ケ岳5合目小屋跡-竹宇駒ケ岳神社駐車場=静岡
メンバー

峯尾、青木さん(OB)

アイスクライミングのクラシックルートである黄蓮谷にOBの青木さんと挑んだが、判断ミスから私が怪我をしてしまい、青木さんやその他の人に迷惑をかけてしまった。
text:峯尾,photos:青木

12月21日
静岡発(20:30)=竹宇駒ケ岳神社駐車場着(23:30)

青木さんに迎えに来てもらい、竹宇駒ケ岳神社駐車場に向かった。 途中、間違えて横手神社まで行ってしまったが、道を引き返し竹宇駒ケ岳神社駐車場に車を停めた。 車の中で寝た。

12月22日
竹宇駒ケ岳神社駐車場発(7:30)-甲斐駒ヶ岳五合目小屋跡着(13:00)

携帯のアラームで目を覚ます。車の中といえども寒く、シュラフから出たくなかったが、もぞもぞと体を起こす。 そのまま、コンロでお湯を沸かし、カップラーメンを作って食べる。車の周りではヘッドライトの明かりがいくつか見えている。みんな朝が早い。

準備をして出発する。登山口に向かう途中の竹宇神社境内周辺には立派なボルダーがごろごろしている。 いい課題がたくさんできそうだが、登ったら怒られるかなと思いながら登山口まで行く。

最初、登山道には雪がなく、途中で道がくぼんだ部分に落ち葉がたくさんたまっていて、その中をがさがさと歩くのが楽しい。 何回か休憩した後、梯子が連続する部分にさしかかる。慎重に通過して祠みたいなものがある所に出る。このあたりから雪が出始める。 どうやら例年に比べて今年は雪が少ないらしい。黒戸山を過ぎて五合目に向かう。

五合目小屋跡はコルにあると思っていたが、どうやらそれは屏風小屋で、本当の小屋はコル手前の平坦なところにあることを青木さんに教えてもらった。 人が中に入れるくらい大きな穴があいた岩と、記念碑みたいなものがあるので、それとわかる。荷物を岩の中に置き、テントを張る。 今回は軽量化のために、一人用テントを青木さんが持ってきてくれた。テントの中で使わない荷物は全て外においたので、二人で使っていてもそんなに狭いとは思わなかった。 登山道沿いに発達したツララと雪を集めて水を作り、つまみを食べながらウイスキーを飲んだ。冷えたウイスキーはうまい。あたりが暗くなり始めてから、夕食に鍋を作って食べる。 鍋はお手軽でおいしい。定着山行の夕食にはもってこいだ。外では強い風が吹いていて用を足しに外にでると体が凍え、明日もこんなだったらいやだねという話を青木さんとしていた。

次の日は暗いうちに出発するので、この日は早く寝た。

12月23日
甲斐駒ヶ岳五合目小屋跡発(5:30)-坊主の滝取り付き(7:00)-坊主の滝発(8:00)-甲斐駒ケ岳5合目小屋跡着(10:30)-甲斐駒ケ岳5合目小屋跡発(11:30)- 竹宇駒ケ岳神社駐車場着(15:30)=静岡着(20:00)

朝、目を覚ますと昨日あれだけ強く吹いていた風がおさまっていた。ラッキー。朝食にラーメンを食べ、登攀の用意をして黄蓮谷に向かう。

アプローチは最初、北方向にのびる登山道沿いに進む。雪にはトレースが残っており、とちゅうからトラバース気味に五丈ノ沢に下っていたのでそれを辿る。 トレースはそこから北向きの斜面に続いていたが、途中から不明瞭になる。降る方向は分かっていたので、そのまま行けそうなところを進む。しばらく下ると沢床に出た。 目の前に滝が見えたが、完全には凍っていないため、右岸から巻く。そのまま沢を詰めていくと、目の前に二段からなる大きな滝が現れた。おそらく坊主の滝だろう。

坊主の滝は真ん中のテラスまでは簡単そうに見えたので、そこまでロープなしで行くことにする。青木さんは滝正面の比較的傾斜の強いところを登り、僕はその脇の傾斜の緩いところを登る。 青木さんが先にテラスにつき僕を待つ。自分もそれに続きテラスに乗り越すところまで来た。

気付いたら滝の取り付きに横たわっていた。上から青木さんの声が聞こえ、顔をあげると青木さんが今からそっちに行くと言っていた。 最初は自分の置かれている状況が分からなかったが、しばらくして、どうやら自分が滑落したということが分かった。青木さんが滝を登りきって、右岸を降りて僕の所に来た。 青木さんも落ちてしまわないかと僕は内心ひやひやしていた。

僕は腰と顔面を打って、さらに前歯が折れていたものの、幸いにも歩くことができたので、テントを張った五合目まで戻ることにする。取り付きを離れる前に、記念写真を撮る。 最初は先頭に立っていたが、歩くと腰が痛むうえに、眼鏡が壊れて視界がぼやけ、ゆっくりとしか進めなかったので青木さんに先頭を歩いてもらい、誘導してもらった。 五合目までの登りでは腰が痛くて発狂しそうになったが、我慢して歩いた。

五合目に着くと、まずお湯を沸かして紅茶を飲み、行動食を食べた。持ってきた医薬品の中に痛み止めがあったので、それも飲んだ。青木さんと話し合って、今日のうちに駐車場まで下ることにする。 僕は腰が痛くて動くのがつらかったので、青木さんにテントを撤収してもらい、荷物もほとんど持ってもらう。

五合目からの登りでは、腰が痛んだものの、その後の下りでは痛み止めが効き始めたのか、快調に進むことが出来る。 下山途中で黒戸尾根を上がってくる人達にきまって顔を見られたので不思議におもっていたが、後で青木さんに鏡を借りて自分の顔を見て納得した。 左頬が血だらけでゾンビみたいになっていた。みんな驚くわけだ。ほぼコースタイム通りに下り、駐車場に戻る。

帰り支度をして、駐車場を後にする。帰り際に、ファミレスでご飯を食べる。でかいハンバーグを青木さんに奢ってもらった。 その後は、もりしーとその家族の好意で、もりしーの実家に泊めてもらうことになったので、青木さんにおくりとどけてもらった。

もりしーの家で少しゆっくりしてから、近くの病院の救急外来で診察を受けた。 滑落した時に体を強く打ち、頭も打ったので、病院で全身を検査してもらったが、顔を怪我して前歯が折れたこと以外には、どこにも異常はないとのことだった。 後日、静岡市内の病院で検査してもらったが、やはり異常は見当たらなかった。不幸中の幸いであった。

坊主の滝にて

総括
今回は意気揚々と黄蓮谷に入ったが、最初の滝で滑落して、ロープをつけていなかった為に怪我をしてしまった。それによって、いろんな人に迷惑をかけてしまった。

自分で登れると判断したところであっても、意外に難しかったり、岩がはがれたり、氷が割れたりすれば、落ちることがある。しかし、ロープを付けていれば、たとえ落ちたとしてもほとんどの場合は無事で済む。 だから、自分にとって簡単に登れそうなところでもロープを付けて臨む。そんな当たり前の事を実感した山行だった。

2011年4月30日土曜日

2011年4月28~30日 三股~常念岳(新歓合宿)

行程

4月28日 静岡=豊科=安曇野ほりがねの里(幕営)
4月29日 =三股登山口-2207m(幕営)
4月30日 -常念岳ピストン-三股登山口=豊科=静岡
メンバー

CL:峯尾 SL:山下 M:菅谷、落合、國吉

登りたかった常念岳に行ってきました。
text&photos:峯尾

4月28日
19:00静岡発=豊科IC=23:00安曇野ほりがねの里(幕営)、24:00就寝

この日の予定は、13:00に部室に集合して、個人装備の確認と共同装備の振り分けをした後、食糧を買い、出発することだった。 遅くても、17:00には出発できるだろうと思っていた。しかし、準備中に、メンバーの内何人かはサングラスまたはゴーグルを持っていないことが判明した。 仕方がないから、スポーツショップで足りない装備を買い足した。そんなことがあったので、予定より2時間遅れで静岡を出発した。

静岡を出発して、高速を使って豊科まで行った。豊科駅の西側にある道の駅、安曇野ほりがねの里で幕営した。

4月29日 曇り 
6:00起床=9:50三股登山口-10:501529m-11:501900m?-14:002170m-14:102207m(幕営)、20:30就寝

起床してテントを片づける。前日に地図をコピーし忘れていたのでコンビニがあるところまで車で戻った。思わぬタイムロス。

登山口でカッパ履き、スパッツを着けて出発。1529m地点でショベル担当のメンバーがショベルを持っていないことに気付いた。 しかし、駐車場まで戻るのがめんどくさいし、ピッケルで代用できるだろうと思ったので、そのまま登った。1700mあたりから傾斜がきつくなった。 1900m付近から沢沿いを登っていった。この辺りから雪が多くなり、トレースこそあるものの、場所によってはキックステップで登った。 新人の國吉くんは登山靴での歩行に慣れていないうえに、靴があっていないらしく、けっこうしんどそうだった。ゆっくりと登り、尾根上にでた(2170m)。 ここで、メンバー間で話し合って、2207m付近で幕営すると決めた。

2207mでテントを張った。ショベルがないので、代わりにピッケルで整地した。また、水づくり用の雪はコッフェルで集めた。

夕食後、次の日は荷物を軽くして常念岳までピストンすることを確認した。20:30就寝。

4月30日 曇り/雨
4:30起床、6:30出発-7:302355m-9:10前常念岳-10:10常念岳-12:002355m-12:30テント場着(2207m)、13:30テント場発-15:30三股登山口

4:30起床。30分寝坊した。携帯の目覚ましが鳴らなかった。

2355mで少し風が出てきたので毛糸の手袋とオーバー手袋を着ける。前常念岳までの登りはガレていて、たまに手を使って登った。 下りはロープを使うことも考えた。前常念岳手前で雨が降り始めた。敗退の文字が頭をよぎったが、様子を見ながら進むことにした。 前常念岳で、常念岳から下るパーティーと出会った。ここで、風が強くなり始めたので、目出帽をかぶった。 ここからは雪屁に注意しながらも、常念岳まで快適な尾根歩きを楽しんだ。常念では風が強かったので写真を撮って早々と山頂を後にした。

下りでは富士山頂並の強烈な風が不定期でしかも長時間にわたって吹きつけた。 下りはロープを使うかもしれないことをメンバー間で確認し、前常念岳から慎重に下る。風が吹いている間は身動きが取れないので、下るのに時間がかかった。

2355mの安全地帯について一安心した。結局ロープは使わなかった。思ったよりも下りは難しくなかった。テント場まで行き、休憩した。 テントを撤収し、下山開始。このとき、雨が降り始めた。下りは急で、滑落したら命にかかわるので、ヘルメットとアイゼンをつけた。 國吉くんは下るのに苦労していたので少しアドバイスした。1900m付近で僕と一心はアイゼンを外した。雨が降ってぬかるんだ登山道を三股登山口まで下った。

駐車場に着くと、タイミング良く雨が上がったので、このスキに着替えて車に乗り込んだ。近くの温泉施設に行き、汚れを落としてすっきりした。

豊科IC近くのすき家で晩御飯を食べて帰った。




総括
パーティー全員が雪山を楽しめたので良かった。

入山前の情報では、北アルプスは例年より積雪が多く、雪崩や雪屁の状態に注意が必要との事だった。 また、予報では30日から天気が下り坂なので常念岳まで行けるがどうかが気がかりだった。 当日は、常念岳までは天気は持ちこたえてくれ、僕たちは無事に登頂することができた。下りでは風が強かったものの、事故もなく下ることができた。 一方で、下山後に聞いたニュースでは、同じ時に常念岳にいたパーティーが遭難したらしい。もしかしたら、下山中にすれ違ったパーティーかもしれない。 パーティーの内の一人は滑落死したらしい。強風にあおられたのかもしれない。自分たちは無事に下ることができたが、 もしかしたら、パーティーの内の誰かが滑落していた可能性もあった。天候や風を読むのは難しいが、 これから山に行くときは事故が起きないように慎重に判断していきたい。

2010年12月30日木曜日

2010年12月26~29日 伝付峠~千枚岳

行程

12月26日 静岡=田代入口-伝付峠-二軒小屋
12月27日 二軒小屋-マンノー沢の頭-千枚岳避難小屋
12月28日 千枚岳避難小屋-千枚岳-マンノー沢の頭-二軒小屋-椹島ロッヂ
12月29日 椹島ロッヂ-白樺山荘=横沢=静岡
メンバー

CL:森下 SL:峯尾 M:小田切、永井

光岳までいくはずだったが・・・。
text:峯尾、photos:森下

12月26日 晴れ
5:00静岡=x:xx田代入口-14:15伝付峠-13:40二軒小屋

車で静岡から田代入口まで送ってもらう。車から荷物を下ろし、出発前の記念写真を撮った。

伝付峠登山口に向けて出発。途中、土木工事のために仮登山道を歩くところで少し迷うが、すぐに正しい方向に向かった。 登山道は沢沿いで、岩壁から滴る水でその表面にところどころ氷が張り、歩くのに神経を使った。 また、渡してある橋は木製のものが多く、その上を歩くと大きくたわむのでなかなか怖った。 その後は、何度か、沢に渡された不安定な橋を、転倒しないように気を着けて渡り、尾根沿いの道に出た。ここから、だんだんと雪の量が多くなってきた。 しかし、先行パーティーのトレースが残っていたため歩くのに苦労はしなかった。伝付峠に近付くと風が出始めたので、峠から少し降りたところでカッパを着た。 峠からの下りでは、雪がクラストしていたので、アイゼンを着けた。その後、快適に下った。

二軒小屋には、富山大のパーティーが既にテントを張っていた。我々も空いたスペースにテントを張った。晩御飯は生野菜と生肉を使った鍋だった。 長い山行のための英気を養った。


出発前 恐怖の橋
12月27日 晴れ/曇り
3:00起床4:40出発-xx:xxマンノー沢の頭-千枚岳避難小屋15:45

朝、目を覚まし、さっそく朝食の準備に取り掛かった。朝食後、テントを撤収し出発。

千枚岳登山口を探しだし、登り始める。登り始めてすぐに、鉄パイプ製の梯子に差し掛かった。梯子を登ると、木製の橋が待っていた。 この橋は表面が凍っているうえに、アイゼンを着けていなかったので、渡るときにかなりひやひやした。その後も、硬い雪面を、ステップを作りながら慎重に登った。

尾根に出ると、サラサラで乾燥した雪が積もっていた。ここから、いよいよラッセルが始まり、先頭を交代しながら進んだ。 途中、休憩していると、富山大のパーティーが追いついてきた。ここからは、2パーティーでラッセルを交代しながら、千枚岳を目指した。 高度を上げるにつれ、サラサラで軽い雪は、圧縮された重い雪に変わってきた。地形も緩やかになったため、休憩してワカンに履き替える。 ここからは、2パーティーが一列となり、先頭をどんどん交代しながら進んでいった。

樹林帯を抜けると、すごい速さで風が吹いていた。マンノー沢の頭に着き、さらにそこから200mほど登り、千枚岳避難小屋への下降地点に着いた。 小屋まで下り、小屋の中に入ったときには16:00を超えていた。二軒小屋から千枚岳避難小屋まで、2パーティーでも11時間かかってしまった。 1パーティーだと、どれほどの時間がかかったのだろうか。

夕食後、あす以降の天気予報を聞いた。予報によると、28日の午後から31日までは天気が下り坂とのことだった。 これを聞いて、メンバー間で今後の予定を話し合った。その結果、山行を続行するのは危険と判断し、悪沢岳より先には進まずに下山することにした。

12月28日 晴れ
4:30起床6:50出発-8:00千枚岳山頂-xx:xxマンノー沢の頭-13:15二軒小屋発-16:05椹島ロッヂ、21:30就寝

避難小屋を出発し、昨日降りてきた道を登り返す。昨日つけた踏み跡は一夜のうちに雪に埋もれており、ラッセルになった。

千枚岳の山頂付近では風が強く、突風のため動けない事も何度かあった。山頂につき、集合写真を撮った。その後、メンバー間で今後の行動について話し合った。 話し合った結果、稜線上は風が強く危険だと感じたので、悪沢岳には行かずに下山することにした。

二軒小屋に着き、水を汲んだ後、椹島を目指し林道をひたすら歩いた。二軒小屋から椹島まで3時間ほどかかった。 林道は所々凍っており、何人か派手にこけた。また、荷物が重いので肩が痛くなる上に、靴ずれが起こり足の裏が痛い。とにかく長い林道、どうにかならんのか?

椹島につき、小屋で荷物を広げる。食糧が余っていたので、豪華な夕食となった。その後は、トランプをして就寝。



千枚岳山頂 悪沢岳
12月29日 雪
4:00起床6:15出発-12:00白樺山荘=xx:x横沢=xx:xx静岡

椹島を出発し、白樺山荘までひたすら歩いた。白樺山荘に着いた時には足の裏がぼろぼろで、まともに歩けなかった。 帰りのバスまで2時間ほどあったので、温泉に浸かってゆっくりした後、バスで静岡まで帰った。


こける自分 凍ったダム湖
総括
計画では荒川岳から光岳まで行くことになっていたが、悪天の予報のため敗退することにした。下山した日は風が強かったので、悪沢岳までは行かなかった。 しかし、あれくらいの風なら悪沢岳まで問題なく行けたと今になって思う。自分の中では悔いの残る山行になった。

2010年11月22日月曜日

2010年11月19~21日 茶臼岳~聖岳

行程

11月19日 静岡=白樺荘-畑薙大吊橋-茶臼小屋
11月20日 茶臼小屋-茶臼岳-上河内岳-聖平小屋-聖岳-聖平小屋-聖沢で幕営
11月21日 テン場-白樺荘=静岡
メンバー

CL:森下 SL:峯尾 M:小田切、原、永井、山下、落合

少しだけ雪を期待して南アルプスへ行ってきました
text:峯尾、photos:森下

11月19日 晴れ
白樺荘に車を置いて、いざ出発。治山工事で林道が通行止めになっていたため、迂回路をつかって畑薙大吊橋へ。 ここで、高所恐怖症の永井さんが吊橋をおそるおそる渡っているときに、原君がわざと吊橋をゆらして永井さんを怖がらせた。 原君のSな一面を見てしまった。



治山工事の現場 迂回路 大吊橋
登山道をゆっくり歩き横窪沢小屋に到達、一休みする。休憩中に弓ちゃん(小田切)が小鳥の死骸を拾ってジップロックにいれたのを見て少しひいてしまった。 小鳥の骨を部屋に飾るらしい。

茶臼小屋では冬期非難小屋を使わせてもらった。小屋内ではご飯を食べ酒を飲んでくつろいだ。 料理を作っている途中で、火災探知機が鍋からでる湯気に反応して警報を発した時は正直ビビった。なんとか警報を消して事なきを得た。就寝。

11月20日 雪のち晴れ 
起床してさっさと飯を食い小屋を出た。雪が降っていたため全員が冬用登山靴に履き替えた。

稜線に出て荷物をデポした後、茶臼岳までピストンした。風が結構つよく天気もよくない。その後、荷物を回収し聖方面へ出発。 途中、上河内岳の肩に荷物をデポして上河内岳に登る。天気は悪い。


茶臼岳 上河内岳
聖平に着くころには天気は良くなってきた。非難小屋内に荷物を置かせてもらい、聖岳を目指す。聖岳での登りは天気が良くて気持ちが良かった。 山頂で一休みし聖平に戻る。


聖岳 聖岳山頂
この日は聖平に泊まる予定だったのだが、ここでは水が汲めないことが分かったので、予定を変更して聖沢で幕営することにした。 沢の途中で幕営にうってつけの場所を見つけたので、この日はそこで泊まることにした。平坦でしかも広い快適なテント場だった。

酒を飲み気持ちよく寝た。

11月21日 晴れ
外が明るくなってからテント場を出発。聖沢の登山道はトラバースする箇所で所々氷が張っていて足を滑らせそうで少し怖かった。

トラバース
赤石ダムまで下り、畑薙方面へもくもくと歩く。林道の途中で、森下、永井、山下、落合が走りだした。 山下は自分より先に進んでいたのにもかかわらず、途中でバテテ結局最後尾になっていた。

畑薙大吊橋近くで休憩して、一番後ろの山下を待つがなかなか現れない。 やっとこさ山下が来て皆で歩きだした時にトラックのおっちゃんが通りがかり、なんとトラックの荷台に乗せてくれた。おっちゃんやさしい。 荷台では風が気持ちよく最高な気分だった。

トラックの荷台
おっちゃんに迂回路の入り口まで送ってもらい、そこから白樺荘まで歩く。白樺荘で温泉に入らせてもらい、畳の上でお菓子を食べながらくつろいだ。

バスを乗り継いで静岡へ帰った。

総括
雪を期待して南アルプスに行ったが、当然のごとく雪はほとんどなかった。

予定通り聖岳まで縦走できたので良かった。

2010年8月26日木曜日

2010年8月18~25日 飯豊川本流

行程

8月18日 静岡=東京=胎内市
8月19日 胎内にて準備
8月20日 駐車場ー湯平温泉ー550m廊下手前
8月21日 ―下部ゴルジューヒルカル入口
8月22日 ーヒルカルの悪場ー孫右衛門出合
8月23日 ーノコギリ尾根ー洗濯沢出合
8月24日 ー孫右衛門ー駐車場=胎内
8月25日 胎内市
メンバー

佐々木、永井、小坂(京都府立医科大山岳部)、ヘイキ

5日かけて全行程の半分で敗退。自分の力無さを感じたが充実した遡行だった。蛇も食えた。これからどんどん、ゴルジュ突破能力を上げていきたい。

text:ヘイキ photos:ヘイキ、小坂

8月18日
静岡/東京=埼玉=胎内

永井が静岡から、ヘイキが東京からケンケン宅に移動、晩ご飯ご馳走になって高速で胎内まで。ついたのは朝。

8月19日
胎内市

胎内のBC(ケンケンのお父さんの家)で北海道から来る小坂を待ちながら準備し、登山道具屋さんで買い足したりして、夜の前夜祭では久保田の万寿をご馳走になった。うれしすぎる。

8月20日 快晴
駐車場(10:00)―湯平温泉(14:00)―廊下手前(17:00)

立派過ぎる鍵がかかっていて車が加治川治ダムまでしか入らなかった。12km林道を地下足袋で挑戦!インナーソールは2重にすべきだった。小坂が蛇を追いかけるが捕まらず。蒸し蒸し猛暑の中、延々と続く林道の末、湯平温泉に到着。温泉のおじさんがこれうえない酸っぱい梅干しをくれた。ありがたや。

温泉が熱すぎて入れなかった。ちょっと休憩して遡行開始。最初から激流と戦う。川が白く泡立ち、底が見えなくて苦労するところもあった。午後4時から幕営地を探したがゴルジュの中でなかった。自衛隊経験の永井が、ちょっと斜面でも何とか寝れるよ、と左岸の樹林帯をさした。もろい壁を登ってみたら、なんと頑張って寝られそうな場所があった。

薪刈りはロープを出して、懸垂で幕営地まで運んだ。50cm*50cmのちょっと平らなところで火を灯し、ウィンナーと食べ、ビールを飲み、入渓を祝った。寝る場所が狭く、小坂の足がぶらぶらしていて、ザックも夜中に一回転んで落ちたが面白い初日だった。

8月21日 快晴
起床(5:00)―第1巻終了(7:30)―第2巻(8:15)―第2巻終了(9:30)―ヒルカル手前(11:30)―行動終了(12:30)

朝起きて、ご飯食べて、目の前に見える廊下が通れそうでなかったのでそのまま巻いた。しばらく川を楽しんで行くと手を拒む滝が出て、これを右岸の岩場を抜けたブッシュ帯より巻いた。

また楽しく行くと今度はでかいチョックストーンの滝で、左のチムニーしか登れそうにない。しかしチムニーの取り付きまで激流である。ハンマーを投げて、20回目くらいで引っかかって、小坂がFIXを張る。作業が終わった時点で昼過ぎ。ヒルカルの突破をやって見るか、少し戻ったところでビバークするか、悩むがヒルカルの途中では泊まれそうにないから行動を早く打ちきって宴会にする。

8月22日 快晴
起床(5:00)―ヒルカルの大曲がり(7:30)―人工トラバース上(8:45)―巻開始(9:50)―巻終了(16:00)―孫右衛門沢出合(17:00)

起きて早速前日のFIXに向かう。激流の水が冷たいが、荷揚げで体が温まる。少し進むと左岸に聳える砦が現れ、川が90度曲がる。ヒルカルの悪場である。そこに入ってみるとまずは水流の中を歩く。幸い、深くない。次にさらに狭い激流になるが、右側の壁が登れそうだ。低く登ってボルダームーブで抜けるか、高く登ってトラバースするか。永井が潜って、小坂が永井の肩に乗ってボルダームーブを突破。次にちょっと迷うが残置ハーケンにアブミをかけて川に降りる。

次は滝の上で岩から岩へ飛び込まないといけない。小坂はノリがいいのでリードをお願い。ぎりぎり何とかなって、荷物を4人で引っ張り上げながら運ぶ。永井が落ちて流されそうになるが下の石に立てた。全員揃って、上流に進んで、今度は大靜だ。ヘイキが泳いでみるがちょっと厳しい。右岸の岩場からブッシュと、高巻くことにする。1P目、もろい滝の右上まで。2P目、壁と巨岩の間を右へトラバース。3P目、木を頼りに垂壁のルンゼを抜け、緩傾斜帯へ。4人なのでここまで3時間。

ブッシュを延々と巻く。メンバーの心が折れ始める。途中の枝沢でシマヘビをゲット!蛇を焼くことが楽しみになり辛くても巻きつづける。不動滝とその手前の雪渓も見れる。いよいよ緩い尾根について、沢に戻れた。6時間の長い、長い巻だった。その場で泊まりたい人もいたがベストではなかったので、30分上流の孫右衛門沢出合まで歩いた。ちょっと飛び込みもあったがつかれていたのでどうでもよかった。

夜の宴会はおいしいご飯、おいしいお酒、おいしい蛇で一日の疲れが取れた。

8月23日 快晴
起床(5:20)―ゴルジュ手前(8:00)―リッジ(9:30)―岩場(10:45)―引き返し点(12:00)―ゴルジュ手前(16:30)―洗濯沢出合(17:30)

今日どこまでいけるかで成功か敗退が決まるとの覚悟で出発。上部ゴルジュにつくとまず、登れそうにない廊下の滝。右岸のルンゼを尾根上に抜ける。怖いがロープを出さない。尾根上に出たら、下に見える雪渓を観察。一番奥が切れており、そこに滝があり、左右の壁がジャンプしても届きそうにない。選択肢は二つ、雪渓に降りて、切れる手前から右岸のルンゼに入って、急なブッシュから巻くか、今いる尾根を登って、大きく巻くか。尾根を上部まで抜けたら比較的にやさしくトラバースできそうな緩いブッシュ帯があったので後者にした。

しかし、1時間くらい登ったら、なんと岩場にぶつかった。ちょっと偵察してからクライミングシューズで右から登ることにした。垂直に近いところもあったがIII級程度。上に抜けたらナイフエッジ。まだよかったが、さらに登ったらブッシュに被われた急傾斜のナイフエッジになった。登ろうにしても半端ない時間がかかる。

先が暗くなった。ここからはトラバースもできず、登りもできず、戻るしかない。しかしもう昼過ぎなので雪渓に降りてもどこまでいけるだろう?いろいろともっとも早そうな下り道を考えたところ、登ったところを降りて、懸垂できるくらい木があることを祈って、洗濯沢まで戻るしかない、と分かった。時間のロスが大きすぎて、もう成功させる日数がない。

懸垂とクライムダウンを何時間かかけて繰り替えして、最後に50m懸垂をして、沢に立った。腕が猛烈に日光を喰らっていた。下りの滝で飛び込みをしたり、洗濯沢出合の快適な幕営地についた。

8月24日 快晴
起床(5:30)―孫右衛門沢出合(7:40)―登山道(9:40)―駐車場(16:20)

孫右衛門沢の左俣を登って、水が多そうな方を選びながらいったらヤブ漕ぎ3分で登山道についた。今度、ここから沢に入ってリベンジできるように目印を貼っておいた。シマヘビを一匹捕まえた。湯平までは3時間程度の登山道歩きだった。ついたらまた梅干しをいただき、温泉に入った。相変わらず激熱だったが日焼けにいいと思い込み我慢した。近くのボルダーから釜に飛び込んだりして小坂が半回転で痛い思いをした。さっぱりして、駐車場までの登山道でまたぐたぐたして、またシマヘビ一匹捕まって、車についた途端、疲れが骨まで感じた。時間の感覚がおかしくなるほどどきどきまんまりの5日間が終わった。

8月25日 快晴
胎内市

ケンケンが蛇の呪いで倒れて入院。
























総括
行ったことのあった沢の中で、群を抜いて素晴らしい。5日間常に緊張感を持ち、緩みがなかった。

反省点として、天気で恵まれていたのに完成できなかったことは時間のロスが原因。まず、2日目の行動を早く打ちきったことについてだが、ヒルカルは結局偉い時間がかかったので、もし2日目に行って同じルートを選んだら、大変な目にあっただろう。しかし、ヒルカルのトラバースそのものは問題があった:大靜をまともに泳ごうとせず巻いてしまったことが、諦めが早すぎた(水の冷たさの根性が足りなかった・・)。もし不動の滝下の雪渓まで頑張れたら、巻が3時間少なくて済んだかもしれない。最後、4日目の巻だが、上に行かず雪渓に降りるべきだった;実際に行ってみたら何とかなったかもしれない。次回の課題である。

全体を通して、非常によかった。今回は完成できなかったがまた来年、上部に挑戦したい。蛇たち、待ちな!